下痢と発熱が同時に起こる原因は?対処法や予防法について解説

公開日: 2024/11/03 更新日: 2024/11/03
「便がゆるいうえに熱も出ている。何かの感染症?重い病気?」 「下痢がつらいし熱もあって休めない。市販薬を使っても大丈夫?」 下痢と発熱が同時にあらわれると、このように不安を感じる方もいらっしゃるでしょう。 これらの症状があらわれるおもな原因として、感染症や消化器系の病気が考えられます。 この記事では、下痢と発熱が同時に起きたときに考えられる原因や、自宅で過ごすときの対処法、医療機関を受診するタイミングなどを解説します。 今の症状が医療機関にいくべきなのか判断でき、早めの対処が可能となるため、ぜひ最後までお読みください。
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目次

下痢と発熱は何が原因で起こるの?

下痢と発熱が同時に起きているとき、以下の原因が考えられます。

  • ウイルスや細菌による感染症

  • 食中毒

  • 消化器系の炎症

  • ストレス

下痢が起こる理由は、腸の異常な動きです。

腸の働きが普段以上に活発になったり、腸とからだの水分調節がうまくできなかったりしたときに、便が液状もしくはそれに近い状態となります。[1]

また発熱は、免疫反応(からだがウイルスや細菌などの敵と戦う反応)や体温調節ができないことなどで引き起こされます。[2]

これらが合わさって、下痢と発熱が同時にあらわれるのです。

考えられる原因とメカニズムをそれぞれ解説します。

ウイルスや細菌による感染症

ウイルスや細菌が腸に侵入して増殖すると、感染性腸炎や感染性胃腸炎を発症し、下痢や発熱の症状があらわれます。

感染性胃腸炎による下痢は、ウイルスや細菌などの病原体が腸に炎症やダメージを与え、腸の中で水分や分泌物が増えすぎるために起こります。

発熱が生じる原因は、からだに侵入してきた病原体と戦うための免疫システムによるものです。

一般的に、感染性胃腸炎は12月に流行のピークを迎え、1月にもう一度流行します。

12月に多いのはノロウイルス、1〜3月に多いのはロタウイルスが原因で、冬に流行する感染性胃腸炎のほとんどはウイルスによるものとされています。[3][4]

食中毒

食中毒になると下痢や発熱の症状があらわれます。

食中毒の一般的な症状は、つぎのとおりです。[5]

  • 発熱

  • 下痢

  • 腹痛

  • 吐き気

  • 嘔吐(おうと)

食中毒は、腐った食べ物や不衛生な環境で調理された食品に含まれる病原体が体内に入ることで起こります。[6]

細菌や毒素などの病原体をからだの外に出すために、下痢や嘔吐などの症状があらわれます。発熱をともなうことも少なくありません。

感染性胃腸炎と同じく、食中毒もウイルスや細菌がおもな原因です。感染源が食べ物であれば食中毒と診断されます。[7]

消化器系の炎症

消化器系の病気で胃や大腸などに炎症が生じると、下痢と発熱が同時に起こることがあります。

原因は、腸の粘膜が炎症を起こし、正常な消化や吸収機能ができなくなるからです。また炎症がからだの免疫反応を活性化させることで、発熱も併発します。

下痢や発熱が生じるおもな病気は、クローン病や潰瘍性大腸炎などの慢性の病気です。[8][9]

症状の寛解と再発をくり返すことが特徴で、症状が軽快しても定期的な医師の診察や治療が必要です。

ストレス

ストレスが原因で下痢や発熱が起こることもあります。

ストレスは自律神経のバランスを乱し、消化器の働きを不安定にします。腸のぜん動運動(食べ物を消化しながら移動させるための動き)が過剰になり、便の水分が十分に吸収されず下痢を引き起こすのです。[10]

ストレスによって体温が上昇する心因性発熱を発症することもありますが、メカニズムが明らかになっていません。[11]

下痢や発熱があるからといって、かならずしもストレスによるものとは限りません。

考えられる病気が全て否定された場合に、下痢と発熱がストレスからくるものと診断されるのが一般的です。検査で異常がないことを確認するために、内科を受診するとよいでしょう。

下痢と発熱の症状があらわれるウイルスや細菌による感染症には何があるの?

下痢と発熱を引き起こすウイルスや細菌には多くの種類があり、どの病原体に感染したのかを症状だけで判断することは困難です。

ただし、病原体の特徴を理解することで感染を予防できます。

下痢と発熱を起こす病原体の正しい知識を身につけましょう。

ウイルスによる感染症

下痢と発熱があらわれる原因ウイルスは、以下のとおりです。[12][13][14][15][16]

感染症名

おもな症状

感染経路

特徴

ノロウイルス

下痢、嘔吐、発熱など

  • 経口感染

  • 飛沫感染

  • 冬季に流行しやすい

  • 集団感染が多い

ロタウイルス

下痢、嘔吐、発熱、腹痛など

  • 経口感染

  • 子どもに多い

  • ワクチンが存在する

アデノウイルス

発熱、嘔吐、下痢など

  • 飛沫感染

  • 接触感染

  • 下痢の期間が長い

  • 子どもに多い

エンテロウイルス

下痢、嘔吐、発熱、手足の発疹など

  • 経口感染

  • 飛沫感染

  • 夏から秋にかけて流行する

  • 手足口病の原因である

新型コロナウイルス

発熱、せき、のどの痛み、下痢、腹痛、嘔吐など

  • 空気感染

  • 飛沫感染

  • 接触感染

  • 多くは軽症だが重症化することもある

流行時期や感染経路はウイルスによって異なるため、通年で感染予防策をとることが大切です。

細菌による感染症

以下は、下痢と発熱を引き起こすおもな細菌です。[17][18][19][20]

感染症名

主な症状

感染経路

特徴

サルモネラ菌

激しい下痢(1日数回~十数回)、腹痛、発熱など

  • 汚染された食べ物や水(経口感染)

  • 動物との接触

  • 食中毒の代表的な原因菌である

腸炎ビブリオ

耐えがたい腹痛、下痢(ときに血便)、発熱など

  • 汚染された魚介類(経口感染)

  • 潜伏期間は平均12時間程度(短くて2~3時間)

カンピロバクター

激しい水様下痢(ときに血便)、腹痛、高熱、頭痛など

  • 汚染された肉や水(経口感染)

  • まれに性感染症

  • 細菌性食中毒の原因菌の半数以上を占める

病原性大腸菌(O157、O26など)

血便をともなう下痢、腹痛、発熱など

  • 汚染された食品・飲料水

  • 接触感染

  • 高熱になりにくい

  • 少しの菌量で発症する

いずれの細菌でも血便をともなう激しい下痢症状がみられることが特徴です。一般的に、ウイルスより症状が強くあらわれやすいと言われています。

当てはまる感染症はどうすればわかる?

下痢や発熱の症状のみで、どの病原体に感染したかは特定できません。

ただし、起きている症状や程度から、どの感染症にあてはまるかを予測することは可能です。

感染症が特定できなくても予測することで感染の広がりをおさえられるため、確認するポイントを知っておきましょう。

症状の特徴を確認する

下痢と発熱があらわれた場合、以下のポイントで症状の特徴を確認します。

項目

確認するポイント

下痢の性状や症状の程度

  • 血便があるか

  • 下痢の起こるタイミングはいつか(食事後や1日中など)

  • 1~2週間以内の急なものか、3週間以上続いているか

発熱の程度

  • 高熱が出ているか

ほかの症状の有無

以下の症状があらわれているか

  • 嘔吐

  • 吐き気

  • 筋肉痛

  • 関節痛

  • 手足の発疹

  • おなかの手術歴

たとえば、急に下痢の症状があらわれ、1日中続いたり、吐き気や嘔吐をともなったりする場合は、食中毒やウイルス感染が疑われます。下痢が血便をともなう場合は、細菌が原因である可能性が高いです。

また、高熱をともなっていると細菌やウイルスが体内で増殖し、症状が重篤化している疑いがあります。

あらわれている症状やその程度を総合的に判断し、該当する感染症を予測しましょう。

最近の行動や食事を振り返る

最近の行動や食事を振り返ることも、原因を特定する手助けとなります。

以下を参考に、思い当たる行動がないか確認してみましょう。

項目

考えられる原因

判断ポイント

食事内容と衛生管理

食事に付着したウイルスや細菌による食中毒

  • 生ものや消費期限切れの食品を食べていないか

  • 衛生管理が不十分な環境で食事をしていないか

旅行歴やアウトドア活動

ウイルスや細菌による感染症

  • 衛生状態の悪い地域で過ごしていないか

気になる行動や状況がある場合は、必要に応じて医療機関を受診し適切な治療を受けることも検討しましょう。

下痢と発熱の症状がひどいときはどう対処する?

下痢と発熱の症状が強い場合は、以下の対処法を試みましょう。

  • 水分補給する

  • 安静にする

  • からだを冷やして熱を下げる

  • 食事の見直しをする

症状によって対処法が異なるため、状況に合わせて対応してください。

もし症状が長引いたり、悪化したりする場合は、早めに医療機関を受診して適切な治療を受けることをおすすめします。

一般的な対処法について、くわしく解説します。

水分補給する

下痢や発熱が起きているときは、水分補給を十分におこないましょう。

下痢と発熱が起こると、からだの水分とナトリウムやカリウムなどの電解質が失われてしまいます。放置すると、からだが脱水状態となり、回復が遅れたり、症状が悪化したりする恐れがあります。

水よりも電解質を多く含むスポーツドリンクや経口補水液が、効率的に水分補給できるため、おすすめです。[22]

なおコーヒーやアルコールなどはおなかに刺激を与えてしまうため、下痢や発熱が続いている間は避けましょう。[23]

安静にする

安静にすることは免疫力を最大限に発揮させて、からだが早く回復する手助けをするために欠かせません。

下痢や発熱は、からだがウイルスや細菌と戦っているサインです。

病原体と戦うにはエネルギーが必要で、からだを休めることで免疫システムが集中して働ける状態を作れます。

発熱がつらい場合はからだを冷やす、下痢がつらい場合はおなかを温めるなど、自分が楽に休める環境を整えましょう。

からだを冷やして熱を下げる

からだを冷やすことで、発熱による不快感を和らげ、休息を促せます。

発熱はからだが病原体と戦っているサインであり、その働きを最大限に発揮するためには安静が重要です。

発熱による高い体温は、不快感を生じさせ、十分な休息を妨げます。熱が高くて眠れない場合は、からだを冷やすことでリラックスしやすくなるでしょう。

具体的には首筋やわきの下、足の付け根などの太い血管が通る部分に保冷剤や氷枕をあてると、効果的に体温を下げられます。

ただし下痢がひどい場合は、からだを冷やすことで腸の動きが弱まり、水分吸収がうまくできず下痢が悪化する恐れがあります。

からだを冷やすのは、下痢の症状が落ち着いたあとが理想的です。

食事の見直しをする

胃腸に負担をかけないように、消化によい食べ物を選びましょう。

下痢と発熱がある場合、以下の食べ物がおすすめです。[22][23]

  • 白いご飯

  • おかゆ

  • バナナ

  • 味噌汁

  • 野菜スープ

  • よく煮込んだうどん

脂や食物繊維の多いものは、長時間胃に留まり消化までに体力を消耗するため控えましょう。[22]

痢と発熱があらわれているときに市販の薬は飲んでもいいの?

下痢と発熱があるときの市販薬の使用は、症状の原因により避けたほうがよい場合があります。

たとえば、下痢が感染性腸炎によるものであれば、下痢止めの使用は控えるほうがよいでしょう。一方、非感染性腸炎であれば、下痢止めが効果を示すこともあります。

また、発熱でつらい場合は、休息を優先させるために解熱剤を使用しても問題ありません。

市販薬の使い方を正しく理解し、症状悪化を防ぎましょう。

感染性腸炎の下痢止め服用

ウイルスや細菌が原因の下痢の場合、市販薬の下痢止めを使うことは避けましょう。

感染性腸炎の場合に下痢が生じるのは、からだが病原体を排出するための正常な防御反応です。

市販薬の下痢止めを使用することで、からだに病原体がとどまり症状が悪化したり回復が遅れたりする場合があります。

感染性腸炎の疑いがある場合は市販薬の使用はせず、医療機関を受診して適切な治療を受けましょう。

非感染性腸炎の下痢止め服用

非感染性腸炎の場合は、ウイルスや細菌が原因ではないため、下痢止めなどの市販薬を使用しても比較的安全とされています。

非感染性の下痢は、食事の不摂生やストレス、食物アレルギーなどが原因で発生することが多く、病原体を排出する必要はありません。そのため市販の下痢止めが効果をあらわすことがあります。

ただし市販薬の使用で一時的に症状がやわらいでも、根本的な原因を解決しない限り再発する可能性があります。

腸の炎症をともなう慢性疾患の場合は、医療機関での適切な治療が必要です。慢性疾患がない場合でも、腹痛がひどかったり症状が長引いたりしているときは、医療機関を受診してください。

発熱時の解熱剤服用

解熱剤は体温が上がりきってから使用するのが理想的です。

発熱が起こるのは、からだが病原体と戦うのに免疫システムを活発にするためです。からだが熱を上げている間は、免疫が働いている証拠であるため、無理に早く熱を下げようと解熱剤を使用するのは避けたほうがよいでしょう。[24]

とはいえ発熱によって高い体温や強いだるさが続くと、休むことが難しいときもありますよね。

つらいときは無理をせず、解熱剤を使用して休息を優先させましょう。

持病がある方やすでにほかの薬を服用している方は、一部の解熱剤が使用できないことがあります。市販薬を使用する際は、かならず薬剤師やかかりつけ医に相談し、適切な解熱剤を選びましょう。

下痢と発熱の予防法は何があるの?

下痢と発熱は、つぎの対策をとることで予防できます。

  • 手洗いの徹底

  • 食事管理

  • ストレス管理

  • 睡眠と休息

下痢と発熱を起こさないためには、基本的な生活習慣を意識することが大切です。

子どもは感染対策が十分にとれず、病原体に感染するリスクが高くなります。大人がサポートすることで感染を予防できるため、積極的に手助けしてあげましょう。

手洗いの徹底

下痢と発熱を発症させる病原体のからだへの侵入を防ぐためには、手洗いの徹底が欠かせません。

以下のタイミングで、かならず石けんを使用して手洗いをしましょう。[25]

  • ご飯を食べる前

  • 調理前、調理中、調理後

  • 外出したあと

  • トイレにいったあと

  • 動物(ペット)とふれ合ったあと

  • せきやくしゃみを手でおさえたり鼻をかんだりしたあと

すぐに手洗いができないときは、アルコール消毒で対応しましょう。公共の場ではアルコールが設置されていることもありますが、自分で携帯することも検討してください。

食事管理

食中毒が起きやすい夏場を中心に、食事管理は以下の点に注意しましょう。

ポイント

具体例

購入時の食材の管理

  • 消費期限を確認

  • 肉や魚の水分がうつらないようにそれぞれビニールに分別

  • 可能なら保冷剤を使用して持ち帰り

  • 冷蔵・冷凍保存のものは買い物の最後に購入

購入後の食材の管理

  • 帰宅後、すみやかに冷蔵・冷凍庫へ保存

  • 冷蔵庫は-10℃以下、冷凍庫は-15℃以下に維持

  • 肉や魚は袋や容器に入れ、ほかの食材にふれないように保管

調理中の管理

  • 十分な加熱(中心部が75℃以上で1分間以上)

  • サラダや果物などに肉や魚の水分がふれないように管理

調理後の食品の管理

  • 残った食材は清潔な器具や皿を使用して保管

  • 時間が経ちすぎたら破棄

  • 温めなおすときは十分に加熱(75℃以上が目安)

参考:家庭での食中毒予防|厚生労働省[26]

牛や豚の場合は、肉に腸管出血性大腸菌やサルモネラ菌が付着していたり人に害を与えるウイルスや寄生虫に感染していたりすることがあります。[26]

細菌は加熱することで死滅するため、新鮮かどうかにかかわらず、しっかり加熱して食べるようにしましょう。

ストレス管理

日常的にストレスを適切に管理することが、消化器系の健康を保ち、下痢や発熱を予防するために有効です。[27]

たとえば以下の方法でストレスを管理できます。

  • ストレッチ:筋肉の緊張をほぐしリラックス効果が得られる

  • 有酸素運動:エンドルフィン(幸福ホルモン)の分泌を促す

  • 趣味の時間を確保:好きなことに没頭し心を豊かにする

  • ソーシャルサポートを活用:人とのつながりが心の安定をもたらす

有酸素運動の場合、ウォーキングを30分おこなったりヨガを取り入れたりするとストレス緩和につながります。

いくつかの方法を組み合わせて、自分に合ったストレス管理法を見つけることが重要です。

睡眠と休息

下痢と発熱の予防に十分な睡眠と休息が必要な理由は以下のとおりです。

  • 免疫機能の向上

  • 細胞の修復と回復

  • ストレスホルモンの調整

睡眠不足はからだの抵抗力を弱めたり、ストレスのバランスをくずしたりして感染症にかかりやすくします。また腸内環境を整えるためには、細胞の修復や回復が欠かせません。そのため十分な睡眠や休息が重要視されるのです。

睡眠時間は、一般的に6〜8時間が理想的とされています。[28]

健康的な生活習慣として、十分な睡眠時間を確保し、リラックスできる時間をもちましょう。

よくある質問

下痢と発熱についてよくある質問にお答えします。

下痢と発熱は何度くらいですか?

下痢をともなう発熱の度合いは、原因によって異なります。

発熱の分類

考えられる要因

軽度の発熱(37.5℃〜38.0℃)

  • 軽い感染症

  • ウイルス性胃腸炎(ノロウイルス、ロタウイルスなど)

中度の発熱(38.0℃〜39.0℃)

  • 細菌性胃腸炎

  • 食中毒

高度の発熱(39℃以上)

  • 重度の感染症

  • 潰瘍性大腸炎

  • 腸チフス

発熱が軽度の場合、一般的には2日以内で改善する傾向です。

一方39℃以上の発熱は、感染症が重症化していたり、深刻な病気が隠れていたりする可能性があります。すぐに医療機関を受診し、適切な治療を受けてください。

下痢と発熱は何日で治りますか?

下痢と発熱は、症状を引き起こす原因によって回復までの期間が異なります。

それぞれの特徴は、以下のとおりです。

病名

原因病原体

症状改善までの特徴

ウイルス性胃腸炎

ノロウイルス、ロタウイルスなど

  • 1~3日で症状が改善することが多い

  • 自然治癒が一般的

食中毒

サルモネラ菌、腸炎ビブリオなど

  • 2~5日で改善することが多い

  • 場合によっては1週間以上続くこともある

慢性疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病など)

なし

  • 数週間~数か月続くことがある

インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症

インフルエンザウイルス、新型コロナウイルス

  • 3~7日で回復することが多い

参考:感染性腸炎|市民のみなさまへ[29]

症状改善までの期間は個人差があります。早い回復を目指すなら医療機関を受診して原因を特定することが重要です。

水下痢と発熱の症状がある場合、何科を受診すれば?

水下痢と発熱の症状がある場合は、内科や消化器科を受診しましょう。子どもに症状があるときは小児科の受診をおすすめします。

以下に、診療科の特徴をまとめました。

診療科

受診するタイミング

内科

  • 軽度から中度の発熱や水下痢が数日続いている

  • 感染症の可能性がある

  • どこに受診すべきかわからない

消化器科

  • 耐えがたい腹痛や激しい下痢、血便などがあらわれている

  • 慢性の腸疾患の既往がある

小児科

  • 症状があるのが子どもである

  • 子どもが何も食べられず脱水が心配である

診療科に迷ったら、医療機関へいく前に問い合わせると二度足にならず負担を減らせます。

胃腸炎で下痢と熱だけの場合はどうしたらいいですか?

症状が下痢と発熱だけの場合も、以下のケースは重症化を防ぐために医療機関を受診してください。

  • 症状が3日以上続く

  • 血便や激しい腹痛がある

  • 高熱(38.5℃以上)が続く

  • 脱水症状(頭痛やめまいなど)がみられる

  • 重症化しやすい子どもや高齢者に症状があらわれている

受診した結果、胃腸炎の疑いで自宅で過ごす場合は、以下の対処をしながら安静を保ちましょう。

対処法

ポイント

水分補給

  • 脱水予防のためにこまめに水分補給をする

食事の調整

  • 胃腸にやさしい消化によい食事を心がける

安静

  • からだが病原体と十分に戦うために休息をとる

  • 発熱がある場合はからだを冷やしすぎないようにして休む

からだを冷却

  • 氷枕や保冷剤などで首筋やわきの下を冷やす

  • 衣服を調整して自然に体温を下げる工夫が必要

症状が改善しなかったり、悪化したりする場合は、医療機関を再度受診し適切な治療を受けてください。

まとめ

下痢と発熱が同時にあらわれるおもな原因には、以下が考えられます。

  • ウイルスや細菌による感染症

  • 食中毒

  • 消化器系の炎症

  • ストレス

自宅では安静を保ち、十分な水分補給を心がけることが早い回復に重要です。とくに、下痢や発熱によって体内の水分や電解質が失われやすいため、スポーツドリンクや経口補水液を利用するとよいでしょう。

症状が長引いたり、血便がみられたりする場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。

日常的な衛生管理も忘れないでください。手洗いや食品の適切な取り扱いを心がけることで、感染症の予防につながります。

下痢と発熱の原因に感染が疑われる際は、早期の判断と対応が必要です。異常を感じたら医療機関に相談し、適切な処置を受けましょう。

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参考文献

[1]下痢|金沢医科大学

[2]発熱|大阪大学 老年・総合内科学

[3]感染性胃腸炎とは|NIID国立感染症研究所

[4]感染性胃腸炎とは ノロウイルスを中心に|福岡県庁ホームページ

[5]ノロウイルスに要注意!感染経路と予防方法は? | 政府広報オンライン

[6]食中毒予防の原則と6つのポイント | 政府広報オンライン

[7]大人のウイルス性胃腸炎とウイルス性食中毒!|一般社団法人安佐医師会 可部夜間急病センター

[8]クローン病(指定難病96)|難病情報センター

[9]潰瘍性大腸炎(指定難病97)| 難病情報センター

[10]ストレスとは | 働く女性の心とからだの応援サイト

[11]Psychogenic fever: how psychological stress affects body temperature in the clinical population|Takakazu Oka

[12]ノロウイルス感染症とは|NIID国立感染症研究所

[13]ロタウイルス感染性胃腸炎とは|NIID国立感染症研究所

[14]アデノウイルスによる感染性胃腸炎|NIID国立感染症研究所

[15]白クマ先生の子ども診療所|日本医師会

[16]健康情報誌「消化器のひろば」No.18-3 | 日本消化器病学会

[17]サルモネラ感染症とは|NIID国立感染症研究所

[18]腸炎ビブリオ感染症とは|NIID国立感染症研究所

[19]カンピロバクター腸炎(Campylobacter enteritis)|日本感染症学会

[20]腸管出血性大腸菌感染症(enterohemorrhagic Escherichia coli)|日本感染症学会

[21]下痢 Diarrhea

[22]風邪や下痢の時に自宅で行える対処法 食事のとり方

[23]下痢の正しい対処法|一般社団法人 日本臨床内科医会

[24]ろうさいニュース|新潟労災病院

[25]いつ手を洗うの?|農林水産省

[26]家庭での食中毒予防|厚生労働省

[27]No.51 ストレス胃炎とストレス潰瘍・・・ 早く気づいて|神戸大学保健管理センター

[28]良い睡眠の概要(案)|厚生労働省

[29]感染性腸炎|市民のみなさまへ|日本大腸肛門病学会

本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。

具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。

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