夏風邪の症状って?コロナとの見分け方や予防法について解説

公開日: 2024/05/17 更新日: 2024/06/25
発熱や倦怠感、下痢など夏に起きるさまざまな不調。 新型コロナが流行する以前なら「夏風邪かな?」で済んでいたのに、ここ数年は「コロナかもしれない」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。 新型コロナと夏風邪の症状は似ている部分も多く、区別するのはとても難しいもの。 そこで、この記事では夏風邪の症状や原因、コロナとの見分け方について解説します。 花火大会や夏祭りなど楽しいイベントが盛りだくさんの夏。夏風邪を一刻も早く治すためにも、記事を参考に正しく対処しましょう。
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夏風邪とはどんな症状?原因や経過について解説

夏風邪の原因のほとんどが、エンテロウイルスやアデノウイルスなどの 「ウイルス」 です。これらのウイルスが原因で発症する3大夏風邪として 「ヘルパンギーナ」「手足口病」「咽頭結膜炎」 があります。

それぞれどんな症状があらわれるのかや、症状の経過について詳しく解説します。

夏風邪の原因や症状、経過について

一般的に夏風邪といわれる「ヘルパンギーナ」「手足口病」「咽頭結膜炎」は、口の中に発疹がでたり、目が充血したりとさまざまな症状があらわれます。

それぞれの症状や特徴について表にまとめました。

 

ヘルパンギーナ

手足口病

咽頭結膜炎

主な原因

コクサッキーウイルスA群

  • コクサッキーウイルスA6、A16

  • エンテロウイルス71

アデノウイルス

潜伏期間

2~4日

3~5日

5~7日

症状

  • 突然の高熱に続いて、のどの痛みがあらわれる

  • 口腔内に水泡ができる

  • のどの奥が赤く腫れる

  • 口の中、手のひら、足底や足背などに2~3mmの水疱性発疹があらわれる

  • 発熱がみられるが、高熱にならないケースが多い

  • 発熱にはじまり、頭痛や食欲不振、倦怠感があらわれる

  • 目の充血、痛み、目やになどが3~5日間持続する

  • 下痢や腹痛などがあらわれる

経過

  • 水疱が破れ、浅い潰瘍になり痛みがでる

  • 熱は2〜4 日間程度で解熱することが多い

  • 発熱時に熱性けいれんがあらわれることがある

  • 口の中の痛みで、拒食や脱水症になることがある

  • ほとんどの場合、数日間のうちに治る

  • まれに髄膜炎、小脳失調症、脳炎などの合併症を引き起こすことがある

  • 手足口病の症状がなくなってから1か月以内に、手足の爪がはがれることがある

  • 眼の症状は片方からはじまり、その後他方にもあらわれることが多い

  • 新生児の場合重症化しやすい

[1][2][3]

関連記事: 「ヘルパンギーナについて知っておきましょう」

関連記事:「手足口病とは?原因・症状・治療方法について解説」

夏風邪の治療法は?

夏風邪のほとんどの原因は「ウイルス」であるため、 抗生剤などの特効薬はありません

痛みや発熱に対して、解熱鎮痛剤を服用するなどの 対症療法が治療の基本 となります。

基本的には数日間で自然に治りますが、できるだけ安静に過ごし、十分な栄養・水分をとることが重要です。

ただし、深刻な合併症を引き起こすこともあるため、異変を感じた場合はすぐに受診するようにしましょう。とくに、乳幼児や高齢者、妊婦などは重症化することもあるため、注意深く観察するようにしてください。

また、口の中やのどの痛みから飲食を嫌がる子どももいるため、脱水症にならないように注意する必要があります。

関連記事:夏風邪の治し方は?1日でも早く回復するための対処法について解説

関連記事:夏風邪を早めに治す方法は?いつまで長引くのかを解説

夏風邪とコロナはどう見分ける?受診するべき?

夏風邪とコロナの症状は似ており、症状だけで見分けるのは医師でも難しいといわれています。コロナの可能性がある場合は、抗原検査やPCR検査をするとよいでしょう。

しかし「手元に抗原検査キットがない」「連休中や夜間で検査がすぐにできない」という場合、検査しなくても見分ける方法があれば知りたいという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ここでは、夏風邪とコロナの症状の違いや、受診の目安について詳しく解説します。

夏風邪とコロナの違い

夏風邪とコロナの症状を比較してみましょう。

夏風邪の初期症状

発熱、鼻水、鼻づまり、のどの痛み、倦怠感、腹痛、下痢、咳、痰、頭痛、結膜炎、食欲不振、目の痛みなど

コロナの初期症状 

発熱、咳、痰、鼻水、関節痛、筋肉痛、鼻づまり、のどの痛み、倦怠感、腹痛、下痢、咳、頭痛、息苦しさ、食欲不振など

このように夏風邪とコロナは症状が似ており、見分けるのは非常に難しいもの。検査をせずに断定することはできませんが、コロナの症状の特徴は以下のとおりです。[4][5]

  • 味覚や嗅覚に異常がある

  • 強い倦怠感が続く

  • 息切れや呼吸困難など肺炎のような症状がある

また、コロナウイルスは感染力が非常に強いため、周りにコロナ陽性者がいた場合は感染の可能性があります。

関連記事:【2024年6月】コロナの最新症状や潜伏期間について確認しよう

関連記事:【2024年】新型コロナについて症状・変異株ごとの最新情報を知ろう

 

夏風邪は受診するべき?

夏風邪かコロナか分からない状況で風邪症状が出ている場合、受診した方がよいでしょうか?

結論からいうと、どちらの病気であっても、 受診しなければ治らない病気ではありません

「症状が落ち着いている」「家に解熱剤などの薬がある」というような場合は、無理に受診しなくてもよいでしょう。

しかし以下に当てはまる方は、 万が一コロナであった場合、重症化リスクがあるため、医療機関を受診することをおすすめします

  • 65歳以上

  • 気管支喘息や糖尿病などの基礎疾患がある

  • 乳幼児

  • 妊娠中

ほかにも「食事や水分がとれない」「ぐったりしている」「嘔吐や高熱が続いている」などの症状が重い場合や、手元に薬がなくつらい場合も、医療機関を受診しましょう。

コロナかどうか確認したいという場合は、家庭でも抗原検査キットを利用してセルフチェックできます。

※検査キットは、医療用または一般用検査キット(OTC)として国が承認したものをおすすめします。

家庭に検査キットがなく、医療機関を受診したいという場合は、感染拡大を防ぐために事前に電話でコロナに感染している可能性があることを伝えるようにしてください。

そのほか、受診した方が良いかどうか自分で判断できない場合は、次のような相談窓口があります。

#7119(救急安心センター)

急なケガや病気をしたとき、救急車を呼んだ方がいいか、今すぐに病院に行った方がいいかなど、判断に迷うことがあると思います。

♯7119は、そんなときに専門家からアドバイスを受けることができる電話相談窓口です。

#8000(子ども医療電話相談事業)

厚生労働省が実施している子どものための相談事業です。休日・夜間のケガや病気について相談ができ、医師・看護師のアドバイスが受けられます。

受診した方が良いかどうか、どこに受診したらよいかなど適切な案内をしてくれます。

関連記事:#7119って何?救急車を呼ぶべきか教えてくれる安心電話相談窓口

関連記事:#8000が繋がらない時に利用したい緊急相談窓口

夏風邪は大人でもなるの?症状は?何日くらいで治る?

夏風邪は子どもに多い病気ですが、大人もかかることがあります。また、大人は重症化しやすいと言われていますが、統計データはないため一概には言えません。

症状は子どもと同様、倦怠感や発熱、発疹、のどの痛みなどの症状があらわれます。

通常1週間程度で治りますが、まれに重症化することもあり、注意が必要です。

[1][2][3]

関連記事: 「大人のヘルパンギーナに注意しましょう」

夏風邪を家族にうつさないために気をつけること

夏風邪が兄弟間でうつってしまうのではないかと不安になる方も多いのではないでしょうか。仕事を何日も休まなければならないとなると大変ですよね。

家庭内での感染拡大を防ぐためには、基本的な感染対策をすることが重要です。

以下の点に注意するようにしましょう。

  • タオルや食器などの共有は避ける

  • こまめに手洗いうがいする

  • 定期的に換気する

  • 子どもの食べ残しを食べない

  • おむつやトイレの処理にのあとはよく手を洗う

これらは普段から風邪などの感染対策を防ぐために心がけたいことでもあります。家族みんなで風邪をひかない・うつさないように習慣化しましょう。

夏風邪にならないために気をつけるべき生活習慣

日常生活の中で少しだけ意識するだけで、夏風邪の予防に繋がるポイントがあります。

  • うがい、手洗いをする

  • からだを冷やさないようにする

  • 室温・湿度を適切に保つ

  • 十分に休養をとる

  • 免疫力を高める食事を摂る

  • 人ごみを避ける

  • 適度に運動する

このようなことを日常的に行い、体力・免疫力をあげることが大切です。

まとめ

この記事では、夏風邪の症状やコロナとの見分け方などについて解説しました。

夏風邪とは「ヘルパンギーナ」「手足口病」「咽頭結膜炎」などの夏に発症しやすい病気をまとめた総称であり、発熱や発疹、倦怠感などの症状があらわれます。

いずれもウイルスによる感染症であるため、特効薬はありません。

そのため、解熱鎮痛剤などによる対症療法が基本となります。

自然治癒する病気ですので、必ずしも受診する必要はありませんが、コロナと症状がよく似ているため、重症化リスクのある人や、周りにコロナ感染者がいるという人はご自身でコロナの検査や受診をした方がよいでしょう。

夏風邪の予防や感染を広げないために、手洗いうがいの徹底や、栄養バランスのとれた食事、十分な休養などを心がけましょう。

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参考文献

[1]ヘルパンギーナとは

[2]手足口病に関するQ&A|厚生労働省

[3]咽頭結膜熱とは

[4]Persistence of somatic symptoms after COVID-19 in the Netherlands: an observational cohort study

[5]Self-reported symptoms in healthy young adults to predict potential coronavirus disease 2019

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