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手足口病とは?原因と特徴
手足口病とは手や足、口の中に水疱性の発疹があらわれるウイルス性の感染症です。
「コクサッキーウイルス」と「エンテロウイルス」によって引き起こされ、以下の特徴があります。 [1]
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夏に流行のピークを迎えることが多い
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子どもが発症しやすい
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手のひらや足の裏、口の中に水ぶくれのような発疹があらわれる
手足口病は、感染症では珍しく夏に流行することが多い病気です。ただし近年では、秋や冬にも感染が増加しています。感染者の半数以上は2歳以下の子どもで、保育施設で流行しやすい感染症のひとつです。
感染経路はおもに以下の3つです。
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飛沫感染:くしゃみや咳でウイルスが飛ぶ
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経口感染:ウイルスがついた手で目や口にさわる
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糞口感染:便に含まれるウイルスが口に入る
感染してから症状が出るまで3〜5日の潜伏(せんぷく)期間を経て、症状があらわれます。感染者のうち約1/3の人しか発熱せず、発疹があらわれて感染に気づくことも多くあります。[2]
口内の水疱がやぶれると強い痛みがおこるため、飲食しにくくなります。脱水や栄養不足に気をつけなければなりません。
特別な治療をしなくても3〜7日ほどで自然と回復しますが、ごくまれに髄膜炎(ずいまくえん)や脳炎(のうえん)といった重篤な合併症を引き起こすこともあります。[1][2]
一度感染すると免疫がつくため、抗体を持つ大人は感染リスクが少ないとされてきました。
しかし手足口病の原因ウイルスは複数の型が存在します。新たな型や感染したことがない型であれば大人でも感染し発症する可能性があるため、家庭内感染に注意が必要です。
大人にもうつる
手足口病の原因となるウイルスは大人にもうつる可能性があります。近年大人の感染は増加傾向です。
その背景には「コクサッキーウイルスA6」という新しい型のウイルスが流行していることが挙げられます。[3]
手足口病の原因ウイルスは「コクサッキーウイルス」と「エンテロウイルス」であり、それぞれ複数の「型」が存在します。
これまでは「コクサッキーウイルスA16」や「エンテロウイルス71」が感染の中心でした。
これらのウイルスの型には多くの大人が感染経験があり、免疫をもっているため再び感染しても発症するケースはごくまれです。
しかしこの免疫では「コクサッキーウイルスA6」に対抗できません。
比較的新しい型である「コクサッキーウイルスA6」には感染したことがない大人が多く、免疫をもっていないため手足口病を発症しやすい状況なのです。
子どもにくらべて大人は高熱やだるさ、強い痛みがあらわれる傾向です。
水ぼうそうに似た大きな発疹が広い範囲でみられた報告や、症状が長引き2週間ほど続いた報告もあります。 [3]
手足口病に感染した子どもがいる家庭は、親も感染に気をつける必要があります。 感染後1か月程度は便の中からウイルスが排出されるため、油断せず十分な感染対策をおこないましょう。
例年の発生・流行時期
手足口病はおもに夏に流行します。近年は秋から冬にかけても拡がりをみせています。
コクサッキーウイルスやエンテロウイルスは高温多湿の環境を好むため、夏は活発に繁殖しやすい季節です。例年7月から8月にかけてピークを迎えるため「夏の感染症」と認知されてきました。[2]
しかし近年では温暖化の影響で秋や冬も温かい日が増えているため、手足口病の原因ウイルスが活発になりやすい期間が続いています。一部の研究結果でも、気温の上昇とともに手足口病の発症リスクが増加すると報告されています。[4]
実際に2021年から2023年では、9月から10月にかけての感染者数がもっとも多くなりました。[12]
2024年は感染者数が7月にピークを迎えたあと一度減少しましたが、8月下旬から再び増加。10月に2回目のピークを迎える異例の流れが観察されています。[13]
年によって、感染の中心となるウイルスの型も異なります。いままではエンテロウイルス71とコクサッキーウイルスA16が中心となって感染していました。
ところが2011年と2013年には、コクサッキーウイルスA6による手足口病の大流行がみられました。2021年から2024年もコクサッキーウイルスA6の感染が多い年でした。
他の型も依然として活発であり、年によって傾向が異なります。大流行する年もあるため、一度感染経験があっても安心せず流行の動向に気をつけましょう。
手足口病の症状
手足口病では3〜5日の潜伏期間を経て、発疹や倦怠感、発熱などの症状からはじまります。症状は比較的軽症で済むことが多いものの、ウイルスの型によって若干違いもみられるため注意が必要です。
エンテロウイルス71とコクサッキーウイルスA16による感染では、おもに以下の症状が報告されています。[2][10]
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倦怠感、食欲不振
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手のひらや足の裏、口の中にできる水疱
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口の中、喉(のど)の痛み
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微熱
発疹は手のひらや足の裏、口の粘膜にできやすく、ぽつぽつとした2〜3mmの水ぶくれ状です。
口内にできた発疹がやぶれると強い痛みを伴い、飲食がつらくなる場合があります。子どもは水分摂取を嫌がることもあるため、脱水症状に注意してください。
感染者のうち約1/3の人は発熱することもありますが、38℃以下の微熱ですむことがほとんどです。
ここ数年ではコクサッキーウイルスA6による感染も増えており、以下のような新たな症状もみられるようになりました。
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爪がはがれ落ちる(爪脱落)
爪脱落は手足口病の発症後、1か月程度経ってからあらわれます。
回復してからずいぶん遅れて爪がはがれてくると、驚く人もいるでしょう。自然に治るため過度の心配はいりません。
またコクサッキーウイルスA6は、大人の発症率にも影響しています。
従来型ウイルスに対する免疫をもつ大人は多いため、これまで大人の発症率は低いとされてきました。しかしコクサッキーウイルスA6の流行により大人の発症例が増加しています。
従来型のウイルスとコクサッキーウイルスA6の感染では、以下のように若干異なる特徴がみられます。
《エンテロウイルス71とコクサッキーウイルスA16、コクサッキーウイルスA6の特徴》
従来型であるエンテロウイルス71とコクサッキーウイルスA16の特徴 |
(おもに大人にあてはまる) | |
水疱性の発疹 (口) |
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(水ぼうそうと似ている)
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水疱性の発疹 (手足、体) |
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発熱 |
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倦怠感 消化器症状 |
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爪脱落 |
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大人が感染した場合、子どもより症状が重くなるケースがあります。38℃以上の高熱や強い痛みをともなうこともあるため、大人も油断してはなりません。
さらにごくまれに、以下の合併症が報告されています。 [1]
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髄膜炎(ずいまくえん)
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脳炎
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心筋炎
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神経原性肺気腫(しんけいげんせいはいきしゅ)
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急性弛緩性麻痺(きゅうせいしかんせいまひ)
髄膜炎や脳炎など脳や脊髄(せきずい)への影響は、エンテロウイルス71の関連が多いとされています。
手足口病はほとんどが軽症で済みますが、ウイルスの型や年齢によって症状の強さに違いがみられることもあります。初期症状を見逃さず、感染が疑われる場合は速やかに医療機関に相談しましょう。
手足口病の感染経路とうつる確率
手足口病の感染経路はおもに「飛沫感染」「接触感染」「糞口感染」の3つです。
2歳以下の子どもで感染率が高く、感染者の半数を占めています。
小さな子どもは感染対策が十分にできないため感染しやすいです。また周囲にも感染を拡げやすいため、とくに保育施設では子ども同士の感染に注意が必要です。
感染経路と予防方法
手足口病の感染経路はおもに以下の3つです。
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飛沫感染
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接触感染
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糞口感染
3つの感染経路の詳細と予防法について以下にまとめました。[6]
感染経路 |
詳細 |
予防法 |
飛沫感染 |
感染者の咳やくしゃみから飛び散るウイルスを吸い込むことで感染 |
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接触感染 |
感染者の唾液(だえき)や鼻水が手にふれ、ウイルスがついた手で目や口をさわることで感染 |
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糞口感染 |
感染者の便に含まれるウイルスが口に入ることで感染 |
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飛沫感染を防ぐために感染者は咳エチケットを意識し、咳やくしゃみが飛び散らないようにティッシュや腕で口をおおいましょう。
子どもは咳エチケットが難しいこともあるため、周囲の大人がマスクを装着しこまめに手洗いをおこなうことで、自身を守るように心がけてください。
接触感染を防ぐために箸や食器、タオルの共用は避けましょう。口や鼻を介してウイルスが入らないように、感染した子どもがふれた物はできるだけ消毒することも大切です。
糞口感染を防ぐために、おむつ交換後は速やかにビニール袋に入れて周囲にウイルスが飛散しないように気をつけてください。
処置後の手洗いは十分におこない、おむつを交換した場所やトイレ、ドアノブをこまめに消毒しましょう。
発症後1か月程度は便からウイルスが排出されます。[2]
保育施設と家庭では子どもが回復したあとも、感染中と同じ対策を継続してくださいね。
感染力の強い時期とうつる確率
手足口病は2歳以下の子どもで感染力が強く、感染者の半数を占めています。
2歳以下の子どもは手足口病の原因ウイルスに対する免疫をもっておらず、ウイルスにはじめて接触することが多いためです。
とくに保育施設では集団生活により、子ども同士の接触が盛んであるため感染しやすくなります。
中国でおこなわれた研究では、0〜2歳、3〜5歳、5歳以上のグループのうち、0〜2歳のグループがもっとも感染力が強いと報告されていました。
この研究結果によると、0〜2歳では感染者1人から約2.88人にウイルスをうつす可能性があるのに対し、3〜5歳では約1.3人、5歳以上では約1.76人にうつす可能性があることが示されています。 [7]
また日本の国立感染症研究所の報告では、2019〜2024年の感染者のうち、1歳が約30%、2歳が約20%を占めています。感染する確率も2歳以下が高いことがわかります。[15]
2歳以下と3歳以上で感染率に差が出る理由は、おそらく免疫力の違いだけではありません。3歳以上になると手洗いやうがいといった衛生習慣が身につくことも、感染率が低下する理由のひとつであると考えられます。
2歳以下の子どもからの感染を防ぐには、周囲の人が意識して感染対策をおこなう必要があります。手洗いうがいをはじめとする衛生管理を徹底しましょう。
手足口病の治療方法と対処方法
手足口病の治療方法は、おもに症状を和らげる対症療法が中心です。
残念ながら手足口病の原因ウイルスを直接抑える特効薬は存在しません。またウイルス感染であるため、細菌感染に有効な抗生剤も効果を発揮しません。
ウイルスに対抗するためには、体の免疫力を高め十分な休養をとることが大切です。
とはいえ口の中の痛みが強いと、食事や水分補給がすすまないこともあるでしょう。
とくに子どもが水分補給すら嫌がると、親としては心配になりますよね。水分不足が続くと脱水につながるおそれもあります。なるべく痛みが強まらないように飲食を工夫しましょう。
治療方法
手足口病の治療方法は、つらい症状を楽にする「対症療法」が中心となります。
症状を和らげることを目的として、以下の薬が使用される場合があります。[8]
薬の種類 |
使用目的 |
薬の例 |
解熱鎮痛剤 |
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(カロナール)
(ロキソニン) |
抗ヒスタミン剤の外用薬 |
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(ベナパスタ軟膏など) |
脱水症状に対して点滴 (病院にて) |
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解熱鎮痛剤は、熱を下げる目的だけでなく、口内の痛みが激しい場合にも使用されます。
子どもや妊婦の場合には、安全性の高いアセトアミノフェンを使います。
ほかの成分では副作用を起こす可能性や赤ちゃんへの影響が懸念されるため、医師に処方された薬を正しく使用してください。
手足口病では皮膚のかゆみをともなうことはほとんどありませんが、気になる場合は抗ヒスタミン外用薬が使用されることもあります。ただしステロイド剤は使用しません。
ステロイド剤は過剰な免疫反応を抑えて、強い炎症やかゆみをしずめます。
ウイルスが原因である手足口病に使用しても効果はないばかりか、かえってウイルスへの対抗力を弱めるかもしれません。
国立感染症研究所からも、ステロイドを多く使用することで手足口病の症状悪化をまねくと示されています。[2]
家に常備しているステロイドの塗り薬を自己判断で使用することは避けましょう。口内炎の塗り薬も効果が期待できず、ステロイドが配合されている薬もあるため控えてください。
口内の痛みが激しく、飲食がほとんどできない場合は脱水症状が懸念されます。治療が必要な場合もあるため、速やかに受診しましょう。
薬がないときの方法
薬を使用せずセルフケアで様子をみる場合、以下の2つのポイントをおさえましょう。
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飲食とりやすくするために、口内の痛みを減らす
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免疫を高めるために、十分に休養する
口の中に発疹ができると、強い痛みで食事がつらくなる場合があります。子どもの場合は水分補給すら嫌がってしまい、脱水症状も懸念されるため工夫が必要です。
食事や水分補給のときに、痛みを減らすポイントとして「固いもの」「塩味の強いもの・酸っぱいもの」「熱いもの」は刺激となるため避けましょう。
具体的には以下のとおりです。[11]
《食事の工夫》
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酸っぱいもの、塩味の強いものを避ける…オレンジジュースなど柑橘(かんきつ)系は控える
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熱いものも避ける…刺激となるため冷ましてから食べる
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柔らかいものを選ぶ…おかゆ、うどん、ゼリー、豆腐、野菜スープ、ポタージュなど
《水分補給の工夫》
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刺激の少ない飲み物…子ども用のイオン飲料、麦茶、牛乳など
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水分を多く含む食べ物…りんごのすりおろし、シャーベット、アイスクリーム
回復のためにはバランスのよい食事も大切ですが、痛みが強い場合は無理せず食べやすいものを選んでください。
自然治癒を促すために十分な休息も大切です。とくに発熱や痛みがあるときは安静に過ごしましょう。睡眠も体の免疫力を高めるために重要です。
経過観察する際は、症状の変化に注意が必要です。
小さな子どもの場合、元気だったはずが急変することもあるかもしれません。決して目を離さず様子に気をつけてください。
以下は重症化のサインです。万が一以下の症状がみられた場合は医療機関を受診してください。[1]
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2日以上の発熱、高熱
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嘔吐
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視点が合わない
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呼びかけに答えない
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息苦しい
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水分がとれない
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ぐったりとしている
経過には十分注意しつつ、できる限り栄養と水分をとりながらゆっくりと休養しましょう。
手足口病は保育園や学校に行けない?
手足口病にかかっても、発熱がなく普段どおり飲食や生活ができる状態であれば登校や登園は可能です。
手足口病はインフルエンザや新型コロナウイルス感染症とは異なり、出席停止期間が定められていません。
学校保健法では「登校登園の問題については、流行阻止の目的というよりも患者本人の症状や状態によって判断すればよい」とされています。
理由は以下の2つです。[2]
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数日間の出席停止だけでは感染拡大を防ぐ対策とならない
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万が一感染したとしても軽症のケースが多い
手足口病のウイルスは回復後も体内に残り、およそ1か月にわたって排出されます。
咳や鼻水からは1〜2週間、便からは2〜4週間ウイルスが排出されるため、数日間の欠席では感染を効果的に防ぐことは困難です。[9][2]
また手足口病では軽症で済むことが多く自然に回復するため、出席停止の必要性が低いとされています。
日本小児科学会の「学校、幼稚園、認定こども園、保育所において予防すべき感染症の解説」(2024年5月改訂版)によると「本人の全身状態が安定しており、発熱がなく、口腔内の水疱・潰瘍の影響がなく普段の食事がとれる場合は登校(園)可能である」とされています。 [9]
登園・登校を判断するポイントとして、以下の点をチェックしましょう。
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発熱していない
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普段どおりに飲食ができる
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口や手足に強い痛みがない
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体調全般が回復している
皮膚の発疹が治りきってなくても問題ありません。発疹をさわることが直接の感染経路になる可能性は低いためです。
ただし水疱がやぶれた部分にはウイルスが含まれているため、むやみにふれないように注意しましょう。
症状が強く出ている間は、自宅で休みましょう。特効薬がない以上、しっかり休養して免疫力を高めることが回復への近道です。
登園・登校を控える目安としては以下のとおりです。
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発熱している
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口の中や喉が痛くて食事や水分がとれない
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機嫌が悪い、ぐったりしている
発症してから2〜3日は発熱や口内の痛みが強くあらわるため、登園登校は控えてください。
通常3〜4日経てば回復する傾向ですが、学校や保育施設によっては独自のルールを設けている場合もあります。感染が発覚した場合は、速やかに学校や保育施設の指示をあおぎましょう。
登園や登校を再開したあとも1か月程度は、周りの人にうつさないように十分な配慮が必要です。
正しい手洗いのしかたや咳エチケットの方法を、ぜひお子さんに教えてあげてくださいね。
よくある質問
自分や家族が手足口病に感染すると「これからもっと症状がひどくなるのでは」と不安ですよね。
子どもが感染した場合「インフルエンザのように出席停止しなければいけない?」と疑問に思う方もいるでしょう。
感染した経験がない方はとくに、登校・登園の基準や症状の経過について知っておきたいことが多いと思います。
ここでは手足口病についてよくある質問に、理由とともにお答えします。
手足口病は何日目がひどいですか?
手足口病の症状がもっともひどいのは通常2〜3日目です。[2][16]
発症してから2日ほど経つと、口の中や手のひら、足の裏などに水ぶくれ状の発疹ができます。
口の中の水疱がやぶれてただれると、強い痛みを感じ飲食がつらくなります。水分がとれなければ、脱水症状が懸念されるため注意が必要です。
発熱するケースは多くありません。万が一発熱した場合であっても1〜3日程度で下がります。子どもの場合は高熱になることが少なく、発疹が出てはじめて気づくこともあります。
ただし大人は高熱が出たり、子どもに比べて症状が長引いたりする場合があるため気をつけてください。
手足口病は何日で治りますか?
手足口病の症状は通常7〜10日で自然に治ります。
体の免疫システムがウイルスに対抗し、時間とともに症状を軽減させるためと考えられます。
発疹は3〜7日程度で落ち着き、跡が残ることはほとんどありません。 [14]
子どもの場合発熱したとしても通常2〜3日程度で下がりますが、大人の場合は高熱が続くこともあります。無理せずしっかり休養しましょう。
近年ではコクサッキーウイルスA6が原因となるケースが増えており、爪がはがれる症状が報告されています。
感染から1か月程度おくれてあらわれる傾向ですが、自然に治るため心配はいりません。
2日以上高熱が続いたり、水分がとれない状態が続いたりする場合は、重症化するリスクがあるため速やかに医療機関を受診してください。
手足口病で口内炎ができないことはある?
手足口病で口内炎ができないケースはまれですが、可能性はあります。
多くの場合口内の発疹が潰れて口内炎ができてしまいますが、免疫反応には個人差があるため、人によって症状に差がでる可能性は十分に考えられます。
手や足には発疹が出ても、口内には発疹がまったくあらわれない人もいるかもしれません。
口内炎は手足口病の典型的な症状とされていますが、必ず全ての人に出現するわけではありません。症状の有無や程度には個人差があることを理解しておきましょう。
手足口病が治ったはずなのに下痢が続いている
下痢が続いている理由は、体内に手足口病のウイルスが残っているためだと考えられます。
症状全般が治まったあとでも、数週間から1か月程度にわたりウイルスが体内に残るため、人によっては下痢が続くことがあります。
ひどい下痢でなければ様子をみて問題ありません。脱水を防ぐために、こまめな水分摂取を意識しましょう。
下痢が長引く場合や脱水症状がみられる場合は、早めに医療機関を受診してください。とくに小さな子どもは脱水症状を起こしやすいため注意が必要です。
手足口病の発疹が出ているときに学校に行ったらダメですか?
発疹が出ていても、発熱しておらず普段どおり飲食でき、体調全般が回復していれば登校できます。
学校保健法でも手足口病には出席停止期間が定められていません。
ただし学校によって登校基準が異なる場合があるため、登校可否については学校にも問い合わせましょう。
症状が改善しても体内にはウイルスが残っているため、周囲にうつす可能性があります。
手足口病の感染経路は、咳やくしゃみ、唾液にふれることで感染するケースがほとんどです。食事やトイレ後はとくに、手洗いをしっかりとおこなうことが大切です。
友達や先生にうつさないために咳エチケットやこまめな手洗いを心がけるよう、お子さんへ声掛けしてあげてくださいね。
まとめ|手足口病と思われる湿疹が出てきたら注意
手や足、口の中に発疹があらわれたら手足口病の可能性があります。
手足口病は子どもを中心に発症しやすく、比較的軽症で済むことが多い傾向です。
しかし近年コクサッキーウイルスA6という新しい型が流行しており、免疫のない大人の感染も増加しています。
大人は症状が長引くケースや、高熱をともなうケースも報告されており油断できません。
手足口病に特効薬はありませんが、多くの人は自然に治癒します。無理をせず安静に過ごしましょう。
口内の痛みが強い場合は飲食しにくくなるため、とくに子どもは脱水症状に注意が必要です。
水分を十分にとれないときは、医療機関に相談して適切な処置を受けてください。
手足口病のウイルスは、飛沫感染や接触感染、糞口感染によって感染を拡げます。
家庭や保育施設での感染拡大を防ぐために、手洗いや消毒、おむつの適切な処置を徹底しましょう。
子どもは発熱がなく、飲食が普段どおりできるまで回復していれば、登園や登校しても問題ありません。
ただし1か月程度は体内にウイルスが残っているため、周りの人にうつさないよう心がけが大切です。
ぜひこの機会に、お子さんへ正しい手洗いのしかたや咳エチケットについて教えてあげてください。
本記事を参考に、感染予防と適切な対処法への理解を深め、手足口病から自分や大切な家族を守ってくださいね。
手足口病の湿疹は少しずつあらわれる場合もあればいきなりあらわれる場合もあります。
ファストドクターのオンライン診療では、手足口病が疑われる症状への対応が可能です。 24時間365日、スマホで予約・診察が受けられます。
痛み止めや解熱剤・抗インフルエンザ薬などの処方が可能。
薬局か宅配でお受け取りできます。
参考文献
[3]Hand-Foot-Mouth Disease in an Adult - PMC
[4]気候変動による感染症への影響 Climate change and infectious diseases <総説>
[8]●手足口病ってどんな病気? ●どうやって感染するの? ●どうやって治療するの? ●手足口
[9]「学校、幼稚園、認定こども園、保育所において予防すべき感染症の解説」
[10]https://idsc.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/epid/y2000/tbkj2108/
[12]IDWR 2024年第27号<注目すべき感染症> 手足口病
[13]https://kansen-levelmap.mhlw.go.jp/Byogentai/Pdf/data24j.pdf
[14]手足口病 Hand , Foot and Mouth Disease | 東京都感染症情報センター
本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。
具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。