インフルエンザで熱が上がったり下がったりする理由
インフルエンザで熱が上がったり下がったりする理由は、いくつか考えられています。
その理由の一つとして、二峰性発熱(にほうせいはつねつ)があります。
この章では、子どものインフルエンザに多くみられる二峰性発熱について詳しく説明します。[2][3]
関連記事:「インフルエンザの症状は?感染期間中の症状の経過もチェック」
子どもに多い二峰性発熱(にほうせいはつねつ)
二峰性発熱とは、高熱が続いた後に半日~1日程度熱が下がり、また発熱するという発熱の山が2回ある症状です。
大人はほぼみられず、子どものインフルエンザに多くみられます。
二峰性発熱は子どもに多い症状であり、多くの場合は心配ありません。
しかし、インフルエンザはまれに、肺炎や脳症などの合併症を起こすことがあります。
一般的なかぜとは症状が異なるので、発熱とともに息苦しさや意識障害にも注意が必要です。[2][4][5][6]
詳しい理由はまだわかっていない
インフルエンザで二峰性発熱がみられる理由は、はっきりわかっていません。[1]
ただし、考えられている理由はいくつかあります。
二峰性発熱の原因として考えられているのが、ウイルスの再増加です。
子どもは免疫機能が成長途中のため、大人よりも病原体に対する抵抗力が弱いです。
熱が下がったからといって安静にせず、体を動かすと抵抗力が弱っている体に対してウイルスが再び活発になり発熱します。
これが二峰性発熱の原因として考えられている理由です。[1]
その他の理由としては、抗ウイルス薬の効き目が不十分であるためにウイルスが増加し、熱が再び上がってしまうことが原因と考えられています。
インフルエンザによる二峰性発熱は、大人ではなく子どもに多いことがわかっています。
インフルエンザの悪化?熱が上がったり下がったりするときの対処法
一度下がった熱がまた上がってくると、インフルエンザが悪化したのかもしれないと不安になるでしょう。
しかし、二峰性発熱は子どものインフルエンザによくみられる症状であり、インフルエンザが悪化しているわけではありません。
また、熱が上がったり下がったりするときの、薬を使うタイミングや受診目安についても詳しく紹介します。
インフルエンザが悪化しているとは限らない
熱が上がったり下がったりしていても、インフルエンザが悪化しているとは限りません。
原因ははっきりわかっていませんが、インフルエンザの経過として二峰性発熱は珍しくないです。
熱が下がりきらない場合の対処として重要なのが、安静です。
熱が一度下がっても動いてしまうと、ウイルスが活発になり、再度発熱を引き起こす可能性があります。
熱が下がりきらない間は、水分をこまめにとり、食事ができる場合は消化の良いものを食べて安静に過ごしましょう。
熱が上がっていても手足が冷たく、寒さを訴えているときは、身体を温めます。
高熱で暑がっているときは毛布や布団を減らしたり、着替えたりして暑さを逃がすよう対処しましょう。
熱が上がったり下がったりするときの薬を使うタイミング
熱が下がっていても処方された抗ウイルス薬は、必ず飲み切りましょう。
抗ウイルス薬の使用を中断すると、すべての病原体を排除できず、残ったウイルスが再び症状を引き起こす可能性があります。抗ウイルス薬は飲み切ることが重要です。
抗ウイルス薬と共に多くの方が、解熱剤を処方されるでしょう。
現在処方されている解熱剤の多くは、アセトアミノフェンという比較的安全な薬です。
解熱作用は少し弱く、熱が下がりきらないと心配になるかもしれません。しかし、体温が1〜2度下がったら効果があると考えましょう。
解熱剤は一時的に熱を下げる効果がありますが、熱が十分に上がる前に使用すると効果が得られません。
熱がある状態でも、手足が冷たく寒そうにしている場合、まだ熱が上がりきっていません。
熱が完全に上がると手足は温かくなり、暑さを訴えます。解熱剤は、熱が上がりきったこのタイミングに使用しましょう。[13]
しかし、解熱剤はインフルエンザの治療薬ではありません。薬を服用してから数時間後に再び発熱することもあります。
しかし、発熱したからといって過度に解熱剤を使用するのは避けましょう。解熱剤を一度使用した場合、4〜6時間以上あけます。
1日の使用量は年齢や症状によって違うため、解熱剤の使用方法や頻度に関しては、医師や薬剤師に確認しましょう。[4][8][9]
子どものインフルエンザでは熱があがったりさがったりすることはよくあることです。
しかし、何度も繰り返すなどの場合は病院を受診しましょう。
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熱が上がったり下がったりする場合の受診の目安
熱が再び上がっても、食欲があり機嫌が良い場合、受診は不要です。
ただし熱が下がった後、再び高熱が数日続く場合や、熱でぐったりしている場合は受診の必要があります。
乳幼児が高熱を繰り返した場合、熱性けいれんや中耳炎の可能性が考えられるでしょう。
インフルエンザにかかった子どもは、肺炎や脳症などの重症な合併症があることも忘れてはいけません。
発熱している間は子どもを1人にせず、大人が見守るようにしましょう。[8][7]
子どもに以下の症状がみられたときは、すぐに病院に行きましょう。
-
手足を突っ張ったり、目が上を向くなどのけいれんがみられる
-
反応が鈍く、呼びかけに答えない、視線が合わない
-
落ち着きがない、あばれる、意味不明の言動がみられる
-
ゼーゼーし肩で呼吸している、呼吸が速い、息苦しそうにしている
-
顔色が悪い(土気色、青白いなど)、唇が紫色
-
水分がとれず、脱水の症状がみられる
(下痢・おう吐などで水分がとれない・尿量が少ない・泣いている乳児の涙が出ないなど)
大人の熱が上がったり下がったりする場合、インフルエンザ以外の疾患の可能性があります。
以下の症状が現れている場合は、大人も受診を検討しましょう。
大人の受診基準
“
-
呼吸困難または息切れがある
-
胸の痛みが続いている
-
3日以上熱が続いている
-
脱水の可能性がある(下痢・おう吐などで水分が取れないなど)
”[8]
インフルエンザにかかった場合、症状が出た翌日から7日目までは外出をせず、療養することが理想です。
しかし、やむを得ず医療機関を受診する際は、感染拡大を防止するためにも、前もって医療機関に連絡して指示に従いましょう。
なお、インフルエンザにかかった小学生以上の子どもが出席停止期間が経過して登校する場合、改めて受診して検査を受ける必要はありません。
治癒証明書、陰性証明書の提出も必要ありません。[10][9][5]
熱が上がったり下がったりするのはインフルエンザなのか?
熱が上がったり下がったりするのは、子どものインフルエンザ特有の症状です。
ただしインフルエンザ以外の病気の可能性もあります。
大人が二峰性発熱をおこす場合、インフルエンザ以外の疾患のサインかもしれません。
熱が上がったり下がったりして高熱が続く場合や、一度下がり再び上がった熱が、3日以上続く場合は受診を検討しましょう。[8][11][12]
まとめ
子どものインフルエンザでは、熱が上がったり下がったりする(二峰性発熱)ことは珍しくありません。
抗ウイルス薬の効き目が十分でないとも考えられていますが、二峰性発熱の原因は不明です。
これは病状が悪化しているわけではなく、子どものインフルエンザに特徴的な症状です。
熱が上がったり下がったりすると不安になりますが、むやみに解熱剤を使用せず、医師の指示に従いましょう。
処方された抗ウイルス薬は飲み切り、安静に過ごすことが重要です。
ただし二峰性発熱はインフルエンザだけでなく、他の病気でも見られます。
全身状態が悪化したり、2度目の熱が長く続いたりする場合は早めに医療機関を受診しましょう。
子どものインフルエンザでは熱が上がったり下がったりするのはよくあることですが、もしかしたら他の病気が隠れている可能性も。
自分で判断するのは難しいですよね。
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参考文献
[1]インフルエンザの解熱後によくある再発熱は、再感染?自然経過?それとも抗インフルエンザ薬の副作用?|感染対策Online
[3]二峰性発熱の頻度はリレンザで有意に低く(2ページ目):日経メディカル
[5]「学校、幼稚園、保育所において予防すべき感染症の解説」日本小児科学会予防接種・感染対
[8]インフルエンザ対策のポイント|東京都感染症情報センター
[10]インフルエンザ|医療情報検索|日本大学医学部附属板橋病院:NihonUniversityItabashiHospital
本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。
具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。