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2024.9.13

【救急医療週間】夜間・休日のかかりつけ医機能の強化を目指して

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救急車を呼んだ小児患者の70%が軽症 日本総研調査より

 厚生労働省と総務省消防庁は、救急業務及び救急医療に対する国民の正しい理解と認識を深めるため、毎年9月9日の救急の日を含む1週間を「救急医療週間」と定めています。この救急医療週間に、特に増加する小児の救急医療の課題に焦点を当て、地域と連携したファストドクターの取り組みについてご紹介します。

救急医療体制の課題


 救急車の出動件数は年々増加し、令和5年には約763万件と過去最多を更新しました1。しかし、そのうち約48%が軽症であり、不要な救急搬送の抑制は喫緊の課題となっています。
 搬送者の多くを高齢者が占める一方で、令和5年の乳幼児の救急搬送数は対前年比で22%増加と、他年代と比較して最も高い増加率を記録しており2、また、救急相談においても、0歳から14歳までの救急相談が全体の24%を占めるなど3、小児の救急医療は高い需要があります。一方で、医師の働き方改革の影響により、小児の夜間診療所が一部地域で縮小・閉鎖される動きもあり4、小児の救急医療体制は需要と供給が相反している状況です。

 本日公開された、日本総合研究所の「夜間・休日の小児救急医療体制整備に関するアンケート調査結果」によると、「夜間・休日に対応するかかりつけ医を持つ家庭は4%」「救急車を呼んだケースの70%が軽症」といった実態が明らかとなり、子どもの夜間休日における医療提供体制の不足が、不要な救急搬送の増加原因の一端となっている可能性が示唆されています。(詳しくは後述の参考資料をご参照ください。)

ファストドクターの取り組み


  ファストドクターは医療リソースを集約し、医療相談、オンライン診療、必要時の救急往診を支援するプラットフォームを運営しています。日中はかかりつけ医が診療を担当し、夜間・休日にはファストドクタープラットフォームのオンライン診療や救急往診をご利用いただくことで、昼夜を通じて地域の「かかりつけ医機能」を強化しています。


 2024年7月からは、小児夜間診療所を持たない人口1万人以下の自治体において、夜間休日にはオンライン診療を活用いただくことで、医療体制の強化を支援しています。現在、4つの自治体(北海道上士幌町・浦幌町、奈良県三宅町、広島県神石高原町)と連携を開始し、今後も取り組みを推進する予定です。(図参照)

 また、福島県福島市では2023年10月から、医師の高齢化や小児科診療所の減少によって全日の休日当番医が確保できない日に、遠隔地からオンライン診療を行うことで、医療提供体制の安定化を支援する取り組みを継続しています。

<図:自治体との小児オンライン診療連携の取り組み>

 救急車の軽症利用削減のためには、トリアージによる適切な受診行動への案内、患者の不安感の解消、医療アクセス不均衡の是正といった複数のアプローチが必要であり、これらを包括的に解決するために、「かかりつけ医機能の強化」は不可欠です。

 これからも、ファストドクターは「不要な救急車利用を3割減らす」「一億人のかかりつけ機能を担う」のビジョンの実現を目指し、地域医療に係るみなさまにプラットフォームをご活用いただくことで、救急現場の負担を軽減し、地域の医療体制構築に貢献してまいります。

※1、2)総務省「令和5年中の救急出動件数等(速報値)https://www.fdma.go.jp/pressrelease/houdou/items/20240329_kyuki_01.pdf
※3)東京消防庁 「東京消防庁救急相談センター統計資料(令和5年版)」(令和6年4月)https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/kyuu-adv/data/toukei.pdf
※4)茨城県取手市 「令和6年4月から休日・夜間の子どもの救急医療体制が変わります」https://www.city.toride.ibaraki.jp/hokencenter/kurashi/kenko/kenko/child_kyukyu.html

京都府京都市 「京都市急病診療所の小児科の受付時間の変更」https://www.city.kyoto.lg.jp/hokenfukushi/page/0000322788.html


<参考資料> 小児医療体制の課題

日本総合研究所「夜間・休日の小児救急医療体制整備に関するアンケート調査」より



グラフは日本総合研究所の「夜間・休日の小児救急医療体制整備に関するアンケート調査」をもとにファストドクターが作成

  • 44 %の親が、子どもの夜間・休日の受診行動について不安を抱えている
    • 過去3年間で夜間・休日のお子さまの急な病気やケガに伴う一連の受診行動に関して不安になった経験はありますか。ある場合一番多い頻度をお答えください。(単回答)

※単回答/n=1846

  • 夜間・休日の診療を行う小児かかりつけ医を持つ家庭は4%にとどまる
    • あなたのご家庭では、お子さまに次のような小児かかりつけ医(※)をもっていますか、いませんか。(単回答)
    • ※健康に関することを何でも相談でき、必要な時は専門の医療機関を紹介してくれる身近にいて頼りになる医師のこと。(出所:公益社団法人 東京都医師会 https://www.tokyo.med.or.jp/citizen/counseling/primary_care)

※単回答/n=3,000

  • 救急外来・119 番と比較して、救急往診、電話相談、オンライン診療の認知度は低い
    • お子さまの夜間・休日の急な病気やケガに関して、過去3年間の以下のサービスの利用であてはまるものをお選びください。(単回答)

※単回答/n=3,000

  • 119番を利用した理由として「重大な病気やケガのため、一刻も早い受診が必要だと自身で判断したから」が50%と最も多い
    • 夜間休日に119番を「利用したことがある」方にお聞きします。夜間休日にお子さまが119番を利用した理由としてあてはまるものをすべてお選びください。(複数回答)

※複数回答/n=539

  • 119番を利用したケースのうち、約70%は軽症であった
    • .夜間・休日に119番を「利用したことがある」方にお聞きします。夜間・休日にお子さまが119番を利用した結果、どうなりましたか。(複数回ある場合は、最も症状が重かった時についてご回答ください)(単回答)

※単回答 / n=270

  • 家族で住む街を決める際、3割の親が「小児の医療体制の整備」を重視
    • あなたがご家族で住む街を決める際に、子育て支援として重視したいことをすべてお選びください。(複数回答)

複数回答 / n=3000

日本総合研究所 研究員 川内丸 亮介氏のコメント

今回の調査により、夜間や休日における子どもの急病対応について、多くの親が不安を抱えている現状が浮き彫りになりました。特に、救急外来や119番と比べ、電話相談や救急往診、オンライン診療といった選択肢が十分に認知されておらず、こうした機能の普及促進が求められます。 家族で住む街を決める際に3割程度の親は「小児医療の充実」を重視しており、特に「小児科の充実」、「夜間・休日救急外来の充実」を自治体に求めている親が多いことから、自治体にとって、小児救急医療体制を整備することは、目先の救急医療の需要と供給に対する課題の解決のみならず、将来的に自治体の魅力向上に繋がる取組になると考えられます。


 日本総研の調査結果詳細はこちらからご覧ください:https://www.jri.co.jp/page.jsp?id=108689

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