胸の違和感・痛み(胸痛)について
監修医師:神田貴行 先生(小児科医)
胸の違和感・痛み(胸痛)
ポイント
1
心臓が原因の胸痛は命に関わることも
胸痛は胸に起こる痛みの総称です。
原因は、心臓・肺・消化器・神経・ストレスなど多岐にわたります。中でも心臓が原因となり起こる胸痛は命に関わる場合があります。
とくに、動悸や脈拍の乱れ(速くなる・遅くなる・飛ぶ)を伴う場合は心臓が原因となっている可能性があります。
胸痛が起きた場合は一度医療機関を受診して原因を突き止めたほうがよいでしょう。
とくに危険な胸痛
- 胸や背中に突然起こる激痛
- 胸や背中の痛みが移動する
- 胸の真ん中が締め付けられるような痛みが30分以上続いている
- 急な息切れや、呼吸困難を伴う胸痛
ポイント
2
胸以外(左腕・肩・背中・顎)にあらわれる痛みが心臓と関係していることも
胸以外でも、左腕・肩・背中・顎にあらわれる痛みが心臓と関係している場合があります。これは放散痛といい、本来心臓にあらわれる痛みが神経を通じて他の場所にあらわれます。
胸の違和感や痛みに伴って、左腕・肩・背中・顎に痛みがあらわれた場合は医療機関を受診しましょう。
ポイント
3
症状が出ているときに受診する
症状が出ていない時に受診すると、検査を受けても原因が分からないことがあります。大丈夫だろうと自己判断せず、異変を感じたら受診することが大切です。
胸の痛みの対処
身動きが取れないほどの痛みがある場合は119へ連絡しましょう。
その他の痛みは以下のように対処しましょう。
- 安静にして休む
- 楽な姿勢で安静にする
- 深呼吸をする
- 10分様子を観察する
- 10分休んでも痛むときはすぐに受診
- 症状が改善しない場合
10分間安静にしていても「症状に改善がない」「痛みが強くなる」場合は受診しましょう。
痛みで動けない場合は救急車を呼びましょう。
- 10分休んで症状が改善した場合は過ごし方に注意
痛みが落ち着いたら、日常生活を送ってもかまいませんが、注意点があります。
以下のように、心臓に負担がかかることや、胸痛が再び起きた場合に危険なことは避けましょう。
- 激しい運動
- サウナ、温泉へ行く
- プールへ行く
- 熱いお風呂、長風呂
- 寒暖差のある場所を行き来する(脱衣所と浴室など)
- 車、バイク、自転車の運転
- 「休むと症状が改善する胸痛」を繰り返す場合は、10分以内に症状が落ち着いても医療機関を受診しましょう。
痛み止めの使用は原因が分かってから
胸痛があるとき、痛み止めを使用することは可能です。
しかし、胸痛が起きた際は何が原因で起きているかを明確にすることが重要であるため、痛み止めを使用するほどの痛みがあるのであれば、まずは受診することをおすすめします。
また、初めて胸痛が起きた場合や、度々胸痛が起こる場合も痛み止めで症状を抑えず、受診した方がよいでしょう。
こどもの胸が痛いときは
こどもが胸痛を訴えたとき、心臓に問題がない場合がほとんどです。
チクチクする程度の胸痛を訴えた際には、大人と同様に10分ほどは安静にして様子を見ましょう。安静にして症状が改善するようであれば、急いで受診する必要はありません。
頻回に胸痛を訴える・いつもと違う点があれば小児科に相談をしましょう。
また、こどもは自覚症状をうまく伝えることができない場合もあるので不安に感じるときは迷わず受診しましょう。
迷ったら循環器内科へ
心臓の痛みかは分からないがなんとなく胸が痛いという場合でも、循環器内科を受診しましょう。
胸痛の原因が心臓である場合、速やかな治療が必要となる場合が多いです。心臓が原因か、そうでないかを明らかにするための検査はとても大切です。迷ったときは循環器内科を受診しましょう。
こどもの胸痛で受診するときは、小児科や、こどもの心疾患を専門に診てくれる病院を選びましょう。
胸の痛み方と考えられる原因
一瞬だけチクチク・ピリピリした痛みが走る
肋間神経痛や帯状疱疹の前ぶれかもしれません。
「急に電気が走るような痛み」「ジクジクとした持続する痛み」がある場合は肋間神経痛の疑いがあるので整形外科を、「ヒリヒリ」「ピリピリ」とした痛みが胸のあたりにある場合は帯状疱疹の疑いがあるので皮膚科を受診しましょう。
ご自身で判断ができない場合は内科を受診しましょう。
咳や深呼吸で胸が痛む
もしかしたら咳のしすぎかもしれません。
長い期間激しい咳が続くと、胸の筋肉に強い力が加わることで、胸痛があらわれることがあります。
痛み方の特徴は、「咳をすると痛む」「息を吸い込んだときに痛む」です。症状がひどくなると、動くだけで痛みがあらわれることもあります。
注意しなければならないのは、心臓が原因となる病気でも、咳と胸痛が同時にあらわれることがあることです。
心臓が締め付けられるような強い痛みがある場合は、心臓が原因となり症状があらわれている可能性があります。早めに循環器内科を受診しましょう。
咳の症状が強い・息苦しさがある場合は、呼吸器が原因となり症状があらわれている可能性があります。早めに呼吸器内科を受診しましょう。
胸の痛みとともに、不安感や動悸・息苦しさがある
ストレスが原因となり、自律神経が乱れることで心臓の動きがうまくおこなわれず、胸痛があらわれることがあります。ストレスが原因となる胸痛の場合、「ズキズキ」「チクチク」といった痛みがあらわれやすいです。 また次のような特徴もあります。
- 動作に関係なく安静時に痛みが出る
- 長時間(1日中)痛みが続く
- リラックスすると症状が落ち着く
- 動悸、息切れ、めまい、不眠、不安感のいずれかの症状を伴う
ストレスが原因である場合、検査では異常が見つからないことがほとんどです。しかし、ストレスが長く続くことや、強いストレスを感じることで、心筋梗塞やストレス心筋症といった病気につながることもあります。
「ストレスだから」と捉えずに、まずは循環器内科を受診しましょう。
心臓に異常がないと診断されても症状が続く場合は、心療内科や精神科を受診することも検討しましょう。
受診目安
119 救急車を要請
- 痛みで身動きがとれない
- 意識がない、意識がはっきりしない
- 呼吸をしていない、呼吸が苦しそう
- 明らかに様子がおかしく自力での受診が難しい
- 胸や背中に突然激痛が起き、痛みが続いている
- 胸や背中の痛みが移動する
- 胸の真ん中が締め付けられるような強い圧迫感がある
- 急な息切れや、呼吸困難
- 左肩や左腕、歯、顎、背中に痛みが広がる
- 胸痛にともない冷や汗、めまい、ふらつきがある
- 10分以上安静にしていても痛みが続く
救急車を検討・昼夜を問わず救急外来へ
- 自力で動くことはできるが強い痛みがある
- 胸痛にともない38℃以上の発熱がある
- 胸痛にともない足の痛み、腫れ、むくみ、赤み、熱っぽい感じのいずれかがある
医療機関が開いている時間帯に速やかに受診
- 痛みはあるが日常生活は送れる
- 10分安静にするとおさまるが、度々繰り返す胸痛
- 痛いほどではないが違和感がある
- なんとなく胸の不快感がある
- ストレスを感じている
「対処法を調べる」監修医師

こうだたかゆき
神田貴行医師
日本小児科学会専門医/博士(医学)
島根大学医学部臨床教授
コンサータ登録医
鳥取大学医学部卒業後、小児科医として16年間病院勤務、11年間発達障害児対応クリニック院長を務めた。現在は小児科を中心にオンライン診療等を行うフリーランス医師としても活動中。
この記事は医師監修のもと、ファストドクター株式会社が制作しています。


