大人がインフルエンザに感染したら仕事はどうする?
インフルエンザに感染したらまず心配なのは仕事をどうするべきか、ですよね。
大人がインフルエンザに感染した場合、何日休んだ方が良いのか、家族が感染した時は休むべきかなどについて詳しく解説します。
インフルエンザ感染時の出勤停止期間
法律的には、インフルエンザ感染に対して出勤停止期間は定められてはいません。
これはインフルエンザA型やインフルエンザB型といった型を問わず、共通しています。
そのため、基本的には個々の会社の就業規則に従うことになります。
会社側でとくに休む期間が定められていない場合には、個々の判断に委ねられるでしょう。
自分自身で判断できないときは、医師や看護師に意見を求めるなど医療機関で相談してみてください。
インフルエンザ感染での出勤停止期間は決まっていませんが、いずれにしても発熱や咳などの症状があるときはできる限り休暇をとって療養しましょう。
関連記事:インフルエンザでの待機期間は?学校や会社の出席停止期間も解説
インフルエンザ感染時に会社を休むべき日数
実は、インフルエンザ感染時に会社を何日休むべきか、社会的な規定はありません。まずは勤めている会社に問い合わせてみましょう。
とくに決まりはありませんが、一般的に子どもの出席停止期間の基準に合わせることが多いようです。
子どもの出席停止期間は、学校保健安全法によって「発症した後 5 日を経過し、かつ、解熱した後 2 日を経過するまで(2024年3月時点)」と定められています。[1]
就業規則が明確でない場合や判断に困る場合は、以下のインフルエンザの特徴を理解したうえでできる限り他人にうつさないように行動しましょう。
【インフルエンザの特徴】
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発症前日から発症後3~7日間は鼻やのどからウイルスを排出している
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解熱とともにウイルスの排出量は減少していくが、解熱後もウイルスの排出は続いている(排出期間は個人差がある)
上記の特徴を踏まえ、厚生労働省は発症前日から発症後3~7日は外出を控える必要があること、また咳やくしゃみ等の症状が続いている時は不織布マスクを着用した方が良いと記されています。[1]
インフルエンザ感染で会社を休む期間は定められていませんが、出勤できる日数が経過していても体調が回復していないのであれば治療に専念しましょう。
家族が感染した場合の出勤停止期間
同居の家族が感染した場合も、自身がインフルエンザに感染した場合と同様に出勤停止期間は定められていません。
インフルエンザには以前のコロナウイルスのように濃厚接触者という考えもありません。(2024年3月時点ではコロナウイルスにも濃厚接触者の考えはありません)
一般的に出勤可能な場合が多いですが、会社の就業規則や上司の判断によるため、まずは会社に確認してみましょう。
会社で規定がない場合は個々の判断となります。
出勤が可能な場合でも、自分自身が感染している可能性があることを考慮し、マスク着用などの予防策をとりながら出勤すると良いでしょう。
関連記事:インフルエンザに感染したら、兄弟も学校は休むべき?ほかの家族にうつさないための感染予防方法についても解説
欠勤した場合の有給休暇の取り扱い
特例措置等はなく、基本的には風邪などと同様に欠勤扱いとなるでしょう。
欠勤することによる評価が心配な方は、年次有給休暇の取得が可能な場合もあります。
基本的に、年次有給休暇は通常労働者が指定することによって決まり、使用者は指定された日に年次有給休暇を与えなければならないとされています。[2]
会社によっては「インフルエンザ休暇」や「病気休暇」などが使える場合もあります。
ただし、これらを利用するときは診断書が必要な場合があるため、事前に会社に確認してみましょう。
職場に復帰するときの注意点
インフルエンザ感染後に職場に復帰するときにも注意点があります。
注意点として、薬を飲めばすぐに出勤できるのか、治ったことをどのように証明すれば良いのかについて解説します。
薬を飲んでもすぐに症状は治らない
薬を飲んでもインフルエンザウイルスが体内から完全になくなるわけではありません。
したがって、症状がすぐになくなったり感染力が無くなったりするわけではありません。
薬を飲み始めたからといってすぐに職場復帰することは難しいでしょう。
就業規則によって異なりますが、万が一復帰できたとしても症状が完全になくなり、解熱後2日を経過するまではまだ感染力があるつもりで対策しておくと安心です。例えば、マスクの着用や石鹸での手洗い、手指消毒をこまめにするなどの対策をとるのがおすすめです。
薬を飲んだからといって、インフルエンザからすぐに回復して職場復帰ができる訳ではないため注意しましょう。
治癒証明証や陰性証明書は必須ではない
厚生労働省によると、職場が治癒証明書や陰性証明書の提出を求めることは望ましくなく、基本的には不要とされています。[1][3]
完全に治ったり感染力がなくなったりすることを検査によって証明するのは困難です。
自分自身が仕事に復帰できる状態であるのか不安なときは、一度医師に相談してみましょう。
インフルエンザの潜伏期間と感染した場合の隔離期間
インフルエンザウイルスに感染したらどれくらいの期間感染力があるのか、隔離期間はあるのかについてもう一度確認しておきましょう。
インフルエンザの潜伏期間
インフルエンザウイルスの潜伏期間は1~3日です。[4]
潜伏期間とは体内にウイルスが侵入しているが、まだ症状が現れていない期間を指します。
症状が現れていなくてもウイルスが体内に存在するため、すでに他人にうつす可能性のある時期です。
そのため家族や身近に感染者がいるときはすでに潜伏期間のつもりで、他人にうつさないための対策をしておくと良いでしょう。
対策としてマスクの着用や他者と対面での接触を避ける、手指消毒をこまめにするなどがおすすめです。インフルエンザの潜伏期間である1〜3日間はとくに注意しましょう。
インフルエンザの隔離期間
出勤停止期間と同様に、インフルエンザの隔離期間について定めた法律も存在しません。
しかし、ウイルスを排出している可能性のある期間は、感染拡大防止のための対策をとりましょう。
インフルエンザは、症状の出ていない潜伏期間でも感染力があります。
また、感染力が最も高いのは症状が出始める24時間前から症状が出てから3日後までと言われています。症状が出てから3~7日程度、さらに熱が下がってから2日程度は感染力があると思って行動する必要があります。
発熱やそれ以外の症状がある場合はできる限り休息をとり、外出を控えましょう。
関連記事:一人暮らしでインフルエンザかもしれないときは病院に行くべき?対処法も解説
インフルエンザで熱が上がったり下がったりするのはなぜ?理由や対処法を解説
まとめ
インフルエンザ感染時の出勤停止期間に法律的な決まりはありません。隔離期間についても法律的に明確な決まりはありません。
また、インフルエンザの薬を飲んだからといって、すぐに職場へ復帰できるわけではなく、復帰のタイミングは就業規則や上司の判断に委ねられます。
出勤停止期間や隔離期間で職場からの指示がない場合は、感染力のある症状が出現したあと3~7日・解熱後2日程度を目安に判断すると良いでしょう。判断に困るときは医師の指示に従ってください。
また、復帰する際に治癒証明書や陰性証明書は必要ありません。
そして家族や身近な人が感染してしまったときは、自分も潜伏期間かもしれないと考え、感染力があるつもりで行動することも大切です。
出勤するときはマスクの着用や他者と対面での接触を避けるなど、他人へうつさないための対策をとりましょう。
参考文献
[2]年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています|厚生労働省
[3]新型コロナウイルス感染症及び季節性インフルエンザに係る医療機関・保健所からの証明書等の取得に対する配慮について|厚生労働省
本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。
具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。