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うつ病の三大症状を含めた代表的な症状
うつ病の症状のなかでも、とくに代表的なものとして「三大症状」と呼ばれるものがあります。
ただし、これは医学的に正式な分類ではなく、一部の医師がうつ病の代表的な症状としてあげているもので「抑うつ気分」「不安」「意欲低下」が該当します。
また、うつ病は人間の基本的な「三大欲求」に影響をおよぼす病気です。[1]
<人間の三大欲求>
-
食欲
-
性欲
-
睡眠欲
そのほか「三大妄想」といわれる症状があらわれることもあります。[2]
特徴を正しく理解し、うつ病への理解を深めていきましょう。
三大症状と呼ばれているもの
うつ病の三大症状と呼ばれているものは、抑うつ気分、不安、意欲低下です。医学的に正式な分類ではありませんが、うつ病の患者にとくに多くみられる代表的な症状とされています。
三大症状の分類 |
詳しい症状 |
抑うつ気分 |
|
不安 |
|
意欲低下 |
|
そのほかの症状として、不眠や食欲・性欲の変化、集中力の低下などがみられることもあります。[3]
三大妄想と呼ばれているもの
うつ病の三大妄想は、罪業妄想(ざいごうもうそう)、貧困妄想(ひんこんもうそう)、心気妄想(しんきもうそう)です。[2]
三大妄想の種類 |
特徴 |
具体例 |
罪業妄想 |
自分の小さなミスや行動を重い罪だと思い込み、強く自分を責めてしまう |
「自分は重大な罪を犯した」と思い込み警察に自首しようとする |
貧困妄想 |
経済的問題がないにもかかわらず、自分や家族が破産し路頭に迷うと確信する |
「お金がなくて生活できない」「治療費も払えない」と思い込み、医療機関に行かなくなる |
心気妄想 |
からだのささいな不調を重篤な病気と確信する |
咳が続くだけで「自分はがんだ」と思い込む |
これらは「微小妄想(自身を実際より過小評価する妄想)」の一種であり、うつ病の患者に多くみられる症状です。なかでも老年期のうつ病患者で多くみられる傾向です。
患者の生活や行動に大きな影響をおよぼすため、適切な診断と治療が欠かせません。
うつ病の三大症状を含めた状態が起こる原因
うつ病の原因はひとつではなく、いくつかの要因が重なって発症することがさまざまな研究によってわかっています。[4]
うつ病を引き起こす要因 |
詳しい内容 |
環境要因 |
|
性格の傾向 |
|
遺伝的要素 |
|
からだの変化 |
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脳内の変化 |
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参考:2 うつ病の主な症状と原因:ご存知ですか?うつ病|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト[4]
これらの要因が複雑に絡み合い、うつ病の三大症状である抑うつ気分、不安、意欲低下をはじめとしたさまざまな症状を引き起こすのです。
うつ病になると行動やしゃべり方はどうなる?
うつ病またはうつ状態と診断された方を対象とした研究で、行動や話し方にいくつかの変化があったと報告されています。[5]
変化する項目 |
まわりが気づいた変化 |
行動 |
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話し方 |
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参照:うつ病等で休職に至る警告サインの明確化|佐藤大輔、安保寛明[5]
全ての方に、まわりが気づくほどの変化があらわれるわけではありません。ただし、こうした変化の傾向を知ることで、早期の気づきにつながる可能性があります。
うつ病の軽度や中等度、重度の違いや診断方法
うつ病に用いられる診断基準は、おもに2種類です。
-
DSM(精神疾患の診断・統計マニュアル)/アメリカ精神医学会
-
ICD(精神および行動の障害 臨床記述と診断ガイドライン)/WHO(世界保健機関)
医療機関によって使用する診断基準は異なりますが、いずれか一方で診断が確定するわけではなく、あくまでも「指標のひとつ」であることを覚えておきましょう。
うつ病の重症度は、日本うつ病学会治療ガイドラインによると「DSM-5の9つの診断項目」にもとづいて決定されます。[6]
<DSM-5のうつ病の診断項目9つ>
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うつ気分
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興味や喜びの喪失
-
食欲の減退または増加
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睡眠障害(不眠または睡眠過多)
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精神運動の障害(強い焦燥感・運動の制止)
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疲れやすさ・気力の減退
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強い罪責感
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思考力や集中力の低下
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自殺念慮・自殺企図
<うつ病の重症度分類>
うつ病の重症度 |
状態 |
詳しい症状 |
軽症 |
抑うつ気分や興味・喜びの喪失などの症状はあるものの、日常生活や社会生活への影響は限定的で、なんとか活動を続けることができる状態 |
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中等症 |
抑うつ気分や興味・喜びの喪失がより顕著になり、日常生活や社会生活に支障が出始める状態 |
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重症 |
抑うつ気分や興味・喜びの喪失が非常に強く、日常生活を送ることさえ困難になる状態 |
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参考:日本うつ病学会治療ガイドラインⅡ.うつ病(DSM-5)/大うつ病性障害 2016|日本うつ病学会[6]
また、うつ病のセルフチェックとして「簡易抑うつ症状尺度(QIDS-J)」が有効ともいわれ、日本うつ病学会治療ガイドラインでも「診断の確実性が高まる」と併用が推奨されています。[6]
ただし、QIDS-Jの点数だけでうつ病と診断できないことに注意しましょう。
うつ病の三大症状を含めた状態を治療する方法
うつ病は、基本的に「治療の三本の柱」に沿って回復を目指します。[7]
-
休養
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薬物療法
-
精神療法・カウンセリング
うつ病治療の目的は、気分の落ち込みをはじめとした三大症状や睡眠障害などの症状を軽減させ、患者が以前のような生活を取り戻せるようにサポートすることです。
治療法のなかには薬物療法もありますが、できるだけ薬に頼らず回復したいと考える方も少なくありません。
そのため休養やカウンセリングを重視しながら患者の症状の程度や状態に合わせ、いくつかの方法を組み合わせて治療します。
うつ病治療の三本柱とは
うつ病の治療には、休養をはじめとした3つの柱があります。
基本的には柱に沿って治療が進められますが、この考え方は身体的な病気の治療と変わりません。[7]
うつ病治療の柱 |
目的 |
具体的な治療内容 |
備考 |
休養 |
脳を休ませて脳のエネルギー欠乏を回復させるため |
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薬物療法 |
脳内の情報伝達の不調を改善し、症状を軽減するため |
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精神療法・カウンセリング |
うつ病の再発予防を目的とし、思考パターンや行動パターンを見直す |
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参考:3 うつ病の治療と予後:ご存知ですか?うつ病|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト[7]
うつ病の治療は一般的に急性期、回復期、再発予防期の3段階で進み、完治までに時間がかかります。目安は急性期1〜3か月、回復期4〜6か月、再発予防期1年以上です。[7]
早期対応が重要で、症状が落ち着いても自己判断で中止せず、主治医と相談しながら根気強く治療を続けることが大切です。
まとめ|うつ病の三大症状だけでなく気になる症状は医師と相談を
うつ病には「三大症状」と呼ばれる抑うつ気分、不安、意欲低下の症状があり、ほかにもさまざまな不調があらわれます。
食欲や睡眠の変化、身体の不調、人との関わりを避ける行動なども、うつ病のサインかもしれません。症状が続く、日常生活に支障が出るなどの場合は、自己判断せず医師に相談しましょう。
早めの対応が早期回復につながります。気になる症状があれば、ためらわず専門家の助けを求めることが大切です。
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参考文献
[1]1 うつ病とは:ご存知ですか?うつ病|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト
[4]2 うつ病の主な症状と原因:ご存知ですか?うつ病|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト
[5]うつ病等で休職に至る警告サインの明確化|佐藤大輔、安保寛明
本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。
具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。