マイコプラズマ肺炎は人にうつるの?症状や治療法についても解説

公開日: 2024/02/01 更新日: 2024/03/23
自分や家族など身近な人がマイコプラズマ肺炎になってしまった時、うつるのではないかと不安になりますよね。 マイコプラズマ肺炎は人にうつることがある感染症です。 しかし感染力はそこまで強くないため、感染経路や特徴などを知り、正しく対策することで感染拡大を防ぐことができます。 この記事では、できるだけ感染を防ぐために知っておくべきマイコプラズマの感染経路やうつさない・うつらないためのポイントを解説します。 また、基本的な治療法や出勤してもいいのかなどについても解説していますので、是非参考にしてください。
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マイコプラズマ肺炎は人にうつるの?

マイコプラズマは人から人にうつる細菌感染症です。

感染力はそれほど強くないため、集団感染などは少ないですが、家族や友人などの濃厚接触者となりうる人にうつることが多い病気です。

しかし、感染症は感染経路を途中で断つことができれば感染を防ぐことができます。

マイコプラズマ肺炎の感染経路を知り、有効な感染対策をしていきましょう。

マイコプラズマ肺炎の感染経路

マイコプラズマ肺炎の主な感染経路は、飛沫感染と接触感染です。

飛沫感染とは、マイコプラズマ肺炎にかかっている人の咳やくしゃみ、会話中に飛んできた唾などを吸い込むことにより感染することを指します。

接触感染とは、感染者が触れたドアノブや手すりなどを触り、その手で目や鼻、口といった粘膜に触れ、間接的な接触をして感染することを指します。

しかし、マイコプラズマ肺炎は比較的感染力が弱い細菌であるため、学校などで短時間接触した程度で感染することはほとんどありません。

親しい友人間や家族間での濃厚接触による感染、もしくは施設などの閉鎖集団での感染拡大が主であるといわれています。

うつる可能性、期間はどのくらい?

感染してから症状が出現するまでの潜伏期間は、2~3週間といわれています。

潜伏期間が終わり、症状が出現している間が感染力のピークです。

その後、症状が治まってからも4~6週間程度は保菌している状態にあります。

ピーク時ほどではありませんが、潜伏期間や症状が治まった後も、保菌している間は感染力があることを覚えておきましょう。

症状が出現している時はもちろんのこと、日頃から外出後や食前の手洗いなどの感染症対策を継続して行うことが望ましいです。

また、咳やくしゃみがあるときはマスクを着用するなど周囲に配慮する必要があります。

先述したように、マイコプラズマ肺炎は感染力が比較的弱いため健康な大人が普通の生活をしていてうつる確率はそこまで高くはありません。

しかし家庭内では濃厚接触になりやすく、感染の可能性も高くなるので注意してください。

マイコプラズマ肺炎にかからない、うつさないためのポイント

マイコプラズマ肺炎は、インフルエンザや一般的な風邪と同じように、手洗いやうがいで予防することができます。

特に、石鹸やハンドソープなどに含まれる界面活性剤で力を失うため、手洗いの際は石鹸やハンドソープを利用すると良いでしょう。また、こまめな換気も有効です。

マイコプラズマ肺炎は、一年を通じてみられる病気ですが、冬場にやや増加する傾向にあります。

特に冬はインフルエンザウイルスなどのその他の感染症も流行しやすい季節です。

流行しているといわれている時期は、人ごみはできるだけ避け、マスクを着用するように心掛けましょう。

また、マイコプラズマに対する予防接種(ワクチン)は今のところありません。

マイコプラズマ肺炎になったら出勤してもいいの?

マイコプラズマ肺炎には明確な出勤停止期間は設けられていません。

しかし、マイコプラズマ肺炎には有効とされる抗菌薬が存在するため、適切な抗菌薬治療が行われており熱が下がっていれば出勤できるといえるでしょう。

そのため、マイコプラズマ肺炎が疑われるときは、必ず医療機関を受診して適切な抗菌薬治療を受けるようにしましょう。

出勤が可能な状態であっても、数週間はまだ自分自身が保菌しているということを意識して、マスクの装着やこまめな手洗いなどを心掛けてください。

マイコプラズマ肺炎は初期症状では風邪と間違われることも多く、その後の長引く咳によって肺炎が発見されることも少なくありません。

多くの場合、気管支炎のような症状を示しますが、まれに重症肺炎の状態になることもあります。

特に大人は、子どもと比べてマイコプラズマ肺炎が重症化しやすいといわれています。

そのため、早期発見し適切な治療を受けることが重要です。

解熱してから2日は出勤を避けるのがおすすめ

先述したように、明確な出勤停止期間は設けられていないため、会社によって判断は異なります。そのため、会社や医療機関と十分に相談して出勤を決めましょう。

出勤を決める際には、他の人にうつしてしまう可能性も考えなくてはいけません。

症状が出ている間は特に感染力が強いため、熱が下がってから2日程度は出勤を避けたほうが良いでしょう。

また、熱が下がっても咳がひどい場合には十分に療養することをおすすめします。

出勤する際はしっかりとした感染対策を

マイコプラズマ肺炎は、症状が治まった後も4~6週間程度は保菌している状態にあります。

そのため、出勤する際は以下のような感染対策を行いましょう。

  • マスクを着用する

  • 手洗いやうがいをこまめに行う

  • 密な空間は避ける

  • 定期的な換気を行う

  • 対面での接触や長時間の会話を避ける

  • 食事は別室で食べる など

特に咳やくしゃみが続いている時は、しぶきから他の人にうつしてしまうことがあるのでマスクをしていても人に向かって咳をしない、ハンカチで覆うなどの咳エチケットを守りましょう。

マイコプラズマ肺炎は再感染するの?

マイコプラズマは麻疹などのウイルス性疾患とは異なり、一度かかると一生かからない免疫ができるわけではありません。

罹患後数週間や数か月で再感染することはありませんが、数年経つと再感染することもあります。場合によっては、1年程度でも再感染することがあるといわれています。

マイコプラズマ肺炎とは

マイコプラズマ肺炎は「マイコプラズマ・ニューモニエ:Mycoplasma pneumoniae」という細菌の一種によって引き起こされる病気です。

幼児から成人まで幅広い年齢層でかかるとされていますが、6~12歳程度の子どもに最も多くみられます。[2]

今までは、幼児がマイコプラズマに感染した場合、肺炎まで至らずに風邪症状程度で自然に治ることがほとんどでした。

しかし、最近では幼児でも肺炎に至る症例が増えてきています。

そのため、咳が長引いている時には風邪だからと放置せず医療機関を受診することをおすすめします。

また、一度かかっても十分な免疫は獲得できないため、何度もかかることがあります。

関連記事:「マイコプラズマ肺炎は咳だけではない?症状や特徴についてチェック」

マイコプラズマ肺炎の症状

感染して2~3週間は潜伏期間といい、症状が出現しません。

その後、発熱や頭痛、全身のだるさ、気管支炎の症状などが出現します。この時点では風邪や急性上気道炎などと診断されることも多いでしょう。

発熱後3~5日程度すると、咳症状が出現します。次第に咳症状は酷くなり、解熱後も3~4週間と長く続くのが特徴です。

咳は痰を伴わない乾いた咳が特徴的ですが、特に年長児や青年では、後期には痰がらみの咳となることも多いです。

関連記事:「マイコプラズマ肺炎の症状は?かぜとの違いを解説」

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マイコプラズマ肺炎は合併症を引き起こすことも!

合併症を引き起こすことはまれなので、必要以上に恐れる必要はありません。

ただし、合併症も早期発見することで適切な治療を早く受けることができ重症化を防ぐことができるため事前に症状を知っておきましょう。

【比較的多く出現する合併症】

  • 気管支喘息

  • 気管支炎

  • 発疹

  • 鼻炎

  • 中耳炎

  • 副鼻腔炎

  • 消化器症状(食欲不振、嘔気、嘔吐、下痢等) など

【稀な合併症】

  • 髄膜炎

  • 胸膜炎

  • 心筋炎 など 

[1][3]

マイコプラズマ肺炎の治療方法

マイコプラズマ肺炎の原因となるマイコプラズマは細菌であるため、抗菌薬(抗生物質)が効果的です。

しかし、他の肺炎治療に使用されるペニシリン系やセフェム系抗菌薬では効果がなく、主にマクロライド系のクラリスロマイシンやエリスロマイシンなどの抗菌薬が第一選択薬です。

マクロライド系抗菌薬で改善しなければ、ニューキノロン系やテトラサイクリン系(※テトラサイクリン系は8歳未満には原則禁忌)を使用します。[4]

更に、呼吸困難があるときはステロイド薬を点滴で投与します。

重症の場合は入院となることもある

軽症の場合1週間程度の治療で軽快していきますが、重症例の場合は1カ月以上の入院治療が必要となることもあります。

マイコプラズマ肺炎の重症化する理由は人によってさまざまですが、早期発見・早期治療によって可能な限り重症化を予防することが大切です。

一度風邪と診断されても、発熱や咳が長引く人はもう一度医療機関に相談してみましょう。

まとめ:マイコプラズマ肺炎を正しく知り、感染拡大を防ごう

マイコプラズマ肺炎は人にうつることもありますが、感染力は比較的低く感染拡大を防ぎやすい感染症であるといえます。

ただし、長時間同じ空間で生活している家族などは接触する場面が多く、感染する確率が高くなります。

マイコプラズマは、一般的な風邪と同じように手洗い・うがいやマスクの着用などの基本的な感染症対策で十分な予防が可能です。

人にうつさない、人からうつされないために、基本的な感染対策を日頃から心掛けるようにしましょう。

また、一度風邪と診断されても、熱や咳が長引いている時はもう一度医療機関に相談することをおすすめします。

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参考文献

[1]マイコプラズマ肺炎とは|国立感染症研究所

[2]マイコプラズマ肺炎|厚生労働省

[3]マイコプラズマ肺炎に関するQ&A 平成23年12月作成、平成24年10月改訂|厚生労働省

[4]小児肺炎マイコプラズマ肺炎の診断と治療に関する考え方|日本小児科学会

[5]マイコプラズマ感染症 - 茨木市‐|はら小児科クリニック

 

記事監修
  • 名倉 義人
    救急科専門医

    ・平成21年 名古屋市立大学医学部卒業後、研修先の春日井市民病院で救急医療に従事 ・平成23年 東京女子医科大学病院 救急救命センターにて4年間勤務し専門医を取得 ・平成27年 東戸塚記念病院で整形外科として勤務 ・令和元年 新宿ホームクリニック開院

    日本救急医学会、日本整形外科学会

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