手足口病について
監修医師:神田貴行 先生(小児科医)
手足口病
こどもの三大夏風邪の一つ
手足口病は主に手のひらや足の裏、口の中、口の周りなどに発疹や水疱ができる感染性の病気です。
感染しやすいのは…
・7〜8月
・感染者の8割以上が4歳までのこども
特に2歳以下を中心に流行
・保育園や幼稚園で集団感染することがある
感染経路は…
・飛沫感染
・接触感染
・糞口感染(便として排泄されたウイルスが口に入ってしまうことによる感染)
発疹・水疱は手足口以外にもできる
手足口病の主な症状は…
・発熱しないか、しても37℃〜38℃台の発熱
39℃以上の発熱はまれ
・発疹や水疱ができる
(手足、口の中や周り、腕、おなか、お尻、下半身など)
・口の中にできた水疱は痛みを伴う
痛みがひどいと食事や水分を摂ることが難しくなる場合があります。こどもは脱水になりやすいため注意しましょう。
・発症の数週間後から数ヶ月後に爪が剥がれることがある
大人の方が重症化しやすい
こどもよりも大人のほうが症状が強くあらわれたり、長い期間続くなど、重症になる場合が多いと言われています。
手足口病の原因となるウイルスは複数あります。そのため感染を繰り返したり、1シーズンに複数回感染したりする可能性があります。
大人であっても同様なので、こどものときにかかったから大丈夫だと思わず、感染対策を行いましょう。
特効薬はない
手足口病には特効薬はありません。つらい症状を和らげる処方(対症療法と言います)が行われます。
医師からの処方を受けることで痛みや症状を和らげることが可能なので、我慢せず早めに受診しましょう。
手足口病の対処
脱水症状に要注意
口の中にできた水疱や潰瘍の痛みで食事や水分が摂れなくなり、脱水症状を起こすこともあります。医師から薬を処方してもらうことで痛みを和らげることが可能なので、症状が辛い場合は受診しましょう。
おしっこが極端に少ない、色が濃い場合は脱水症状のサインです。
飲み物が飲める場合は経口補水液がおすすめですが、苦手な場合は麦茶などでもよいでしょう。オレンジジュースなど酸味が強い飲み物は水疱に染みて痛みを感じることがあります。
水疱を潰さない
水疱ができたら潰さないようにしましょう。
中の体液にはウイルスが含まれるため、潰れることで感染が全身へ広がったり、触れた人へ感染する場合があります。
水疱が破れてしまったら
破れた部分には触らない
水疱内の液体にはウイルスが入っており感染の危険性があります。破れた部分には触らず、皮を剥がさないようにしましょう。
ガーゼを被せて保護し、医療用テープで固定する
水疱内の液体に触れてしまったり、ガーゼの交換を行う前後には流水と石鹸でよく手を洗いましょう。
湯船は避け、シャワーで済ませる
シャワーの間はガーゼを外し、終わったらまたガーゼで保護しましょう。シャワーのお湯がかかっても問題はありません。
水疱に変化が見られたら受診を
水疱が破れるということは、本来皮膚が持っているバリア機能がなくなるということです。
病気とは別に菌が入る可能性があるため、清潔なガーゼで覆って保護する必要があります。
水疱の周りが腫れたり、赤い、熱いといった変化が見られた場合は速やかに医療機関を受診しましょう。
こどもが泣き止まない原因は水疱の痛みかも
口の中にできた水疱、または水疱が悪化して潰瘍になると、強い痛みが現れます。
そのため、赤ちゃんや小さなこどもの場合は泣き止まない、不機嫌といった状態が続く場合もあります。
医師からの処方を受けることで痛みを和らげることが可能なので、我慢せず早めに受診しましょう。
爪が剥がれた場合の対処法
手足口病の原因ウイルスの中には、爪の根元に入り込み水疱をつくるウイルスが存在します。
ウイルスの影響で正常に爪を作れなくなり、その部分が少しずつ伸びることで爪が剥がれてしまうことがあります。
手足口病に感染してから数週間後~数ヶ月後に爪が剥がれはじめ、剥がれる爪は1枚のこともあれば数枚のこともあり個人差があります。
自然に剥がれるのを待つ
手足口病が原因で爪が剥がれる時には、痛みはほとんどありません。
爪が浮いてきても、無理に剥がさず自然に剥がれるのを待ちましょう。
気になるようなら絆創膏などを貼ると良いでしょう。
手足口病の感染対策
便の処理に注意
症状が治っても便の中には数週間から1ヶ月以上もウイルスが存在します。
家族間での感染を防ぐためにも、赤ちゃんやこどもの便を処理するときは触れないよう注意し、処理後は必ず手を洗いましょう。
アルコール消毒が効きにくい。手洗いで対策を
原因であるウイルスは、アルコール消毒が効きにくいという特徴があります。
そのため基本的な感染予防対策は流水と石鹸での手洗いです。
登園目安
手足口病には出席停止期間は設けられていません。こどもの様子から出席できるかを判断する必要があります。熱が下がって一日以上が経過し、その他の症状が収まっていれば登園の目安と考えましょう。
受診目安
救急車を検討・昼夜を問わず救急外来へ
- 水分がとれずぐったりしている
- ミルクや母乳が飲めない
- 尿の量や回数が極端に少ない
- 尿が濃い
- ぼーっとしていて元気がない
- 泣いているのに涙が出ない
医療機関が開いている時間帯に速やかに受診
- 周囲で手足口病が流行している中、微熱と発疹が出た
- 熱はないが発疹や水疱があらわれた
- こどもが手足口病に感染したあと、同居する家族にも症状があらわれた
手足口病が疑われる際は
オンライン診療で相談可能です
口周り、手足にブツブツ…!
手足口病なの?
病院行ったほうがいい?
不安なとき
オンラインですぐに
医師に相談できます
手足口病の
オンライン診療に対応
24時間365日、全国エリアで対応
移動なし、自宅で受診
保険証・医療証が使えます
診察前に以下の注意事項をご確認ください
- オンライン診療で対応が難しいと医師が判断した場合、対面診療をご案内する場合もあります。(その場合、診察料は請求いたしません)
- お薬の処方は医師の判断によります。
- 全国エリアで対応していますが、医療機関がない離島在住の方はご利用になれません。


