オンライン診療で対応可能です
こんな症状があればすぐに医療機関・オンライン診療へ
検査キットの説明の前に、まず確認してほしいことがあります。以下のようなサインがあるときは、検査キットの結果を待たず、ただちに医療機関を受診してください。厚生労働省が公開する「上手な医療のかかり方」では、子どもの救急受診の目安として、日本小児科医会小児救急医療委員会作成のチェックリストをもとに、次のような症状を挙げています[3]。
☑ 呼びかけても反応が薄い、ぐったりして眠ってばかりいる
☑ けいれんが5分以上続く
☑ 意味不明な言動があり、異様に興奮している
☑ 呼吸が止まりそう、または無呼吸(15秒以上)がある
☑ 呼吸をしていない、呼吸ができない
☑ 顔色や唇の色が悪く、全身が青白くなっている
☑ ゼーゼーして横になれない、呼吸のたびに肩が上下する、呼吸が苦しくて水分もとれない
これらは主に子どもを対象とした受診の目安ですが、大人の場合も呼吸が苦しい・意識がはっきりしない・けいれんが続くといった状態は同様に緊急性が高いサインです。
このような症状があるときは、検査キットでの確認を待たず、ただちに医療機関を受診するか、判断に迷う場合は救急相談窓口(#7119など)や、オンライン診療で医師に相談してください。
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今すぐ検査キットが欲しい人へ:どこで買える?
「とにかく今すぐ確認したい」という方に向けて、まず入手方法の現実的な選択肢を整理します。
薬局・ドラッグストアでの店頭購入
インフルエンザの検査キットは、ドラッグストアや調剤薬局で購入できます。ただし、取り扱いの有無や在庫は店舗によって異なるため、近隣の店舗にすぐ在庫があるとは限りません。流行期は品薄になることもあるため、購入できる場合には薬剤師から使い方の説明を受けたうえで購入しましょう。
インターネット通販は到着まで時間がかかる
インターネット通販でも検査キットは購入できますが、注文してから手元に届くまでには数日程度かかることが一般的です。「今すぐ検査したい」というニーズには対応しにくい入手方法である点は、あらかじめ理解しておく必要があります。
今すぐ医師の判断を仰ぎたいときは、オンライン診療も選択肢に
検査キットが手に入らない、外出も難しいほど症状がつらいというときは、オンライン診療も選択肢のひとつです。ファストドクター提携医療機関では、ご家族にインフルエンザにかかった方がいて、ご自身にも急な高熱・全身のだるさ・強い筋肉痛などの症状がある場合、検査キットなしで臨床症状から「インフルエンザ」と診断できることがあります。
※医師の判断による処方のため、必ずしも処方されるとは限りません。
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検査キットの選び方
インフルエンザの検査キットは市販されており、薬局やドラッグストアなどで購入できます。ただし、市販されているのはインフルエンザウイルス単独の検査キットではなく、新型コロナウイルスとの「同時検査」ができるタイプのみです(国の承認制度上、一般用医薬品として販売が認められているのが同時検査キットに限られているためです)。
購入時は、パッケージに「体外診断用医薬品」または「第1類医薬品」と明記されているものを選んでください。厚生労働省は、インターネット通販などで見られる「研究用」の検査キットについて、国の承認を受けたものではなく性能が確認されていないため、誤って購入しないよう注意を呼びかけています[1]。市販の検査キットを購入する際は、薬剤師から説明を受けたうえで使用しましょう。
検査キットで陽性・陰性の結果が出ても、それは医師による病気の診断そのものではありません。参考情報として受け止め、自己判断だけで治療方針を決めないようにしましょう。
検査後に医療機関を受診する場合は、検査結果を撮影しておくと、症状の経過とあわせて医師に伝えやすくなります。使用した検査キットは感染性の廃棄物にあたるため、そのまま医療機関へ持参するのは避け、使用した綿棒とともにビニール袋に入れてしっかり封をしてから廃棄してください。
検査キットの使い方
検体の採り方
インフルエンザウイルスは主にのどや鼻の奥に付着して増殖するため、検体の採取方法によって検査の精度や負担が変わります。代表的な採取方法は次のとおりです。
|
採取方法 |
特徴 |
|---|---|
|
鼻咽頭ぬぐい液 |
綿棒を鼻の奥(鼻咽頭)まで挿入して採取する、標準的で精度の高い方法です。医療機関で医療従事者が実施することが一般的で、痛みや不快感を伴いやすい方法です。 |
|
鼻腔ぬぐい液 |
鼻の入り口から浅い位置(目安として鼻孔から2cm程度)まで綿棒を挿入する方法です。 一部のキット・施設では、医療従事者の管理下で被検者自身が鼻腔ぬぐい液を採取する運用もあります。ただし、鼻咽頭ぬぐい液に比べて負担が少ない一方、検出感度はやや低いとの報告があります[4]。 |
|
鼻水(鼻汁鼻かみ液) |
ティッシュにかんだ鼻水から検体を採取する方法です。自分で採取できますが、鼻水が出ていない場合や、鼻をかめない小さな子どもには不向きです。 |
なお上記3つの方法以外に「唾液」を正式検体とするキットもありますが、数は少なく医療機関での採用も限定的です。
医療機関によって採用している検査方法は異なるため、鼻からの検査に抵抗がある場合は、他の方法に対応しているか事前に確認してみるとよいでしょう。子どもの場合も基本的な検査方法は大人と同じですが、検査の説明を十分に理解できないことが多いため、保護者が付き添い、落ち着けるよう工夫しながら検査を受けることが大切です。
検査キットの見方
検査キットの結果表示は、インフルエンザと新型コロナウイルスの同時検査タイプでは、それぞれ別のラインで示されるのが一般的です。「A」「B」の表示ラインにサインが出ればインフルエンザ陽性(A型またはB型)、新型コロナ用の表示ラインにサインが出れば新型コロナ陽性を示します。「C」はコントロールラインと呼ばれ、ここにサインが出て初めて検査が正しく完了したことを意味します。コントロールラインにサインが出ない場合は、有効な検査ができていない可能性が高いため、新しいキットで再検査しましょう。表示や見方はキットによって異なるため、必ず添付の説明書を確認してください。
検査のタイミング
検査は、症状が出てから12〜48時間程度のタイミングでおこなうことが望ましいとされています。発症直後はウイルスの量がまだ少なく、実際には感染していても陰性と判定される(偽陰性)可能性が高いためです。また、抗インフルエンザウイルス薬は発症から48時間以内に服用を開始することが望ましいとされている[2]ため、検査のタイミングもこの期間内を目安にするとよいでしょう。
ただし、検査結果は100%正確なものではありません。陰性であっても、症状が続いている場合や周囲にインフルエンザにかかっている方がいる場合は、インフルエンザの可能性を否定できません。自己判断はせず、医療機関やオンライン診療で医師に相談しましょう。
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検査キットの限界と結果の解釈
陰性でも症状があれば要注意
前述のとおり、検査のタイミングが早すぎると、実際は陽性でも陰性と表示されることがあります。
また、市販のインフルエンザ抗原検査キットの多くは、鼻腔の浅い部分から採取する短い綿棒を採用しており、鼻咽頭ぬぐい液に比べると検体量が不足する可能性があること、検体採取時の手技の不正確さから偽陰性のリスクが高まることがあります。
検査結果が陰性でも、高熱やつらい症状が続く場合は、時間をおいて再検査するか、医療機関を受診して医師の診断を受けてください。
陽性が出たらどうする?
検査キットで陽性が出たら、自己判断で市販薬だけに頼らず、できるだけ早く医療機関を受診しましょう。抗インフルエンザウイルス薬は発症から48時間以内に飲みはじめるのが望ましいとされているため、早めに受診の予定を立てることが大切です。
インフルエンザは飛沫感染します。陽性がわかったら、周囲にうつさない配慮も必要です。使用した検査キットは感染性廃棄物として適切に処理し、家庭内でもマスクの着用・換気・タオルの共用を避けるなどの対策を心がけましょう。
なお、医療機関では、検査を行わずに症状や周囲の流行状況からインフルエンザと臨床診断することもあります。これは、検査には痛みや不快感を伴うこと、発症早期(12 時間未満)では偽陰性になりやすいこと、そして医師が検査の必要性が低いと判断した場合には保険適用の検査を行わない(または行えない)場合があるためです。
同じ理由で、検査結果が陰性であっても、それだけでインフルエンザを否定できるわけではありません。インフルエンザ迅速抗原検査の感度はおおむね 50〜70% 程度とされ、本当は感染しているのに陰性と出る「偽陰性」が 30〜40% 程度起こり得ます。 これは、検査キット自体の感度の限界、検体採取の手技上のばらつき、そして迅速検査が「あくまで補助診断」として位置づけられていることによるものです。
陽性確認後は、オンライン診療で医師の診断・処方を受けられる場合も
市販の検査キットで陽性が出た場合、外出せずに医師の診断を受けたいというニーズも多いでしょう。ファストドクターが運営を支援するオンライン診療では、提携医療機関の医師の診察を受け、必要と判断された場合は治療薬の処方について案内を受けられる場合があります。発症から48時間以内の受診が望ましいとされていることもふまえ、外出が負担な場合の選択肢の一つとして検討してみてください(対応可否は症状や医師の判断によります)。
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熱がない・喉の痛みだけでも検査は必要?
発熱がなく、喉の痛みなど一部の症状しかない場合でも、インフルエンザの可能性がまったくないとは言い切れません。症状の出方には個人差があり、典型的な高熱を伴わないケースも報告されています。熱がない場合の症状の特徴や、受診を検討すべきタイミングについては、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
関連記事:熱が出ないインフルエンザもある?隠れインフルの症状と検査・受診できるか解説
Q&A
インフルエンザの検査について、よくある質問を紹介します。
Q. インフルエンザの検査は痛い?
標準的な鼻咽頭ぬぐい液の検査は、綿棒を鼻の奥まで挿入するため、痛みや不快感を伴うことがあります。近年は唾液や、鼻の浅い位置から採取する鼻腔ぬぐい液など、負担の少ない検査方法に対応する医療機関やキットも増えています。気になる場合は、受診先や検査キットの説明書で対応可能な方法を確認してみましょう。
Q. 検査で陽性が出たら、すぐに医療機関を受診しないといけない?
市販の検査キットの結果は診断そのものではないため、陽性が出た場合は自己判断で治療を進めず、できるだけ早く医療機関を受診するか、オンライン診療で医師に相談することが基本です。特に抗インフルエンザウイルス薬は発症から48時間以内の服用開始が望ましいとされているため、早めの受診を心がけましょう。
Q. 唾液での検査は、鼻の検査より精度が低い?
唾液は採取時の負担が少ない一方、鼻の検体に比べてウイルス量が少ない場合があり、検出感度はやや劣るとされています。唾液検査で陰性でも症状が続く場合は、医療機関で改めて相談することをおすすめします。
Q. インフルエンザの検査キットは薬局でも買える?
一般の方が購入できる検査キットは、ドラッグストアや調剤薬局、インターネット通販で購入できます。購入時は薬剤師から説明を受け、「研究用」ではなく「体外診断用医薬品」や「第1類医薬品」と表示されたものを選んでください。
まとめ
市販のインフルエンザ検査キットは、ドラッグストアや薬局、インターネット通販で購入でき、自宅で簡単にセルフチェックができる点が便利です。ただし、店舗の在庫状況や通販の到着日数によっては「今すぐ」には手に入らないこともあります。呼吸が苦しい・意識がはっきりしないといった緊急性の高いサインがある場合は、検査キットを待たずにただちに医療機関を受診してください。
検査を自宅でおこなう場合は、発症から12〜48時間程度のタイミングで、研究用ではなく国の承認を受けた検査キットを使用しましょう。検査結果はあくまで参考情報であり、医師による診断に代わるものではありません。陽性が出た場合や、陰性でも症状が続く場合は、早めに医療機関を受診するか、外出が難しいときはオンライン診療の利用も選択肢として検討してみてください。
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参考文献
[1]厚生労働省「新型コロナウイルス感染症の一般用抗原検査キット(OTC)の承認情報」
[2]厚生労働省「インフルエンザ(総合ページ)」(抗インフルエンザウイルス薬の発症48時間以内投与について)
[3]厚生労働省「上手な医療のかかり方」(子どもの救急受診の目安・判断チェックリスト、日本小児科医会小児救急医療委員会作成、茨城県地域医療対策協議会一部改変)
[4]国立感染症研究所・国立国際医療研究センター・厚生労働省健康局結核感染症課ほか「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)病原体検査の指針 第1版」(鼻腔ぬぐい液の採取方法について)
神田貴行 医師日本小児科学会専門医/博士(医学) 島根大学医学部臨床教授鳥取大学医学部卒業後、小児科医として16年間病院勤務、11年間発達障害児対応クリニック院長を務めた。現在は小児科を中心にオンライン診療等を行うフリーランス医師としても活動中。
本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。
具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。
症状に対する診断やお薬の処方、診断書や傷病手当金申請書の記載内容は医師の判断によります。

