【インフルエンザ】今年(2024-2025)の特徴や感染予防の方法を解説

更新日: 2025/03/01
感染力の強いインフルエンザを前に、「なにもなすすべがない」と諦めていませんか。 そこで、本記事ではインフルエンザの今年の特徴や感染予防法について解説します。 インフルエンザの特徴を知り、感染対策に役立てましょう。
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【インフルエンザ】今年(2024-2025)の特徴とは?

インフルエンザの今年(2024-2025)の特徴は、以下3つです。

  • 大人が先行して発症しやすい

  • 胃の不快感・吐き気がある

  • 感染力が強い傾向

2025年3月時点では、地域によって感染者数が減少傾向にありますが警報は続いています。今年のインフルエンザの特徴を知り、感染対策をおこないましょう。

大人が先行して発症しやすい

家族内でインフルエンザに感染した患者の中には、大人が先に感染し同居する子ども達へ感染していく傾向が見られます。

通勤などで不特定多数の人が乗る電車やバスなどで知らない間に感染し、自宅へ持って帰り家庭内感染が起こります。

小さなお子さんがいらっしゃるご家庭は、感染対策が難しいケースがあるのではないでしょうか。インフルエンザは、のどなど粘膜に付いたウイルスが増えることで感染します。[1]

うがいができない場合は、お茶や水など水分を飲ませのどに付いたウイルスを流します。赤ちゃんは、ミルクでも問題ありません。

家族全員が倒れてしまう前に、手洗いうがいなどの徹底が予防の1歩です。家族全員で予防していきましょう。

胃の不快感・吐き気がある

胃の不快感や吐き気・食欲がない場合は、消化のよい食事と水分補給をおこないましょう。

 

消化によい食べ物[2][3]

消化の悪い食べ物[2][3]

炭水化物など穀類

白米、粥、軟らかいうどん、食パン

そば、ラーメン、もち、菓子パン、玄米

肉・魚

ささみ、赤身肉、白身魚

加工品、豚バラ肉、イカ、タコ、貝、青魚

野菜類・豆・芋

豆腐、里芋、ほうれん草、かぼちゃ、

人参、大根

さつま芋、もやし、きのこ、油揚げ、山菜、

海藻、ごぼう、こんにゃく、ナッツ類、ごま

果物

バナナ、りんご、桃、缶詰

みかん、ドライフルーツ、パイナップル、柿、梨

その他

(調味料・乳製品など)

バター、マーガリン、マヨネーズ、サラダ油 など

ラード など

上記の表は、消化によい食品と、悪い食品をまとめました。胃の不快感や吐き気・食欲がないときは、食べる食材にも注意が必要です。

また飲料製品もコーヒーや緑茶など刺激の強い物は、胃粘膜を刺激し症状が悪化するため避けましょう。

感染力が強い傾向

今年のインフルエンザの感染力が強い傾向にある理由は3つ考えられます。

  • インフルエンザの感染者数が少なく免疫を持つ人が少なかった

  • インフルエンザウイルスが変異した(増えていく段階で少しずつ形を変える)[4]

  • 新型コロナ感染症が落ち着いたタイミングで人の流動が増えた

もともとインフルエンザは感染力が強いうえに、上記の要因が加わったため急激に広がったのです。[5]

また、インフルエンザの感染経路は飛沫感染と接触感染です。

【感染経路】[5]

<飛沫感染>

インフルエンザ感染者が、くしゃみや咳をした際につばなどの飛沫物とウイルスが体の外にでます。それを、健康な人が鼻や口から吸い込むことで感染します。感染場所は、主に人が多く集まるところです。

<接触感染>

インフルエンザ感染者が咳やくしゃみをおさえた手で周囲の物にさわるとインフルエンザウイルスが付着します。そこに健康な人がふれインフルエンザウイルスの付いた手で鼻や口をさわると粘膜から感染する経路をたどります。感染場所は、主にバスや電車のつり革、ドアノブ、スイッチなどです。

厚生労働省の最新のデータでは、インフルエンザ感染症の報告総数が昨年2024年の同じ時期に比べ約2.7倍です。[6]

2024年1月は、注意報から警報地域と警報もでていない地域がありました。[3]

ところが、2025年3月時点で、日本全体が警報レベルの赤に染まっています。[7]

インフルエンザウイルスは、日常に潜んでいます。予防も大切ですが、咳エチケットやマスク着用をして感染を広めないことへも意識しましょう。

【インフルエンザ】今年(2024-2025)見られやすい初期症状

A型またはB型インフルエンザは、感染後1日間~3日間の潜伏期間を経て発症します。[4]

インフルエンザの主な症状は下記の通りです。[8]

  • 吐き気

  • 胃の不快感、食欲がない

  • 38℃以上の発熱

  • 頭痛

  • 関節痛

  • 筋肉痛

  • 全身倦怠感

  • のどの痛み

  • 鼻水

  • 咳 など

インフルエンザ=高熱ですが、今年は例年とは少し違った症状の経過もあるようです。ここでは、今年見られやすい初期症状について解説します。

例年通り急激に熱が上がる

今年(2024-2025)のインフルエンザは、吐き気や胃の不快感・食欲があらわれにくいなど例年とは少し違う症状がでる傾向にあります。しかし、例年のように急な発熱が見られるケースもあります。

インフルエンザウイルスに感染した際の、初期症状を下記にまとめました。

  • 急な発熱

  • のどの痛み

  • 咳 など

インフルエンザは、通常の風邪より全身症状が強くでます。38℃以上の発熱や全身倦怠感がでた後、咳や鼻水の症状・消化器症状があらわれ7日間~10日間ほどで落ち着きます。[9][10]

ただし、持病のある方や高齢者・幼児は重症化するケースもあるため注意が必要です。

初期は熱が上がらないケースも

今年(2024-2025)インフルエンザに感染した患者の経過として、以下のような経過の報告がありました。

  • 初期は頭痛や軽いのどの痛み

  • 24時間ほどたって突然の寒気

  • 急な発熱

このことから、インフルエンザの初期症状は38℃以上の発熱から始まると一概には言えないことがわかります。

また実際に見られたケースでは、周囲でインフルエンザが流行しているため鼻炎と微熱の症状のみで受診されました。状況を聞くと、職場でインフルエンザが流行っているとのこと。

インフルエンザ予防接種を受けていましたが検査結果では陽性でした。

【インフルエンザ】今年(2024-2025)の感染を少しでも防ぐために

インフルエンザの予防法を知ると、家族内感染や重症化を防げます。

  • 接触感染や飛沫感染を防ぐ

  • 今からでもワクチン接種する

  • 乾燥を防ぐ

とくに2024-2025年のインフルエンザは例年より前倒しで流行しているため、収束まで複数回感染することも否定できません。

自分ひとりの問題としてではなく、大切な家族の命を守るために対策を知っておきましょう。

接触感染や飛沫感染を防ぐ

接触感染を防ぐには、手洗い・うがい・手指消毒に効果が期待できます。インフルエンザに限らず、感染している場合は、下記の点を意識して接触感染を防ぎましょう。[11]

  • 咳やくしゃみがでるときはマスクを着用

  • マスクを持っていない場合はティッシュや腕の内側で鼻と口をおさえる
    →くしゃみや咳をするときは近くにいる人から顔をそむけ1m以上離れる

  • 鼻水や痰(たん)を拭いたティッシュはすぐに捨てる

  • 咳やくしゃみを手でおさえたときは速やかに手を洗う

  • 近くに咳をしている人がいる場合はマスク着用をすすめる
    →人によってとらえ方が異なるため声をかける際は注意が必要です。

マスクは自分への感染を防ぐためだけでなく、インフルエンザにかかった人がウイルスを広げないための予防にもなります。

また接触感染対策として、買い物するときなど使い捨ての手袋の使用もおすすめです。外出時だけでなく、家庭内感染予防にも役立ちます。

<マスクの正しい使い方>[12]

  • 鼻と口を覆うように着ける

  • マスク装着時はひもを持って装着
    ※内側を手でさわらない

  • マスクを外す際は両ひもを持って外す

  • 捨てるときはマスクの外側にふれないよう、ひもを持って捨てる

<使い捨て手袋の正しい使い方>[12]

  • 手のサイズに合った使い捨て手袋を用意

  • 手袋は通常通り装着可能

  • 捨てるときは手首のところから手袋の外側へ引っ張りあげる

  • もう片方の手袋は手首の内側から手袋の外側へ引っ張りあげる

  • 手袋は外側がくるんと内側に入っている状態にして捨てる

<手洗いの方法>[13]

  • 手を水でぬらす

  • ハンドソープを手に取り泡立てる

  • 右手の甲を左手の手のひらで伸ばすように洗う(左手も同じように洗います)

  • 右手のひらに左手に指先と爪先を当て左右や円をかくように洗う

  • 両手を組み合わせて指の間を洗う

  • 左右の親指を交互ねじるように洗う

  • 左右の手首を洗う

  • 流水でよく洗い流す
    ※手洗いは15秒ほどかけて洗います。
    ※小さな子どもや手洗いが難しい人はウエットティッシュなどで拭きましょう。

マスクや手洗いうがいをしても、インフルエンザに感染する可能性があります。上記の予防対策に加え、目や口・鼻をさらないよう意識することも大切です。

今からでもワクチン接種する

インフルエンザワクチンの目的は、重症化を防ぐことです。ワクチンを接種した60%の方が発病をおさえられています。

毎年インフルエンザに感染した患者の中には、残念ながら重症化し入院が必要なケースや最悪の場合は死亡するケースがあることから、ワクチン接種の重要性がわかります。

ワクチンは注射の場合、生後6か月から接種可能です。また、最近では鼻にスプレーをするだけのワクチンもあるため、注射が苦手な子どもへおすすめします。[10]

インフルエンザワクチンは、接種後2週間から5か月先まで効果が期待できるため今からでもインフルエンザワクチンを接種しましょう。

【接種対象者】

注射タイプのワクチン

生後6か月~

※13歳未満2回接種[14]

鼻にスプレーするタイプのワクチン

2歳以上19歳未満

※1回接種[15]

乾燥を防ぐ

空気が乾燥すると、気道の防御機能が低下しインフルエンザに感染しやすくなるため保湿が必要です。[5]

適切な湿度は、50%~60%です。

加湿器を使用し保湿もしくは、マスクをして乾燥から気道を守るのもよいでしょう。

ー加湿器を使用する際の注意点ー

  • 部屋の広さに対し加湿器が適切か
    →必要な加湿がおこなえない

  • 毎日タンクの手入れをおこなう
    →手入れをしないとカビや細菌繁殖し部屋に飛び散る

  • 加湿する時間と換気する時間を決めておく
    →外気温と室温の差があると必要な加湿がおこなえない

加湿をおこなうと、室内に結露が付きます。定期的に、結露を拭きカビの発生を防ぐことをおすすめします。

よくある質問

インフルエンザの流行時期や症状について、質問に答えていきます。回答内容を参考に、インフルエンザ対策にお役立てください。

インフルエンザの流行はいつまでですか?

国内におけるインフルエンザの流行時期は、11月下旬から12月上旬頃に始まり翌年の1月から3月頃までに感染者数が増えます。4月から5月頃にかけて、感染者数の減少を見るケースがほとんどです。[1]

しかし、夏頃にインフルエンザの感染が報告される年もあります。[1]

今年のインフルエンザAの症状は?

今年のインフルエンザA型による症状は、吐き気や胃の不快感・食欲がない点が特徴です。インフルエンザA型は、以下の症状があらわれます。

  • 急な発熱(38℃以上)

  • のどの痛み

  • 咳 など

また患者によっては、のどの痛みから始まり突然の寒気や発熱の経過をたどるケースも見られます。

インフルエンザB型はいつ流行りますか?

インフルエンザB型の流行時期について、明確な情報はありません。ただ、インフルエンザA型に遅れた時期に流行するケースが多く、1月頃から3月頃に多く見られます。

インフルエンザB型の症状は、A型より強くない点が特徴です。下記はインフルエンザB型の主な症状です。

  • 発熱(でない人もいます)

  • 下痢、腹痛、嘔吐(おうと)

  • のどの痛み

  • 咳、鼻水

  • 頭痛

  • 全身倦怠感 など

お腹の風邪と思わず、症状があらわれた際は速やかに医療機関へ受診しましょう。

まとめ:インフルエンザの猛威を振り切ろう

インフルエンザの感染者数が、例年にないスピードで増え続けています。とくに今年のインフルエンザは、例年の症状に加え胃の不快感と吐き気が特徴です。

また患者によっては、のどの痛みから症状があらわれるケースも見られています。

インフルエンザの猛威を振り切るためには、日ごろからの感染対策が欠かせません。インフルエンザワクチン接種や、手洗いうがいと感染経路を理解する必要があります。

あなたと、あなたの大切な家族を守るために予防対策を徹底しましょう。

参考文献

[1]NIID国立感染症研究所「インフルエンザとは」

[2] 北里大学健康管理センター

[3] 九州大学病院 総合診療科 疫学研究公式サイト

[4]NIID国立感染症研究所「インフルエンザとは」

[5] 政府広報オンライン「インフルエンザの感染を防ぐポイント「手洗い」「マスク着用」「咳(せき)エチケット」」

[6] 厚生労働省「インフルエンザの発生状況について(令和7年第2週) 」

[7]NIID国立感染症研究所「インフルエンザ流行レベルマップ 第2週(1/17更新)」

[8]厚生労働省 「令和6年度インフルエンザQ&A」

[9] NIH National Library Of Medicune「インフルエンザ」

[10] 国立大学法人 長崎大学保健センター「インフルエンザ 症状と感染予防」

[11] 厚生労働省「【令和6年度】今シーズンのインフルエンザ総合対策」

[12] 厚生労働省「感染対策普及リーフレット」

[13]国立研究開発法人国立成育医療研究センター「正しい手洗い(手指衛生)の方法」

[14]厚生労働省「インフルエンザワクチン(季節性)Q9」

[15] NIID国立感染症研究所「今後期待される新形式インフルエンザワクチン」

本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。

具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。

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