マイコプラズマの症状は?風邪との違いやどんな咳が出るのかを解説

公開日: 2024/02/01 更新日: 2024/11/13
「マイコプラズマ肺炎の症状は?」 「大人と子どもで症状に大きな違いはあるの?」 マイコプラズマ肺炎と言われ、思い浮かべるのは咳症状や発熱です。 早めに治療を開始し、適切な治療をおこなわないと悪化する可能性もあるため、症状についてきちんと理解しておかなければいけません。 この記事ではマイコプラズマ肺炎の症状や、風邪との違いについて解説します。 大人と子どもの違いや、マイコプラズマ肺炎の咳の特徴についても紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
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マイコプラズマ肺炎の症状をチェック

マイコプラズマ肺炎の症状は咳以外にもさまざまな症状があらわれます。[1]

おもな症状

  • 発熱

  • 頭痛

  • 倦怠感

  • 痰が絡まない乾いた咳

そのほかの症状

  • 声のかすれ

  • のどの痛み

  • 耳の痛み

  • 消化器症状(腹痛・吐き気・下痢など)

  • 胸痛

  • 皮疹

  • 喘鳴(呼吸をするときにゼーゼー、ヒューヒューと音がする)

マイコプラズマ肺炎は、発熱や頭痛、全身のだるさ、痰を伴わない咳などのかぜに似た症状があらわれます。

感染してもほとんどの人が気管支炎で済み、症状は軽いことが多いです。一部の人では重篤な肺炎が起こり、入院が必要になることがあります。

2024年はマイコプラズマ肺炎が流行しています。

マイコプラズマ肺炎は細菌の一種「マイコプラズマ・ニューモニエ」によって引き起こされる病気です。学童期や青年期に多いのが特徴ですが、幼児から成人まで幅広い年齢層にみられます。

症状があらわれる順番として、発熱症状が1週間ほど続き、その間に咳症状が徐々にあらわれる傾向です。発熱症状は最低37度程度ですが、人によっては40度まで上がり、5日ほど続きます。

咳の症状はひどくなり、夜も眠れなくなるほどの症状が続くのです。発熱症状が治まっても咳症状は2~3週間継続し、完治するまで時間がかかります。

関連記事:「マイコプラズマ肺炎は咳だけではない?症状や特徴についてチェック」

関連記事:「マイコプラズマ肺炎の原因は?感染経路や予防策についても解説

乾いた咳や発熱などの症状がありませんか?
  • 発熱
  • 頭痛
  • 倦怠感
  • 痰が絡まない乾いた咳

このような症状は、ただの風邪ではなく「マイコプラズマ肺炎」の可能性も。

できるだけ早く適切な治療を受けるためにも、オンライン診療を依頼しましょう。

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かぜとの症状の違い

マイコプラズマ肺炎のかぜとの違いは、鼻水や鼻づまりといった鼻の症状が少ないことです。ただし幼児では鼻炎症状がみられることもあるため、鼻の症状だけで判別することはできません。

マイコプラズマ肺炎は痰の絡まない乾いた咳が徐々にひどくなり、長期にわたり続くのもかぜとの違いです。咳は経過にともない、湿った咳へと変化することもあります。

また感染したおよそ10%の小児には湿疹がみられ、菌が耳に侵入すると中耳炎で耳が痛くなり、25%はおう吐や下痢などの胃腸症状が起こります。

ほかの疾患との併発や重症化を防ぐためには、早期治療が重要です。咳や熱の状態をしっかり観察し「いつものかぜと少し違うな」と違和感を感じたら、早めに医療機関を受診しましょう。

マイコプラズマ肺炎がうつる確率

マイコプラズマの感染力はそれほど強くありませんが、長時間一緒にいるとうつる可能性が上がります。

患者の咳のしぶきを吸い込んだり、患者と身近で接触したりすることにより感染すると言われています。

感染拡大の速度は遅く、保育園や学校などでの短時間の接触により感染が拡大する可能性も高くありません。

しかしマイコプラズマ肺炎は家庭内ではうつりやすいため、注意が必要です。

マイコプラズマ肺炎がうつる期間

うつす・うつされる期間は症状のある間がピークですが、保菌は数週~数か月間持続します。感染後の潜伏期間は2~3週間で、2週間経たずに発症するケースも少なくありません。

周りにインフルエンザの感染者がいた際には、できるだけ濃厚接触は避けるようにしましょう。

関連記事:マイコプラズマ肺炎は人にうつるの?症状や治療法についても解説

マイコプラズマ肺炎の症状は大人と子どもで違いはあるのか

マイコプラズマ肺炎の症状に、大人と子どもでそれほど違いはありません。ですが子どもの方が感染しやすいという特徴を持ちます。

 

大人

子ども

湿った咳

乾いた咳

弛張熱(しちょうねつ)

5日間ほどの発熱

重症化

呼吸不全や胸水貯留になりやすい

悪化しにくい

マイコプラズマ肺炎は大人の方が悪化しやすいと言われていますが、子どもでも約5日間の発熱症状が続きます。

大人の場合は最低体温が37度以上で、1日の体温差が1度以上ある弛張熱(しちょうねつ)になりやすく、熱が上がったり下がったりしてつらい状態が続くことも特徴です。

健康な成人が重症化することはまれですが、高齢者は呼吸不全や胸に水が溜まる胸水貯留を起こし、危険な状態になる可能性があります。

関連記事:「大人のマイコプラズマ肺炎の特徴とは?症状チェックシートでセルフチェック」

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マイコプラズマ肺炎になったらどんな咳が出る?

マイコプラズマ肺炎による咳症状は、乾いた咳です。激しい咳、一度出始めたら止まらない咳を思い浮かべる人も多いでしょう。

子どもは完治するまで乾いた咳が続き、夜も眠れなくない日が続きます。大人も乾いた咳が出ますが、徐々に痰を絡んだような湿った咳に変化するケースがあるのです。

関連記事:急にむせる咳の原因は?対処法や検査方法についても解説

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マイコプラズマ肺炎の症状を早く治す方法はある?

マイコプラズマ肺炎を早く治すなら、抗菌薬での治療を早めにおこなってください。

原因菌であるマイコプラズマ・ニューモニエを体から追い出さなければならないため、2つの治療法を並行しておこないます。

  • 発熱や咳に対しての対症療法

  • 抗生剤を用いた原因療法

発症すると発熱が約5日間続くため、体力がかなり削られると予想されます。

マイコプラズマ肺炎は感染しても軽症ですむ人がほとんどと言われていますが、そうは言っても発熱症状が数日間続き、咳の症状で睡眠を邪魔されるためかなりつらいです。

重症化したり合併症を引き起こしたりすると、場合によっては入院して専門的な治療を受ける必要があります。そのため重症化させないためにも対症療法をおこなうのです。

また2000年以降は、抗生剤に耐性を持つ「耐性マイコプラズマ」が多く検出されており、とくにコロナ渦以降は抗生剤が効かないケースが目立っています。

1種類の抗生剤で効かず、数種類使ってようやく効果がみられるケースも少なくありません。

関連記事:「マイコプラズマ肺炎の治療薬について解説 子どもにも使える市販薬はあるの?」

発熱や咳に対しての対症療法

マイコプラズマ肺炎の症状を和らげるための薬を使用します。おもに処方されるのは以下の3種類です。

  • 鎮咳薬(ちんがいやく)

  • 去痰薬(きょたんやく)

  • 解熱鎮痛薬

のどの痛みが激しいときはのどの腫れを抑える薬が処方されます。呼吸がつらい場合だと、ステロイドの吸入薬を使用するケースもあります。

症状により処方される薬が異なるため、医療機関を受診した際には自分の症状をしっかり説明できるようにしておきましょう。

関連記事:咳と痰が絡むのはなぜ?どのくらい症状が続いたら受診するべきかも解説

抗生剤を用いた原因療法

マイコプラズマ肺炎の原因であるマイコプラズマ・ニューモニエを体から除去するために、抗生剤を使用します。

一般的な肺炎に対して使用されるペニシリン系やセフェム系抗菌薬は、残念ながら効果がありません。その際、マクロライド系抗菌薬が用いられます。

薬を医師の指示通りに服用し、マクロライド系抗菌薬で改善しなければ、キノロン系やテトラサイクリン系(※8歳以上に限る)を使用します。

コロナ渦以降、抗生剤の供給が少なく、薬局によっては対応できる抗生剤の在庫がないというケースも少なくありません。

抗生剤を処方された際には、薬局に問い合わせをして在庫の有無を確認してから来局するようにした方が賢明でしょう。

マイコプラズマ肺炎の症状はほっといても治るのか

マイコプラズマ感染症だった場合は、ほっといても自然に治ります。感染症と肺炎では定義が少し異なり、肺炎になったほうが症状としては重いです。

マイコプラズマ感染症だった場合はほっといてもよいですが、肺炎になっていないからといって症状が軽いというわけではありません。

とくに小さな子どもや高齢者は抵抗力も低く、合併症を引き起こしたり重症化したりする可能性が高いため、できれば医療機関を受診した方がよいでしょう。

感染症のうちに対処し、肺炎となる前に抗生剤を使って原因菌を除去することが重要です。

近年では抗生剤が効きにくくなっているケースも

抗生剤を服用しても「一時的には効いているが飲みきった後にぶり返す」「飲んでいても効かない」といったケースが増えています。

2000以降はマイコプラズマに対して効果が見られない耐性マイコプラズマが検出されることが多いです。

とくに2024年は感染者も爆発的に増えているため、抗生剤が効かずにつらい症状が続いている感染者が目立ちます。

マイコプラズマ肺炎の症状が治まったら仕事や学校に行ってもいい?

マイコプラズマ肺炎の症状が治まったからと言ってすぐに仕事や学校に行っていいというわけではありません。学生の場合は、学校保健安全法にのっとって登校の可否を医師が決定します。

マイコプラズマ肺炎の場合は「感染のおそれがないと認めるまで」とされており、少しふわっとしていて明確に決められていません。

医師が「学校に行っても問題ないでしょう」と判断したら登校できます。仕事の場合はガイドラインもないため、症状が治まったら出勤する人もいます。

会社によっては「医師の指示を仰いでください」と指示を出すところもあるため、ご自身の会社とかかりつけの医療機関に確認しましょう。

まとめ|マイコプラズマ肺炎の症状があらわれたら早めに医療機関へ

マイコプラズマ肺炎の症状は風邪とよく似ており、発症してすぐに判断はつきません。子どもに感染しやすい菌であるため、親御さんは注意深く観察する必要があります。

感染する確率はインフルエンザに比べると高いため、周りにマイコプラズマに感染している

人がいたら予防対策をおこないましょう。

マイコプラズマ肺炎のおもな症状は以下のとおりです。

  • 咳症状

  • 発熱症状

  • 頭痛

  • 倦怠感

大人の方が重症化する可能性が高いため、早めに医療機関を受診するようにしてくださいね。

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参考文献

[1]NIID国立感染症研究所|マイコプラズマ肺炎とは

本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。

具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。

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