ゾフルーザが本当に効果のある薬なのか、副作用はあらわれやすいのか気になりますよね。
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抗インフルエンザ薬「ゾフルーザ」について
2018年に発売開始したゾフルーザはインフルエンザ薬のひとつで、A型またはB型のインフルエンザ治療薬です。[1]
他の治療薬に比べて新しい薬で、まだ馴染みがない人も多いのではないでしょうか。
ゾフルーザはインフルエンザウイルスの増殖を抑制し、インフルエンザによる症状を緩和してくれます。
以前より用いられてきたインフルエンザ治療薬は、細胞外にウイルスが増殖するのを防ぐものでしたが、ゾフルーザは細胞内でウイルスの増殖を抑制します。
そのため、より高い効果を期待できるのです。
また、症状緩和までの時間も比較的短縮していることから、2018年と2019年には抗インフルエンザ薬のうち約40%を占めるシェア率でした。
体重と年齢に合わせた用量を1度内服するだけで終了する点も特徴の一つといえるでしょう。
タミフルとは異なる点
インフルエンザ薬としてよく処方され馴染みのある「タミフル」はゾフルーザと同じく内服薬ですが、作用の仕方や服用期間、投与を推奨される年齢が異なります。[1][2]
簡単に表にしたので、参考にしてみてください。
ゾフルーザ |
タミフル | |
投与方法 |
内服 |
内服 |
投与回数(服用期間) |
1回 |
1日2回×5日 |
対象年齢 |
12歳未満の小児へは積極的に推奨しない |
全年齢 |
作用機序 |
キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害 |
ノイラミニダーゼ阻害 |
まず、投与回数はゾフルーザが1回のみであることに対して、タミフルは1日2回の服用を5日間続ける必要があります。
1回きりの投与で完結するゾフルーザは飲み忘れの心配もなく、服用の負担もないのが特徴です。
作用の仕方も異なります。タミフルは細胞の中で増えたウイルスを細胞内に閉じ込めて他の細胞に広がるのを防ぐ働きをします。
一方で、ゾフルーザは細胞内でウイルスそのものが増えないようにする働きをするため、比較的短期間でインフルエンザの症状を抑えられるのです。[3]
具体的にウイルスが体内から出ていく時間を比較すると、タミフルが72時間でゾフルーザが24時間と報告されています。
少しでも早くインフルエンザの症状から解放されるのは身体的にも助かりますね。
関連記事:「インフルエンザの治療薬、タミフルについて解説!飲み方や効果、副作用は?」
関連記事:「タミフルの効果と副作用について知ろう|服用方法や副作用対策について解説」
ゾフルーザに副作用などの問題点はある?
どの薬にも言えることですが、当然ゾフルーザにも副作用はあります。ただ、副作用については「必ず起こる」というわけではありません。
数%の確率で起こるものであるため、それほど心配する必要もないでしょう。そしてゾフルーザでは小児科では推奨しない方針であると日本小児科学会が発表しています。
ゾフルーザの副作用についてと、小児科では推奨しない理由について順を追って説明します。
ゾフルーザの副作用は?死亡例はあるの?
ゾフルーザの副作用として報告されている症状は複数あります。主に、下痢や吐き気です。その他、考えられる副作用は以下の通りです。[4]
-
腹痛
-
下痢・血便
-
顔面蒼白
-
呼吸困難
-
血尿
-
鼻血
ゾフルーザ服用して数日後に副作用の症状があらわれることも報告されています。もし下痢や鼻血などの症状があらわれた場合は、速やかに主治医に相談しましょう。
副作用に関してはタミフルと比べると精神症状があらわれる可能性は低いと言われています。
しかし、服用しているかどうかに関わらず、インフルエンザに感染している人は徘徊や飛び降りなどの異常行動に注意してください。
異常行動は発熱から2日間以内に現れることが多く、小学生以上の未成年男子に多い傾向です。万が一の事故を防ぐため、発熱から2日間は注意しましょう。
また、死亡例があるのかどうかも不安となる要素になりますよね。
ゾフルーザを服用して10日後に死亡した例も報告されています。ただし、ゾフルーザだけの事例ではなく、その他の治療薬でも死亡した例があるのです。
むやみに服用を怖がる必要はありませんが、どんな薬も副作用があることを理解しておきましょう。
関連記事:「インフルエンザの死亡率はどのくらい?超過死亡ってなに?重症化させないための方法についても解説」
関連記事:「インフルエンザ治療薬を厚生労働省が注意喚起?気になるタミフル服用後の異常行動について解説」
腹痛や下痢・血便、息苦しいなど少しでも違和感を感じたら、一度オンラインで医師に相談してみるのはいかがでしょうか?
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小児科では推奨しない方針なのはなぜ?
日本小児科学会では、ゾフルーザをは12歳未満の小児へ投与することをは積極的に推奨していません。[3]
2023年11月19日時点で報告された「2023/24 シーズンのインフルエンザ治療・予防指針」[3]によると、薬が効かなくなる耐性ウイルスが見つかることが多々あるため、6歳未満は推奨はせず、6歳以上は慎重に判断するという方針を発表しています。
PA/I38X変異株といわれるゾフルーザに耐性をもつウイルスが、小児に対して高確率で存在しているのです。
耐性ウイルスが増加してしまうと、症状が長引く恐れや周囲への拡大の恐れもあるため、
現時点(2024年3月)でゾフルーサの投与は、12歳以上で推奨されています。
2023/2024年シーズンは、小児科ではタミフルを全年齢で推奨し、リレンザやイナビルを吸入可能な6歳以上に推奨しています。
関連記事:「インフルエンザの主な症状と症状別対処法を紹介!子供の場合の注意点も解説」
タミフルと比べると有意差なし
12歳以上のインフルエンザに対して、ゾフルーザとタミフルの有効性は同程度と位置付けられています。
作用の仕方は異なりますが、どちらも抗ウイルス効果に有意差はありません。
また、安全性も副作用を理解したうえで服用すれば、有意差はないと考えて良いでしょう。[1]
ゾフルーザはウイルス排出までの期間が短く、感染させる期間もその分短縮される傾向にあります。
症状や重症度に応じて医師からゾフルーザを処方された場合も、用法用量を守り安心して服用して良いでしょう。
ゾフルーザとほかのインフルエンザ薬の違い
インフルエンザ治療薬にはゾフルーザの他にも以下の治療薬を主に使用します。
-
タミフル
-
リレンザ
-
イナビル
-
ラピアクタ
治療薬によって飲み方や投与方法が異なります。以下の表を参考にゾフルーザとの違いを確認しましょう。[1][2][5][6][7]
治療薬名 |
ゾフルーザ |
タミフル |
イナビル |
リレンザ |
ラピアクタ |
服用方法 |
内服 |
内服 |
吸入 |
吸入 |
点滴 |
服用期間(回数) |
1回のみ |
1日2回を5日間 |
1回のみ |
1日2回を5日間 |
1回のみ |
特徴 |
・タミフルよりも短期間でインフルエンザの症状を抑えられる。 ・12歳未満への積極的な推奨をしていない。 ・12歳未満では耐性ウイルスの出現に注意 |
・臨床実績がある。 ・現時点で最も処方されている。 |
・タミフルよりも症状出現時間が短い。 ・呼吸器疾患がある場合、吸入による気道刺激あり。 |
・B型により効果があるとされている。 ・呼吸器疾患がある場合、吸入による気道刺激あり。 |
・重症化例や入院した場合に用いるケースが多い。 |
以上のように、2023/2024年シーズンで主に使用されている治療薬にはそれぞれ異なる点があります。
社団法人 日本感染症学会によると、重症のケースや肺炎を合併している場合は吸入薬であるイナビルとリレンザは避けた方が良いと提言されています。
インフルエンザ治療薬の中で、どの薬が1番効くのかどうか明確な答えはありません。
そのため、患者さんそれぞれの症状や持病に合わせて治療薬を選択する必要があります。
また、どの治療薬もインフルエンザウイルスを完全に死滅させるのではなく、ウイルスの増殖を抑えるものと理解しておきましょう。[8]
医師から処方されたインフルエンザ治療薬を服用する際は、上記の違いをもとに気になることをしっかり相談してみてください。
インフルエンザの辛い症状が1日でも早く良くなるよう、用法用量を守って服用しましょう。
関連記事:「インフルエンザと戦うための薬:適切な選択と使用のポイント」
関連記事:「インフルエンザ治療薬ってどんな薬?特徴や服用時の注意点について解説」
まとめ:効果は立証されているが子どもの服用には注意を
ゾフルーザの効果や副作用、問題点について解説しました。
今まさにインフルエンザに罹ってしまいゾフルーザを処方された人やご家族が処方された人も不安を払拭できたのではないでしょうか。
ゾフルーザはタミフルなどに比べるとウイルスを減らす時間が短く、効果も立証されています。
また、1回の服用で完了する点も飲み忘れの心配がなく、療養に専念できるでしょう。
ゾフルーザに限らずインフルエンザ治療薬には、副作用が現れる可能性があることを理解したうえで、成人の場合はあまり心配せずに服用しても問題ありません。
ただし、子どもの場合の服用は引き続き耐性菌などの問題に注意をして小児科医に相談しながら最適な治療薬を処方してもらいましょう。
関連記事:「インフルエンザで市販薬を飲んではダメ?インフルエンザで避けるべき薬剤を解説」
ゾフルーザのことだけでなく、インフルエンザの症状や薬について、かかりつけの医師や薬剤師に聞き忘れてしまったことはありませんか?
夜間や休日などに聞きたいことを思い出してお困りなら、オンラインで医師の診察を受けることができるファストドクターを利用してください。
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参考文献
[1]ゾフルーザ錠10mg・錠20mg・顆粒2%分包 | 医療用医薬品 | 塩野義製薬 医療関係者向け情報 (shionogi.co.jp)
[2]タミフル Q&A一覧|患者さん・一般の皆さま|中外製薬 (chugai-pharm.co.jp)
[3]日本小児科学会 予防接種・感染症対策委員会|2022/23 シーズンのインフルエンザ治療・予防指針
[4]市販直後調査「副作用収集状況」最終報告(治療) | ゾフルーザ錠10mg・錠20mg・顆粒2%分包 | 塩野義製薬 医療関係者向け情報 (shionogi.co.jp)
[6]インフルエンザの情報ならインフル・ニュース (influ-news.info)
[7]ラピアクタ点滴静注液バッグ300㎎・バイアル150㎎ | 医療用医薬品 | 塩野義製薬 医療関係者向け情報 (shionogi.co.jp)
[8]インフルエンザ抗ウイルス薬:臨床医のためのまとめ |疾病管理予防センター (cdc.gov)
本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。
具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。