オンライン診療で対応可能です
サブクレードKとは
サブクレードKとは、インフルエンザA型(H3N2)の変異型ウイルスです。
昨シーズン(2024-2025)に発見されたばかりの変異株で、今シーズン(2025-2026)は日本を含む北半球で流行しています。
「新型インフルエンザ」のような全く新しいウイルスではなく、季節性インフルエンザが少しずつ変異する中で生まれたもので、通常のインフルエンザワクチンや従来の治療薬で重症化を防ぐことができます。
ウイルスの特徴
サブクレードK(J.2.4.1)は、インフルエンザA型(H3N2)の変異株です。
そもそも、インフルエンザウイルスの遺伝子では、突然変異をくり返すことでワクチンへの反応性(抗原性)が少しずつ変化する「抗原ドリフト」という現象が頻繁に発生し、毎年のように変異株が誕生しています。[1]
この抗原ドリフトによって、サブクレードKは今シーズンのワクチンで予防するのは難しい状況です。
しかしワクチンを接種することで重症化や入院リスクを下げる効果があると報告されています。[2]
サブクレードKの症状
サブクレードKによる症状は従来のインフルエンザと変わらず、メインは高熱・頭痛・関節痛などの全身症状です。
-
高熱
-
喉の痛み
-
咳
-
鼻水
関節痛よりも咳・鼻水を訴える患者さんが多いとの報告もありますが、基本的な経過は従来の季節性インフルエンザと同じと考えてよいでしょう。
流行の特徴
今シーズン(2025–2026)は、日本や北半球においてサブクレードKによるインフルエンザ患者が急増している可能性があると言われています。
東京都の例を見ると、9月1日〜11月9日に行われた検体調査において、インフルエンザA型と診断された12人全員からサブクレードKが検出されました。[3]
イギリスでもインフルエンザ流行が異例に早く、とくに5〜14歳において今シーズンのインフルエンザ陽性率が増加。
さらにインフルエンザA型の患者から採取した検体158のうち138個からサブクレードKが検出されたという報告もあります。[4]
サブクレードKは若年層を中心に広がりやすく、学校や家庭を通じて流行を加速させている可能性も考えられています。
実際の2025-2026インフルエンザ流行について
ここでは東京都と全国のインフルエンザ流行をあわせて解説します。
東京都では、昨シーズン(2024-2025)は12月中旬ごろにピークを迎えたのに対し、今シーズン(2025-2026)は10月から感染者数が増加しています。
11月下旬〜12月初旬にはすでに昨シーズンのピークに近い水準となりました。[3]
また、全国的に見ても流行は早く、11月末時点で39都道府県が警報レベルに達しています。
全国的に見ても例年より早い感染拡大となっており、早いところでは9月からインフルエンザによる学級閉鎖が始まっています。[5]
関連記事:【インフルエンザ】今年(2025-2026)の早期流行の原因や感染予防の方法を解説
受診時の流れ
サブクレードKにかかった場合、インフルエンザ検査をするとインフルエンザA型の陽性反応が出ます。
医療機関に受診をした場合には、インフルエンザA型に効果のある抗インフルエンザウイルス薬や必要に応じて解熱剤などが処方されるので、医師の指示に従って服用しましょう。
関連記事:インフルエンザの検査キットは市販あり?検査の時間や方法・タイミングを紹介
抗インフルエンザウイルス薬の種類と特徴
インフルエンザA型に効果のある抗インフルエンザウイルス薬には、次の6種類があります。
|
抗インフルエンザウイルス薬 |
成分名 |
タイプ |
特徴・服用方法 |
|
タミフル |
オセルタミビル |
内服薬 |
子ども~大人が内服可能 1日2回5日間、水などで飲む |
|
ゾフルーザ |
バロキサビル |
内服薬 |
子ども〜大人が内服可能 1回のみ水などで飲む |
|
シンメトレル |
アマンタジン |
内服薬 |
大人のみ内服可能 1日1〜2回、水などで飲む |
|
リレンザ |
ザナミビル |
吸入薬 |
基本的に5歳〜大人が吸入可能 1日2回5日間吸入する |
|
イナビル |
ラニナミビル |
吸入薬 |
基本的に子ども〜大人が吸入可能 1回のみ吸入する |
|
ラピアクタ |
ペラミビル |
注射薬 |
子ども〜大人が使用可能 医療機関で15分かけて点滴する (通常1回のみ、症状によっては連日点滴) |
※使用する量は年齢・体重・持病により異なるため、必ず医師の指示に従って服用しましょう。
※インフルエンザ陽性が出ても必ず処方されるわけではありません。処方は医師の判断によります。
上記の抗インフルエンザウイルス薬は、基本的に発熱などの症状が出てから48時間以内に服用することでウイルスの増加を抑え、重症化を防ぎます。
関連記事:インフルエンザは自然治癒する?病院にいかず48時間経ったらどうなる?
インフルエンザウイルスは症状が4〜5日続いた後に自然に軽快しますが、重症化を抑えたい場合や少しでも早めに治したい場合には受診がおすすめです。[6]
インフルエンザの診断・治療には、お近くの医療機関またはオンライン診療を受診する必要があります。
オンライン診療は休日や夜間も対応していることが多く、待ち時間は自宅でゆっくり休むこともできるので、症状がつらく外出できない場合などに便利です。
オンライン診療で対応可能です
感染したときの過ごし方
インフルエンザ発症前日〜発症後3〜7日程度は、症状がなくてもウイルスが体から排出されている期間です。この期間中の外出や他の人との接触はなるべく控えましょう。
インフルエンザにかかったときは、水分補給と休養を十分にとり、くしゃみや咳がある場合はマスクの着用がおすすめです。
関連記事:インフルエンザで診断書や治癒証明書は必要?学校や会社へ提出や復帰について解説
関連記事:インフルエンザを最速で治すには?5つのポイントについて解説
子どもが感染したときの注意点
学校保健安全法により子どもの出席停止期間の目安は「発症した後5日かつ、解熱した後2日(幼児の場合は3日)を経過するまで」とされています。[7]
子どもや未成年者は、発症後少なくとも2日間は保護者の目が行き届くところで休養させてください。
インフルエンザにより、突然部屋や家から飛び出す・ベランダから飛び降りようとする・突然泣いたり笑ったりするといった異常行動を起こすおそれがあります。[8]
予防方法
普段通りに手洗いとうがいを心がけ、インフルエンザワクチンの接種を行うことが、サブクレードKの予防にも有効です。
とくにインフルエンザの流行期間である12〜2月は次の行動を意識しましょう。
-
外出後は手洗いうがいをする
-
室内は湿度50〜60%を保つ
-
こまめに部屋を換気する
-
栄養バランスの取れた食事と十分な休養をとる
-
人ごみへの外出を避ける
また、季節性インフルエンザのワクチンは、サブクレードKに対しても感染後の発症や重症化を抑える効果が期待されています。
実際に、イギリスでは子どもでとくに高い有効率が確認されています。[2]
まとめ
サブクレードKは、季節性インフルエンザA型(H3N2)の変異株です。
症状や治療は従来のインフルエンザと同じですが、今シーズンは例年以上に早い時期から流行が拡大しています。
変異株といっても特別な対策は必要ありません。
普段と同じく早めのワクチン接種、こまめな手洗い、体調管理が、サブクレードKに対しても有効です。
インフルエンザの感染が疑われる場合は、早めに医療機関やオンライン診療を受診し、適切な治療と休養をとりましょう。
オンライン診療で対応可能です
参考文献
[1]インフルエンザ(詳細版)
[3]東京都|インフルエンザ情報第 10 号 2025 年(令和 7 年)11 月 28 日発行
[4]National flu and COVID-19 surveillance report: 6 November 2025 (week 45)
[5]厚生労働省|2025年 9月26日 インフルエンザの発生状況について
[6]厚生労働省|令和7年度 急性呼吸器感染症(ARI)総合対策に関するQ&A
[7]学校保健安全法施行規則
[8]厚生労働省|患者さん・ご家族・周囲の方々へ - インフルエンザにかかった時は、飛び降りなどの異常行動をおこすおそれがあります。
本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。
具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。
症状に対する診断やお薬の処方、診断書や傷病手当金申請書の記載内容は医師の判断によります。

