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適応障害は顔つきでわかる?チェックポイントを解説
適応障害は、その人が適応できないほどの強いストレスによって心身のバランスがくずれ、不安や気分の落ちこみ、不眠などの症状があらわれる病気です。[1]
不安や気分の落ちこみなどの症状が続くことで、表情や見た目に次のような変化が生じることがあります。
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無表情になる
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目つきが変化する
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緊張している
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顔色が悪い
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作り笑いをする
ただし顔つきの変化がかならずしも適応障害によるものとは限りません。
「この表情にあてはまるから適応障害だ」と決めつけるのではなく、総合的な判断が重要であることを覚えておきましょう。
無表情になる
気分の落ちこみが強まると、喜怒哀楽の感情が表に出にくくなり、無表情になりやすいでしょう。
とくに悲しみや疲労感が続くと、顔の筋肉が緊張せず、覇気のない表情になる傾向です。
また意欲の低下により表情を作ることそのものを負担に感じていることもあるでしょう。
その結果、以前よりも活気のない顔つきに見えることがあります。
場合によっては周りが話しかけても反応が薄いこともあります。
目つきが変化する
憂うつな気分が続くと集中力の低下や意欲の減退が影響し、目がうつろになりやすいでしょう。
また不眠が続くと睡眠不足による倦怠感があらわれ、ぼーっとした目つきになることもあります。
視線が定まらず、焦点が合わないような印象を与えることも特徴の一つです。
これは、注意力が散漫になり、視線の揺れが大きくなることが影響していると考えられています。
緊張している
強い不安を抱えていると、常に警戒した状態が続き、表情がこわばりやすいです。
たとえば眉間にシワが寄ったり、目を大きく見開いたまま硬直したりする表情になります。
顔が引きつり以前とは違った表情を見せることもあるでしょう。
周囲の刺激に敏感になりやすく、驚きやすいといった特徴もみられることがあります。
顔色が悪い
不眠やストレスによって自律神経のバランスが乱れると、血行が悪くなり顔色が青白く見えることがあります。
寝不足が続くと目の下にクマができ、疲れた印象を与えることもあるでしょう。
女性で普段メイクをしている人の場合、気力の低下により化粧をする頻度が減り、結果的に顔色が悪く見えることもあります。
男性では無精ひげを剃る気力がなくなり、マスクで顔色の悪さやひげを隠すといったケースも少なくありません。
作り笑いをする
抑うつ状態が強くなると、本来楽しいと感じることにも反応しにくくなり、自然な笑顔が減ることもあります。
しかし「元気に見せなければならない」と周囲に気を遣い、作り笑いをすることもあります。
とくに真面目な性格の人は、社会的な場面で周囲に合わせようとする傾向が強く、無理に笑顔を作ることが増えるかもしれません。
作り笑いは自然な笑顔とは異なり、目の周りの筋肉が収縮しない特徴があります。[2]
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口角は上がっていても頬が持ち上がらない
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眉や目尻が下がっていない
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目尻にシワができず、目が細くならない
上記のような目元に変化が見られない笑顔は、感情がともなっていない作り笑いである可能性が高いです。
顔つき以外にもある適応障害のサイン
適応障害では顔つきや表情だけでなく、精神、身体、行動の面でもさまざまなサインがあらわれます。
気持ちの落ち込みや疲れが強くあらわれ、少しでも「いつもと違うかもしれない」と感じたら、早期の対応が重要です。
家族や職場の方々が適応障害の可能性に気づき、サポートすることが回復への第一歩となります。
精神症状
適応障害の精神症状は、おもに不安感や抑うつ感が強くあらわれます。
適応障害であらわれやすい精神症状 |
具体的な症状 |
不安感 |
具体的な理由がなくても不安を感じやすく、日常生活の些細な出来事にも敏感になる |
抑うつ感 |
以前楽しめたことにも興味が持てず、自己評価も低下することがある |
集中力・決断力の低下 |
仕事や勉強の効率が落ち、日常の簡単な判断や選択も負担に感じる |
イライラ感・怒りっぽさの増強 |
対人関係が悪化しやすく、自己嫌悪に陥ることもある |
精神症状は本人が自覚することも多いですが「最近怒りっぽくなったな」と周りが気づくケースも少なくありません。
顔つきの変化と合わせて、普段の様子との違いがあるか確認しましょう。
身体症状
適応障害では不安や恐怖が引き金となり、身体症状や不快感があらわれやすい傾向です。
<適応障害であらわれやすい身体症状>
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不眠または過眠
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食欲不振または過食
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疲労感
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頭痛、肩こり
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胃腸の不快感、便秘、下痢
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動悸、息切れ
これらの症状は自律神経の興奮によって引き起こされるもので、適応障害だけでなく強いストレスを感じることでもあらわれます。[3]
明らかな病気がないにもかかわらず、ストレスが原因で身体症状があらわれる場合、適応障害の一症状として認識されることが多いです。
行動の変化
行動の変化は、家族や職場の人々がもっとも気づきやすいサインです。
<適応障害であらわれやすい行動の変化>
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たばこの本数や飲酒量の増加
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遅刻や休みの増加
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一人行動の増加
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攻撃的な行動
明らかな行動変化でなくても「なんとなく普段と様子が違う」という発見が、早期対応に重要です。
元気そうに見えても適応障害の可能性はある?
見た目は元気そうでも、適応障害の可能性は十分にあります。
理由として「作り笑いしている可能性」と「適応障害はストレスから離れると症状が消失するのが特徴」の2点があげられます。[1]
多くの人がイメージしやすい精神の病気にうつ病がありますが、うつ病の症状はほぼ毎日、1日中続きます。
休みの日であっても気分が回復せず、外出も困難なことがほとんどです。[1]
一方で仕事のストレスが原因で適応障害になった場合、終業後や休みの日には元気を取り戻し、外出することも珍しくありません。
ストレス源から解放されることで一時的に心身が回復するためです。
適応障害が引き起こされる原因や症状の特徴から、適応障害と診断されても元気そうに見える可能性があります。
関連記事:適応障害なのに元気に見える理由とは?症状や見た目の特徴、治療法を紹介
適応障害ではどんな治療をするの?
適応障害では、精神療法を中心として環境調整をおこない、必要に応じて薬物療法を併用します。[1]
治療法 |
治療内容 |
精神療法 |
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環境調整 |
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薬物療法 |
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適応障害は症状を引き起こす原因が明らかである場合が多いため、まずはストレスの原因を明らかにすることが大切です。
はじめから薬を使用することは少ない傾向ですが、症状が強くてつらいときは無理をせず、医師に相談しましょう。
関連記事:適応障害の治し方と自分や周りの人ができることを知ろう
適応障害になりやすい人の特徴
適応障害になりやすい人には、真面目、完璧主義をはじめとしたいくつかの特徴があります。
これらの特徴に当てはまる人が必ず適応障害になるわけではありませんが、パターンを知っておくことで、自分が適応障害になりやすいのかチェックできるでしょう。
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真面目
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完璧主義
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責任感がある
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周りの目が気になりやすい
また、これらの特徴にあてはまらなくても、急な環境の変化や重い仕事の負担など、ストレスが続いて処理しきれなくなった場合にも発症することがあります。
関連記事:適応障害になりやすい人は性格が原因?仕事環境やサインをチェック
適応障害になったとき自分でできること
適応障害かも、と思ったら早めに医療機関を受診し、医師の指示に従って治療を行うことが大切です。
対策 |
説明 |
医療機関を早めに受診 |
自己判断で放置せず、専門的なサポートを受ける |
ストレスの原因から離れる |
職場や家族の協力を得て、ストレスの原因から離れることが回復の助けになる |
しっかり休養する |
医師の指示に従い、無理をせず心身の負担を減らす |
適応障害の方のなかには、周囲を心配させないために作り笑いをする、ストレスの原因から離れると症状が落ち着くなどの傾向がみられることもあります。
「元気そうに見えるけど環境調整の必要はあるのか?」と職場の上司が思う場合もあります。
見た目から病気だと判断しづらいケースも少なくないため、必要に応じて医師から診断書をもらっておくと対応に困らないでしょう。
身近な人が適応障害に気がついたらできること
適応障害の方が感じるストレスやプレッシャーをやわらげサポートするためには、周りの理解と配慮が大切です。
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本人の気持ちを尊重しながら肯定的な言葉をかける
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無理をしないよう伝える
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医療機関を紹介する、受診をうながす
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話を聞く姿勢をもつ
適応障害を抱える方は、一人で苦しんでいることが少なくありません。
無理に話を引き出すのではなく、本人が話すタイミングを尊重し、温かい言葉と適切な支援をおこないましょう。
まとめ|つらそうな顔つきは適応障害の可能性がある。不安や悩みは周りに相談しよう
周りから「最近疲れていない?」「元気がないね」と言われた場合、適応障害の兆候を示しているサインかもしれません。
自分では気づかなくても、ほかの人が見て感じる顔つきや様子の変化は大きなヒントになります。
「つらい」と感じていることは我慢せず、少しでも周りに話してみることが大切です。
症状が長引いていたり、日常生活に支障が出てきたりする場合、早めに医師に相談して専門的な治療を受けることをおすすめします。
自分のペースで無理なく治療をしながら、少しずつ前に進んでいけるようにしましょう。
ファストドクターのオンライン診療(心療内科・精神科)なら、処方薬の配送や診断書のオンライン発行に対応しています。診察は健康保険適用。お支払いはクレジットカードもしくはコンビニ後払いです。
参考文献
[1]日本における「適応障害」患者数の増加―メンバーシップ型雇用からの考察―|池田朝彦
[3]No.5 身体症状に着目したストレス反応:専門家向けお役立ちトピックス~メンタルヘルス不調関連~|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト
本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。
具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。