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うつ病の症状
うつ病では心や身体にさまざまな症状があらわれます。症状は大きく4つに分けられます。[1][2][3]
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体調の変化
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行動の変化
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喋り方の変化
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表情の変化
個人差はありますが、頭痛やめまい、動作がゆっくりになる、イライラすることが増える、話し声が小さくなり無表情になるといった症状がみられます。
初期症状は倦怠感や頭痛など身体の不調が伴うことから、うつ病だと気がつかないケースも少なくありません。そのため医療機関への受診が遅くなり、長い間うつの症状に悩む人もいます。
うつ病は治療をすることで症状が改善する可能性が高い疾患です。ご自身の症状がうつ病にあてはまっていないか照らし合わせてみてください。
体調の変化
うつ病の症状は、精神面だけではなく体調の変化が強く出ることも特徴です。以下のような複数の身体的症状があらわれます。[4]
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頭痛
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倦怠感
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睡眠障害(不眠・過眠)
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めまい
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下痢・便秘
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腹痛・胃の不快感
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食欲不振
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生理不順
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性欲減退・勃起不全
〈実際の事例〉[5] 【会社員・女性】 プライベートで悩みがあり、仕事の納期に遅れが出てしまい、睡眠時間をけずり対応にあたっていた。焦りを抱えあまり眠れない日々を送っていたとき、同じチームの同僚から強い口調で納期の遅れに関して叱責を受けた。 これがきっかけとなり、めまいや吐き気、息苦しさ、頭痛、腰痛、疲れが取れないといった症状がみられるようになった。 仕事の能率が上がらず落ち込んでいることに上司が気がつき産業医に相談。医療機関の受診と仕事の業務調整がおこなわれた。 本人は体調不良から耳鼻科を受診したが、異常がないと診断され業務を続けていた。しかし改善がみられないため再度産業医と面談し、精神科への受診をすすめられうつ病との診断となった。 |
体調面の不調が強く出ていても、うつ病の症状であるとは気がつかずに精神科、心療内科への受診が遅くなるケースもあります。身体症状がある場合は、まず身体的原因を確認するための受診も大切です。原因がわからない場合や症状の改善がみられない場合はうつ病等の可能性も考え、精神科・心療内科への受診をおすすめします。
行動の変化
うつ病になると「人と会うのが怖く、人と会うのを避ける」「仕事や家事の効率が落ちた」「何をするにも面倒に感じる」などといった行動がみられるようになります。[1][6]
行動の変化 |
内容 |
集中力・決断力・判断力が低下する |
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仕事や家事の効率が落ちる |
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外出や人と会うのを避けるようになる |
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何をするにも面倒だと感じる |
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アルコールなどに依存する |
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自分ではやらなくてはいけないという思いがあるものの、実際に行動することが難しくなってしまい、もどかしい気持ちや焦りが出てきます。
〈実際の事例〉[7] 【中規模の企業勤務、男性】 真面目で責任感の強い土木技術者で短期間の海外出張を複数回経験していたが、あるとき現地でさまざまな問題が起き責任者として年単位の出張となった。現地での責任者としての処理、負担感、問題が起きたことで社内からの弾圧があるのではないかといった恐れ、初めての長期出張の不安などが重なった。 それ以来不眠が続き寝ついても熟睡はできず、早期覚醒が続いた。就寝前の飲酒量が増え、食欲もなくなり、妻に付き添われて精神科を受診した。 |
上記の事例でうつ病のきっかけとなったのは、仕事での重責、負担や社内評価、海外への長期出張といった複数の要因があげられます。
うつ病はひとつの原因だけではなく、さまざまな要因が重なったことでストレスが強まり複数の症状としてあらわれるケースも多いです。
話し方の変化
話し声が極端に小さく聞き取りにくくなり、正気のない話し方や無口になるのも特徴的です。これは「抑うつ気分」が影響しており、気分の落ち込みや活動が鈍くなることで自然に声が小さくなってしまうためです。[8]
うつ病の症状のひとつとして、自己肯定感の低下や自己否定の強まりがあげられます。
そのため「自分はダメな人間だ」「何をやってもうまくいかない」といった自己否定をする発言がみられることがあります。[9]
顔つき の変化
うつ病になると、表情や顔の様子に変化がみられることがあります。
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表情が乏しい
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目に力がなく、ぼんやりしている
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全体的に元気がない
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顔色が優れない
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以前と比べて笑顔がぎこちなく感じられる
うつ病ではセロトニンやドーパミンといった神経伝達物質の機能が低下します。この物質は感情の調整に大きく関わっているのです。
セロトニンやドーパミンの機能低下が生じると、喜びや興味を示す表情が乏しくなり表情の変化がなくなります。[6]
表情は自分だけではなく周りの人も感じやすい変化です。周りの人は何かおかしいと感じたら気にして様子をみてみてください。また自分が周りの人から指摘された場合は専門家へ相談してみるとよいでしょう。
うつ病の初期症状
うつ病の初期症状は倦怠感、頭痛、疲れやすいなど、風邪やほかの病気に似ている場合が多いです。[4]
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気分が落ち込みやすくなる
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疲れやすくなる
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不眠や睡眠過多になる(睡眠障害)
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集中力が低下する
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日常的な活動への興味喪失
まだうつ病として診断されるほど重篤ではないことが多く、すぐにうつ病だと気がつかないケースもあります。
「調子が悪い」「気分が落ち込むことが多い」「疲れやすい」と感じながらも、そのままにしてしまうと症状が悪化し、日常生活にも影響を及ぼすため注意が必要です。
うつ病は早期に気がつき治療を開始することで、治療効果が高まり重症化や再発を防止できます。心や体に不調を感じたら無理をせずに早め医療機関を受診し、適切な治療やサポートを受けましょう。
うつ病を発症する要因
うつ病はストレスや身体的・遺伝的要因などが要因といわれています。これらの影響で脳内の神経伝達物質である「セロトニン」や「ノルアドレナリン」が減り、脳の機能が低下します。すると情報の伝達がうまくいかず感情のコントロールが難しくなり、うつ症状が起きると考えられているのです。
要因としてはストレスが一番大きく影響するといわれていますが、環境要因や性格傾向など、いくつかの要因が重なって発症してしまうのです。[10]
要因 |
具体的な内容(例) |
環境要因 |
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性格傾向 |
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遺伝的要因 |
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慢性的な身体疾患 |
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内分泌変化 |
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うつ病の要因は自分で回避できるものではありません。うつ病を発症しないために自分にあったストレス対策を実践しましょう。またうつ病は複数の要因が関係していることを理解すれば、自分や周りの人の異変にいち早く気づけるため、うつ病の早期発見にもつながります。
うつ病を発症するきっかけ
うつ病を発症するきっかけは人それぞれです。虐待やDVなどのつらい被養育体験や心の傷になるような出来事など、うつ病になりやすい危険因子を抱えている人もいます。[1]
危険因子 |
具体的な内容(例) |
性別・年齢 |
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つらい被養育体験 |
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心の傷となるような出来事 |
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環境の変わるライフイベント |
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うつ病はストレスが一番大きく影響するといわれており、これらの危険因子は心や体に強いストレスを与えます。危険因子がある人が必ずしもうつ病を発症するわけではありません。自分にストレスを与えすぎないよう、頑張りすぎず自分なりのストレス解消法を身につけましょう。[12]
つらい気持ちはひとりで抱え込む必要はありません。誰かに気持ちを吐き出したり、必要に応じてカウンセリングを受けたりすることもストレスの緩和につながります。
うつ病の診断はどのようにおこなうのか
うつ病の診断は問診や検査、うつ病の診断基準などから医師が総合的に判断をします。検査はあくまでも補助的な役割であり、必ずおこなうわけではありません。
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血液検査:うつ病に似た症状を示す甲状腺機能低下症や貧血などの身体疾患の有無、栄養状態の確認を目的として血液検査をおこなう場合がある
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光トポグラフィー検査:近赤外光を用いて脳の血流量を測定する検査。脳の活動状態をグラフ化することで診断に役立てる。精度は6-8割程度といわれている。
診断基準はアメリカの精神医学会が作成した「DSM」やWHOが作成した「ICD」があります。どちらも世界共通の診断基準として用いられており、日本でも多くで使用されています。
うつ病の治療法
うつ病治療の基本は、十分な休息をとること、薬物療法、精神療法・カウンセリングです。[13][14]
まず心と身体をゆっくり休めましょう。うつ病のきっかけとなった心配事から離れゆっくりと休むことが大切です。
生活習慣を整えることも改善につながります。
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1日3食、規則正しく食事をとる…体と心に必要なエネルギーを補給
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太陽を浴びる…体内時計が整う、セロトニンやビタミンDが生成され気分を安定させる
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動けるような体調であれば、散歩などの簡単な運動を取り入れる…気分転換、心身のリフレッシュ
うつ病の薬物療法は抗うつ薬が代表的です。薬の相性はありますが、抗うつ薬の服用で多くの場合は症状が改善します。薬の効果はすぐにあらわれず、効果が出るまでに個人差はありますが通常1〜4週間かかります。薬を飲み始めてすぐに効果が出ないからといって薬を中断するのはやめましょう。
またうつ病になると悲観的な考えや、自己否定が強くなります。このような考え方や悪循環を断ち切り、心のストレスを軽減することを目的とした認知行動療法がおこなわれることもあります。精神療法やカウンセリングは再発予防のためにも重要です。うつ病が再燃・再発しないように、専門家の手を借りながら自身の思考や行動パターンを見直してみましょう。
うつ病が治るきっかけ
うつ病は何かをきっかけにすぐに治るものではありません。骨折やケガと同じようにうつ病の改善にある程度の期間が必要とされています。また回復の途中には症状がよくなったり、悪くなったりなどの波があります。
うつ病の回復にはさまざまな要因が関わりますが、そのなかでも「自信の回復」が重要です。心と身体の状態が回復していくなかで「自分は価値のある、必要がある存在だ」と思えることで前を向いていくことができます。日々を過ごすなかで「同じ時間に起きられた」「外に出て散歩ができた」などの小さな成功体験を積み重ねていきましょう。そのほかにも「転職や配置換えなどで仕事環境が変わった」「周囲の人に支えてもらい孤独を感じなくなった」などうつ病の回復のきっかけは人によりさまざまです。
症状には波があり回復には時間がかかるため、焦らずに自分のペースで小さな成功体験を積み重ねることが大切です。自分を責めず、できることから少しずつ取り組んでいきましょう。
うつ病になりかけのときの対処法
自覚症状や他覚症状がみられた場合はセルフケアをおこない、休養を心がけましょう。
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無理をせず休む
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原因から距離をとる
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生活習慣を整えること
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周囲の人や専門家の助けを借りる
うつ病はストレスが大きく関係しているため、ストレスを発散することも大切です。ストレス発散方法は人により違うため、自分に合ったストレス発散方法を見つけましょう。
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運動をする
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音楽を聴いたり、歌ったりする
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好きなものに没頭する(ゲーム・旅行・読書など)
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おしゃべりをする
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泣く
暴飲暴食やギャンブルは依存性が高いため避けるのが望ましいです。
医療機関への受診に迷う場合は、うつ病チェックをおこなってみるのもひとつの方法です。[15]睡眠、食欲、体重、精神運動状態に関する質問に答えていくと簡易的にうつ度がチェックできます。
うつ病の深刻化を防ぐには、早期発見と早期の対応が重要です。心身の不調を感じたら、我慢しすぎずに医療機関や専門家への相談を検討するといいでしょう。
うつ病の人に対して周囲の人が避けるべきこと
うつ病の人に声をかける際は、本人の負担になるような言動は避けて話をしましょう。[16]
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原因探しをしない
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励まさない
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無理に特別なことはしないでおく
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大きな決断は先延ばしにする
うつ病は本人の気持ちや努力だけで治すのは困難です。周りの人の行動によってうつ症状を悪化させてしまう可能性があるため、正しい知識を持って関わりましょう。相手の話を聞き、そのままの相手を受け止め認めてあげる受容的な態度で関わり、ときにはそっと見守りサポートすることも大切です。[17]
よくある質問
ここではうつ病に関するよくある質問にお答えします。
うつ病の人にはどのような特徴がありますか?
うつ病の人は身体面にも精神面にも特徴がみられます。
うつ病の人の特徴、周りの人が気づきやすいサインを以下の表にまとめました。[1]
身体面 |
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精神面 |
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このようなサインがみられた場合はうつ病の可能性があります。周りにそのような人がいた場合には休息を促し、医療機関への受診をすすめましょう。
自分でうつの症状があると感じた場合は、医療機関へ受診をおすすめします。
自分でできるセルフケアとしては、規則正しい生活を心がけたり、ストレスをためすぎないようリラックスできる時間を作ったりすることが大切です。
うつ病の初期症状は?
うつ病の初期症状は心の不調だけではなく身体の不調を感じる場合も多いため、うつ病だとは気がつかないケースもあります。
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倦怠感
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頭痛・肩こり
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疲れているのに眠れない
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動悸
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胃の不快感
まずは体の異常がないか、内科などでみてもらうことも重要です。
心の不調では、気分の落ち込みやイライラしてしまう症状が代表的です。
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気分の落ち込みがある
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イライラしやすくなる
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急に涙が出てきてしまう
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以前は楽しいと感じていたことが楽しめない
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集中力が低下する
気分の落ち込みやイライラは誰にでも起こりますが通常は時間とともに自然と回復します。
しかし気分の落ち込みが2週間以上続く場合はうつ病の可能性がありますので、医療機関や周りの人に相談しましょう。最初から精神科や心療内科を受診するのに抵抗があるかたは、産業医や行政機関の相談窓口のサポートを受けるという選択肢もあります。
ひとりで抱え込まず、誰かに打ち明けてみることが大切です。
うつ状態だとどんな体調になりますか?
うつ病の初期症状や軽症の場合は、体調面の症状が強い場合もあります。
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食欲が出ない
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眠れない
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体がだるいと感じる
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頭痛
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めまい
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動悸
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耳鳴り
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肩こり
体調面の症状が強いとうつ病だと気がつかず、内科や耳鼻科などの科にかかることも多いでしょう。原因がわからない場合や受診しても症状がよくならない場合は、うつ病の可能性も考え精神科の受診も検討してみてください。
うつ病の症状があるかたは話す際にどのような様子がみられることがありますか?
うつ病の症状があるかた全てに当てはまるわけではありませんが、話し声が小さく聞き取りにくくなる場合があります。これは「抑うつ気分」が影響しており、気分の落ち込みや活動が鈍くなることで自然に声が小さくなってしまうためです。大きな声を出そうと思っても出せないことも多いため、うつ病の人と話すときは落ち着いた場所で話すとよいでしょう。
泣きやすくなるのもうつ病の症状ですか?
うつ病の初期症状として涙もろくなることがあります。医療機関への受診や治療のきっかけになることも多い症状です。
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わけもなく涙が出る
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ささいなことで泣いてしまう
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「自分は何をやってもダメだ」と思い、涙が出てしまう
うつ病では脳の神経伝達物質であるセロトニンの機能が低下し、感情のコントロールができなくなるとされています。普段なら気にしないことでも涙が出たり、感情が抑えられなくなったりすることがあります。
「自分はダメだ」「迷惑をかけている」といった自己否定的な考えが強くなり、悲しみを感じやすくなるのも要因のひとつです。
自分の気持ちのコントロールが難しいと感じたり、涙が止まらないと感じたりする場合は体が休養を求めているサインかもしれません。
まとめ:うつ病の症状を理解して適切な行動を心がけよう
うつ病には心や身体のさまざまな症状があらわれます。
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頭痛
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めまい
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動作がゆっくりになる
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イライラすることが増える
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話し声が小さくなり表情も無表情になる
初期症状は倦怠感、頭痛などの身体の症状が伴うことからうつ病だと気がつかないケースも多いです。そのため医療機関への受診が遅くなり、長い間うつの症状に悩む人もいます。うつ病は治療をすることで症状がよくなる可能性が高い疾患です。
受診するか悩む場合は、うつ病チェックで自分の心と身体の状態を確認することもひとつの方法です。本記事を参考にうつ病の症状を理解してみてください。ひとりでつらい気持ちを抱え込む必要はありません。必要に応じて医療機関を受診して適切な治療やサポートを受けましょう。
ファストドクターのオンライン診療(心療内科・精神科)なら、処方薬の配送や診断書のオンライン発行に対応しています。診察は健康保険適用。お支払いはクレジットカードもしくはコンビニ後払いです。
参考文献
[2]うつ病|こころの病気について知る|ストレスとこころ|こころもメンテしよう ~若者を支えるメンタルヘルスサイト~|厚生労働省<
[3]ICD-10精神および行動の障害 臨床記述と診断ガイドライン (新訂版)
[8]Psychosocial distress in patients presenting with voice conserns
本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。
具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。