熱性けいれんについて
監修医師:神田貴行 先生(小児科医)
熱性けいれん
乳幼児の急な体温の上昇で起こる
38℃以上の発熱に伴う体温の急激な変化により起こるけいれんのことを熱性けいれんといいます。
熱が出たときに必ず起こるわけではありません。38℃以上の熱が急に出た場合に起こりやすいです。
具体的な症状
- 全身がつっぱる
- 白目をむく
- 呼びかけに応えない(意識障害)
- 手足がガタガタ震える
- 呼吸が荒く不規則
熱性けいれんはなぜ起こる?
熱性けいれんは、熱に弱い未熟なこどもの脳が、急な高熱により異常興奮することで起こると言われています。
大人が熱性けいれんを起こすことは一般的にありません。大人でけいれんの症状がある場合は別の病気が隠れている可能性が高いです。
ほとんどの場合一生に一度しか起こらない
生後6か月〜5歳くらいまでのこどものうち、10人に1人の割合で起こる症状です。
一度熱性けいれんを起こしたこどものうち7割は再発しないといわれており、一生に一度しか起こらないことがほとんどです。残りの3割では熱性けいれんの症状を繰り返す場合もあります。
後遺症は残らない。落ち着いて対処を
一般的な熱性けいれんによって後遺症が残ることはほぼありません。
こどもが発症してしまったら、まずは落ち着いて対処しましょう。
- 余裕があれば、右半身を下に横向きにしましょう
スマートフォンでの動画撮影は必須ではありません。撮影を意識するあまり他の手順を忘れないように注意しましょう。
実際に我が子が白目をむいてけいれんしている様子を目の当たりにすると、パニックになってしまう方もいるかもしれません。
まだ熱性けいれんを起こしたことがないという方も、もしもの場合の対応を事前に確認しておきましょう。
5分がカギ!時間を必ず計る
けいれんが起きたらまず正しい手順を踏んだ上で、時間を計ってください。
けいれんが続いた時間によって、緊急度や病院での対処が変わります。
また、スマートフォンでの撮影は必須ではありません。撮影を意識するあまり他の手順を忘れてしまったということがないようにしましょう。
初めてけいれんしたら必ず医師の診察を
初めて熱性けいれんが起きたら、症状が続いた時間に関わらず必ず医師の診察を受けましょう。
状態が落ち着いていれば救急車を呼ぶ必要はありません。夜間であれば救急外来を受診してください。
こんなときは熱性けいれん以外の可能性も
以下の場合は熱性けいれん以外の病気である可能性があります。詳しい検査が必要なので、必ず医療機関を受診しましょう。
- 3歳以降に初めてけいれんを起こした
- 7歳を過ぎても熱性けいれんを起こす
熱性けいれんの対処
乳幼児がけいれんしたら
1. 患者の顔と体を横向きにする
- 呼吸しやすい体勢にし、吐いたものがのどにつまったり、肺や気管に入ることを防ぎます
- 呼びかけたり、揺さぶることは避けましょう。刺激になってしまいます。
- 余裕があれば、右半身を下に横向きにしましょう。
2. けいれん開始時刻を正確に記録する
- スマホで時刻をスクショして記録するとよいです
- 余裕があればタイマー起動して間隔を把握しましょう
3. 余裕があれば動画を撮影する
- 医師に動画を見せることで、的確な診断につながります。
近年固定電話のない家庭が多い中、スマートフォンでの動画撮影を優先してしまうことで対処が遅れてしまう場合もあります。まず患者の安全確保をおこないましょう。
解熱剤では予防できない
一般的に、解熱剤で熱性けいれんは予防できません。
過去に熱性けいれんをすでに起こしていて繰り返す可能性が高い場合にのみ、予防薬を処方されることがあります。
受診目安
救急車を検討・昼夜を問わず救急外来へ
- 初めてのけいれん(5分未満で治った)
- 熱性けいれんを1日に複数回起こす
様子をみる
- 2回目以降の発症であり、熱性けいれんが5分未満でおさまって意識状態がしっかりしている
「対処法を調べる」監修医師

こうだたかゆき
神田貴行医師
日本小児科学会専門医/博士(医学)
島根大学医学部臨床教授
コンサータ登録医
鳥取大学医学部卒業後、小児科医として16年間病院勤務、11年間発達障害児対応クリニック院長を務めた。現在は小児科を中心にオンライン診療等を行うフリーランス医師としても活動中。
この記事は医師監修のもと、ファストドクター株式会社が制作しています。


