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下痢

の緊急度チェックと対処法、受診目安

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症状ごとの緊急度をチェック

オンライン診療で受診できるか、対面診察が必要かは、重い症状の有無で判断が可能です。

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医師監修でわかる

  • 症状の特徴と注意点
  • 赤ちゃん・子どもの対処
  • 病院のかかり方

知っておこう!下痢4つのポイント

下痢の原因はさまざま

下痢の原因はさまざまです。
主に腸の病気や感染症、薬の副作用、食生活の乱れなどが挙げられます。
下痢は腸の動きや状態に異常が起こり、水分の吸収が十分におこなわれないことで生じます。

脱水症状に注意

腸の水分吸収をおこなう機能が低下すると、軟らかい便や下痢が生じます。
その結果、普段よりも水分が多く体外へ出てしまいます。
下痢になると脱水症状を起こすことがあるため、こまめな水分補給と適切な食事で予防することが大切です。

知っておきたい豆知識

子どもと高齢者は脱水症状を起こしやすい

体の水分量は年齢によって異なり、子どもは体の70%、大人は体の60%、高齢者は50%と言われています。

一見子どもは1番水分量が高く、脱水症状の心配は少ないように見えますが、大人よりも代謝がよく、体の水分調節をする機能が未熟なことから脱水症状を起こしやすいです。

 また、高齢者は体内の水分量が少なく、脱水症状を起こしやすいです。

 高齢になると食事量が減り、食事を通じた水分摂取量が減少することや、喉の渇きを感じにくいことなどから、脱水症状を自覚しにくいという特徴があります。

目安は2週間!長引くようなら受診を

細菌やウイルス感染などによる急性の下痢は、適切に対処していれば2週間程度でよくなることがほとんどです。
2週間以上下痢が続く場合は、他の原因が隠れている可能性もあるため、医師の診察を受けましょう。
また、2週間経たずとも脱水症状や体調の悪化があれば受診してください。

知っておきたい豆知識

下痢止めの使用に注意

下痢には体の外へウイルスや細菌を出す作用もあります。下痢止めを使用することでウイルスや細菌が排出できず体調が悪化する可能性も。自己判断で下痢止めを使用することは避けましょう。

子どもは便の観察を

子どもの下痢では、便の様子を観察すると緊急度の判定や診察で役立ちます。
便の色や形、匂いを確認しましょう。「気になる」と思ったら、写真を撮影したり、おむつを病院へ持参し受診時に医師へ見せるとよいです。
おむつを持参すると、医師が必要と判断した場合に便を使った検査をおこなうことが可能です。

便の色

便の色で消化器の異常や出血のサインがわかります。

  • 赤:直腸や肛門周辺で出血している可能性
  • 黒:胃や腸で出血している可能性
  • 緑:胆汁の排出に異常がある可能性
  • 白:胆汁の排泄が十分でない可能性

便の形

便の形で下痢の状態を判別します。

  • 普通便:適度な軟らかさの便
  • やや軟らかい便:水分が多く非常に軟らかい便
  • 泥状便(でいじょうべん):形のない泥のような便
  • 水様便(すいようべん):水のような便

便の匂い

普段と違う匂いの場合、なんらかのウイルスや菌に感染している可能性があります。
※匂いによる原因の特定は難しいです

  • 酸っぱい匂い
  • 腐ったような匂い

下痢が関連する病気

感染症

  • ノロウイルス腸炎

  • ロタウイルス腸炎

  • アデノウイルスによる胃腸炎

子どもがかかりやすい病気

  • ロタウイルス腸炎

難病

  • 潰瘍性大腸炎
  • クローン病

ストレスが原因の病気

  • 過敏性腸症候群

食事と関連して起きる病気・下痢

  • 慢性膵炎

  • 急性膵炎

  • アルコール性下痢

  • 乳糖不耐症

  • 胆汁性下痢

その他下痢が起きているときに考えられる病気

  • 大腸がん
  • 大腸ポリープ
  • 腸重積

下痢の対処方法は?

こまめに水分補給を

下痢のときは、こまめに水分補給をしましょう。
脱水症状の予防に効果的なのは経口補水液ですが、味が苦手な場合は麦茶やスポーツドリンクでもよいでしょう。
子どもの場合はジュースでもよいです。
ただし、オレンジジュースは避けましょう。
酸味が刺激となり、口の中や喉の痛みが強くなったり嘔吐を引き起こしやすくなります。

脱水症状のサインを見逃さない

脱水症状の兆しがみられても、活気があり水分を多めにとれる場合は、自宅で半日ほど様子をみましょう。
その後尿量や尿の色が改善すればよいですが、改善しなければ受診してください。

脱水症状のサイン

尿や便の様子から脱水症状のサインを確認しましょう。

  • 尿の回数が少ない
  • 尿の量が少ない、色が濃い

受診が必要な症状

以下の症状がある場合は脱水症状が疑われるため、速やかに受診してください。

  • 尿の量が極端に少ない
  • 泣いているのに涙が出ない(子どもの場合)
  • 熱があるのに汗をかかない
  • 皮膚にハリがない(皮膚をつまんで離したとき戻りにくい)
  • 皮膚が乾燥している
  • 両目がくぼんでいる
  • ぐったりしている
  • ぼーっとしている

知っておきたい豆知識

脱水症状が危険な理由

脱水症状になると体内の水分や、電解質という物質が減ります。

電解質に含まれるナトリウムやカリウムが体内から減ると、体のバランスが崩れ、病気につながったり、病気が重症化するきっかけになってしまいます。そのため脱水症状を未然に防ぐこと、脱水症状の兆しに気づくことが大切です。

消化によい食事をとる

下痢の間は腸の機能が低下しているため、消化がよく、腸への刺激が少ない食事をとりましょう。

おすすめの食べ物

  • おかゆ
  • 軟らかく煮たうどん
  • 軟らかく煮た野菜
  • 温かいスープ
  • 白身魚
  • りんご
  • バナナ

避けた方がよい食べ物

  • 繊維の多い野菜
  • 海藻
  • きのこ
  • 辛いもの
  • アルコール
  • 炭酸飲料
  • 冷たいもの

下痢によるおむつかぶれを防ぐ

おむつを使用している場合、頻回な下痢が肌に付着すること、おむつ内が蒸れること、便を拭き取るために皮膚を擦ることでおむつかぶれを起こしやすくなります。
かぶれがひどい場合には、肌におしっこやうんちがふれるだけで痛くて泣いてしまう子もいます。
おむつをしていて下痢になってしまった場合や、おむつかぶれを予防したい場合は次のように対処しましょう。

うんちが出た後は洗い流す

おむつかぶれを起こす要因の一つは、肌を擦ることです。
意図していなくとも、頻回な下痢でのおむつ替えは赤ちゃんの肌を傷つけてしまう原因になります。
うんちが出たときには、お風呂場でシャワーを使用したり、ネットで購入できるシャワーボトルなどを用いてうんちを洗い流してあげましょう。
水気を拭き取るときはタオルでポンポンと優しく押し取りましょう

おむつを履かせる前によく乾かす

おむつかぶれを起こす要因には、おむつ内のムレもあります。
ムレることで肌がふやけ、少しの刺激でもかぶれやすくなってしまいます。
おむつを履かせる前には、うちわなどを用いて軽くおしりの皮膚を乾かしてあげましょう

保湿する

乾燥している肌は、さらに傷つきやすくなります。
おむつかぶれによる傷がなければ、おむつを履かせる前に保湿してあげるとよいでしょう。
ただし、保湿剤を塗りすぎるとおむつのムレにつながるのでベタつかない程度がよいでしょう。
おむつかぶれによる傷がある場合は、医師に相談しましょう。

塗り薬などで治療できる場合があります。

おむつの素材を変える

すでにおむつかぶれが起こっている・ひどくなっている場合には、紙おむつのゴワゴワした素材にふれることが皮膚への刺激となってしまう場合があります。
肌への負担を軽減できるような素材を使用しているおむつや、布おむつを検討してもよいでしょう。
布おむつは洗濯に手間がかかるため、紙と布を使い分けてもよいでしょう。

感染症が原因かも。家庭内の感染予防を忘れずに

ウイルスや細菌感染が原因で下痢が起きている場合、家庭内の感染予防も大切です。
アルコールが効きにくいウイルスも存在します。
手洗い・うがいや、次亜塩素酸ナトリウムを用いた消毒をおこないましょう。

次亜塩素酸ナトリウムで消毒を

下痢の原因には、ノロウイルス・ロタウイルス・アデノウイルスなど、アルコール消毒が効きにくいウイルスが存在します。

対策として次亜塩素酸ナトリウムで消毒をしましょう。

次亜塩素酸ナトリウムを含む消毒液はドラッグストアでも購入できます。
台所用の液体塩素系漂白剤でも代用が可能です。
使用する場合は必ず薄めて使用し、直接肌にふれることがないように注意してください。

衣服が汚れたときの注意点

アルコールが効きにくいウイルスに感染していた場合、洗濯用洗剤を使って水洗いをするだけではウイルスは死滅しません。
そのまま洗濯することで、洗濯機内や一緒に洗った衣服がウイルスに汚染される可能性があります。

下着や洋服に便がついてしまったら、哺乳瓶やキッチン用の塩素系漂白剤などを用いた次亜塩素酸ナトリウム液に漬けて消毒し、洗濯しましょう。

次亜塩素酸ナトリウム液の作り方(衣類のつけおき・物の消毒用)

家庭用塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム濃度5%)を使った消毒液の作り方

  • 2Lの空のペットボトルに漂白剤10ml(小さじ2)を入れる
  • 水を2Lになるように追加し、フタをしてよく振り合わせる

次亜塩素酸ナトリウムを使用するときの注意点

  • 目に入った場合は速やかに洗い流しましょう。赤みや痛みがある場合は医療機関の受診が必要となる場合があります。
  • 直接肌にふれることがないように、ビニール手袋やエプロンを着用して使用しましょう。
  • 衣類の消毒使用する際は色落ちする可能性があります。
  • 床のやドアノブなどの消毒の際には液体を長時間放置しないようにしましょう。変色などの原因となる場合があります。

手洗い・うがいで対策

基本的な感染予防対策はうがいと手洗いです。
アルコール消毒が効きにくいため、アルコールシートでは対策しきれません。
流水と石鹸でこまめに手洗いをおこないましょう。

外出時、手洗いの代わりにアルコールシートで手を拭く、子どもの遊び場でのおもちゃや、おむつ替えスペースなどの共有物を拭く、といった対策だけではウイルスを除去することできません。注意が必要です。

【対面で診察?救急車?オンライン診療?迷ったら】今の症状と適した受診先

受診が必要な症状について知っておきましょう。

緊急度チェックでは、症状に応じた受診先をすぐに判定できます。

判断に迷う時の相談先

119番

大人も子どもも、以下の症状に一つでも当てはまる場合はすぐに119へ連絡しましょう。

  • 意識がはっきりしない
  • 激しい痛みをともなう
  • 明らかに様子がおかしく自力での受診が難しい

至急受診を

  • 発熱をともなう
  • 1週間以上下痢が続く
  • トイレから離れられず症状がつらい
  • 下痢以外に気になる症状がある

子どもの体調不良、どう判断する?

特に5歳以下の子どもは自分の体に起こっている症状を正確に伝えることが難しいです。

また、何度も同じ質問をされると質問に対する答えが変化する場合もあるため、本人の言葉だけで状態を判断することは避けましょう

体調不良や、喉が痛い・頭が痛い・鼻が詰まるなどの不快な症状を不機嫌で表現している場合が多いです。朝に「今日は機嫌が悪いな」と思っていたら夕方になって熱が出たというケースはよくあります。

そのため、親からみて「何か変だな?」「いつもと違う?」という様子が続く場合は医師へ相談してみましょう。

「こんなことで受診していいのかな?」「家庭の事情でなかなか受診できない」というときには、オンライン診療もおすすめです。

受診する際のポイント

受診の際は以下のように時系列で状況を伝えるとよいでしょう。

余裕があればメモなどを作成しておくとよりスムーズです。

  • いつから症状が出たか
  • 1回に何回下痢をしているか
  • 水分や食事はとれているか
  • 他に症状はあるか
  • 持病はあるか
  • 今使っている薬があるか
  • 身近な感染状況
  • 貝類など細菌食べた食事で感染の可能性があるものはあるか
  • 市販薬を使った場合は薬品名と使用時間

病院の持ち物リスト(優先順)

緊急時(救急車)も必ず持参

  • スマートフォン/携帯電話
  • 家族の連絡先がわかるもの
  • お財布
  • お薬手帳(持病がある場合は必ず)

持参が必要

  • 保険証
  • 医療証
  • 診察券

※保険証・医療証が無いと、費用が一時的に10割負担となることがあります

子どもに必要

子どもは下記も準備しましょう。

  • 着替え
  • おむつ
  • おしりふき
  • ビニール袋2−3枚
  • 大きめのタオル(フェイスタオル等)

症状が出る前に備えられること

家庭内感染対策の準備

家族が感染した時を想定し、感染した人と他の家族の生活空間を分けられるように備えましょう

可能であれば個室で過ごしてもらうことが望ましいです。

また、感染対策に必要な備品を事前にストックしておくと便利です。

必要品の例

マスク、消毒用アルコール

近隣の病院を確認しておく

近隣の夜間・休日に対応している病院やかかりつけ医の診療時間を確認しておきましょう。

タクシー会社の連絡先を確認しておく

自分や家族が体調不良のときは運転を避けましょう

運転に気を取られ子どもの体調変化を見落としてしまったり、普段より慌ててしまい、事故につながるリスクもあります。

こうした事態を防ぐためにも、体調不良時に備えてタクシーの連絡先を確認しておきましょう。

緊急連絡先を確認しておく

勤務先や学校、幼稚園など緊急時の連絡先を確認しておきましょう。

受診に必要な物の場所を決めておく

保険証や診察券、お薬手帳、医療証、母子手帳などの置き場所を決めておき、すぐに持ち出せるよう備えましょう

「対処法を調べる」監修医師

監修医師

こうだたかゆき

神田貴行医師

日本小児科学会専門医/博士(医学)
島根大学医学部臨床教授
コンサータ登録医

鳥取大学医学部卒業後、小児科医として16年間病院勤務、11年間発達障害児対応クリニック院長を務めた。現在は小児科を中心にオンライン診療等を行うフリーランス医師としても活動中。

この記事は医師監修のもと、ファストドクター株式会社が制作しています。

関連する症状の詳細

この緊急度チェックは総務省消防庁準拠の緊急度判定プロトコールに基づいて一般的に考える症状を表示しており、診断するものではありません。気になる症状がある場合にはご自身の判断で受診してください。

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