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適応障害になりやすい人の性格や考え方のパターン
適応障害になりやすい人は真面目でストレスを抱えやすく、以下の傾向があるとされています。
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真面目で責任感が強い
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完璧主義である
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周りの目が気になりやすい
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自己肯定感が低い
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人に頼るのが苦手である
これらの特徴に当てはまる人が必ず適応障害になるわけではありません。
ただし適応障害になりやすい人のパターンを知っておくことで、自分が適応障害になりやすいのかチェックできます。
適応障害になりやすい人の傾向を知り、必要に応じた対策がとれるようにしましょう。
真面目で責任感が強い
以下のように真面目で責任感が強い人は、ストレスを溜めやすく適応障害になりやすい傾向があります。
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周囲から頼られると断れず、プレッシャーを感じてしまう
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職場での業務量が増えても「自分がやるしかない」と抱え込んでしまう
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「休むと周りに迷惑をかける」と思い、体調不良でも無理をして働いてしまう
日本人はもともと「こうあるべき」という価値観が根強く、柔軟な考え方が受け入れられにくい傾向があります。[1]
そのため責任感の強い人ほど自分の限界を超えて頑張り続け、心や身体のバランスを崩してしまうことも珍しくありません。
責任感が強い人は「まだ大丈夫」と我慢しすぎず、適度に休息を取ることも意識しましょう。
完璧主義である
自分を追い込みがちな完璧主義の人も、適応障害になりやすい傾向があると言えます。
完璧主義とは具体的に次のような考え方です。
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「100%正しくないと意味がない」と考える
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「完璧にしなければ」と休み時間を削って仕事をする
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職場でのプレゼン資料を何度も見直し100点の資料を目指す
小さなミスや失敗を過度に恐れるあまり、自分に厳しくしすぎてストレスを抱えがちになります。
日々のストレスが積み重なると、心と身体がストレスに耐えられなくなり適応障害を起こすかもしれません。
完璧主義の人は適度に力を抜いて心の負担を軽減させましょう。
周りの目が気になりやすい
周りの人からの評価を強く気にする人もストレスを感じやすく、以下のような人は適応障害になりやすい傾向があります。
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印象を良くするために無理に笑顔で振る舞うことが多い
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周りの人から「こう思われているに違いない」と決めつけやすい
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「嫌われたくない」という気持ちが強く言いたいことを我慢している
上司や同僚の期待に応えようと無理をしたり、周りに嫌われないよう常に気を配ったりすると自分自身を追い詰めてしまいます。
ストレスが積み重なると心が疲れてしまい、適応障害を起こしかねません。
周りの目が気になりやすい人は、無理に周囲に合わせず自分の気持ちを大切にすることも意識してみましょう。
自己肯定感が低い
自己肯定感が低い人は小さな失敗でもストレスを感じやすく、適応障害になりやすい傾向があります。
以下のように必要以上に不安やネガティブな感情を抱えがちなためです。
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「何をやってもダメだ」と考え行動するのが怖い
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職場で上司に注意されたときに「自分は能力がない」と極端に自分を責めてしまう
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褒められても「たまたま運が良かっただけ」だと思い、自分の努力を認められない
自己肯定感が低いと自分を責めるくせがついているため、ストレスを溜め込みやすくなります。
心が疲れてしまうと適応障害を起こすかもしれません。
自己肯定感が低い人は努力したことにも目を向け、自分を責めすぎないよう心がけましょう。
人に頼るのが苦手である
人に頼るのが苦手な人は無理をしすぎてストレスが蓄積し、適応障害を起こすことがあります。
たとえば以下の特徴に当てはまる人です。
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仕事で頼まれた案件を全て引き受けてしまう
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無理をしすぎて体調を崩しているのに周囲に頼れない
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「自分でやったほうが早い」と考え、周囲に頼らずひとりで抱え込んでしまう
周囲の期待に応えようと自分の限界を超えて頑張ると、心や身体に負荷をかけてしまいます。
疲労が蓄積し続けるとストレスに順応できなくなり、適応障害を起こすかもしれません。
人に頼るのが苦手な人は少しずつ周囲に頼る練習をし、心の負担を軽減して適応障害を防ぎましょう。
適応障害になりやすい環境の特徴
適応障害は個人の性格や考え方だけでなく、置かれている環境によってもなりやすさが変わります。
たとえば適応障害になりやすい傾向がある人でも、ストレスが少なく発散しやすい環境では適応障害を起こしにくいです。
反対に普段はストレスに強い人でも、過度のストレスが続く環境では適応障害を発症することがあるため油断できません。
適応障害を起こしやすい環境には、以下の特徴が挙げられます。[2]
仕事 |
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プライベート |
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昇進や結婚のようなポジティブな出来事も、生活環境が大きく変わることでストレスの原因になる可能性があります。
「最近、疲れが抜けない」「気分が落ち込みやすい」などと感じる人は、今の環境が自分にとって負担になっていないか振り返りましょう。
日常生活であらわれる適応障害のサイン
適応障害の初期症状(サイン)は、日常生活のなかで少しずつあらわれてきます。
ただし症状には個人差があり、決まったパターンがあるわけではありません。
以下は適応障害の初期症状の一例です。
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寝つきが悪くなった
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お酒やタバコの量が増えた
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仕事や家事に集中できない
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ちょっとした指摘でイライラしてしまう
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食欲がなくなったり過食になったりする
感情があらわれにくくなることで、無表情になったり顔が疲れて見えたりする場合があります。
また身だしなみがだらしなくなったり、落ち着きがなくなったりすることもあります。[3]
適応障害はストレスとなる原因が起きてから3か月以内に発症するのが特徴です。
周囲の人から「顔つきが以前と違う」と言われたり身だしなみを心配されたりするようになったら、適応障害を起こしているかもしれません。
ここ数ヶ月間の生活を振り返り、ストレスを強く感じたり初期症状がみられたりしていないかチェックしてみましょう。
適応障害の原因と症状
適応障害の原因は、強いストレスにうまく順応できないことです。[4]
大きな環境の変化があったり人間関係の負担が増えたりすると、ストレスにより心と身体のバランスが崩れて適応障害を発症しやすくなります。
また適応障害の特徴は、ストレスの原因から離れると症状が改善することです。
たとえば仕事のストレスで適応障害になった場合、休日には気持ちが落ち着き普段どおり過ごせることが多いです。[5]
適応障害では、おもに以下のような症状がみられます。[2]
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精神面における症状
落ち込みやすい、イライラしやすい、ぼーっとしやすい -
身体面における症状
寝つきが悪い、食欲がわかない、胃痛が起こる -
行動面における症状
タバコやお酒の量が増えた、仕事でのミスが増えた
とくに適応障害の人では、食欲不振・体重減少・不眠が多いという研究報告があります。[6]
ストレスがかかり続けるとこれらの症状が悪化し、場合によってはうつ病に移行するかもしれません。
体調不良が続く場合はひとりで抱え込まず、早めに医療機関を受診しましょう。
適応障害の治療法
治療の基本は「環境調整」「薬物療法」「認知行動療法(精神療法)」の3つです。
確実な治療法はありませんが、3つの方法を組み合わせることで症状の改善が期待できます。[6]
環境調整 |
適応障害はストレスの原因から離れると改善しやすいため、以下のような対策を検討しましょう。 例)業務量を調整できないか上司と相談する 例)異動、休職、転職を検討する
また環境調整だけで改善しない場合、ほかの治療法と併用できます。 |
認知行動療法(精神療法)[7] |
例)ミスはしてはいけない→ミスはだれにでもあるし、次にいかせば大丈夫 例)上司に怒られたので自分は価値がない→指摘された点を改善すれば成長できる
カウンセリングを受けながら、少しずつストレスに対する考え方を変えていきましょう。 |
薬物療法 |
おもに以下の場合に薬物療法がおこなわれます。 例)不安感やイライラが強い場合 例)不眠が続いていて、十分に休めない場合
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適応障害の治療では必ず薬を使用するわけではなく、環境調整だけで症状が改善することもあります。
通常はストレスの原因を取り除いたら6か月以内に改善するため、医療機関を受診しながら治療を進めていきましょう。[6]
適応障害にならないためには
適応障害にならないためには、日頃からストレスと上手に付き合う工夫が必要です。
適応障害はだれにでも起こる可能性があります。
「自分は大丈夫」と無理をせず、体調不良を感じたら早めに対処して心と身体の負担を軽減することが大切です。
つらい症状が続く場合や自分では対処が難しいと感じた場合は、精神科や心療内科を受診しましょう。
柔軟な考え方を身につける
ストレスと上手に付き合えるよう、柔軟な考え方を意識しましょう。
とくに完璧主義で責任感が強いような適応障害になりやすい性格の人は意識的に考え方を変えることが大切です。
「完璧でなくても良い」「ときには他人に頼っても良い」と自分を許すことで、ストレスを軽減できます。
ひとりで考え方を変えるのは難しいため、必要に応じて医療機関のカウンセリングを受けましょう。
ストレスや不安を抱え込まない
ストレスや不安を感じたら、早めに周囲に相談しましょう。
家族や友人、同僚など信頼できる人に話すことで気持ちが楽になる可能性があります。
また趣味や運動など、自分なりのストレス解消法を見つけることも大切です。
適応障害のリスクを下げるために、ストレスを和らげられる方法を普段から見つけておきましょう。
再発リスクに注意する
治療により回復したあとも、適応障害が再発しないようにストレス対策をしましょう。
ある研究によると、メンタルヘルスが原因で休職した人のうち、47.1%は復職から5年以内に再び休職が必要となりました。[8]
とくに復職後2年間は再発リスクが高い時期とされています。
適応障害が治ったあとも居心地の良い環境を整えるように心がけましょう。
まとめ|適応障害になりやすい人もそうでない人も、つらい症状は早めに相談しよう
環境の変化や人間関係のストレスなどにより、普段はストレスに強い人でも適応障害を発症する可能性があります。
「最近疲れやすい」「気分が落ち込みやすい」「仕事や人間関係がつらい」と感じたら、無理をせず誰かに相談してみましょう。
とくに責任感が強い人や完璧主義の人は適応障害になりやすい傾向があります。
適応障害を放置すると症状が悪化しうつ病へ移行するリスクもあるため、早めの対処が大切です。
自分で解決しようと思わず、体調不良が続く場合は医療機関を受診しましょう。
ファストドクターのオンライン診療(心療内科・精神科)なら、処方薬の配送や診断書のオンライン発行に対応しています。診察は健康保険適用。お支払いはクレジットカードもしくはコンビニ後払いです。
参考文献
[1]和田秀樹.適応障害の真実.宝島社,2021,272p
本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。
具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。