突発性発疹は親や兄弟、赤ちゃんにうつる?感染の原因から対処法まで解説

公開日: 2024/03/01 更新日: 2024/06/24
子どもが熱を出すと、兄弟や親にうつるのか心配ですよね。家族全員で体調を崩すのは、極力避けたいことでしょう。 この記事では、突発性発疹が親や兄弟、小さな赤ちゃんにうつるのかをお答えしています。 ほかにも突発性発疹の看病に役立つ、感染の原因や対処法などもお伝えします。
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突発性発疹は人にうつるのか

結論から言うと、突発性発疹は人にうつる感染症です。突発性発疹に感染した経験がある人にはうつりませんが、感染した経験がない人にはうつる可能性があります

ここからは以下の内容を説明します。

  • 両親や身近な大人にもうつるの?

  • 一緒に過ごしている兄弟にはうつるの??

  • 小さな赤ちゃんにはうつるの?

家族の年齢によって、突発性発疹がうつるリスクは異なります。感染経験によってうつるかうつらないのかが異なる原因も含めて、順番に見ていきましょう。

両親や身近な大人にもうつるの?

突発性発疹は、両親を始めとする大人にはほとんどうつりません。

なぜなら、大人は突発性発疹に対する抗体があるからです。突発性発疹は通常2歳までにほぼ全員がかかります。一度感染すると抗体ができるため、その後かかることはありません。 

「突発性発疹になったかなんて分からない」

「突発性発疹にかからなかったと、親に言われた」

このような方もいらっしゃるでしょう。しかし、突発性発疹にかかっても症状が出ない方が2〜4割ほどいるため、実際はほとんどの大人が突発性発疹にかかっているのです。[1]

そのため、抗体がある大人は感染の心配がありません。状況に応じて仕事や買い物、外出などを普通にしても大丈夫です。

一緒に過ごしている兄弟にはうつるの??

一方、まだ突発性発疹にかかっていない兄弟は抗体がないため、うつる可能性があります。

とはいえ、神経質になる必要はありません。2歳までにほぼ全員がかかる病気のため、兄弟もいつかは感染するからです。

突発性発疹は唾液からうつります。一度感染した人の唾液からは常に少量のウイルスが出ているため、いつ突発性発疹がうつるかは分かりません。両親・兄弟と一緒に暮らす限り、感染を避けることは不可能です。

そのため、兄弟にうつる可能性はありますが、別の部屋で過ごす、マスクをさせるなどの特別な対応は必要ないでしょう。 

また、突発性発疹の原因ウイルスは2つの型(ヒトヘルペスウイルス6型・7型)があるため、ウイルスの型が違うともう一度かかる可能性もあります。

しかし、病院でウイルスの種類や抗体の有無を調べることはなく、対処方法も同じです。兄弟にうつった場合も、最初に突発性発疹になった子と同じように看病してあげてくださいね。

小さな赤ちゃんにはうつるの?

小さな赤ちゃんがいると、兄弟の病気がうつらないか非常に心配ですよね。

赤ちゃんの場合、母親から受け継いだ抗体がある生後6か月ごろまでは病気にかかりにくいと言われています。しかし免疫には個人差があり、生後4か月ごろから突発性発疹にかかる赤ちゃんは珍しくありません。[2]

そのため、赤ちゃんが初めて高熱を出すのは、突発性発疹によるケースが多いです。

兄弟への感染でも説明したように、突発性発疹にかかったことのある人は常に唾液からウイルスを排泄しています。

今回隔離したとしても、生活するうちにいずれ赤ちゃんにもうつります。家族と生活する以上、赤ちゃんの感染を避けることは非常に困難と言えるでしょう。

しかし、もし赤ちゃんに突発性発疹が移っても、重症化することはあまりありません。初めての高熱で不安かと思いますが、しっかり水分を取らせて治るのを待ちましょう。

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幼稚園・保育園は休ませた方がいい?

突発性発疹の熱が出ている間は幼稚園・保育園を必ず休ませ、熱が下がっても発疹が出ている3〜4日間は休ませましょう。

実は突発性発疹はインフルエンザや新型コロナウイルスのように、登園停止になる日数は定められていません。熱が下がる頃には人にうつすリスクも下がるため、熱が下がって1日ほどすれば登園できます。[3]

しかし、発疹が残る頃は機嫌の悪い子供が多く、免疫も下がっているために他の病気をもらいやすい状態です。

体力や免疫力を回復させるために、熱が下がっても発疹が消えるまで登園は待ったほうが安心です。

幼稚園・保育園によっても対応が異なるため、登園できる正確な日にちは子どもが通っている園に確認してください。

外出したり、お友達と遊ばせるのは大丈夫?

熱が下がれば人にうつす可能性は下がるため、外出したりお友達と会ったりしても問題はありません。 

しかし、前述したように、熱が下がっても子供の体力や免疫は弱ったままです。免疫が弱っているとそのまま風邪や感染症にかかり、療養期間が長引いてしまうケースもあります。できれば発疹がある3〜4日間は、家でゆっくり休ませましょう。

発疹が出ているうちは機嫌も悪くなりがちです。機嫌が悪いと、楽しく過ごすのは難しいのではないでしょうか。他の病気にかかるのを避けるためにも、熱が下がって発疹も消え、子供の機嫌が良くなるまで予定を延期するのがおすすめです。

もしやむを得ず出かけるなら、人ごみは避けて子供の様子を見ながら、短時間の外出にとどめてください。

突発性発疹とは?症状や原因をおさらい

ここからは突発性発疹について、以下の基本的事項をまとめて説明します。 

  • 突発性発疹の症状

  • 潜伏期間

  • 原因・感染経路

  • 突発性発疹の治療法

  • 気を付けたい合併症

原因や症状を頭に入れておくと、子供の体調が悪化した時に落ち着いて行動できます。いっしょに見ていきましょう。

突発性発疹の症状

突発性発疹の症状は、以下の通りです。

  • 38度以上の高熱が3~4日出る

  • 熱が下がると発疹が出る

  • さらに3~4日後には発疹も消失する

  • 下痢やリンパの腫れが出る子供もいる

発疹は2mm〜1cmほどの小さな赤いもので、胴体部分(お腹、背中、胸など)から顔、手足に広がるケースが多いです。発疹に痛みやかゆみはなく、跡が残ることもありません。 

一般的な風邪とは原因ウイルスが違うため、咳や鼻水がないのも特徴です。

また、患者さんの2〜4割ほどは無症状(不顕性感染:ふけんせいかんせん)で、症状が出ないまま回復する例もあります。

関連記事:突発性発疹の不機嫌がやばい!不機嫌のピークやいつまで続くのかを解説

潜伏期間

突発性発疹の潜伏期間は、10日ほどです。

熱が高い時の感染力は高いのですが、熱が下がって発疹が出る頃には弱まります。

一度感染すると、突発性発疹の原因ウイルスは感染者の体内に潜伏し続けます。そのため、大人になっても唾液から少しずつウイルスを排出しますが、本人に突発性発疹が再発することは通常ありません。[4]

原因・感染経路

突発性発疹はヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)と7型(HHV-7)により起こる病気です。ウイルスが2種類あるため、型が違えば2回かかる可能性もあります。

生後6か月〜2歳までにほとんどの子供が感染し、5歳以上の子供がかかるケースは非常に珍しいと言われています。一度かかれば抗体ができるため、同じウイルスに二度かかることはありません。

特に流行する季節はなく、1年を通じて平均的に発生する病気です。

原因となるウイルスは唾液でうつるので、感染経路は親や兄弟の唾液が多いと言われています。具体的には顔を近づけた時や、食器、スプーンなどの共用時などです。

ほとんどの人に感染歴があるため、誰もがウイルスを出し続けています。たとえ食器の兼用に注意をしても、感染を防ぐのは難しいと考えられています。

突発性発疹の治療法

突発性発疹には、飲み薬や塗り薬などの特効薬はありません。自分の免疫でウイルスを抑え込み、自然治癒するのを待ちましょう。 

熱でぐったりしている時は、解熱剤を使うのもおすすめです。ウイルスを殺すわけではありませんが、一時的に身体が楽になりぐっすり眠れます。

薬で熱を下げるのに抵抗があるなら、嫌がらない範囲でわきの下や首すじを冷やす方法もあります。おでこに貼る冷却シートに熱を下げる効果はなく、口に入ると窒息のおそれがあるため、注意してください。

また、熱が高いと脱水症状を起こしやすいので、水分はしっかり取らせましょう。脱水症状になると以下の症状があらわれます。[5]

  • 元気がなく、ぐったりしている

  • 半日以上おしっこが出ない

  • 泣いても涙が出ない

  • 目が落ちくぼんでいる

  • 唇や舌が乾いている

  • 皮膚にハリがない

一度に大量の水分を取らせるより、少量をこまめに飲ませる方が効果的です。子供の様子を見ながらできるだけ水分を与え、脱水症状がみられる場合はすぐにかかりつけの小児科に受診してください。 

3〜4日たっても熱が下がらない、発疹が引かないなどの場合も、再度受診して経過を見てもらってください。

気を付けたい合併症

突発性発疹が重症化することはあまりありませんが、合併症を起こすケースもまれにあります。 

以下の症状があるときは合併症の可能性があるため、ただちにかかりつけの小児科に受診しましょう。[6][7]

症状

可能性のある合併症

  • 2~3分ほどのけいれん発作がある

  • 意識がもうろうとしている

熱性けいれん

  • 5分以上続くけいれん発作がある

  • 意識がもうろうとしている

脳炎・脳症

  • 皮膚・白目が黄色くなっている

劇症肝炎
(げきしょうかんえん)

  • 何もしなくても皮膚に紫色のあざができる

血小板減少性紫斑病
(けっしょうばんげんしょうせいしはんびょう)

 けいれんもすぐに止まった場合は、焦らずに受診すれば大丈夫です。5分以上けいれんが続く場合や意識が戻らない場合は、すぐに救急車を呼んでください。

けいれんの様子や持続時間は、受診時の診断に役立ちます。可能であれば、スマートフォンでけいれんの様子を録画しておきましょう。

お風呂に入っても大丈夫?

熱が高い時の入浴は体力を奪うため、控えた方が良いでしょう。発疹が出てからはうつらないため、熱が下がり元気があればお風呂に入って大丈夫です。

熱がある時は、濡らしたタオルやおしりふきで身体や陰部・お尻などを拭いてあげてください。 

汗をかいたらこまめに着替えるのも、清潔を保つのに効果的です。

こういった場合は違う病気かも(はしか・水疱瘡・ヘルパンギーナ)

突発性発疹以外にも、熱と発疹が出る病気はいくつかあります。ここからは突発性発疹と似た症状の出る以下の病気について、突発性発疹との違いも含めて説明します。

  • はしか

  • 水疱瘡(みずぼうそう)

  • ヘルパンギーナ

病気が違えば、治療法も異なります。病院に行かないと危険な病気もあるため、確認しておきましょう。

はしか

以下の症状がある時は、はしか(麻疹:「ましん」とも呼ぶ)の可能性があります。はしかは非常に感染力が強く、肺炎、中耳炎などの合併症も起こりやすいやっかいな病気です。

  • のどの痛みや咳、鼻水などの風邪症状がある

  • 口の中に1mmほどの白い発疹ができる

  • 熱が出始めてから2~3日後に熱が上がり、39度以上になる

  • 高熱とともに体中に赤い発疹が出る

はしかには咳や鼻水の風邪症状があり、発疹が出ても熱が続くのが突発性発疹との大きな違いです。

1歳になったときに風疹・麻疹の予防注射(MRワクチン)を接種しますが、受けていない場合は注意が必要です。特別な治療法はなく、合併症がなければ7〜10日で自然回復します。

しかし、症状が強いため病院の受診がおすすめです。感染力の強いはしかは、他の患者さんにうつさないように部屋を分けて対応します。必ず医療機関に連絡してから受診してください。[8][9][10] 

水疱瘡

以下の症状がある場合は、水疱瘡(みずぼうそう)の可能性があります。

  • かゆみのある発疹が頭皮、体幹(胸やお腹、背中)、手足など全身に出ている

  • だるさや38度程度の熱が2~3日出ている

  • 発疹は数日後にかゆみのある水ぶくれ、かさぶたへと変化している

突発性発疹との違いは、水疱瘡の発疹は非常にかゆいことです。

かゆくて子供が掻いてしまうと、掻いた傷口に細菌が繁殖し、膿んでしまう可能性があります。(二次感染)

薬を飲まなくても治りますが、水疱瘡の原因ウイルスには抗ウイルス薬があります。発疹をかゆがる場合は水疱瘡を疑い、早めに小児科または皮膚科へ受診するのがおすすめです。[11]

水疱瘡の詳しい症状については、以下の記事でも紹介しています。

「水疱瘡(水痘)について知ろう」

ヘルパンギーナ

以下の症状がある場合は、夏風邪の一種であるヘルパンギーナの可能性があります。

  • 口の中に水ぶくれがある

  • 熱が2~4日ほど出ている

  • のどの痛み、腫れがある

ヘルパンギーナの発疹は口の中にでき、全身には出ないのが突発性発疹との違いです。ヘルパンギーナも抗ウイルス薬はなく、本人の免疫力による回復を待ちます。 

熱やのどの痛みが辛ければ解熱剤が処方されます。必要に応じてかかりつけの医療機関を受診してください。暑い夏に多い病気のため、水分は意識してとらせると良いでしょう。[12]

 

ヘルパンギーナの詳しい症状については、以下の記事でも紹介しています。

「ヘルパンギーナについて知っておきましょう」

まとめ

突発性発疹はほとんどの人が感染し、特別な治療をしなくても自然に回復する病気です。抗体を持つ人が多いため、人にうつさないよう過剰に注意する必要はないとされています。

熱が高い時は脱水症状を起こさないようこまめに水分補給をし、けいれんや熱が下がらないなどの場合はすぐに医療機関にかかりましょう。 

この記事の内容を参考に、落ち着いて子供のケアをしてあげてくださいね。

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参考文献

[1]国立感染症研究所:突発性発疹とは

[2]東京都保健医療局:突発性発疹

[3]クリニックプラス:突発性発疹

[4]田辺三菱製薬:突発性発疹の症状・治療法

[5]石川県医師会:こどもの救急

[6]国立感染症研究所:病理の立場から見た急性脳炎・脳症

[7]いしいこどもクリニック:突発性発疹の原因・症状・治療

[8]厚生労働省:麻しんについて

[9]厚生労働省検閲所:麻しん(はしか)

[10]藤原小児科クリニック:子どもの発熱~病気のとき~

[11]国立感染症研究所:水痘とは

[12]国立感染症研究所:ヘルパンギーナとは

 

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