レクサプロ(エスシタロプラム)は不安障害に効果がある?

公開日: 2025/10/28 更新日: 2025/10/28
不安障害の治療で初めてレクサプロ(エスシタロプラム)が処方され、「この薬は本当に効くのかな」「飲み続けて副作用が出たらどうしよう」と不安に感じている方もいるでしょう。 レクサプロは日本でも広く使われている選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)のひとつで、不安障害のなかでも「社会不安障害」に効果があるとされています。 ただしSSRIは不安障害全般に効果的といわれ、レクサプロも海外では社会不安障害以外の不安障害で承認を受けています。そのため、効果は社会不安障害に限られず、幅広い症状に期待できる薬です。 この記事では、不安障害に対するレクサプロの効果のあらわれ方や特徴、副作用などを解説します。 レクサプロの効果をしっかり理解してから服用したい方は、参考にしてください。
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レクサプロ(エスシタロプラム)は不安障害に対してどれぐらいで効果が出る?

レクサプロの服用を開始してから、およそ1〜2週間後に気分の落ち込みや不安感の軽減、睡眠の質の改善といった初期の変化を感じ始めるとされています。

完全な治療効果を実感できるまでには、4〜8週間(1〜2か月)かかるのが一般的です。

とくに活動への無関心や抑うつ気分などは、改善がみられるまでに最大6〜8週間かかる可能性があります。

多くの人が服用開始から2か月以内に、レクサプロの効果を実感するという情報もあるため、この段階で変化が感じられない場合は用量の調整や薬の変更を医師に相談しましょう。

レクサプロは不安障害に効果がある?

レクサプロは不安障害、とくに日本では不安障害のひとつである「社会不安障害」に対して効果が認められています。[1]

レクサプロは「セロトニン」という気分や不安の調整にかかわる物質の働きを整える薬です。[1]

脳の神経どうしがやり取りしている部分(シナプス)ではセロトニンが放出されたあと、すぐに回収されてしまう仕組みです。

レクサプロはセロトニンの「回収(再取り込み)」をブロックすることで、シナプスの間にあるセロトニンを増やし、脳内でセロトニンが働きやすい状態を作ります。[1]

セロトニンの作用がしっかり届くようになることで、不安感や気分の落ち込みがやわらぐと考えられています。

レクサプロを飲むのが向いている人

レクサプロがとくに効果を発揮すると考えられるのは、うつ病や社会不安障害などと診断された方です。[1]

ほかの抗うつ薬と比較して副作用が少ない傾向にあるため、別の抗うつ薬で副作用が強かった方にも向いている可能性があります。

レクサプロの効果が期待できる人

解説

うつ病・うつ状態

気分の落ち込みや意欲低下、楽しさを感じられないなどの症状をやわらげる効果が期待できる

社会不安障害

人前での強い緊張や不安、対人場面での過剰な恐怖を軽減する効果がある

ほかの抗うつ薬で副作用が強かった方

レクサプロは副作用が少ない傾向があるため、代替薬として適している場合がある

ただし症状や体質、ほかの薬との兼ね合いなどによって効果・副作用のあらわれ方は異なります。

「レクサプロを飲んでも効果が感じられない」といった場合でも、自己判断で中止するのは離脱症状があらわれる可能性があるため危険です。

効果や副作用について不安がある場合は、必ず医師と相談して薬の調整を検討しましょう。

レクサプロの特徴

レクサプロの特徴は「副作用が少なく穏やかに効いていく」ことです。

レクサプロはSSRIの一種で、そのなかでもセロトニンに対して選択性が高い薬です。[1]

セロトニン以外の神経伝達物質(ノルアドレナリンやドーパミンなど)への影響が少ないため、副作用が比較的軽く済むといわれています。

ほかのSSRIと比べて効果のあらわれ方は穏やかですが、その分急激な変化が少なく身体に慣れやすい薬といえます。

レクサプロの副作用

レクサプロの重大な副作用として頻度は多くないものの、けいれんや抗利尿ホルモン不適合分泌症候群、セロトニン症候群、QT延長・心室頻拍といった心電図変化が報告されています。[1]

そのほかの副作用としてあらわれやすいのは、下痢や吐き気といった胃腸障害や眠気、だるさなどです。[1]

副作用の種類

出現率

  • だるさ

  • 眠気

  • めまい

  • 頭痛

  • 吐き気

  • 口の渇き

5%以上

  • 不眠

  • イライラ

  • 下痢、嘔吐

  • 排尿困難

  • 射精障害 など

1~5%未満

レクサプロで起こる副作用は、薬のもつセロトニン刺激作用が原因と考えられています。

高齢の方では薬の成分が体内に長く残りやすく、血中の濃度が高くなる傾向が示されているため、副作用があらわれやすい可能性があります。[1]

ただし、レクサプロ服用中の体調変化が薬の影響とは言い切れません。

「薬のせいかもしれない」と自分で判断せず、必ず主治医にあらわれている症状を伝えてから薬を調整してもらいましょう。

※処方は医師の判断によります。

 関連記事:レクサプロ(エスシタロプラム )の副作用とは?症状がきついときの対処法も解説

レクサプロを内服する際の注意点

レクサプロ内服中の注意点として、薬を急にやめないこと、アルコールと併用しないことがあげられます。

レクサプロを急にやめてしまうと、めまいや吐き気、だるさなどの離脱症状を引き起こす可能性があります。[2]

そのため「副作用がつらい」「効果が実感できない」といった場合でも、自己判断で突然中止するのはやめ、医師に必ず相談をしましょう。

アルコールとの併用は、眠気やめまいなどの副作用を増強してしまう可能性があります。レクサプロを服用する場合、飲酒は避けてください。

よくある質問

レクサプロの効果について、よくある質問にお答えします。服用に関する不安を軽くするのに活用してください。

レクサプロが効いている証拠はありますか?

レクサプロが効果を発揮しているおもな兆候として、不安な気持ちや緊張がやわらぐといった変化があげられます。

  • 前向きな気持ちになれることが増えた

  • リラックスして過ごせるようになった

  • 人前での過度な緊張や注目されることへの恐怖がやわらいだ

  • 寝つきが良くなった、深く眠れるようになった

  • 「何かをやってみようかな」と思えるようになった

個人差はありますが、治療開始から数週間で徐々にあらわれるのが一般的です。

自身の変化を注意深く観察し、医師と共有しましょう。

 関連記事:レクサプロ(エスシタロプラム)が効いている証拠は?飲むときの注意点を解説

レクサプロの効果が出るにはどれくらいかかりますか?

レクサプロの効果が実感できるまでには、服用開始から1〜2週間ほどで効果があらわれ始めるとされ、完全な治療効果を実感できるまで4〜8週間は必要とされています。

効果の発現には個人差があるため、効果がすぐにあらわれないからといって自己判断で服用を中止したり、用量を増やしたりすることは避けてください。

焦らず医師の指示に従って服用を続け、不安な場合は必ず相談しましょう。

レクサプロを飲むと性格は変わりますか?

レクサプロの服用によって根本的な性格が変わるというよりも「病状によって抑えられていた本来の自分を取り戻す、より穏やかな状態になる」と表現するのが適切です。

<レクサプロの服用によってあらわれる変化>

  • 治療前より活動的・社交的になる

  • 緊張やイライラ感が軽減して穏やかに過ごせる

  • 物事に対して柔軟に考えられる

これらの変化は病気によって生じていたネガティブな感情や行動が改善された結果であり、患者自身の「本来の姿」に近づくことを意味します。

レクサプロの服用による性格の変化について心配がある場合は、医師に相談しましょう。

 関連記事:レクサプロで性格や振る舞いが変わると言うのは本当?戸惑ったときの対処法についても解説

レクサプロを飲んでいても気持ちのアップダウンはありますか?

レクサプロを服用していても、気持ちのアップダウンがゼロになることはありません。

薬は病状を安定させるサポートであり、人間の感情はさまざまな要因によって日々変動するためです。

日常生活におけるストレスや大きな出来事があった場合には、一時的に気分が落ち込んだり、不安を感じたりすることもあるでしょう。

重要なのは、これらの気分の変動が治療開始前と比較してどのように変化したか、その変動が日常生活にどの程度影響を与えているかです。

気分のアップダウンが激しい、以前よりも悪化していると感じる場合は、すぐに医師に相談して薬の調整やほかの治療法の検討が必要かどうかを話し合うことが大切です。

まとめ|レクサプロの不安障害への効果を理解し、内服を継続しよう

レクサプロは、日本では社会不安障害やうつ病・うつ状態の治療に承認されている薬で、海外ではより幅広い不安障害にも使われています。

脳内のセロトニンを増やして働きを整えることで、不安や落ち込みをやわらげる効果があります。

レクサプロの特徴は「副作用が少なく穏やかに効いていく」ことです。

効果を実感するまでには2週間〜1か月ほどかかるため、すぐに変化がなくても焦らず続けることが大切です。

副作用は少ないとされますが、人によっては強く出ることもあります。体調に変化を感じたときは、自己判断せず主治医に相談しましょう。

「薬を飲み続けるのが不安」という気持ちもあるかもしれませんが、治療は一人で抱え込むものではありません。

レクサプロの特徴や注意点を理解し、医師と相談しながら続けていくことで、安心して過ごせる生活を取り戻していきましょう。

※処方は医師の判断によります。

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参考文献

[1]医薬品インタビューフォーム|日本病院薬剤師会

[2]Escitalopram-StatPearls|NCBI Bookshelf

本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。

具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。

症状に対する診断やお薬の処方、診断書や傷病手当金申請書の記載内容は医師の判断によります。

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