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うつ病の人がとる行動とは
うつ病の人がとる行動に「これ」といった確定したものはなく、症状には個人差があります。
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他人との接触を避ける
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会話がなくなる
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ずっと寝ている
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身だしなみを怠る
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どこかうつろでぼーっとするようになる
そのほかにも仕事中や家庭、学校で「仕事に集中できない」「お風呂に入れない」「学校に行けない」などといったさまざまな症状があらわれます。
うつ病とは日常生活に支障が出るほど一日中気分が落ち込んでしまったり、何をしていても楽しくないと感じてしまう気分障害のひとつです。
精神症状以外にも不眠や食欲不振、倦怠感が続くといった身体症状もあります。うつ病が起こるはっきりとした原因はわかっていません。
しかしセロトニンやドーパミンといった神経伝達物質の機能低下や、ストレスや環境の変化によって脳の働きに障害を生じてしまっていると考えられています。[1][2]
仕事中にみられるうつ病の行動
うつ病になると集中力の低下や、人との会話や人と接するのがつらいと感じるようになり、対人関係の困難さや、仕事への気力の低下から業務に影響を及ぼす可能性があります。
仕事中にみられる、うつ病の人がとる行動を以下の表にまとめました。[3]
仕事中にうつ病の人にみられる行動・症状 |
具体的な内容・場面 |
出勤ができない |
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業務に影響を及ぼす状態 |
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対人関係の悪化・困難さ |
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認知機能の低下 |
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勤務状況や仕事のミスにより会社からの信頼が失われると「自分はダメだ」と自己肯定感が低くなり、うつ病の症状が進行する可能性が高いです。
「これくらいなら大丈夫」「働かないといけない」と無理して働くと症状が悪化してしまい、仕事復帰が困難となることがあります。
仕事中に上記の内容に当てはまる行動があればうつ病の可能性があります。無理をせず早めに休職に入れるように職場に相談しましょう。
職場の人間関係などで直属の上司に相談しにくいケースもあるかもしれません。そのようなときは産業医や人事部に相談するのもひとつの方法です。
家庭でみられる行動の特徴
うつ病になると仕事だけではなく家庭でもさまざまな行動の特徴がみられます。
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不眠
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食欲がなくなる
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将来への不安を感じるようになる
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身だしなみに気を配るのが難しくなる
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アルコールに依存するようになる
うつ病患者の70〜90%に不眠症状が出ると報告されています。なかなか寝付けない(入眠困難)、夜間に目が覚めてしまう(中途覚醒)、朝早く目が覚めてしまう(早朝覚醒)といった症状が特徴です。
眠れないことで倦怠感も強くなり、眠気からぼーっとしてしまうことも増えてしまいます。
食欲がなくなると最初は消化器の症状かと思うこともあるでしょう。うつ病ではストレスにより副交感神経の働きが抑制され、消化機能が弱まり食欲がなくなってしまいます。
食欲中枢がうまく機能せずに食欲を感じなくなるケースもあり、体重が減少するのも珍しくありません。また無気力や抑うつが強くなると、身だしなみを整えることが難しくなります。
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お風呂に入れない
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歯磨きができない
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化粧をしなくなった
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長い間髪の毛を切っていない
普段は身だしなみに気を配っていた人が、最近は保てていないと感じることがあれば注意が必要です。
うつ病にはストレスが大きく関連しており、気分を紛らわせるためにアルコールの量が増えることも特徴のひとつです。
アルコールは依存性が高いため、アルコールへの依存が深まると飲酒をやめるのが非常に難しくなってしまう可能性があります。
またアルコールは睡眠の質を低下させ、睡眠障害を悪化してしまうおそれがあるため、症状が進行する前に医療機関へ相談をしましょう。
恋愛中にみられる特徴
恋愛は感情に大きな影響をあたえると言われ、うつ症状にも大きく関わってきます。
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相手へ依存しがちになる
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性欲の減退
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その日の体調でデートの約束を取りやめる
うつ病を抱えながら恋愛をすると普段よりストレスを感じやすいです。感情の起伏が激しくなり、相手に対して不安や不満を感じたり依存が強くなったります。
またうつ病の薬の影響で性欲が減退することも特徴のひとつです。[3]
失恋が原因でうつ病になる、パートナーにもうつ病が影響を及ぼすといったケースもみられます。
学生にみられる特徴
うつ病は大人にのみかかる病気ではありません。子どもも大人と同様に強いストレスや悩み、不安などによってこころの状態が不安定になるメンタルヘルスの不調があらわれます。
原因の多くは受験のプレッシャーや友人関係のトラブルなどであると言われています。[4]
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やる気がおきない
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無断欠席や遅刻が増える
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成績が下がる
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不登校になる
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抑うつではなくイライラすることが多い
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昼夜逆転の生活になる
大人のうつ病と比べると特徴は少し変わってきます。大人では不眠の症状がよく出ますが、学生の場合昼夜逆転の生活になっても睡眠は十分に取れている場合も多いです。
大人からは本人のやる気のせいにされ、うつ病であると気がつかないケースも珍しくありません。
上記に当てはまることがあれば、家族や学校のスクールカウンセラーに相談したり医療機関へ受診したりして、適切な治療を受けることが大切です。
うつ病の人にみられがちな言動はあるの?
うつ病の症状の1つとして、自己肯定感の低下や自己否定の強まりがあげられます。
そのため「自分はダメな人間だ」「何もうまくいかない」といった自己否定をする発言がみられることがあります。[5]
話し声が小さく聞き取りにくくなるのも特徴的です。これは「抑うつ気分」が影響しており、気分の落ち込みや活動が鈍くなることで自然に声が小さくなってしまうためです。[6]
うつ病の人の表情に特徴はあるのか
うつ病になると顔の表情にも特徴があらわれます。
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無表情
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目に光がない
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ぼんやりしている
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元気がなく、暗そうに見える
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顔色が悪い
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笑顔が不自然になる
うつ病ではセロトニンやドーパミンといった神経伝達物質の機能低下が生じます。この物質は感情の調整に大きく関わっているのです。
セロトニンやドーパミンの機能低下が生じると、喜びや興味を示す表情が乏しくなり表情の変化がなくなります。[7]
表情の変化は自分だけではなく周りの人も感じやすい変化です。表情がいつもと違うなと感じ上記に当てはまる場合はうつ病の可能性があります。
うつ病が悪化している・危険なサイン
うつ病が悪化すると自傷行為や自殺企図など命に関わる行動を起こす可能性があります。そのサインを見逃さないように注意が必要です。
うつ病が悪化するとみられる危険なサインは以下の表にまとめました。[7]
危険なサイン |
具体的な行動 |
不安感を感じる |
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イライラすることが多くなる |
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強迫観念が強くなる |
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自傷行為をする |
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自殺企図を考える |
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うつ症状がひどくなると喜びや悲しみといった感情を感じにくくなり、感情の起伏が減ることも特徴です。
そのほかにも抑うつが強くなり、意欲の低下や食欲の低下、不眠などの症状が強く出ることもあります。
うつ病は治療をきちんとおこなうことで症状の改善が期待できます。うつ病が悪化していると感じた場合は速やかに医療機関に受診し、医師に相談をしましょう。
また周りの人がそのサインに気がついたときは医療機関の受診を勧めましょう。場合によっては家族の方が診察に同席するのもひとつの方法です。
うつ病の人にやらない方がよいことはあるのか
うつ病の人と接する際にとらない方がよいとされている行動は、プレッシャーだと感じる叱咤激励や叱責、説教や説得、他人との比較です。
うつ病は真面目で責任感が強い人がなりやすい傾向にあります。
限界まで頑張りうつ病を発症してしまった人に、さらなる励ましや叱責は大きな心理的負担となり、「自分はやっぱりダメなのか」と自己否定を強めてしまいます。
その結果、うつ症状を悪化させてしまう可能性があります。うつ病の人に声をかける際は本人の負担になるようなことは避けて話をしましょう。
声をかけるときは相手に寄り添い、耳を傾ける姿勢が大切です。[8]
プレッシャーだと感じる叱咤激励や叱責
うつ病の人に対する「頑張れ」「大丈夫だ」といった励ましは、うつ症状を悪化させてしまう代表的な言葉です。
うつ病の人と接する際には相手の話を聞き、そのままの相手を受け止め、認めてあげるとよいでしょう。ときにはそっと見守りサポートすることも大切です。[9]
ですが、うつ病の経過や状況に応じて励ましの言葉を適切に使うことで、うつ症状の回復に役立つケースもあります。
医療機関と連携をはかりながらその時期や症状に応じた声かけをしていくことが大切です。必要時には受診に付き添い、主治医と相談しながら対応を考えていくこともサポートするうえで重要です。
説教もしくは説得
「だからあなたはダメなんだ」「うつ病はたいしたことない」などといった説教や説得もうつの症状を悪化させてしまう言葉のひとつです。うつ病の人に対して相手を否定する言動はよくありません。
うつ病の症状の1つに「自分はダメな人間だ」と自分自身価値のない人間だと思い込んでしまう症状(無価値感)があります。[10]
説教といった相手を否定する発言はこの症状をさらに悪化させてしまう可能性があります。相手の思いに耳を傾け、理解し、相手の気持ちに共感しましょう。[9]
他人との比較
「あなただけがつらいわけではない」「みんな頑張っている」といった他人との比較もやめましょう。このような比較は相手の自尊心を傷つけ、自己否定を強めてしまうことにつながります。
「一緒に乗り越えよう」「ゆっくりいこうね」「何かできることはある?」「どうしてほしい?」などうつ病の人に寄り添い、自己肯定感を高められるような関わりを心がけましょう。
よくある質問
ここではうつ病の人の行動についてよくある質問について解説します。
うつ病の人はどんな行動をとりますか?
うつ病の人は身体面にも精神面にも変化がみられます。
どのような行動をとるのか、周りの人が気づきやすいサインを以下の表にまとめました。[11]
身体面 |
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精神面 |
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このようなサインがみられた場合はうつ病の可能性があります。自身がうつの症状があると感じた場合は、医療機関を受診しましょう。
自分でできるセルフケアとして、規則正しい生活を送り、リラックスできる時間を作ってストレスをためすぎない生活を送ることが大切です。
うつの人が喜ぶ言葉は何ですか?
「無理はしないでね」「頑張らなくてもいいよ」と安心感をあたえられるような言葉や「いつでも話を聞くよ」「私に何かできることはある?」と味方であることを相手に伝えることもよいでしょう。
うつ病の症状によっては話をするのもつらいと感じる人もいるかもしれません。そのようなときは話をせずに寄り添うことも大切です。[9]
うつ病の人は病気になったことへ自責の念を抱えている人が多いです。接するときにはまず相手の気持ちを否定せずに話をよく聞きましょう。相手の気持ちに寄り添い、理解する姿勢が大切です。
まとめ|うつ病の行動パターンを理解し、当てはまれば一度受診を
うつ病の症状は人によりさまざまです。身体面と精神面でそれぞれ症状が出ます。
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不眠
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食欲不振
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倦怠感
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身だしなみに気を配れなくなる
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イライラするようになる
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集中力や判断力がなくなる
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好きだったことに興味がわかなくなる
うつ病の症状は家庭だけではなく、職場や学校など日常生活の多くの場面であらわれます。うつ病は適切な治療をおこなえば治る可能性が高い疾患です。
本記事を参考にうつ病の行動パターンを理解し、もし当てはまることがあれば一度医療機関を受診し適切な治療や継続的なサポートを受けましょう。
ファストドクターのオンライン診療(心療内科・精神科)なら、処方薬の配送や診断書のオンライン発行に対応しています。診察は健康保険適用。お支払いはクレジットカードもしくはコンビニ後払いです。
参考文献
[3]うつ病等で休職に至る警告サインの明確化 J-Statge
[6]Psychosocial distress in patients presenting with voice conserns
本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。
具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。