夏風邪を早めに治す方法は?いつまで長引くのかを解説

公開日: 2024/05/23 更新日: 2024/06/25
「夏風邪が長引いているけど、いつよくなるの?」「夏風邪を1日でも早く治す方法が知りたい」 夏風邪にかかり、このように悩んだり焦ったりする方もいるでしょう。 夏風邪は、主にウイルス感染が原因となる病気であるため、抗生物質が効かず特効薬が存在しません。 また、冬の風邪と比べて感染力が特別強いわけでもないのですが、長引きやすいといわれています。 そこで本記事では、長引く夏風邪を早く治す方法やいつまで長引くのか、そして夏風邪が長引く理由について解説します。 本記事を最後までお読みいただくと、夏風邪が長引く理由を理解でき、早く治す対処法を実践できるようになります。 長引く夏風邪のつらい症状に悩む方や、お子さんの症状をやわらげてあげたいと思う親御さんの助けになれたら幸いです。

長引く夏風邪を早めに治す方法は?

長引く夏風邪を早めに治す方法は、十分な睡眠と休息をとることです。

夏風邪の多くはウイルス感染が原因であるため抗生物質は効かず、特効薬がありません。

そのため、夏風邪を治すにはヒトの免疫力に頼らざるをえません。免疫力を維持するためには、十分な睡眠と休息が重要です。

免疫はウイルスと戦うための体の正常な反応ですが、思っている以上に体力を消耗します。

体力が低下すると免疫の働きも低下するため、睡眠と休息で体力を回復させることが、夏風邪を早く治すコツといえるでしょう。

ただし、発熱や咳などの症状が強く休めない場合もあります。熱や咳でつらいときは解熱剤や咳止めを使用して一時的に症状をやわらげ、しっかり休みましょう。

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いつまで長引く?夏風邪での受診目安と家でできること

夏風邪の症状がいつまで長引くかは夏風邪の種類によって異なります。

今回は三大夏風邪とよばれるヘルパンギーナ・手足口病・プール熱の一般的な経過と受診目安、自宅療養中にできることをまとめました。

本項を読んで夏風邪の受診目安を理解し、症状が重くなる前に受診行動がとれるようにしましょう。

夏風邪はいつまで長引くのか

夏風邪がいつまで長引くのかは、夏風邪の種類によります。以下の表に種類別に、症状の持続期間と登園目安をまとめました。[1][2][3]

夏風邪の種類

主な症状の持続期間

登園目安

ヘルパンギーナ

熱:1~3日間

水ぶくれ:1週間

発熱がなく、普段の食事がとれている

手足口病

熱:1~3日間

水ぶくれ:3~7日間

発熱がなく、普段の食事がとれている

プール熱

3~5日間

症状消失後2日経過している

一般的な経過からあきらかに長引いている場合は、夏風邪が重症化している、またはほかの感染症にかかっている可能性があります。

また、夏風邪の登園目安は保育園ごとに異なる場合があります。なぜなら三大夏風邪のうち、ヘルパンギーナと手足口病は明確な登園目安が定められていないためです。

夏風邪にかかる前にあらかじめ保育園の登園目安を確認したり、かかったときに保育園に問い合わせたりしましょう。

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夏風邪での受診目安

夏風邪と診断された場合の受診目安は以下のとおりです。[2][4]

夏風邪の再受診の目安

髄膜炎・脳炎の症状

脱水症状

  • 元気がない

  • けいれんしている

  • ぐったりして反応がにぶい

  • 2日以上つづく発熱、頭痛、嘔吐がある

  • 口やのどの痛みから水分がとれない

  • おしっこが少ない

  • 口の中やくちびるが乾燥している

これらの症状がみられる場合は、髄膜炎や脳炎、脱水症状など深刻な合併症にかかっている可能性があります。早急に医療機関を受診しましょう。

また、症状の重症度にかかわらず不安な症状や気になることがあれば、医療機関へ相談することをおすすめします。

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療養中に家でできること

以下の4つは、夏風邪の療養中に家でできることです。

  • 経口補水液で少量ずつこまめに水分補給をする

  • 口やのどが痛む場合、やわらかく薄味の食べ物を食べる

  • 症状が強いうちは入浴を控える

  • 熱や痛みがつらい場合、かかりつけ医指導のもと解熱鎮痛薬を使用する

夏風邪は、水ぶくれによる口の中の痛みや、強いのどの痛みを訴える方が多い病気です。そのため、食事や水分がまったく摂れないケースもめずらしくありません。

痛みが強い場合は無理に食事をしようとせず、脱水予防のため水分補給を優先しましょう。その際は体に吸収しやすい経口補水液を摂取すると効果的です。[2]

また、夏風邪を早く治すためには十分な休息が必要です。そのため、体力を消耗する入浴は控えるか短時間で済ませるようにしましょう。

解熱鎮痛薬の使用も、体を休ませるために必要なときもあります。熱や痛みがつらい場合はかかりつけ医の指導のもと、正しく使用して体力回復に専念しましょう。

夏風邪が長引く理由

夏風邪が長引く理由として、夏場の免疫力低下があげられます。これは腸の働きが弱まることと夏風邪のウイルスの性質が関係しています。

夏は冷たい飲食物を摂取する機会が多く、お腹が冷えることで腸の動きが低下しやすいです。

ヒトの免疫細胞の約60〜70%は腸にあるといわれており、腸の働きが弱まれば免疫細胞の働きも鈍くなります。[5]

また、夏風邪の原因となるウイルスは、お腹で増えやすい性質をもちます。

腸の働きが弱くなった状態でウイルスが増えてしまえば、ウイルスが体外に排出されるのに時間がかかるでしょう。これが夏風邪が長引くとされる理由です。

夏風邪の種類と症状

夏風邪には三大夏風邪とよばれるものがあります。ヘルパンギーナと手足口病、プール熱(咽頭結膜熱:いんとうけつまくねつ)です。

それぞれ原因となるウイルスが異なり、あらわれる症状も変わります。本項では三大夏風邪の特徴と症状について解説します。

ヘルパンギーナ

ヘルパンギーナは、エンテロウイルス属やコクサッキーウイルスが多くの原因を占める夏風邪のひとつです。5月ごろから流行しはじめ、6〜7月にピークを迎えます。

1〜4歳のお子さんにもっとも多いですが、大人にかからないというわけではありません。看病する親御さんも感染しないよう対策をしっかりおこないましょう。

ヘルパンギーナの主な症状は以下のとおりです。[1]

  • 高熱

  • のどの痛み、赤み

  • 口の中の水ぶくれ(水疱:すいほう)

  • 水ぶくれは上あごの奥に多く形成

  • 水ぶくれのサイズは1~2mm

水ぶくれがつぶれると強い痛みをともなうことが多く、口の中の痛みから飲食ができずに脱水症となるケースがあります。

また、以下の症状があらわれたら早急に医療機関を受診しましょう。

  • 息苦しい

  • 動悸がする

  • 発熱にくわえて頭痛、嘔吐がみられる

  • 元気がない、ぐったりしている

ヘルパンギーナが重症化すると無菌性髄膜炎(むきんせいずいまくえん)や急性心筋炎(きゅうせいしんきんえん)を合併することがあります。

上記の症状があらわれた場合は上記の病気である可能性が高いです。無菌性髄膜炎や急性心筋炎を合併した場合、入院して治療する必要があります。

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手足口病

手足口病は、ヘルパンギーナと同じエンテロウイルス属やコクサッキーウイルスに感染することで引き起こされる夏に流行する感染症です。

主に1〜4歳のお子さんに発症しますが、大人もかかる可能性があります。

手足口病の主な症状は以下のとおりです。[6]

  • 口の中や手のひら、足の裏などに2~3mmの水ぶくれができる

  • 高熱が出る場合と出ない場合がある(患者の約3分の1が発熱症状)

手足口病では、ヘルパンギーナと同様に口の中に水ぶくれが形成されます。水ぶくれによる痛みが原因で飲食ができない場合もあるため、脱水症状に注意が必要です。

ヘルパンギーナとの大きな違いは、高熱が出にくいこと、そして手足にも水ぶくれができることです。通常は3〜7日で水ぶくれが治癒し、症状が落ち着きます。[6]

まれに髄膜炎や脳炎を合併することがあるため、以下の症状がみられたらすみやかに医療機関を受診してください。

  • 元気がない

  • 頭痛や嘔吐、高熱が出る

  • 2日以上発熱が続く

そのほかの症状として、手足口病を発症してから数週間後に爪がはがれることがあります。発熱や水ぶくれの主要症状が落ち着いたあとも注意して経過を追いましょう。

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プール熱

プール熱はアデノウイルスを原因とした夏風邪の一種で、正式名称は咽頭結膜熱(いんとうけつまくねつ)です。

夏に限らず感染するリスクはありますが、6月から流行し、7〜8月は感染者数がもっとも多いです。[3]

通常は、お子さんを中心に流行します。生後14日以内の新生児にかかった場合は、全身性感染を起こし重症化しやすいといわれています。

もし生まれてまもないお子さんがかかったら、早急に医療機関を受診してください。[3]

プール熱の症状は以下のとおりです。[3]

  • 発熱

  • のどの痛み

  • 頭痛

  • 腹痛、下痢

  • 片目または両目の結膜(けつまく)の充血

  • 目やに

  • 眼の痛み

  • 首のリンパ節の腫れと圧痛

ほとんどの場合、5日ほどで自然に症状の改善がみられます。

夏風邪の予防法

夏風邪の予防方法は以下のとおりです。[7]

夏風邪の予防法

  • 流水とせっけんで30秒以上かけて手洗いをする

  • 手指消毒をする

  • うがいをする

  • 外出時や人混みの中ではマスクを着用する

  • タオルの共有は避け、個人用のタオルを使う

  • 睡眠時間を確保し、適度な休息をとる

  • 室内では体が冷えないよう工夫する

夏風邪のウイルスは、一般的な風邪ウイルスと同じく飛沫感染や接触感染によって感染が広がります。

また、夏風邪の原因ウイルスはお腹で増えやすく、感染者の便にウイルスが排泄されることがあります。

おむつ交換やトイレ掃除の際には排泄物に直接ふれないよう注意し、作業後には必ず手洗いをおこないましょう。

夏は冷たい飲食物やエアコンの使用などで体が冷えやすく免疫力が低下するため、夏風邪にかかりやすくなります。

寒暖差に注意し、室内では上着を羽織ったり腹巻きを装着したりなど体を冷やさないよう工夫しましょう。また、エアコンの設定温度は26〜28℃が適温です。

まとめ

夏風邪は、1週間以内に症状がやわらぐのが一般的です。しかし、なかには1週間以上症状がつづいている方もいらっしゃるでしょう。

そんな方は、免疫力が低下しているかもしれません。夏場は冷たい飲食物の摂取やエアコンの使用によって体が冷えやすく、腸の働きを弱くさせます。

腸の働きが弱まると免疫細胞の働きも低下するため、夏風邪が長引きやすいです。夏風邪は、かかるウイルスによって種類が異なります。

いずれのウイルスにかかった場合も、早く治すために免疫力を下げないようにしましょう。また、夏風邪は感染しやすく、看病するご家族の感染対策も重要です。

今回ご紹介した感染対策を実践し、感染が広まらないようにしましょう。

参考文献

[1]ヘルパンギーナとは|NIID国立感染症研究所

[2]手足口病とは|NIID国立感染症研究所

[3]咽頭結膜熱とは|NIID国立感染症研究所

[4]無菌性髄膜炎とは|NIID国立感染症研究所

[5]腸管内の抗原取り組み口「M 細胞」の分化に必須な転写因子を発見-いまだに謎が多い腸管免疫系のメカニズム解明に貢献-|大野博司ら

[6]手足口病に関するQ&A|厚生労働省

[7]感染対策の考え方について|厚生労働省

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