マイコプラズマ肺炎の原因は?感染経路や診断方法についても解説

公開日: 2024/02/05 更新日: 2024/11/13
「マイコプラズマ肺炎の原因って何?」 「どうやって感染するの?」 マイコプラズマ肺炎という病気が流行っていますが、何が原因でどこから来たのか不明だからこそ感染することに不安を感じてしまいますよね。 実は適切な感染対策をおこなえば、普段の生活の中で十分に予防が可能な疾患です。 この記事ではマイコプラズマ肺炎の原因を紹介します。 感染経路や診断方法についても解説しますので、感染拡大防止のためにもぜひ参考にしてみてください。
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マイコプラズマ肺炎の原因

マイコプラズマ肺炎の原因となるのはマイコプラズマ・ニューモニエ(=Mycoplasma pneumoniae)という細菌です。

細胞壁をもたないという特徴があるため、細胞壁阻害薬では死滅しないという特徴を持ちます。[1]

マイコプラズマ・ニューモニエは、アルコールや界面活性剤(洗剤や石鹸など)に弱いです。

原因はカビ?

マイコプラズマ肺炎の原因はカビではありません。原因となるマイコプラズマ・ニューモニエは、自己増殖が可能な最小の微生物です。生物学的には細菌に分類されています。

発見された当時は真菌だと思われていました。

そのためカビ・キノコという意味を持つ「myco」と物という意味を有する「plasma」を合わせて「Mycoplasma」と名づけられたといわれています。その後、細菌であることが分かったのです。

名前の由来はカビから来ていますが、実際の原因はカビではありません。

2024年は流行っている?

マイコプラズマ肺炎は8年ぶりに大流行しています。もとは4年ごとに流行する肺炎だといわれており「オリンピック肺炎」とも呼ばれていました。

しかし前回流行したのは2016年で、それ以降は流行していなかったのです。2023年12月から少しずつ感染者が増えていき、じわじわと拡大して2024年9月には一気に急増しました。

1年をとおして関係なく感染してしまうことから、インフルエンザシーズンと重なってさらに感染者は増えていくと予想されています。

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マイコプラズマ肺炎の原因となる感染経路や症状

マイコプラズマの原因であるマイコプラズマ・ニューモニエは、飛沫感染や、接触感染により引き起こされます。

感染後にあらわれる症状は咳や発熱症状が有名ですが、ほかにも顕著にあらわれる症状があります。

感染経路を知っておくことにより、普段の生活のなかでどんなことに気をつければ良いのかが理解できるはずです。

また症状について「風邪なのかコロナなのか分からず不安」に感じている人もいるでしょう。

症状があらわれる順序や特徴についても理解し、医療機関を受診するタイミングも知っておけば安心できるはずです。

感染経路

マイコプラズマ肺炎のおもな感染経路は、飛沫感染と接触感染です。飛沫感染は、感染者の唾液やくしゃみ、咳のしぶきを吸い込んで感染することです。

咳やくしゃみをしている人が近くにいたら、できるだけしぶきを吸い込まないようにマスクをするなどして対策すると感染の可能性を低くできます。

接触感染は感染者の唾液や分泌物がふれた場所にさわり、その手で口や鼻などの粘膜にふれることで間接的に感染することを指します。

感染者の所有物にふれることがあれば、石鹸での手洗いをおこなうことで感染確率を下げることができるでしょう。

関連記事:マイコプラズマ肺炎がうつる期間や確率は?大人の発症についても解説

症状

マイコプラズマ肺炎の代表的な症状は以下のとおりです。

  • 発熱

  • 頭痛

  • 全身のだるさ

咳症状が出現するのは、発熱後3〜5日程度経過してからです。痰の絡まない乾いた咳が特徴ですが、大人の場合は痰がらみの湿った咳へと変化することもあります。

咳は次第に酷くなり、3~4週間程度続きます。[2][3]

発熱やのどの痛みなど、初期段階では風邪と診断され、人によっては軽症で済み自然治癒するケースも少なくありません。

しかし重い肺炎に至る人もいるため、数日以上高熱が続くときや咳が出始めた場合には再度受診することをおすすめします。

関連記事:マイコプラズマの症状は?風邪との違いやどんな咳が出るのかを解説

関連記事:マイコプラズマとは?風邪や一般的な肺炎との違いを解説

マイコプラズマ肺炎が原因で感染するのはどんな人?

マイコプラズマ肺炎に感染しやすいのは、集団生活をしている学生や保育園や幼稚園児などの子どもが多いです。

感染力はそれほど強くないため、短時間の接触でうつることはほとんどありません。

また家庭内や親しい友人間、施設などの閉鎖集団などで過ごしている人たちは感染しやすいことから、感染には濃厚接触が必須であると考えられています。 

関連記事:マイコプラズマ肺炎がうつる期間や確率は?大人の発症についても解説

マイコプラズマ肺炎が原因であると診断する方法

マイコプラズマ肺炎の診断には、マイコプラズマ抗原迅速診断キットを使用することが多いです。細い綿棒で咽頭をぬぐい、専用のキットでマイコプラズマ感染症の有無を調べます。

ただし発熱や咳、だるさなどがあっても、すべての人がマイコプラズマ肺炎の検査をするわけではありません。症状だけでなく、周囲の感染者の有無から、検査が必要かどうかを決めます。

マイコプラズマ肺炎は完治するまでどれくらいの期間を要する?

マイコプラズマ肺炎が完治するまでは大体3週間かかるといわれています。医師からマイコプラズマだと診断され、抗生剤を処方されれば1週間程度で治るでしょう。

抗生剤を処方されなくても、症状が軽ければ2~3週間で治ります。約1か月近く咳症状に悩まされるのもつらいですよね。

少しでもはやく症状をなくす方法を知っていれば、自分だけでなく家族にもはやく対処してあげられるでしょう。

完治までの期間

マイコプラズマ肺炎が完治するまでの期間は3週間だといわれていますが、当然人によって異なります。

3週間もかからずに症状が完治して普段通りの生活に戻れる人もいますが、1か月以上しつこい咳が続いて夜も眠れない日が続く人もいるのです。

基本的には抗生剤を服用し始めれば発熱症状は治まってきます。

その後3週間ほど咳症状が続きますが、マイコプラズマ・ニューモニエを抗生剤で除去できれば自然に咳症状も落ち着いてくるでしょう。

3週間で絶対に完治するとは一概にはいえませんが、おおよその目安として考えておいてください。

早く治す方法

マイコプラズマ肺炎を早く治す方法はありません。しかし適切な抗生剤を適切な期間服用することで、少しでも早く治すことが期待できます。

マイコプラズマ・ニューモニエに対しての第一選択薬は、クラリスロマイシンやアジスロマイシンなどのマクロライド系抗菌薬です。

マクロライド系抗菌薬で治療効果が得られないケースもあり、その際はキノロン系やテトラサイクリン系の抗菌薬を使用することもあります。

ただしテトラサイクリン系抗菌薬は、8歳未満では原則禁忌であることも知っておきましょう。[4]

関連記事:マイコプラズマ肺炎を早く治す方法とは?仕事は何日休むべきかを解説

関連記事:マイコプラズマ肺炎の治療薬について解説 子どもにも使える市販薬はあるの?

まとめ|マイコプラズマ肺炎の原因を理解して感染を拡げないようにしよう

マイコプラズマ肺炎の原因は、マイコプラズマ・ニューモニエ(=Mycoplasma pneumoniae )という細菌です。

発見されたときは真菌だと思われたため、カビやキノコの意味をもつ「myco」と名づけられましたが、カビが原因ではありません。

マイコプラズマは感染力がそれほど強くなく、感染経路は飛沫感染と接触感染であるため、日々の感染症対策によって十分に予防することができます。

マイコプラズマ肺炎にかからない、うつさないためには日頃から手洗いやうがいなどの感染症対策をおこなうことが大切です。

また家庭内や親しい友人間などの濃厚接触では、感染の確率が高くなります。自分が感染しているときはもちろんのこと、身近に感染者がいる場合には周囲の人もマスクの着用をおすすめします。

細菌が原因であるため、人から人へ感染する病気です。自分から感染を拡大させないように気をつけましょう。

参考文献

[1]マイコプラズマ肺炎 Mycoplasma pneumonia | 東京都感染症情報センター

[2]マイコプラズマ肺炎とは|国立感染症研究所

[3]マイコプラズマ肺炎|厚生労働省

[4]第20章 抗生物質と薬剤耐性|日本ウイルス学会

本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。

具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。

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