大人のヘルパンギーナの症状は?
乳幼児を中心に、夏に流行することの多いヘルパンギーナ。
発熱と口の中の粘膜にみられる水疱性の発疹が特徴的な、夏かぜの代表的な病気です。[2]
大人がヘルパンギーナにかかったときの症状にはどのようなものがあるでしょうか?
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のどの痛み
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口の中やのどの奥の小水胞(水ぶくれ)
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全身倦怠感(だるさ)
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食欲不振
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嘔吐
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四肢(手足)の痛み
ヘルパンギーナは急性のウイルス性疾患で、2~4日の潜伏期間を経てこのような症状があらわれます。[1]
ヘルパンギーナは通常自然に治る病気であり、熱は2~4日ほど、口の中やのどにできた小水胞(水ぶくれ)は約1週間で治まります。[3]
- 高熱がでている
- のどが痛い
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関連記事: 「夏風邪の症状って?コロナとの見分け方や予防法について解説」
ヘルパンギーナの原因
ヘルパンギーナは、ウイルスが原因の感染症です。
主に、エンテロウイルス属のコクサッキーウイルスA群によって引き起こされます。[2]
そのほか、コクサッキーウイルスB群、エコーウイルスなどの22種類ものエンテロウイルスがヘルパンギーナを発症させることも。
ウイルス型によっては脳炎、脳脊髄炎などの重篤な病気を引き起こすことがあり、症状の経過に注意が必要です。[3]
感染経路
ヘルパンギーナが人から人へうつる主な原因には糞口(ふんこう)感染を含む接触感染と、飛沫感染があります。
糞口感染とは、便から排出されたウイルスが手につき、その手で食べ物を食べることでウイルスが体内に入って感染することです。
接触感染とは、皮膚や粘膜の直接的な接触、タオルやドアノブなどを介した間接的な接触により感染することをいいます。
飛沫感染とは、せきやくしゃみを介して、その中に含まれるウイルスが、約1mの範囲で人に感染することです。[4]
潜伏期間
ヘルパンギーナに感染してから症状が現れるまでの潜伏期間は3~5日です。[2]
無症状の患者でもウイルスの排出が起こる可能性があります。
せきやくしゃみなど、呼吸器からのウイルス排出は最大3週間、便中では最大8週間ウイルスの排出が持続するとされています。
感染力が最も強いのは感染後最初の1~2週間です。[3]
ヘルパンギーナの検査・診断方法はあるのか
ヘルパンギーナは、基本的に症状を見て診断されます。
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突然の高熱での発症
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のどの炎症
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口の中やのどの奥に1~5㎜の小水疱(水ぶくれ)や潰瘍
子どもがヘルパンギーナにかかっており、このような症状が揃っている場合はヘルパンギーナと診断されます。[2]
確定診断に用いられるのは、唾液からのウイルス分離や遺伝子検査といった方法です。
流行時の疫学データ収集や、より重篤な疾患と区別が必要な場合に行われます。[3]
大人のヘルパンギーナの治療方法
ヘルパンギーナに特効薬はないため、対症療法が基本です。
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発熱やのどの痛みには解熱鎮痛薬を服用する
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脱水に注意してこまめに水分補給をする
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食事はやわらかく刺激の少ないものを選ぶ
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定期的に部屋の換気を行う
このように、症状に合わせた対応をしながら、安静にしましょう。
通常1週間~10日ほどで回復します。
ヘルパンギーナになったら仕事を休む必要はある?
ヘルパンギーナにかかっても、仕事を休む必要はありません。
ただしこれは、「人に感染させる可能性がある」という理由で仕事を休む必要はないということです。
発症して数日は発熱やのどの痛みでつらいと考えられるため、無理せず休むようにしましょう。
症状が回復して仕事へ行けるようになっても、ウイルスの排出は続いています。マスク着用や手洗いうがいなどを行い、感染を広げないように心がけましょう。
ヘルパンギーナの予防方法
ヘルパンギーナを子どもからもらわないためにできる予防方法を紹介します。
ヘルパンギーナは糞口感染、接触感染、飛沫感染により広がるため、以下の方法で予防しましょう。
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子どものおむつ替えのときは便にできるだけ触れない
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せっけんでの手洗い、うがい
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こまめな拭き掃除
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食器やタオルを一緒に使わない
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家の中でもマスクをつける
また、寝不足が続いていたり、疲れがたまっていたりして免疫力が落ちているときも病気にかかりやすいため、十分休むようにしましょう。
まとめ:体調が悪ければ無理せず休みましょう
大人のヘルパンギーナでは、突然の発熱、口の中やのどの奥に痛みを伴う小水疱(水ぶくれ)ができるという、子どもと同じ症状があらわれます。
人によっては頭痛や関節痛があったり、子どもよりも痛みを強く感じたりすることが特徴です。
熱は2~4日で下がり、のどの小水疱(水ぶくれ)は1週間程度でなくなり、10日以内に治癒する病気です。
ヘルパンギーナに対する特効薬はないため、解熱鎮痛薬を使用したり、食事を工夫したりするなど、症状に合わせた対応をしましょう。
また、ヘルパンギーナにかからないようにするためには予防が大切です。
オムツ替えの時は便に触れないよう注意する、こまめな手洗いや拭き掃除、食器やタオルを一緒に使わない、家の中でもマスクをつけるなどの対策に加え、免疫力が落ちないように十分な休息をとりましょう。
仕事に関しては、出勤停止などの法的な決まりはありません。
しかし、熱やのどの痛みを我慢して出勤すると、かえってつらい症状が長引いたり、他の人にうつしてしまったりする可能性もあるので、無理せずに休んでくださいね。
また、体調が回復したあともウイルスの排出は続いていますので、家庭や職場内で感染を広げないためにも、マスク着用や手洗いうがいなどの基本的な感染対策を続けるようにしましょう。
ヘルパンギーナに感染すると、のどの痛みや倦怠感、嘔吐などの症状が現れることも。
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参考文献
[1] IDWR 2023年第28号<注目すべき感染症> ヘルパンギーナ・RSウイルス感染症
[2] ヘルパンギーナ
[3] Herpangina - StatPearls - NCBI Bookshelf
[4] 用語の解説|厚生労働省
本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。
具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。