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熱中症

の緊急度チェックと対処法、受診目安

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症状ごとの緊急度をチェック

オンライン診療で受診できるか、対面診察が必要かは、重い症状の有無で判断が可能です。

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医師監修でわかる

  • 症状の特徴と注意点
  • 赤ちゃん・子どもの対処
  • 病院のかかり方

もしかしたら熱中症かも?気付くことが大切

熱中症は、重症になる前に気付き対処することがとても大切です。
熱中症の初期症状には、立ちくらみやめまい、足がつる、だるいなどがあります。
熱中症は早い段階で気付き、対処をすれば症状が改善する場合が多いです。
体からのサインを見逃さず、早めに対処できるようにしましょう。

熱中症のサインに気が付かなかったり、対処が遅れてしまうことで重症化することがあります。
重症化すると体内が高温になり、複数の臓器が機能しなくなることもあります。

【対面で診察?救急車?オンライン診療?迷ったら】今の症状と適した受診先

受診が必要な症状について知っておきましょう。

緊急度チェックでは、症状に応じた受診先をすぐに判定できます。

判断に迷う時の相談先

 119番(救急車)

大人も子どもも、以下の症状に一つでも当てはまる場合はすぐに119へ連絡しましょう。

  • 意識がない
  • 呼びかけに応えない
  • 呼びかけへの反応がおかしい
  • けいれん(ガクガクとひきつけがある)
  • 手足の運動障害(まっすぐに走れない・歩けない)
  • 高体温(体にさわると熱い)

至急受診を

大人も子どもも意識が今ひとつはっきりせず、ぼーっとしていて以下の症状がある場合は救急外来を受診しましょう。

  • 頭痛
  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 全身のだるさ
  • 集中力や判断力の低下

受診が必要

意識障害はみられない場合でも、以下の症状がある場合は早めに医療機関を受診しましょう。症状が改善しなければ早めに受診しましょう。

  • めまい
  • 失神
  • 立ちくらみ
  • 眠気がないのにあくびが出る(生あくび)
  • 手足のしびれ
  • 筋肉痛
  • 筋肉の硬直(こむら返り)

様子を見よう

例えば涼しい場所で休憩し、水分補給をするなど適切な対処(応急処置)をおこない、症状が改善した場合は様子をみてもよいでしょう。

気になる症状がある場合は速やかに受診してください。ファストドクターのオンライン診療でも相談が可能です。

受診するときのポイント

受診の際は以下のように時系列で状況を伝えるとよいでしょう。

余裕があればメモなどを作成しておくとよりスムーズです。

  • いつから(◯月◯日から)症状があるか
  • どのような症状があるか
  • 症状があらわれる前の行動や環境(外でスポーツを◯時間していたなど)
  • 持病はあるか
  • 持病などで飲んでいる薬があるか

病院の持ち物リスト(優先順)

緊急時(救急車)も必ず持参

  • スマートフォン/携帯電話
  • 家族の連絡先がわかるもの
  • お財布
  • お薬手帳(持病がある場合は必ず)

持参が必要

  • 保険証
  • 医療証
  • 診察券

※保険証・医療証が無いと、費用が一時的に10割負担となることがあります

子どもに必要

子どもは下記も準備しましょう。

  • 着替え
  • おむつ
  • おしりふき
  • ビニール袋2−3枚
  • 大きめのタオル(フェイスタオル等)

熱中症の対処方法や応急処置は?

熱中症の症状があらわれたときには、以下の手順で対処しましょう。

まず意識の確認をする

意識がはっきりしている場合は応急処置をおこない、症状が良くなるか様子を観察しましょう。

意識がない場合はすぐに119番へ連絡し、救急車が到着するまでに応急処置をおこないましょう。

応急処置(1):涼しい場所へ移動する

エアコンが使用できる室内や車内、外であれば日陰へ移動してできるだけ涼しくし、安静にする。

注意点

熱中症の症状がある場合、めまいやふらつきがあり転びやすいです。
大人は支える、子どもは抱き抱えるなどして転ばないように注意しましょう。

119番を行なっている場合は、救急隊の指示に従い救急車の到着場所から離れすぎないように注意しましょう。

応急処置(2):体を冷やす

氷や保冷剤、屋外で周辺にお店がない場合は自動販売機などで冷たい缶の飲み物など、体を冷やせるものを準備しましょう。

アルミやスチール缶はペットボトルに比べて熱伝導率が高いので体を冷やしやすく、おすすめです。

首筋・脇の下・足の付け根に体を冷やせるものを挟んだり、置いてください。

注意点

冷やすものが準備できない場合は、衣服をゆるめてあおいだり、冷やしたタオルで体を拭くことでも効果があります。
衣服をゆるめるときには首筋・脇の下・足の付け根があおげるよう、次のことに注意しましょう。

  • 服の首元をゆるめ、首筋を出す
  • 両手を挙げ、バンザイの状態にする
  • 足の付け根が出るようにズボンやスカートをずらす、または脱がせる

応急処置(3):水分をとる

意識がある場合は水分をとりましょう。
水分補給に望ましい順番は、経口補水液、スポーツドリンク、麦茶、水です。

注意点

誤嚥(誤って空気の通り道へ水が入ってしまうこと)する危険性があるため、
意識がない・意識が朦朧としている場合は絶対に無理に水分をとらせないください。

横になって休んでいる場合などには、必ず上体を起こして水分をとらせてください。ぐったりしている場合には体を支えてあげましょう。

知っておこう!熱中症5つのポイント

熱中症は体に熱が溜まった状態

熱中症は簡単に言うと、脱水と高体温によって起こります。
人間は体温を下げるときに、汗をかくことと、皮膚から熱を逃すことで体温調節をおこないます。
そしてその指令は脳から出されます。
これらがさまざまな要因によって妨げられることで、体に熱が溜まってしまい、脳がうまく機能しなくなります

熱中症をおこす要因

  • 高温:熱を逃がしにくい
  • 多湿:汗が蒸発しにくい
  • 脱水:汗となる水分量が不足
  • 高体温:脳の機能低下→さらに体温調節できなくなる

後遺症につながることも

熱中症はまれに後遺症が残る可能性のある病気です。
熱中症の症状が重症であるほど、重い後遺症を残してしまう可能性があります。
後遺症が残る原因は、熱に弱い脳細胞が、熱中症で体が高温になることでダメージを受けるためです。
このことから、熱中症は予防することと、初期症状に気付き適切に対処をおこなうことがとても大切だと言えます。

知っておきたい豆知識

高熱でも後遺症を残す?

高熱の原因に脳炎や髄膜炎など隠れている場合を除き、高熱の症状だけで後遺症を残すことはありません。

では何故熱中症は後遺症が残る可能性があるのか。ポイントは脳が制御しているかどうかです。風邪で高熱になるときは、脳が司令を出して体温を上げることで原因菌やウイルスと戦っています。そのため、脳が制御している熱であるといえます。対して熱中症は外的要因から高体温となっているため脳が制御できない(していない)高体温なのです。そのため体温を下げられず、後遺症を残す可能性があるのです。

 

子どもの熱中症は気付きにくい

子どもは以下の理由から熱中症になりやすく、発症しても気付きにくい傾向があります。

  • 大人より身長が低いため、直射日光に加え地面の照り返しによる熱の影響を多く受けること
  • 体温調節機能が未熟であること
  • 体の水分量が多く脱水症状になりやすいこと
  • 自分の体の不調をうまく言葉で伝えられないこと

子どもの熱中症は、本人も気付かないことが多いため、突然中等度以上の症状が現われることもよくあります。

子どもの熱中症に早い段階で気付くには、大人の手助けが必要です。近くにいる大人が子どもの変化や異変に気付き、体調管理のサポートをおこないましょう。

室内でも起こる

室内だからといって熱中症にかからない訳ではありません。
直射日光に当たらなくても、室温が上がることや風通しが悪いこと、水分不足から熱中症になることがあります。
室内でも熱中症の症状には注意をして過ごしましょう。

寝ている間に熱中症になることもあります

「夜は日差しがなくて、日中より気温が下がるから熱中症にかかる心配は少ない」熱中症に対してこんな印象を持っている方もいるのではないでしょうか。

実は夜寝ている間に熱中症を発症することもあります。

もしも朝起きた時点で、立ちくらみ、めまい、頭痛、足がつるなどの症状があったら熱中症の疑いがあります。

涼しい場所で水分補給をおこない休みましょう
症状が改善しない、悪化するようであれば医療機関を受診しましょう。

知っておきたい豆知識

寝ている間に熱中症を発症するしくみ

日中の気温が高いと家の壁や天井が暖められ、熱が蓄えられることで室温が高くなります。 また、寝ている間は気付かないうちに、たくさんの汗をかきます。

室温が高いと普段よりも汗をかくため脱水症状になりやすい状態となります。眠っていて気付かないうちに熱中症をおこしてしまうことがあるのです。夜間もエアコンなどで室温・湿度を調整し、熱中症対策をおこないましょう。

夜間以外にこんなシーンにも注意を

  • 気温だけじゃない、湿度が高い場合も要注意
  • 体が熱さに慣れていない春にも要注意
  • 乳幼児・妊婦・高齢者・持病のある人は注意

熱中症の症状で受診するか迷ったらオンライン診療も利用できる

「緊急度を確認したけど、すぐに受診するほどではなかった。このまま様子をみていいの?」と不安を感じたら、ファストドクターのオンライン診療で医師に相談することが可能です。症状に応じて対面診療をご案内いたします。

※お薬の処方は医師の判断によります。

※相談の結果、直ちに対面診療へのご案内になった場合、診察料は請求いたしません

※全国エリアで対応していますが、医療機関がない離島在住の方はご利用になれません。

熱中症の原因や症状は?

熱中症の原因

熱中症は、さまざまな原因が重なり発症に至ります。
これを熱中症の因子といいます。

因子が揃うほどに熱中症を起こしやすくなるため注意しましょう。

原因となる因子

因子の例

環境
  • 気温が高い
  • 湿度が高い
  • 日差しが強い
  • 閉め切った室内
  • エアコンがない
  • 高齢者、乳幼児、妊婦
  • 持病のある人
  • 脱水症状
  • 体調不良
行動
  • 激しい運動
  • 長時間の屋外作業

熱中症の症状

初期症状のうちは、涼しいところで休む、体を冷やす、水分補給をおこなうなど、適切に対処することで症状が改善する可能性があります。

熱中症の初期症状

意識がはっきりしていて、以下の症状がある

  • めまい
  • 失神
  • 立ちくらみ
  • 生あくび
  • 手足のしびれ
  • 筋肉痛
  • 筋肉の硬直(こむら返り)

子どもの熱中症のサイン

  • いつもと様子が違う
  • 元気がない、異様に疲れている
  • 暑いはずなのに汗をかいていない
  • 赤ちゃんの場合、ふだんと泣き声や泣き方が違う

熱中症が関連する病気

熱中症と症状が似ている病気

  • 脳梗塞

後遺症として残る可能性のある症状

  • 中枢神経障害
  • 高次機能障害
  • 嚥下障害
  • 小脳失調
  • 歩行障害

熱中症の予防方法

熱中症の予防では、塩分や水分の補給と体温を上げすぎないことが大切です。

具体的には以下のように対策をおこないましょう。

こまめな水分補給を。30分おきに200ml程度の冷たい水分をとろう

人の体が一度に吸収できる水分量の目安は200ml(コップ1杯分)です。
これ以上は体に吸収されず胃に溜まってしまいます。

汗をかく量や年齢にもよりますが、できれば15〜20分、最低でも30分おきには水分をとりましょう。「喉が渇いた」と感じてからではすでに脱水状態になっている場合があります。

適温は5〜15℃で、飲んだときに冷たいと感じられる温度だと体に吸収されやすいと言われています。

水分補給に最適な飲み物は、塩分などの電解質を含む飲み物です。

水だけを飲むとかえって脱水症状が悪化してしまうこともあります。
スポーツドリンクや麦茶を選ぶようにしましょう。

適度な塩分補給

熱中症予防で大切なのは水分補給ですが、水だけを摂取するとかえって脱水症状を悪化させ、熱中症発症のリスクを高めてしまう可能性があります。
とくに大量の汗をかく場合には塩分も補給するように意識しましょう。

塩分タブレットは持ち運びに便利です。
また、塩分と糖分を含むため、水やお茶と一緒に摂取しましょう。

※子どもは窒息などに注意が必要です。

おしゃぶり昆布や梅干しなども効果的です。

※摂取しすぎには注意しましょう。

室内ではエアコンや扇風機を活用

室内で直射日光が当たらなくても熱中症になる可能性があります。

エアコンや扇風機を使うなどして、熱がこもらないように注意しましょう。

室内の気温と湿度管理

最適な環境は、室温28℃以下・湿度40〜60%です。

熱中症予防において、室温と同じくらい重要なのが湿度です。湿度が65%以上になると熱中症に警戒する必要があります。

直射日光を避ける

日差しの強い日には帽子や日傘を活用し、直射日光を避けてください。
屋外を歩くときや、外で活動するときには日陰を選ぶようにしましょう。

あついと感じたら内と外から冷やす

体があついと感じたら冷やしましょう。

体の外側を冷やすために、涼しい場所(木陰など)への移動、扇風機やうちわであおぐなどの方法があります。

体を内側から冷やす方法には、冷たいものを飲む・食べるなどがあります。

赤ちゃん・子ども・妊婦・高齢者が熱中症にかかるシチュエーションと理由

赤ちゃんや子どもが熱中症になりやすい理由

  • 体温調節機能が未熟で、汗をかくことや体温を下げることに時間がかかるため、体に熱がこもりやすく体温が上昇しやすい
  • 体の水分量が大人より多いため気温の影響を受けやすい。気温が体の表面温度より高くなると熱を逃すことが難しくなる。
  • 大人と比較して身長が低いことで、直射日光だけでなく、地面からの熱の照り返しによる影響を受けるため、大人より子どもの方が熱い環境になる。
  • 5歳未満の子どもでは気分不快や体調の変化をうまく伝えられないことで発見が遅れてしまう

赤ちゃんや子どもの熱中症に注意したいシチュエーションと対策

抱っこ紐の使用

密着して過ごすことで熱がこもりやすいため、抱っこ紐を使用する場合は通気性のよい素材を選んだり、保冷剤を使用するなどしましょう。

ベビーカーで長時間過ごす

ベビーカーの中は、背中がベビーカーに密着したり、サンシェードに覆われた状態だったりと風通しが悪く熱がこもりやすいです。

また、地面に近いことから照り返しによる影響を受けやすいです。

通気性のよい素材を選ぶ・保冷剤を使用するなど対策しましょう。

遊びに夢中で水分をとらなかった

子どもにとって、危険を予測して行動することは難しいです。

遊びに夢中になっているときは特に、水分をとり忘れて没頭してしまったり、水分をとるように促しても拒否してしまうことがあります。

あらかじめ30分おきに水分をとる約束をするなど、工夫しておく必要があります。

また、これらの管理は必ず大人がおこない、子ども主体にさせないように注意しましょう。

こまめに様子を観察し、熱中症のサインを見逃さないようにするとともに、水分・塩分の補給や木陰など涼しい場所での休憩を促すことが大切です。

妊婦さんが熱中症になりやすい理由

  • 妊娠中はホルモンバランスの変化により、非妊娠時よりも体温が0.2〜0.3℃程高くなる。そのため体温調節がしにくく、暑さに対する耐性が低下する
  • つわりなどで水分摂取量が減る
  • 基礎代謝が高く汗をかきやすいため脱水になりやすい

妊婦さんが熱中症に注意したいシチュエーションと対策

  • 真夏ではないから大丈夫と考え、日中に暑さ対策をせずお散歩に出かけた
  • つわりで水分や食事がとれなかったり、つわりで外の匂いが苦手になったため窓を閉め切った室内で横になって過ごした

妊婦さんは、喉が渇く前からこまめに水分補給をおこない、できれば経口補水液や麦茶などを選びましょう。
日中は涼しい室内でエアコンや除湿機を活用し、外出時は日傘や帽子を使って無理をしないことが大切です。

つわりで水分がとれない場合は、少量ずつ回数を分けて補給しましょう。

また、めまいや立ちくらみなどの初期症状があるときは、無理をせず早めに休むように心がけましょう。

高齢者が熱中症に注意したいシチュエーション

  • 夜トイレが近くなるからと水分を摂取せず就寝
  • 冷えが気になるからエアコンを使用せずに生活した
  • 寝るときにエアコンを使用しなかった

高齢者は喉が渇かなくてもこまめに水分をとりましょう。

日中は涼しい室内でエアコンや除湿機を活用し、室温28℃以下・湿度40〜60%に保ちましょう
直射日光を避ける、風通しのよい服装を心がけるなど基本的な予防をおこなうとよいでしょう。

その他熱中症になりやすいシチュエーション

  • 体が暑さに慣れていない春
  • 気温は高くないが、湿度が高い日

「対処法を調べる」監修医師

監修医師

こうだたかゆき

神田貴行医師

日本小児科学会専門医/博士(医学)
島根大学医学部臨床教授
コンサータ登録医

鳥取大学医学部卒業後、小児科医として16年間病院勤務、11年間発達障害児対応クリニック院長を務めた。現在は小児科を中心にオンライン診療等を行うフリーランス医師としても活動中。

この記事は医師監修のもと、ファストドクター株式会社が制作しています。

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この緊急度チェックは総務省消防庁準拠の緊急度判定プロトコールに基づいて一般的に考える症状を表示しており、診断するものではありません。気になる症状がある場合にはご自身の判断で受診してください。

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