【インフルエンザ】今年(2025-2026)の早期流行の原因や感染予防の方法を解説

更新日: 2025/10/24
2025年9月より、全国の一部ではインフルエンザの流行期に突入しました。 例年より早く流行しているため、何も対策できていない方も多いでしょう。 本記事では、インフルエンザの今年の早期流行の原因や感染予防法について解説します。 インフルエンザに感染しないようにするために、今からでも対策しましょう。
インフルエンザ
オンライン診療で対応可能です
オンラインでもいつもと同じ診察
  • 医師の丁寧な問診
  • いつものお薬を処方
  • ビデオカメラ、写真での視診
症状によって対面医療機関をご紹介します。その場合、オンライン診療費用はかかりません。
症状の緊急度が気になる方はこちら
目次

【インフルエンザ】今年(2025-2026)はなぜ流行が早いの?

今年(2025-2026)のインフルエンザの流行期が例年より早まった理由としてさまざまな理由が考えられますが、主に挙げられるのは、以下2つです。

  • 記録的な猛暑があったため

  • 訪日外国人が増加したため

2025年10月時点では、地域によっては学級閉鎖も起きています。

今年のインフルエンザがなぜ早くから流行期に入ったのかを知り、感染対策をおこないましょう。

記録的な猛暑があったため

2025年の記録的猛暑が、インフルエンザの早期流行を引き起こす一因となった可能性が高いです。

通常、インフルエンザウイルスは低温・乾燥を好みます。

しかし猛暑による生活環境や体調の変化が、感染しやすい条件をつくり出してしまったと考えられています。

  • 熱帯夜の睡眠不足

  • 夏バテによる栄養不良

  • 冷房の効いた室内で長時間過ごす

睡眠不足や栄養不良となると、免疫力が下がり、ウイルスの侵入を許してしまう機会が増えます。また冷房の効いた部屋は閉め切った環境です。

空気の乾燥が進み、ウイルスの活性が高まると、のどや鼻の粘膜も弱くなります。

密閉された空間では、感染者が一人でもいるとウイルスが広がってしまうのです。

猛暑による体力低下と室内環境の変化が重なったことで、異例ともいえる早期流行につながったと考えられます。

流行地域からウイルスが流入したため

インフルエンザは世界中を移動しながら流行する性質をもちます。

そのため、海外からのウイルスの流入が国内の感染拡大のきっかけになることも珍しくありません。

実際、オーストラリアなどでは6〜8月が冬にあたり、現地で流行していました。

このような流行地域からウイルスが日本に持ち込まれることもあり、今年はとくに人の往来が活発だったことから、流行が早まったと考えられます。

【インフルエンザ】今年(2025-2026)見られやすい初期症状

A型またはB型インフルエンザは、感染後1日間~3日間の潜伏期間を経て発症します。[1]

インフルエンザの主な症状は下記の通りです。[5]

  • 38℃以上の発熱

  • 頭痛

  • 関節痛

  • 筋肉痛

  • 全身倦怠感

  • のどの痛み

  • 鼻水

  • 吐き気

  • 胃の不快感、食欲がないなど

インフルエンザ=高熱のイメージが先行しがちですが、それだけではありません。

インフルエンザにかかった人と接触していて、上記の症状が当てはまる場合は、医療機関を受診することをおすすめします。

例年通り急激に熱が上がる

今年(2025-2026)のインフルエンザは、例年のように急な発熱が見られます。

インフルエンザウイルスに感染した際の、初期症状を下記にまとめました。

  • 急な発熱

  • のどの痛み

  • 咳 など

インフルエンザは、通常の風邪より全身症状が強くでます。

2025年は、40℃以上の発熱や全身倦怠感があらわれる方が多いです。その後は7日間~10日間ほどで落ち着きます。[6][7]

持病のある方や高齢者・幼児は重症化するケースもあるため注意が必要です。

頭痛の症状があらわれやすい

2025-2026年に流行の中心とされるA型は、一般的に高熱や全身症状を引き起こしやすく、頭痛は初期症状のひとつとして頻繁にあらわれます。

インフルエンザによる頭痛は、ウイルス感染により体内で「サイトカイン」という物質が過剰に放出され、脳の血管を拡張させたり炎症を起こすことで生じます。

ズキズキとした拍動性の強い痛みが特徴です。

A型では38℃以上の高熱とともに悪寒・関節痛・筋肉痛など全身症状があらわれ、頭痛も激しくなりやすい傾向にあります。

風邪による頭痛と異なり、インフルエンザの頭痛は突然あらわれて強く感じることが多いです。

高熱による脱水症状が頭痛をさらに悪化させる要因にもなります。

【インフルエンザ】今年(2025-2026)の感染を少しでも防ぐために

インフルエンザの予防法を知ると、家族内感染や重症化を防げます。

  • 接触感染や飛沫感染を防ぐ

  • 今からでもワクチン接種をする

  • 乾燥を防ぐ

とくに2025-2026年のインフルエンザは例年より前倒しで流行しているため、収束まで複数回感染することも否定できません。

自分ひとりの問題としてではなく、大切な家族の命を守るために対策を知っておきましょう。

接触感染や飛沫感染を防ぐ

接触感染を防ぐには、手洗い・うがい・手指消毒に効果が期待できます。インフルエンザに限らず、感染している場合は、下記の点を意識して接触感染を防ぎましょう。[8]

  • 咳やくしゃみが出るときはマスクを着用

  • マスクを持っていない場合はティッシュや腕の内側で鼻と口をおさえる

    →くしゃみや咳をするときは近くにいる人から顔をそむけ1m以上離れる

  • 鼻水や痰(たん)を拭いたティッシュはすぐに捨てる

  • 咳やくしゃみを手でおさえたときは速やかに手を洗う

  • 近くに咳をしている人がいる場合はマスク着用をすすめる

    →人によってとらえ方が異なるため声をかける際は注意が必要です。

マスクは自分への感染を防ぐためだけでなく、インフルエンザにかかった人がウイルスを広げないための予防にもなります。

また接触感染対策として、買い物するときなど使い捨ての手袋の使用もおすすめです。外出時だけでなく、家庭内感染予防にも役立ちます。

<マスクの正しい使い方>[9]

  • 鼻と口を覆うように着ける

  • マスク装着時はひもを持って装着

    ※内側を手でさわらない

  • マスクを外す際は両ひもを持って外す

  • 捨てるときはマスクの外側にふれないよう、ひもを持って捨てる

<使い捨て手袋の正しい使い方>[9]

  • 手のサイズに合った使い捨て手袋を用意

  • 手袋は通常通り装着可能

  • 捨てるときは手首のところから手袋の外側へ引っ張りあげる

  • もう片方の手袋は手首の内側から手袋の外側へ引っ張りあげる

  • 手袋は外側がくるんと内側に入っている状態にして捨てる

<手洗いの方法>[10]

  • 手を水でぬらす

  • ハンドソープを手に取り泡立てる

  • 右手の甲を左手の手のひらで伸ばすように洗う(左手も同じように洗います)

  • 右手のひらに左手に指先と爪先を当て左右や円をかくように洗う

  • 両手を組み合わせて指の間を洗う

  • 左右の親指を交互ねじるように洗う

  • 左右の手首を洗う

  • 流水でよく洗い流す

※手洗いは15秒ほどかけて洗います。

※小さなこどもや手洗いが難しい人はウエットティッシュなどで拭きましょう。

マスクや手洗いうがいをしても、インフルエンザに感染する可能性があります。

上記の予防対策に加え、目や口・鼻をさらさないよう意識することも大切です。

今からでもワクチン接種をする

インフルエンザワクチンの目的は、重症化を防ぐことです。ワクチンを接種した60%の方が発病をおさえられています。

毎年インフルエンザに感染した患者の中には、残念ながら重症化し入院が必要なケースや最悪の場合は死亡するケースがあることから、ワクチン接種の重要性がわかります。

ワクチンは注射の場合、生後6か月から接種可能です。

また、最近では鼻にスプレーをするタイプのワクチンもあるため、2歳以上 19歳未満の注射が苦手なこどもへおすすめします。[12]

インフルエンザワクチンは、接種後2週間から5か月先まで効果が期待できるため今からでもインフルエンザワクチンを接種しましょう。

【接種対象者】

注射タイプのワクチン

生後6か月~

※13歳未満2回接種[11]

鼻にスプレーするタイプのワクチン

2歳以上19歳未満

※1回接種[12]

乾燥を防ぐ

空気が乾燥すると、気道の防御機能が低下しインフルエンザに感染しやすくなるため保湿が必要です。[2]

適切な湿度は、50%~60%です。

加湿器を使用し保湿もしくは、マスクをして乾燥から気道を守るのもよいでしょう。

ー加湿器を使用する際の注意点ー

  • 部屋の広さに対し加湿器が適切か

    →不十分な場合、必要な加湿がおこなえない

  • 毎日タンクの手入れをおこなう

    →手入れをしないとカビや細菌が繁殖し部屋に飛び散る

  • 加湿する時間と換気する時間を決めておく

    →窓を閉め切り続けると、室内の汚れた空気やウイルスが滞留し、感染リスクを高める

加湿をおこなうと、室内に結露が付きます。定期的に、結露を拭きカビの発生を防ぐことをおすすめします。

よくある質問

インフルエンザの流行時期や症状について、質問に答えていきます。回答内容を参考に、インフルエンザ対策にお役立てください。

インフルエンザの流行はいつまでですか?

国内におけるインフルエンザの流行時期は、11月下旬から12月上旬頃に始まり翌年の1月から3月頃までに感染者数が増えます。

4月から5月頃にかけて、感染者数の減少を見るケースがほとんどです。[1]

しかし、夏頃にインフルエンザの感染が報告される年もあります。[1]

今年のインフルエンザAの症状は?

今年のインフルエンザA型による症状は、吐き気や胃の不快感・食欲がない点が特徴です。インフルエンザA型は、以下の症状があらわれます。

  • 急な発熱(38℃以上)

  • のどの痛み

  • 咳 など

また患者によっては、のどの痛みから始まり突然の寒気や発熱の経過をたどるケースも見られます。

インフルエンザB型はいつ流行りますか?

インフルエンザB型の流行時期について、明確な情報はありません。

ただ、インフルエンザA型に遅れた時期に流行するケースが多く、1月頃から3月頃に多く見られます。

下記はインフルエンザB型の主な症状です。

  • 発熱

  • 下痢、腹痛、嘔吐(おうと)

  • のどの痛み

  • 咳、鼻水

  • 頭痛

  • 全身倦怠感 など

インフルエンザB型は、A型に比べると急な高熱や全身の関節痛等の症状がやや軽度で済むケースがあります。

しかし、決して症状が弱いわけではありません。

また、インフルエンザB型では、下痢や嘔吐といった胃腸症状が目立ちます。

とくに初期では、お腹の風邪や胃腸炎と間違われやすいのがB型の特徴です。

お腹の風邪と思わず、症状があらわれた際は速やかに医療機関へ受診しましょう。

今流行っているインフルエンザは何型ですか?

2025-2026年シーズンに流行の中心となる可能性があると専門家から指摘されているのは、インフルエンザA型です。

2025年夏のオーストラリアなどを含む南半球で、A(H1N1)型が多く検出されたことが挙げられます。

南半球の冬の流行状況は、その後の北半球での流行を予測する上で重要な指標となります。

A(H1N1)型は、基礎疾患のない比較的若い方でも肺炎などを合併して重症化することも珍しくありません。

厚生労働省によると、2025年9月下旬には全国のインフルエンザの定点当たり報告数が流行開始の目安である1.00を上回り、流行シーズン入りが確認されました。[3][4]

インフルエンザAとB型どっちがしんどい?

一般的に、インフルエンザA型の方がB型に比べて「しんどい」と感じるケースが多いとされています。症状が急激にあらわれるためです。

A型はウイルスに感染してから1~3日の潜伏期間の後、38℃以上の突然の高熱、悪寒、関節痛、筋肉痛、強い全身倦怠感といった全身症状が急激にあらわれるのが特徴です。

B型も同様に高熱や体の痛みといった症状が出ますが、A型ほど症状が急激にあらわれることは少なく、比較的緩やかであると言われています。

腹痛や下痢、嘔吐といった消化器系の症状が出やすい傾向があるのはB型です。

ただし、症状のあらわれ方や重症度には個人差が大きく、A型とB型で症状に大きな違いはないという見解もあります。

重症化するリスクはどちらの型であってもあることを理解しておきましょう。

インフルエンザの一番しんどい時期はいつですか?

インフルエンザの症状が最もつらくなる「一番しんどい時期」は、一般的に発症してから3日目までです。

ウイルスに感染後、1~3日ほどの潜伏期間を経て、突然38℃以上の高熱、悪寒、頭痛、関節痛、筋肉痛といった強い全身症状があらわれます。

急激な症状があらわれる発症初期が、体力的にも精神的にも最もつらい時期といえるでしょう。

熱は発症後3~5日ほどで下がることが多いですが、咳や倦怠感はその後もしばらく続くことがあります。

全体的な回復には1週間から10日ほどかかるのが一般的です。

まとめ:インフルエンザの猛威を振り切ろう

インフルエンザの感染者数が、例年にないスピードで増え続けています。

とくに今年のインフルエンザは、例年の症状に加え胃の不快感と吐き気が特徴と言われています。

また患者によっては、のどの痛みから症状があらわれるケースも見られています。

インフルエンザの猛威を振り切るためには、日ごろからの感染対策が欠かせません。インフルエンザワクチン接種や、手洗いうがいと感染経路を理解する必要があります。

あなたと、あなたの大切な家族を守るために予防対策を徹底しましょう。

インフルエンザ
オンライン診療で対応可能です
オンラインでもいつもと同じ診察
  • 医師の丁寧な問診
  • いつものお薬を処方
  • ビデオカメラ、写真での視診
症状によって対面医療機関をご紹介します。その場合、オンライン診療費用はかかりません。
症状の緊急度が気になる方はこちら

参考文献

[1]NIID国立感染症研究所「インフルエンザとは」

[2] 政府広報オンライン「インフルエンザの感染を防ぐポイント「手洗い」「マスク着用」「咳(せき)エチケット」」

[3] 厚生労働省「インフルエンザの発生状況について(令和7年第2週) 」

[4]NIID国立感染症研究所「インフルエンザ流行レベルマップ 第2週(1/17更新)」

[5]厚生労働省 「令和6年度インフルエンザQ&A」

[6] NIH National Library Of Medicune「インフルエンザ」

[7] 国立大学法人 長崎大学保健センター「インフルエンザ 症状と感染予防」

[8] 厚生労働省「【令和6年度】今シーズンのインフルエンザ総合対策」

[9] 厚生労働省「感染対策普及リーフレット」

[10]国立研究開発法人国立成育医療研究センター「正しい手洗い(手指衛生)の方法」

 [11]厚生労働省「インフルエンザワクチン(季節性)Q9」

[12] NIID国立感染症研究所「今後期待される新形式インフルエンザワクチン」

本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。

具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。

症状に対する診断やお薬の処方、診断書や傷病手当金申請書の記載内容は医師の判断によります。

FastDoctor
ドクターの往診・オンライン診療アプリ
往診もオンライン診療も
アプリから便利に相談
App Storeからダウンロード
Google Playで手に入れよう
TOP医療コラム【インフルエンザ】今年(2025-2026)の早期流行の原因や感染予防の方法を解説