手足口病になったら保育園はいつから登園できるのか
子どもが手足口病にかかったときに気になるのは「いつから保育園へ登園できるの?」ということですよね。
たとえば以下のような疑問を抱える親御さんは多いです。
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これ以上仕事も休めないのに、保育園はいつから登園できるの?
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休む日数は決まっているの?
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熱が下がれば登園していいの?
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プツプツが残っているけど保育園に行って良いの?
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症状が軽くても保育園への報告は必要なの?
ここからは多くの親御さんが抱えるこのような疑問について詳しく解説します。
手足口病に感染したときの登園目安
こども家庭庁による「保育所における感染症ガイドライン(2018年改訂版)」では、手足口病に感染したときの保育園に登園できる目安は以下のように示されています。
“発熱や口腔内の水疱 ・潰瘍の影響がなく、普段の食事がとれること”[1]
手足口病では、長期間にわたって休園することによる感染拡大防止の効果はあまり期待できないといわれています。
そのためプツプツの有無にかかわらず、子どもの熱が下がって全身状態が回復すれば、登園は可能です。
では具体的にどのような全身状態であれば登園可能なのでしょうか。チェックポイントは以下の4つです。
【登園の目安】
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熱が下がっている
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食事が普段通りとれている
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のどの痛みや下痢、嘔吐などの症状がない
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普段通り睡眠がとれて、元気に過ごせる
つまり普段通りの生活が送れるまで体調が回復していれば、登園してもよいということです。
それとは逆に、以下のような状態では普段通りの健康状態とはいえないため、しっかりと回復するまで家庭で様子をみる必要があります。
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熱は下がったけれど口の中の水ぶくれが痛くて食事が摂れない
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食事はとれるようになったが下痢をしている
また手足口病はすべての方に発熱がみられるわけではありません。発症した方の1/3程度は発熱しないといわれています。
発疹についても手・足・口のすべてに必ず出るというわけではなく、手のひらだけにプツプツが出る人もいます。
熱もなく口にも発疹ができてないことから、食事は普通にとれるというケースも考えられます。
その場合、のどの痛みや下痢などの症状もなく元気であれば登園してもガイドライン上は問題はありません。
ただし手足口病の登園については、園によって独自のルールが決められている場合もあります。
手足口病と診断された場合には保育園へすみやかに報告し、登園の目安や必要書類の有無などを確認するようにしてください。
すべての子どもや親御さんが安心して気持ちよく保育園を利用できるようにしましょう。[1]
保育園は何日休むべき?
手足口病の休む日数は明確に定められておらず、出席停止の扱いにもなりません。
学校保健法では、手足口病の登園については“流行阻止の目的というよりも本人の症状や状態によって判断すればよい”とされています。[2]
熱が下がって全身状態が回復してから登園するようにしましょう。
個人差はありますが、3〜7日くらい休むケースが一般的です。
プツプツが残っていると「保育園に行っても大丈夫かな……」と不安に思うかもしれませんが、発疹が完全に消えるまで休ませる必要はありません。
しかしどうしても判断に困るのであれば、医師や保育園に相談しましょう。
親御さんのなかには「プツプツが残ったまま登園させてる家庭があるけれど、本当にいいの?」と感じる方もいるかもしれません。
発疹が広範囲にできていると「我が子にうつされそうで嫌だな」と感じることもあるでしょう。しかし手足口病は大人になるまでにほとんどの子どもがかかる夏風邪です。
プツプツが残っているからといって過度に接触を避ける必要はないためご安心ください。
手足口病はあくまでも「子どもによくかかる感染症のひとつ」だと捉えておくのがよいでしょう。
なお兄弟が手足口病になってしまっても、本人に症状が出ていなければ登園しても問題はありません。
しかし兄弟が手足口病になってしまったことは保育園に伝えるようにしてください。
症状があらわれるまでに3〜5日程度かかることがあるため、家庭でも保育園でも体調に変化がないか注意深くみる必要があります。[1]
手足口病はインフルエンザのように何日休むのかはっきり定められた感染症ではありません。熱も下がり症状が落ち着いていたら、感染してから何日後でも登園は可能です。
登園許可証や登園届は必要?
登園許可証(意見書)とは医師が記入する書類ですが、こちらは通常必要ありません。
一方、医師の診断を受けて保護者が記入する登園届は園によって提出を求められることがあります。
国のガイドラインでは、手足口病は“医師の診断を受け、保護者が登園届を記入することが考えられる感染症”とされています。[1]
子どもが通っている保育園のルールにしたがって必要な書類を提出しましょう。[1]
・受診時間内に病院に行けない
・子どもを連れて病院に行くのが大変
こんな場合、オンライン診療なら移動時間ナシ・待ち時間ナシで登園許可証を受け取ることができます。
もしお子様の登園を再開しようとしているなら、ファストドクターのオンライン診療を利用してみませんか?
診察内で医師へ発行希望の旨をお伝えください。
手足口病の感染力
最も感染力が強いのは「発症した最初の週」といわれています。とくに、プツプツができて数日間は感染しやすい状態です。
その後も飛沫や鼻汁からは1〜2週間、便からは数週〜数か月間にわたってウイルスが排出されますが、発症して間もない時期に比べると感染力は劣ります。
子どもの体にプツプツが残っていると不安に思う方も多いでしょうが、残っている発疹の数が多いからといって感染力の強い状態が続くわけではありません。
子どもの全身状態が回復するころには、感染力もある程度落ち着いていると考えてよいでしょう。[1]
たとえ手足口病に感染しても、1週間程度で回復することがほとんどです。
保育園での感染経路と予防
手足口病と診断された子どもを保育園へ登園させる時や園で手足口病が流行っている場合、どうすれば感染を予防できるのでしょうか。
手足口病は感染症です。感染経路をしっかり絶てば100%ではありませんが感染を防ぐことが可能となります。
感染経路は飛沫感染や接触感染、糞口感染と3種類存在するため、できる限り子どもが感染しないように注意することが大切です。
感染経路を絶つためにできる予防方法も存在します。
小さな子どもでも家や保育園で反復することによってできる予防法はあるため、保育園と連携しながらしっかり予防していきましょう。
保育園での感染経路
手足口病の感染経路は以下の3つです。
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飛沫感染
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接触感染
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糞口感染
ひとつめの飛沫感染とは、くしゃみや咳をした時に飛び散るしぶきによって感染することです。
くしゃみや咳をすると目には見えませんがウイルスを含んだ粒子が広い範囲へ飛び散ります。そのしぶきを吸い込むことによって手足口病に感染します。
とくに保育園では子ども同士の距離が非常に近いため、くしゃみや咳、会話などによる飛沫を吸い込みやすいという特徴があります。
ふたつめは接触感染です。接触感染とは、ウイルスの付着した場所に触れ、その手で目をこすったり鼻や口をさわったりすることによって感染します。
保育園ではおもちゃの共有をしたり園児同士で手を繋いだりすることもあるでしょう。
手すり・ドアノブ・遊具などをはじめ、ウイルスを含んだ鼻水や唾液に直接触れて感染することも考えられます。
みっつめは糞口感染です。糞口感染とは、便から排出されたウイルスに触れた手で口に触れてしまうことによって感染することです。
オムツの処理やトイレの後の手洗いが不十分だと、手から口へとウイルスが侵入する可能性があります。
手足口病の感染予防
手足口病のウイルスに対するワクチンや薬はないため、感染を防ぐには日常生活の中で予防するしかありません。そこで重要なのは「手洗い」です。
飛沫感染や接触感染によって手足口病は広がっていきますが、手に付着したウイルスを体の中に入れないためにもしっかりと手を洗うことが大切です。
手足口病を他の園児にうつさないためにも正しい手洗いの方法は身につけておきたいですね。
未満児の場合には自分で手を洗うことは難しいですが、年少以上であれば丁寧な手洗いが少しずつできるようになってきます。
ぜひ親子で正しい手洗いの方法を確認しておくとよいでしょう。
また手足口病は接触により感染するため、タオルの共用はしないように心がけることも大切です。
登園する際に子どもには必ずハンカチを持たせ、自分のハンカチをつかって手をふくように伝えるのも方法のひとつです。
オムツの処理については子ども自身ができることはありませんが、トイレを使用できる子どもであれば、トイレの後にはしっかり手洗いをすることを習慣にしておくと安心です。
まだまだ衛生観念が未熟な年齢ですが、親子でいっしょに少しずつ感染対策を身につけていけるようにしたいですね。[3]
まとめ
保育園に子どもを預けている親御さんは共働きの方がほとんどであるため「これ以上長く休んでいられない……」と焦ってしまう方も多いのではないでしょうか。
手足口病は何日休むべきか明確には決まっていませんが、子どもの全身状態をよく観察し、普段通りの体調に回復してから登園することが必要です。
熱が下がって食事がとれ、普段通りに過ごせるようになれば、プツプツが残っていても登園してかまいません。
なお登園再開には登園許可証や登園届が必要なこともあるため、事前に保育園へ確認しておきましょう。
また発疹が残っていると「完全に治っていないのに登園してる子がいるけどいいの?」と心配になる親御さんもいらっしゃいます。
しかし手足口病は完全にプツプツが消えるまで長期間休まなくてはならない病気ではありません。
全身状態が回復して登園可能となるころには感染力がある程度落ち着いてくるため、感染対策をしながら様子をみるようにしましょう。
手足口病は周りにうつさないためにも、うつらないためにも、手洗いが重要です。
ぜひこの機会にご家庭でも正しい手洗いやマスクの付け方などについて、親子で確認してみてくださいね。
大人が手足口病に感染した場合、子どもよりも発疹等の症状が重く出る傾向があります。
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お子さまから感染してしまった時に備えて、アプリをダウンロードしておきましょう。
引用文献
[1]保育所における感染症対策ガイドライン (2018 年改訂版)
参考文献
本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。
具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。