パニック障害に似た病気はある?パニック障害の原因や病気ごとの受診するべき科についても解説

公開日: 2025/07/31 更新日: 2025/07/31
突然あらわれる動悸や息苦しさに、不安を感じながら日々を過ごしていませんか? 「もしかしてパニック障害?」「別の病気の可能性もあるのかな…」と悩む方もいるでしょう。 パニック障害の症状はうつ病など心の病気だけでなく、心臓や甲状腺など体の病気ともよく似ています。 動悸やめまいなど共通する症状が多いものの、疾患ごとに異なる特徴もあります。 パニック障害かな?と思ったら、自己判断せず医師に相談し治療を受けることが大切です。 パニック障害でなかったとしても、病気や症状によっては早期治療が重要となります。 自覚症状がある場合は、早めに受診することが大切です。 本記事では、パニック障害と似た症状をもつ病気とその特徴、受診すべき診療科について解説します。 不調や不安をやわらげるために、まずは考えられる病気を知り、適切に対応していきましょう。
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パニック障害に似た病気とは?

パニック障害の症状に似た病気には、以下が挙げられます。

  • 心的外傷後ストレス障害(PTSD)、うつ病、不安障害

  • 心筋梗塞、狭心症、不整脈

  • 甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)

  • 過換気症候群(かかんきしょうこうぐん)

  • 機能性低血糖(きのうせいていけっとう)

  • 更年期障害

上記の病気には精神的な疾患と身体的な疾患の両方があり、全体に共通する症状として「動悸やめまい」、精神的な疾患に共通する症状として「イライラ感」などがあります。

症状だけで病気を特定するのは難しく、正確な診断には医師による診察が必要です。

パニック障害は、これらの病気と併発することもあります。

お互いに影響し合い悪化するケースもみられるため、原因となる病気を特定し、適切に治療していくことが大切です。

自分の不調と照らし合わせながら、まずは考えられる病気への理解を深めましょう。

PTSD、うつ病、不安障害

心的外傷後ストレス障害(PTSD)やうつ病、不安障害は、いずれも心の病気であり、似た症状があらわれやすい傾向があります。

共通する要因が発症・悪化に関係するためです。たとえば、ストレスや生活環境、性格はそれぞれの病気の要因となります。

以下の表にはPTSD、うつ病、各不安障害のおもな原因と特徴をまとめました。[1][2][3]

精神的な病気

おもな原因・背景

おもな症状

PTSD

  • 事故・災害など命にかかわる体験

  • 暴力などのトラウマ体験

  • 過去のトラウマ体験を突然思い出す(フラッシュバック)

  • 強い不安や恐怖感がある

  • 発汗や動悸が起こる

うつ病

  • ストレス

  • 環境の変化

  • 脳の働きの低下

  • 気分が落ち込む

  • 興味や意欲が低下する

  • 眠れない、寝すぎる

  • 食欲がわかない

社会不安障害

  • 人前での失敗や恥をかいた経験

  • 性格的な傾向

  • 人の視線を気にする

  • 人前で過度に緊張する

  • 発汗や動悸が起こる

  • 人との交流を避ける

強迫性障害

  • 完璧主義な性格

  • 遺伝的な原因

  • ストレス

  • 強い不安やこだわりがある

  • 繰り返し同じことをする

(何度も手を洗う、何度も戸締まり確認するなど)

  • 強迫観念がある

全般性不安障害

  • 慢性的なストレス

  • 性格的な傾向

  • 遺伝的な要因

  • あらゆることが不安でたまらない

  • 常に心配が続く

  • 落ち着かない、緊張する

それぞれの病気は強い不安や恐怖など精神的な症状だけでなく、動悸など身体的な症状も共通することがあります。

とくに重度のうつ病では強い不安発作が生じることもあり、パニック発作との区別が難しい場合があります。

パニック障害はこれらの病気と併発することが多い点にも注意が必要です。[4]

パニック障害の半数以上は、うつ病を発症するとのデータもあります。[5]

不調が続いても「そのうちよくなるだろう」と見過ごしていませんか?時間が経つにつれ、症状は悪化していく可能性もあります。

不安な気持ちやつらい症状が続くときは、ひとりで抱えこまず、まずは身近な人に相談してみてください。

関連記事:うつ病の症状とは?特徴やあらわれやすい言動についても解説

心筋梗塞、狭心症、不整脈

心筋梗塞と狭心症は、心臓に酸素や栄養を送る血管(冠動脈:かんどうみゃく)が細くなったり詰まったりすることで起こる病気です。

なかでも心筋梗塞は、心臓の筋肉が壊死してしまうため、命にかかわる危険があります。不整脈は心臓のリズムが乱れることで起こります。

以下の表に、それぞれの病気の主な原因や症状、特徴をまとめました。[6][7]

心臓の病気

おもな原因

おもな症状と病気の特徴

心筋梗塞

心臓の血管が詰まる

  • 締め付けられるような胸の痛み

  • 30分以上続き、安静にしてもおさまらない

  • 命にかかわる危険がある

狭心症

心臓の血管が一時的にせまくなる

  • 胸の痛み、圧迫感、冷や汗

  • 運動後や活動後に症状が強まる

  • 数分~15分ほど続く
  • 心筋梗塞につながるおそれがある

不整脈

脈のリズムが乱れる

  • 脈が速くなる・遅くなる・不規則になる

  • 動悸、めまい、冷や汗、息切れ

  • 重い場合は突然死するケースもある

胸の痛みや動悸、めまいなどの症状はパニック発作とよく似ています。ただし心臓の病気の場合は症状が長く続き、体を動かすと悪化しやすい傾向があります。

心臓の病気は、検査によって発見できる点も特徴です。心機能に異常があるため、心電図検査などによって確認できます。

症状が強い場合、まずは命にかかわる心疾患の有無を調べることが重要です。心臓に異常がなかった場合でも、パニック障害の早期発見に役立つ可能性があります。[8]

頻繁に胸痛が起こったり鼓動が乱れたりする場合、早めに医療機関を受診しましょう。

万が一、意識が遠のくほど強い胸の痛みが生じたときは、ためらわず救急車を呼んでください。

甲状腺機能亢進症

甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)とは、体の代謝などにかかわる甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気です。

新陳代謝が活発になりすぎる結果、以下のような症状があらわれます。[9][10][11]

甲状腺機能亢進症

身体的な症状の例

動悸、頻脈、息切れ、手のふるえ、疲労感

発汗、体重減少、食欲亢進、軟便・下痢、月経不順など

精神的な症状の例

落ち着かない、イライラ感、不安感、不眠など

見た目の変化の例

  • 目が飛び出たように見える(眼球突出:がんきゅうとっしゅつ)

  • 首元のふくらみ(甲状腺腫大:こうじょうせんしゅだい) など

甲状腺機能亢進症の代表的な原因のひとつには「バセドウ病」が挙げられます。

バセドウ病とは、自分の免疫が甲状腺を刺激し、体が常に運動しているような状態になる病気です。

心臓をはじめさまざまな臓器に負担がかかる結果、動悸などの症状が引き起こされます。

20〜30代の女性に多く、症状があらわれても仕事や生活の疲れだと思い込み、見過ごしてしまうケースが少なくありません。

症状は多岐にわたりますが、目や首元など見た目の変化が早期発見の手がかりとなります。

過換気症候群

過換気症候群(かかんきしょうこうぐん)とは、不安や緊張、恐怖など精神的なストレスがきっかけとなり、呼吸が速く浅く「過呼吸状態」になる病気です。[12]

何度も激しく息を吸ったりはいたりすることで血液中の炭酸ガスが減ってしまい、神経や筋肉の働きに乱れが生じる結果、以下の症状があらわれます。[12]

過換気症候群

身体的な症状の例

  • 息苦しい、呼吸が早い、胸痛、動悸、めまい

  • 手足や唇のしびれ、けいれん、手の硬直 など

精神的な症状の例

  • 不安や恐怖が強まる

筋肉のけいれんや手足のしびれ、硬直など身体的な症状が過換気症候群の特徴です。

突然の症状による混乱で不安が強まり、過呼吸が悪化する悪循環におちいることもあります。

過呼吸は意識的に呼吸を遅くしたり呼吸を止めたりすることで改善しますが、恐怖感によってうまく呼吸を整えられない場合もあります。

もし身近な人が過呼吸の状態になったら、安心できるよう声をかけ、ゆっくり呼吸するよう促してください。

パニック障害やうつ病がきっかけとなり、過換気症候群が引き起こされることもあります。

過換気症候群の発症を予防するためにも、心の病気をともなう場合は適切に治療を続けましょう。

機能性低血糖

機能性低血糖(きのうせいていけっとう)とは、食後血糖値が急激に上昇することで インスリン」が過剰に分泌され、低血糖症状が起こる状態です。

インスリンとは血糖値を下げるホルモン であり、過剰に分泌されると、以下のような低血糖症状を引き起こします。

機能性低血糖

身体的な症状の例

手足のふるえ、動悸、頻脈、呼吸が浅い、冷や汗、めまい

精神的な症状の例

緊張、興奮、イライラ、不安感、攻撃的になる

意識が遠のく

そのほか

異常に空腹感がある、食後に眠たくなる

集中力・記憶力が低下する

低血糖症状が起こると、体は血糖を上げるため「アドレナリン」というホルモンを分泌します。

アドレナリンは自律神経に働き、心拍数の増加や緊張感を引き起こします。

その結果、パニック発作と似たような動悸やめまい、不安感が生じるのです。

機能性低血糖は、食事に関連する点が特徴です。

症状は血糖が変動しやすい「食後数分〜数時間後」に生じやすいほか、体がエネルギー不足を感じやすい「起床時、夕方、就寝前」にもあらわれます。

女性はホルモンの影響や、家事・育児など日常的なストレスによって、機能性低血糖が生じやすいとされています。[13]

はっきりとした原因はないのに不調が続く場合、背景には機能性低血糖が隠れているケースも珍しくありません。[13]

機能性低血糖は甘いものをとる習慣も影響します。

食後や空腹時など、決まったタイミングに不調が起きる場合、機能性低血糖の可能性も考え、まずは食習慣を見直しましょう。

更年期障害

更年期障害は、45〜55歳頃の閉経前後10年間である「更年期」に、心や体にさまざまな症状があらわれる状態です。[14]

女性ホルモンである「エストロゲン」が低下することで以下のような症状が生じます。[14][15]

更年期障害

身体的な症状の例

ホットフラッシュ(ほてり、のぼせ)発汗、めまい、動悸

頭痛、しびれ、耳鳴り、疲労感

精神的な症状の例

気分の落ち込み、意欲の低下、イライラ感、不安、不眠

更年期障害のおもな原因は、ホルモンバランスの乱れです。

さらに加齢による体の機能の低下や心の変化、家庭や職場といった環境の変化など、さまざまな要因が重なり合い、発症すると考えられています。

早い人では40代前半で症状を自覚することもありますが「更年期障害はまだ先のことだろう」と思い込み、見過ごしてしまいがちです。[15]

パニック障害との違いは、症状が慢性的に続きやすい点です。とくに精神的な症状は長引く傾向があり、不眠やうつ病を併発することもあります。

更年期障害は年齢的な要因がかかわるため、気持ちの面で受け入れにくいかもしれません。

しかし自分に合った治療法や対処法によって、つらい症状は緩和できます。

40代以降の女性の場合は、更年期障害の可能性も考え、無理せず医師に相談してみてください。

パニック障害の症状

パニック障害は、突然激しい不安や恐怖、体の異常があらわれる心の病気です。[16]

「パニック発作」「予期不安」「広場恐怖」という3つの特徴があり、これらが互いに影響し合うことで発作が繰り返し起こったり、行動が制限されやすくなったりします。

以下の表に、パニック障害の3つの特徴をまとめました。[1][16]

パニック障害の3つの特徴

パニック発作

  • 前ぶれなく突然起こる激しい発作

  • 10分以内にピークを迎え、5〜15分ほどで落ち着く

  • 身体的な症状:動悸、息苦しさ、めまい、発汗など

  • 精神的な症状:死を感じるようなの強い恐怖・不安

予期不安

  • 一度パニック発作を経験したあと「また同じような発作が起こるのではないか」と、発作が起こることを常に不安に感じる状態

広場恐怖

  • 「すぐに逃げだせない」「助けを求められない」と感じるような場所や状況に対して、強い不安や恐怖を感じる状態

  • 外出を回避するようになり、行動範囲がせまくなる

例:電車やバス、人混み、トンネル、エレベーターなど

パニック発作は、PTSDなどほかの病気による発作と異なり「きっかけがなく、いつどこで起こるかわからない」点が特徴です。

一度パニック発作を経験すると、常に不安や恐怖を感じる予期不安を生じやすく、その不安が新たな発作の引き金となります。

継続する不安によって、発作を経験した場所や状況を避ける回避行動が強まることがあります。

広場恐怖へと発展し行動範囲がせまくなる結果、日常生活に支障をきたしていくのです。

パニック発作から予期不安、さらに広場恐怖へとつながる悪循環を断つためには、早い段階で医師に相談し適切治療を受けることが重要です。

関連記事: うつ病の症状とは?特徴やあらわれやすい言動についても解説

パニック障害の原因は?

パニック障害のおもな要因は脳の働きや構造の変化とされており、さらに遺伝的な要因や生活環境などが関係して発症します。

慢性的なストレスや性格的な傾向も、発症に影響する要素です。[17][18]

これらの要因が複数絡み合って発症すると考えられています。

脳の機能に異常が起きると、感情のコントロールを担う部分が過剰に働き、わずかなストレスにも敏感に反応してしまいます。

必要以上に不安や恐怖が引き起こされ、強い発作につながるのです。

不安を感じやすい性格や過去のつらい経験が背景にあると、パニック発作を引き起こしやすいこともわかっています。[19]

実際にうつ病やPTSDをもっている人は、パニック障害も併発しやすい傾向があるとされています。[4][5][20]

原因ははっきりと解明されていない点も多く、特定することは難しいものの、治療によって症状をコントロールしていくことは可能です。

不安な気持ちをやわらげるためにも、決して無理せず専門家を頼りましょう。

関連記事:パニック障害の本当の原因とは?発症の前触れについても解説

パニック障害に似た症状が出たときは何科を受診する?

おもに以下の診療科のなかから、適切な診療科を選択します。

  • 精神科

  • 心療内科

  • 循環器内科

  • 内分泌内科

  • 内科

  • 婦人科

受診する診療科を選ぶ際は「疾患ごとの特有の症状」があらわれていないかを確認しましょう。

動悸やめまい、息苦しさは多くの疾患で共通してみられる症状であり、これらで区別するのは難しいためです。

それぞれの疾患特有の症状に注目すれば、どのような病気が疑われるかを推測しやすくなり、受診先を選択する目安になります。

以下の表では、考えられる疾患と受診すべき診療科についてまとめました。

自分が感じている症状と、各疾患の特徴を照らし合わせて、診療科選びの参考にしてください。

疾患

受診する科

症状の特徴

PTSD、うつ病、不安障害

精神科

心療内科

  • フラッシュバックする

  • 人との関わりに恐怖を感じる

  • 強迫観念・強迫行為がある

心筋梗塞、狭心症、不整脈

循環器内科

  • 突然胸が締めつけられるような痛みが起こる

  • 症状が持続する

  • 動作時に悪化する(狭心症)

  • 脈が乱れる(不整脈)

甲状腺機能亢進症

内分泌内科

  • 目が飛び出たように見える

  • 首元がふくらむ(甲状腺の腫れ)

  • 体重が減る

過換気症候群

精神科

心療内科

内科

  • 過呼吸になる、息苦しい

  • 筋肉がけいれんする

  • 手や口がしれる、硬直する

機能性低血糖

内科

  • 強い眠気が生じる

  • 異常な空腹感が起こる

  • 症状が食後や空腹時にあらわれる

更年期障害

婦人科

  • ホットフラッシュ(ほてり、発汗)動悸、頭痛が起こる

  • 疲れやすい、寝つきにくい

  • 月経異常がある

該当する症状がなく判断に迷った場合は、内科を受診するとよいでしょう。

内科では症状を総合的に判断し、必要に応じて適切な科を紹介してもらえます。

治療中の病気がある人は、まずはかかりつけ医に相談してください。

原因となる疾患に対し適切な治療を受ければ、つらい症状を緩和できます。

我慢したり見過ごしたりせず、早めにいずれかの診療科を受診しましょう。

よくある質問

今まで経験したことのない動悸や息苦しさが起こると、病気が隠れているのではないかと不安になりますよね。

ここではパニック障害と似た病気に関する、よくある質問にお答えします。

パニック障害と低血糖系の病気は症状が似てますか?

パニック障害と低血糖系の病気は、動悸や発汗、手のふるえなどが共通していることから、似ていると言われます。

不安感やめまい、吐き気なども生じることがあり、多くの場合症状だけでは区別できません。

ただし、症状が起こるタイミングやきっかけには違いがみられます。パニック障害による発作は、きっかけがなく突然起こることが特徴です。

一方低血糖に関連する病気は「食後数分から数時間後」や「空腹時(起床時や夕方、就寝時など)」に起こりやすく、食事との関連が強い特徴があります。

とくに甘いものを食べたあとは、血糖値が乱高下し症状が起こりやすい傾向があります。

似た症状であっても、食事内容や時間帯に注目することで見分ける手がかりになります。

自己判断せず、生じている症状を医師に正確に伝え、必要に応じて血糖の検査を受けましょう。

パニック障害と不整脈はどのように違いますか?

パニック障害と不整脈は似ている症状があるものの、原因は大きく異なります。

不整脈では心臓そのものに原因があるため、脈が速くなったり遅くなったり、不規則に乱れたりする特徴があります。

パニック障害では心臓自体に異常はみられません。

どちらの疾患も動悸や息切れ、めまいなどがあらわれるため、症状だけで区別するのは難しいといえます。

ただし不整脈は、心電図検査などによって診断が可能です。

不整脈は放置すると命にかかわるおそれもあるため、早期治療が大切です。

脈に異常を感じたり、症状が頻繁に起こったりする場合、まずは内科や循環器内科を受診し、心臓に異常がないか検査を受けましょう。

パニック障害と過換気症候群の症状はどのような症状がありますか?

パニック障害と過換気症候群は、どちらも突然の不安や緊張をきっかけに発症しやすく、息苦しさや動悸、不安感などが共通してみられます。

ただし、2つの病気には違いもあります。パニック障害は精神的な要因が中心で、動悸や息苦しさなどの身体的な症状に加え「死んでしまうのではないか」という強い恐怖感が特徴的です。

一方、過換気症候群は呼吸が速くなりすぎることで、手足のしびれやけいれんなど体の症状が目立ちます。

パニック障害と過換気症候群は密接に関係しています。

パニック障害による強い不安や緊張がきっかけとなり、過呼吸の状態が引き起こされやすいためです。

過呼吸状態に対しても不安が生じることで、症状がさらに悪化する悪循環におちいるケースもあります。

2つの疾患を併発している場合、パニック障害の治療を適切に続けることが過換気症候群の再発防止につながります。

過換気症候群が落ち着いたとしてもパニック障害の治療を続け、発作を予防しましょう。

まとめ|パニック障害に似た病気を理解し、医療機関を正しく受診しよう

パニック障害に似た症状をもつ病気は、うつ病やPTSDなど心の病気だけでなく、心臓や甲状腺、血糖の異常など体の病気もあります。

動悸や息苦しさ、不安感などは多くの病気で共通してあらわれるため、症状だけで判断するのは簡単ではありません。

しかしそれぞれの疾患に特有の症状や、あらわれるタイミング・持続時間などに注目することで、どの病気が考えられるかを推測する手がかりになります。

原因となる病気によって治療法や対処法は異なるため、症状に応じて適切な診療科を選びましょう。

早期に判断に迷う場合は、まずは内科やかかりつけ医に相談してみてください。

それぞれの病気はお互いに影響し合い悪化することもあります。早めに治療を開始することで、つらい症状をやわらげることが可能です。

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参考文献

[1]不安障害|こころの病気について知る

[2]不安障害:ヘルプノート:こころもメンテしよう

[3]強迫性障害|こころの情報サイト

[4]日本における社交不安症患者の併存精神疾患について

[5]内科医が知っておくべき精神科疾患

[6]心臓病による死亡原因の約半数は、心筋梗塞と重度の狭心症です!

[7]ふせいみゃく 不整脈

[8]The Association Between Panic Disorder and Coronary Artery Disease Among Primary Care Patients Presenting With Chest Pain:An Updated Literature Review

[9]厚生労働省|甲状腺機能亢進症

[10]甲状腺疾患診断ガイドライン2024

[11]甲状腺の病気|女性特有の健康課題

[12]過換気症候群|一般社団法人日本呼吸器学会

[13]女性の不定愁訴と低血糖症との関わり

[14]更年期障害|公益社団法人日本産科婦人科学会

[15]女性の健康推進室|女性の健康推進室 Wellness Labo ウェルネスラボ|厚生労働省

[16]Panic Disorder:When Fear Overwhelms

[17]パニック障害における脳構造の変化

[18]パニック症の神経解剖学的モデルについて

[19]突然の不安や恐怖に駆られる「パニック障害」| 一般社団法人 千葉市医師会

[20]Time Course of Panic Disorder and Posttraumatic Stress Disorder Onsetsー PMC

本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。

具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。

症状に対する診断やお薬の処方、診断書や傷病手当金申請書の記載内容は医師の判断によります。

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