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胸痛

の緊急度チェックと対処法、受診目安

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症状ごとの緊急度をチェック

オンライン診療で受診できるか、対面診察が必要かは、重い症状の有無で判断が可能です。

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医師監修でわかる

  • 症状の特徴と注意点
  • 赤ちゃん・子どもの対処
  • 病院のかかり方

すぐに119番を呼ぶべき危険な胸痛(胸の痛み)

以下のような症状がある場合は速やかに119番へ連絡し救急要請しましょう。

  • 胸や背中に突然起こる激痛

  • 胸や背中の痛みが移動する

  • 胸の真ん中が締め付けられるような痛みが30分以上続いている

  • 急な息切れや、呼吸困難を伴う胸痛

これらは以下のような、医療機関で早急に治療が必要となる病気の可能性があります。

  • 心筋梗塞

  • 大動脈解離

  • 肺血栓塞栓症

  • 気胸

胸痛(胸の痛み)が起きたときの対処方法

胸痛が起きたら以下の順に対処しましょう。

1.危険な痛みや症状があるか確認する

以下の症状に当てはまらないかを確認してください。

  • 胸や背中に突然起こる激痛

  • 胸や背中の痛みが移動する

  • 胸の真ん中が締め付けられるような痛みが30分以上続いている

  • 急な息切れや、呼吸困難を伴う胸痛

当てはまる→119へ

当てはまるかどうかわからない→#7119へ

※#7119がない地域/つながらないとき:地域の医療相談窓口や119へ相談

当てはまらない→次の対処手順へ

2.安静にして10分休む

  • 楽な姿勢で安静にする

  • 深呼吸をする

  • 10分様子を観察する

3.10分休んでも痛むときはすぐに受診

症状が改善しない場合

10分間安静にしていても「症状に改善がない」「痛みが強くなる」場合は受診しましょう。

痛みで動けない場合は救急車を呼びましょう。

このとき、絶対に自分で車を運転しないでください。

すぐに病院へ到着できるよう、徒歩や電車移動も避け、家族に運転してもらうか、タクシーを呼ぶとよいでしょう。

4.10分休んで症状が改善した場合は過ごし方に注意

痛みが落ち着いたら、日常生活を送ってもかまいませんが、注意点があります。

以下のように、心臓に負担がかかることや、胸痛が再び起きた場合に危険なことは避けましょう。

  • 激しい運動

  • サウナ/温泉へ行く

  • プールへ行く

  • 熱いお風呂/長風呂

  • 寒暖差のある場所を行き来する(脱衣所と浴室など)

  • 車/バイク/自転車の運転

「休むと症状が改善する胸痛」を繰り返す場合は、なんらかの病気が原因となっている可能性があります。

10分以内に症状が落ち着いても医療機関を受診しましょう。

痛み止めは使ってもいいの?

胸痛があるとき、痛み止めを使用することは可能です。

しかし、痛み止めを使用するほどの痛みがあるのであれば、まずは受診することをおすすめします。

また、初めて胸痛が起きた場合や、度々胸痛が起こる場合も痛み止めで症状を抑えず、受診した方がよいでしょう。

痛み止めは対症療法といって、痛みの症状を和らげる効果はありますが、原因を解決する手段にはなりません

まずは受診をし、自分の胸痛の原因を調べてもらいましょう。その上で医師の判断に基づき痛み止めを使用してください。

すでに痛み止めを使用していて、『痛み止めを使用したけど痛みが改善しない』ときは速やかに医療機関を受診してください。

子どもの胸が痛いときは?

子どもが胸痛を訴えたとき、大きな病気である可能性は大人よりも低いことが多いです。

慢性的な痛みでも、数分でおさまり、他の症状がない胸痛は、心臓に問題がない場合が多いです。

ただ、元気そうに見えていても、大人と同様に10分ほどは安静にして様子を見ましょう。安静にして症状が改善するようであれば、急いで受診する必要はありません。

頻回に胸痛を訴える/いつもと違う点があれば小児科に相談をしましょう。

また、子どもは大人よりも自覚症状をうまく伝えることができない傾向にあるため、不安に感じるときは迷わず受診しましょう。

子どもの観察のしかた

とくに5歳以下の子どもは自分の体に起こっている症状を正確に伝えることが難しいです。

また、何度も同じ質問をされると質問に対する答えが変化する場合もあるため、本人の言葉だけで状態を判断することは避けましょう。

そのため、親からみて「何か変だな?」「いつもと違う?」という様子が続く場合は医師へ相談してみましょう。

受診するときのポイント

受診の際は以下のように時系列で状況を伝えるとよいでしょう。

余裕があればメモなどを作成しておくとよりスムーズです。

  • いつから(◯月◯日から)症状があるか
  • 胸のどのあたりに痛みを感じるか(真ん中あたり/右だけ/左だけ/皮膚の表面が)
  • どんな痛みか(締め付けられるような/圧迫感/チクチク/ズキズキ)があるか
  • どんなときに症状があるか(常に/動きに伴って)
  • 他に症状はあるか(肩や顎にも痛みがある/動悸/息切れ/めまい)
  • 持病はあるか
  • 持病などで飲んでいる薬があるか
  • 症状に対して薬を服用したか→ある場合は薬品名(商品名)と服用時間

病院の持ちものリスト(優先順)

緊急時(救急車)も必ず持参

・スマートフォン/携帯電話

・家族の連絡先がわかるもの

・お財布

・お薬手帳(持病がある場合は必ず)

その他にも必要なもの

・保険証

・医療証

・診察券

※保険証・医療証がないと、費用が一時的に10割負担となることがあります

子どもは下記も準備しましょう。

・着替え

・おむつ

・おしりふき

・ビニール袋2−3枚

・大きめのタオル(フェイスタオル等)

胸痛(胸の痛み)で見逃しやすい危険な症状や初期対応の大切さを知ろう

胸以外にあらわれる痛みにも要注意(左腕・肩・背中・顎)

心臓が原因でおきる胸痛は緊急度が高いです。胸以外に痛みがあらわれることもあり、以下の2つを覚えておくことが大切です。

  • 心臓から離れた場所に痛みを感じることがある

  • 弱い痛みが軽症だとは限らない

病気によって痛みが出るとき、放散痛(ほうさんつう)といって、原因となる臓器から離れた場所に痛みを感じることがあります。心臓の病気における放散痛では、 左腕/左肩/背中/顎 へ痛みがあらわれることがあります。

また、痛みが弱いから軽症だとは限りません。 「左肩が痛い」「気分が悪い」 といった不調で受診して、心筋梗塞や狭心症と診断されることもあります。

心臓の病気かどうかは、検査をおこなうことでわかります。「もしかしたら?」と感じたときは早めに受診することが大切です。

初期対応がとても大事

他の病気でもいえることですが、胸痛における初期対応は非常に重要です。

理由として、以下の2つがあります。

  • 危険な胸痛であった場合、心停止を起こす可能性が高い

  • 治療の開始時間が治療結果に影響する

危険な胸痛の中には、症状があらわれてから1時間以内に心停止を起こす確率が高い病気もあり、状況によっては心肺蘇生が必要となることもあります。

初期対応について確認しておきましょう。(対処リンク)

また、発症してから治療を開始するまでの時間が治療結果に影響します。危険な胸痛の症状について知り、「もしかして?」と感じたら速やかに医療機関を受診できるようにしましょう。

心臓が原因ではない胸痛もある

心臓に近い臓器が原因となり胸痛があらわれる場合もあります。肺・食道・胃などがこれにあたります。

痛み方だけでどの臓器が原因かを判断するのは難しいです。

不安に感じる場合は医療機関へ相談をしましょう。

【対面で診察?救急車?オンライン診療?迷ったら】今の症状と適した受診先

受診が必要な症状について知っておきましょう。

緊急度チェックでは、症状に応じた受診先をすぐに判定できます。

判断に迷う時の相談先

119番(救急車)

以下の症状に一つでも当てはまる場合はすぐに119(救急車)へ連絡しましょう。

痛みの目安:痛みで身動きがとれない

  • 意識がない/意識がはっきりしない
  • 呼吸をしていない/呼吸が苦しそう
  • 明らかに様子がおかしく自力での受診が難しい
  • 胸や背中に突然激痛が起き、痛みが続いている起
  • 胸や背中の痛みが移動する
  • 胸の真ん中が締め付けられるような強い圧迫感がある
  • 急な息切れや、呼吸困難
  • 左肩や左腕、歯、顎、背中に痛みが広がる
  • 10分以上安静にしていても痛みが続く
  • 胸痛にともない冷や汗/めまい/ふらつきがある

至急受診を

以下の症状がある場合は至急医療機関を受診しましょう。夜間には救急病院を受診してください。

痛みの目安:自力で動くことはできるが強い痛み

  • 胸痛にともない38℃以上の発熱がある
  • 胸痛にともない足の痛み/腫れ/むくみ/赤み/熱っぽい感じのいずれかがある
  • 咳とともに血の混じった痰が出る

早めの対処

以下の症状がある場合は病院が開いている時間帯に医療機関を受診してください。

痛みの目安:痛みはあるが日常生活は送れる

  • 10分安静にするとおさまるが、度々繰り返す胸痛
  • 痛いほどではないが違和感がある
  • なんとなく胸の不快感がある
  • ストレス

夜間や休日に胸痛があり、救急外来に行くべきか悩む

緊急度が高い症状がある場合は迷わず119番へ連絡してください。

「数分で症状がおさまったけど、心配だから今すぐ受診したい」「朝まで待つのが不安」など、判断に迷う場合は、#7119やオンライン診療(24時間対応)への相談も有効です。

※オンライン診療では症状によって対面診療をご案内する場合もあります。相談の結果、直ちに対面診療へのご案内になった場合、診察料は請求いたしません

何科を受診すればいいの?迷ったら循環器内科へ。

心臓の痛みかはわからないけどなんとなく胸が痛いという場合でも、循環器内科を受診しましょう。

胸痛の原因が心臓である場合、速やかな治療が必要となる場合が多いです。そのため、心臓が原因か、そうでないかを明らかにするための検査はとても大切です。迷ったときは循環器内科を受診しましょう。

診てもらえる症状なのか不安な場合は、受診の前に病院へ電話で確認してみるとよいでしょう。

子どもに胸痛があり受診するときは、小児科や、子どもの心疾患を専門に診てくれる病院を選びましょう。

受診を迷いやすい胸痛(胸の痛み)|考えられる原因と相談先

緊急度を確認したうえで、「受診すべきか」「もう少し様子を見ていいのか」と判断に迷う場合もあるでしょう。以下に受診を迷いやすいシチュエーションをまとめました。

一瞬だけチクチク・ピリピリした痛みが走る

肋間神経痛や帯状疱疹の前ぶれかもしれません。肋間神経痛の疑いがあるときは整形外科、帯状疱疹が疑われる場合は皮膚科を受診しましょう。

肋間神経痛の痛み方とは?

肋骨の間を走っている神経がなんらかの原因で痛む症状をいいます。

肋間神経痛の痛みは 「急に電気が走るような痛み」「ジクジクとした持続する痛み 」であるといわれています。

心臓が原因となる痛みと違うのは、「 痛む場所がはっきりしていて肋骨に沿って鋭い痛みが起こる」「上半身の右側か左側にのみ起こる」 という点です。

帯状疱疹の痛み方とは?

一度水ぼうそうにかかっている人は、水痘・帯状疱疹ウイルスが体内に残り続けます。普段は免疫によって抑えられていますが、加齢や体調不良などで免疫力が低下したときに、ウイルスが再び活動し始め、帯状疱疹を発症します。発症すると、帯状疱疹ウイルスが神経の中を通って、皮膚に皮疹を起こします。多くの場合は、上半身の左右どちらかに症状があらわれます。

心臓の痛みと間違えてしまいそうなのは、 発疹があらわれる前の初期症状 の段階です。

胸のあたりに症状があらわれた場合が 「ヒリヒリ」「ジクジク」 とした痛みが感じられます。

心臓が原因となる痛みと違うのは、 皮膚表面の持続的な痛み が感じられることです。

帯状疱疹の対処方法を見る

咳や深呼吸で胸が痛む

その痛み、もしかしたら咳のしすぎかも?

長い期間激しい咳が続くと、胸の筋肉に強い力が加わることで、胸痛があらわれることがあります。痛み方の特徴は、「 咳をすると痛む」「息を吸い込んだときに痛む」です。

症状がひどくなると、動くだけで痛みがあらわれることもあります。

注意しなければならないのは、 心臓が原因となる病気でも、咳と胸痛が同時にあらわれることがある ことです。

心臓が締め付けられるような強い痛み がある場合は心臓が原因となり症状があらわれている可能性があります。早めに循環器内科を受診しましょう。

咳の症状が強い/息苦しさ がある場合は呼吸器が原因となり症状があらわれている可能性があります。早めに呼吸器内科を受診しましょう。

胸の痛みとともに、不安感や動悸・息苦しさがある

ストレスが原因となり、自律神経が乱れることで心臓の動きがうまくおこなわれず、胸痛があらわれることがあります。ストレスが原因となる胸痛の場合、 「ズキズキ」「チクチク」 といった痛みがあらわれやすいです。

また次のような特徴もあります。

  • 動作に関係なく安静時に痛みが出る
  • 長時間(1日中)痛みが続く
  • リラックスすると症状が落ち着く
  • 動悸/息切れ/めまい/不眠/不安感のいずれかの症状を伴う

ストレスが原因である場合、検査では異常が見つからないことがほとんどです。

しかし、ストレスが長く続くことや、強いストレスを感じることで、心筋梗塞やストレス心筋症といった病気につながることもあります。

「ストレスだから」と捉えずに、まずは循環器内科を受診しましょう。

心臓に異常がないと診断されても症状が続く場合は、心療内科や精神科を受診することも検討しましょう。

オンラインでも心療内科・精神科の受診が可能です。

症状が出る前に備えられること

近隣の病院を確認しておく

近隣の夜間・休日に対応している病院やかかりつけ医の診療時間を確認しておきましょう。

タクシー会社の連絡先を確認しておく

自分や家族が体調不良のときは運転を避けましょう

運転に気を取られ子どもの体調変化を見落としてしまったり、普段より慌ててしまい、事故につながるリスクもあります。

こうした事態を防ぐためにも、体調不良時に備えてタクシーの連絡先を確認しておきましょう。

緊急連絡先を確認しておく

勤務先や学校、幼稚園など緊急時の連絡先を確認しておきましょう。

受診に必要な物の場所を決めておく

保険証や診察券、お薬手帳、医療証、母子手帳などの置き場所を決めておき、すぐに持ち出せるよう備えましょう

「対処法を調べる」監修医師

監修医師

こうだたかゆき

神田貴行医師

日本小児科学会専門医/博士(医学)
島根大学医学部臨床教授
コンサータ登録医

鳥取大学医学部卒業後、小児科医として16年間病院勤務、11年間発達障害児対応クリニック院長を務めた。現在は小児科を中心にオンライン診療等を行うフリーランス医師としても活動中。

この記事は医師監修のもと、ファストドクター株式会社が制作しています。

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この緊急度チェックは総務省消防庁準拠の緊急度判定プロトコールに基づいて一般的に考える症状を表示しており、診断するものではありません。気になる症状がある場合にはご自身の判断で受診してください。

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