風邪について
監修医師:神田貴行 先生(小児科医)
風邪
「風邪をひく」とは
風邪とは細菌やウイルスが体内に侵入し体の免疫機能が細菌やウイルスに負けると「感染の成立」がおこり、結果として「風邪をひいた」状態になります。
一般的な風邪では主に以下の症状があらわれます。
風邪が長引くときは合併症かも
風邪の症状は1週間ほどで軽くなることがほとんどです。
- 1週間以上経過しても症状が良くならない
- 特定の症状が残っている、悪化した
上記の場合は合併症を起こしている可能性があります。一度医療機関を受診してみましょう。
こんな症状があったら風邪ではないかも
風邪、こんなときは受診を
風邪を引いた際、受診するタイミングに悩むことがあると思います。
以下を目安にし、一つでも当てはまれば受診しましょう。
周囲で感染症が流行っていて症状があらわれたとき
周囲で流行している感染症にかかった可能性があります。 なかでも、インフルエンザ・コロナ・溶連菌感染症は特効薬があります。疑わしい症状がある場合は受診した方がよいでしょう。
※ウイルスを特定するための検査には、発症から12時間以上経過している必要があります。
※検査や処方は医師が必要と判断したときに受けられます。
38.5度以上の発熱が2日以上あるとき
何らかのウイルス感染の可能性があります。つらさを和らげるためにも受診した方がよいでしょう。
大人・こどもともに当てはまる症状
- ぐったりしている
- 何度も嘔吐や下痢をする
- 食事がとれない
- 尿量が少ない
- 症状がつらい、つらそうにみえる
赤ちゃんに当てはまる症状
- ミルクを飲む量が少ない
- 赤ちゃんの症状で判断に悩む
- 市販薬を使用していいかわからない
- 赤ちゃんや持病のある家族と同居しているとき
鼻水吸引を目的に受診しても大丈夫
「こどもの鼻水が多くて苦しそう」「自宅で吸引したけどうまくいかない」など心配な場合は対面の医療機関を受診しましょう。
安全かつしっかりと対処してもらえるので安心です。
赤ちゃんは、言葉で症状を伝えることができないため、機嫌や泣き方、哺乳状況などから様子を観察しましょう。
親から見て、おかしいな・なんとなく心配だというときには迷わず医療機関を受診しましょう。
風邪の対処
乳幼児がけいれんしたら
高熱により、乳幼児が熱性けいれんを起こしてしまったら、以下のように対処しましょう。

1.患者の顔と体を横向きにする
- 呼吸しやすい体勢にし、吐いたものが喉につまったり、肺や気管に入ることを防ぎます
- 呼びかけたり、揺さぶることは避けましょう。刺激になってしまいます。
- 余裕があれば、右半身を下に横向けにしましょう。
2.けいれん開始時刻を正確に記録する
- スマホで時刻をスクショして記録するとよいです
- 余裕があればタイマー起動して間隔を把握しましょう
市販薬でできること・注意点
風邪の症状がつらいときは、市販薬を使用することもできます。以下の注意点を知っておきましょう。
風邪薬は症状を和らげるためのもの(原因菌・ウイルスに直接効果はない)
風邪の場合、特効薬はないため症状を軽くするための対症療法です。体を休めるために一時的に使用するものであると捉えておいてください。
「◯◯止め薬」は治りを遅らせてしまうことも
咳止め薬や鼻水止めなどは、特定の症状を短時間抑えたいときに適しています。しかし、何日も使い続けることは避けましょう。
理由は、そもそも菌やウイルスを体外へ排出するための鼻水や咳を抑えてしまうからです。
これにより菌やウイルスが体に留まり、治りが遅くなる可能性があります。
服用する薬に迷うときは
服用する薬に迷う場合は、薬局の薬剤師に相談したり、できれば医師の診察を受けた方がよいでしょう。
オンライン診療では24時間相談が可能です。
※処方は医師の判断によります。
解熱鎮痛剤の正しい使い方
発熱しているときは、体温が上がりきった後で使用しましょう。
体温が上がりきる前や寒気があるときに解熱鎮痛剤を服用すると、体の免疫が細菌やウイルスと戦うことを邪魔してしまい、治りが遅くなる可能性があります。
熱が上がりきる前に体を冷やすことも同じ理由で避けましょう。
解熱鎮痛剤の使用を勧める状況
- 頭痛や喉の痛みなど熱以外の症状がつらい場合
- 38.5℃を超える場合
- こどもが熱でつらそう、不機嫌な場合
対症療法の薬は「症状を緩和して体を休める手伝いをしてくれるもの」と捉えましょう。
薬を使用すると、一時的に症状が緩和されますが、原因となる細菌やウイルスは体内に残っているため、風邪が完治したわけではありません。
薬で一時的に症状が軽くなっても、安静にし体を休めるようにしましょう。
自分でできる対処方法
免疫力を高める
風邪の原因となる細菌やウイルスをやっつけるのは自分の免疫です。免疫力を高めることが風邪を早く治すための近道でもあります。睡眠や水分補給、食事を意識しましょう。
睡眠を充分にとる
水分を積極的にとる(大人は1日1.5〜2L)
食事をしっかりとる
症状にあった薬を使用する
風邪と似た症状があらわれる病気
特効薬がある感染症
高熱(38℃以上)が起こりやすい感染症や病気
症状に発疹をともなう感染症や病気
麻疹(はしか)
風疹
水ぼうそう
手足口病
突発性発疹
ヘルパンギーナ
溶連菌感染症
川崎病
受診目安
救急車を検討・昼夜を問わず救急外来へ
- 初めてけいれんを起こした
- 水分がとれない
- ミルクが飲めない(赤ちゃん)
- 尿の量や回数が極端に少ない
- 尿が濃い
- ぼーっとしていて元気がない
- 泣いているのに涙が出ない
医療機関が開いている時間帯に速やかに受診
- 38.5℃以上の熱がある
- つらい症状や気になる症状がある
- 周囲で感染症が流行っているなか症状があらわれた
- ぐったりしている
- 何度も嘔吐や下痢を繰り返す
- 食事がとれない
- 尿量が少ない
- 症状がつらい、つらそうにみえる
赤ちゃん
- ミルクの哺乳量が少ない
- 受診で判断に悩むとき
- 市販薬を使用していいかわからないとき
- 持病のある家族と同居しているとき
風邪が疑われる際は
オンライン診療で相談可能です
夜間に発熱。
病院は開いていないし、
オンライン診療受けてみようかな…
不安なとき
オンラインですぐに
医師に相談できます
24時間365日、全国エリアで対応
移動なし、自宅で受診
保険証・医療証が使えます
診察前に以下の注意事項をご確認ください
- オンライン診療で対応が難しいと医師が判断した場合、対面診療をご案内する場合もあります。(その場合、診察料は請求いたしません)
- お薬の処方は医師の判断によります。
- 全国エリアで対応していますが、医療機関がない離島在住の方はご利用になれません。
「対処法を調べる」監修医師

こうだたかゆき
神田貴行医師
日本小児科学会専門医/博士(医学)
島根大学医学部臨床教授
コンサータ登録医
鳥取大学医学部卒業後、小児科医として16年間病院勤務、11年間発達障害児対応クリニック院長を務めた。現在は小児科を中心にオンライン診療等を行うフリーランス医師としても活動中。
この記事は医師監修のもと、ファストドクター株式会社が制作しています。


