インフルエンザがうつる確率はどのくらい?かからない人がいる理由も解説

公開日: 2023/12/27 更新日: 2024/11/13
「インフルエンザってどのくらいの確率でうつるの?」 「家族や友人間でも接触してかからないひとがいるの?」 インフルエンザはつらい発熱や倦怠感に悩まされますよね。 一体どれくらいの確率で感染するのかは、意外と知られていない情報です。 この記事では感染力が強いといわれているインフルエンザのうつる確率や、かからない人がいる理由について詳しく解説します。
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インフルエンザはどのくらいの確率でうつる?

実際にインフルエンザはどのくらいの確率でうつるのか、というと「約10%」といわれています。つまり、10人に1人の確率で感染するということです。[1]

しかし、これはあくまでも全体でみた場合の確率にすぎません。

インフルエンザが流行し始めた場合、短い期間のうちに多くの方へと感染が拡がっていくのが特徴です。

インフルエンザの感染力が強い理由

ではインフルエンザは普通の風邪に比べて、なぜこんなに感染力が強いのでしょうか。

その理由は、インフルエンザウイルスの「増殖スピードの速さ」にあります。

まず、インフルエンザウイルスは人の鼻やのどの粘膜に付着し、体内へと侵入していきます。粘膜から細胞内に侵入するまでの時間はわずか10分程度です。

その後、細胞内へと侵入したインフルエンザウイルスは8時間で100倍、16時間後には1万倍のスピードで増殖していきます。

体内へ侵入してから24時間経過した段階では、ウイルスの数は100万倍に達するのです。

つまり、たった1個のインフルエンザウイルスが体内へ入るだけで丸1日後には100万個にまで増殖してしまうということです。

インフルエンザウイルスが100万個に達すると、インフルエンザ特有の強い悪寒や高熱などの症状が急激に現れるのが特徴です。[2]

子どもがインフルエンザに感染したかも?

お子様がいるご家庭では、インフルエンザにかかると看病や通院などがあり大変ですよね。

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インフルエンザにかからない人がいるのはなぜ?

一度、体内に侵入すると急激に増殖するインフルエンザウイルスですが、無症状の方や軽症で済むような方がいるのも確かです。

例えば、家族間や学校などで次々と感染が広がっているにもかかわらず、「インフルエンザにかからなかった」という方の話を聞いて疑問に感じている方もいるでしょう。

インフルエンザが猛威をふるう中、どうしてインフルエンザにかからない人がいるのかというと、その理由は「個人の免疫力の違い」です。

つまり、ウイルスに打ち勝つ強い免疫力があるためインフルエンザによる感染を防御できるのです。

インフルエンザウイルスが口や鼻から侵入しても、唾液や鼻水などの粘液によってウイルスを排除できれば感染せずに済むでしょう。

また、インフルエンザウイルスが体内に侵入しても免疫システムがすぐさま作用し、増殖する前に不活化できれば症状が出ることはありません。

症状がなければ感染したことに気付くこともないため、「かからなかった」ということが起きます。

また、免疫力が高ければ、発症したとしても風邪のような軽い症状で済むこともあります。

その他、インフルエンザの予防接種を行った方は行ってない方に比べて発症の可能性が低くなります。

ワクチンを接種すれば全く感染しないというわけではありませんが、発症した際の重症化防止にも効果が期待できます。

連休中、インフルエンザにかかったときは

インフルエンザの流行のピークは過ぎたとはいえ、連休に入ると移動や人の往来が増えるため、まだまだ油断できません。

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インフルエンザとはどんな病気?

ここまではインフルエンザの感染力について解説しました。

インフルエンザは普通の風邪とはどのように異なるのでしょうか。

ここではインフルエンザの感染経路・特徴的な症状・風邪との違いについて詳しくみていきましょう。

感染経路

インフルエンザの感染経路は主に2つあります。ひとつは飛沫感染、そしてもうひとつは接触感染です。

飛沫感染とは、咳やくしゃみによってウイルスが空気中に放出され、その空気を吸い込むことによって感染してしまうことを指します。

たとえば満員電車など不特定多数の方が集まるような場所では、ウイルスを含んだ粒子が空気中に浮遊し、口や鼻から体内へ吸い込んでしまうことがあるでしょう。

インフルエンザに感染した家族を近くで看病しているときに咳やくしゃみなどの飛沫を直接浴びると感染のリスクが高くなります。

接触感染はウイルスが付着した部分に直接触れることによって感染することを指します。

たとえば、手すり・ドアノブ・押しボタンなど不特定多数の方が触れるものにはインフルエンザウイルスが付着していることがあります。

そのような場所に触れた手で自分の口や鼻に触れることで体内にウイルスを侵入させてしまうのです。

それ以外にも、インフルエンザに感染した方が鼻をかんだ後のティッシュ・口をつけたペットボトル・食べかけの食品などからの感染も考えられます。

インフルエンザが流行している時期は、家族間であってもこのような接触には気を付けることが望ましいでしょう。

連休中、インフルエンザにかかったときは

インフルエンザの流行のピークは過ぎたとはいえ、連休に入ると移動や人の往来が増えるため、まだまだ油断できません。

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風邪との違い

インフルエンザと普通の風邪のおもな特徴は以下の通りです。

風邪

インフルエンザ

  • 季節を問わずかかる

  • ゆっくり発症する

  • 微熱(37度台)程度

  • 鼻やのどの症状は始めから起こる

  • 悪寒や関節痛などの全身症状はそれほど強くない

  • 11月~3月頃に流行する

  • 38度以上の発熱

  • 強い悪寒

  • 強い関節痛や筋肉痛

  • 強い倦怠感

  • 鼻やのどの症状は後から現れる

  • 重篤化しやすい

まず風邪は季節問わずかかることがあるのに対して、インフルエンザは流行する時期が決まっているのが大きな違いといえるでしょう。

インフルエンザは毎年11月~3月頃に流行し、1月~2月頃にピークを迎えるのが特徴です。

風邪の場合には鼻水やのどの痛みから徐々に始まることが一般的ですが、インフルエンザの場合には突然強い悪寒や高熱が現れます。

この「急激な発症」がインフルエンザを疑うサインといえます。

インフルエンザでは強い関節痛・筋肉痛・倦怠感などもみられます。全身症状のあとに鼻水・のどの痛み・咳などの症状があらわれるのも風邪との違いです。

なお、インフルエンザは普通の風邪に比べて重篤化しやすいため注意が必要です。免疫力の低い高齢者・乳幼児・妊娠中の女性などは重篤化のリスクが高い傾向にあります。

そのほか、喘息の方・慢性呼吸器疾患(COPD)・慢性心疾患・糖尿病などの持病がある方なども重症化に注意が必要です。

関連記事:インフルエンザの症状は?感染期間中の症状の経過もチェック

インフルエンザに感染しないためにできること

インフルエンザに感染しないためにできることは大きく分けて5つです。

  • 手洗い・手指消毒
  • 適度な湿度を保つ
  • 睡眠と栄養をとる
  • 人混みを避ける
  • 可能ならばワクチン接種を

同居する家族などがいる場合には、自分だけではなく家族全員が心がけることで感染予防に役立つでしょう。

関連記事:家族間でインフルエンザに感染する確率を下げるためには?

手洗い・手指消毒

こまめな手洗いや手指消毒により手に着いたウイルスを取り除くことは、インフルエンザの予防に必要不可欠です。

インフルエンザが流行する季節は、どこにインフルエンザウイルスが潜んでいるか分かりません。

特に学校や職場をはじめ、電車やバスの中・商業施設など、不特定多数の方が活動する場での感染リスクは高くなります。

知らず知らずのうちにインフルエンザウイルスが手に付着し、その手で鼻や口を触ってしまえば接触感染を引き起こしてしまいます。

こまめに洗うことに加え、洗い残しがないように正しく洗うことも大切です。石鹸による手洗いやアルコール消毒はインフルエンザウイルスの除去に有効であるといわれています。

指の間・指の先・爪の間・手首など、洗い残しやすい部分まで、丁寧に洗うことを心がけましょう。外出先から帰宅した際には外からウイルスを持ち帰ってしまっていることが多いです。

帰宅時はもちろん、調理の前後・食事前などには手洗いやアルコール消毒をすると予防に役立ちます。

適度な湿度を保つ

適度な湿度を保つこともまた、インフルエンザの予防方法のひとつです。

インフルエンザが冬に大流行するのには「空気が乾燥しやすい」という理由があります。空気が乾燥した状態では、ウイルスが空気中に浮遊しやすくなるのです。

一方、湿度の高い環境下ではインフルエンザウイルスが舞い上がりにくく活性しにくくなります。活性が低下したウイルスは増殖しにくく、感染力が低下するといわれています。

冬は外気が乾燥することに加え、暖房器具の使用により室内の湿度が低くなりがちです。

インフルエンザを予防するためにも積極的に加湿を行うようにしましょう。湿度の目安は50~60%が理想です。

また湿度の高い状態を保つことは、のどの防御機能にも良い役割を果たすといわれています。のどや鼻の粘膜にウイルスが付着した場合には、粘液によって体外に排出されます。

のどや鼻の粘膜が乾燥してしまうとウイルスを排出できなくなってしまうのです。ウイルスから身体を守るためにも、のどや鼻の粘膜を潤った状態に保つことが重要です。

睡眠と栄養をとる

免疫力を上げることでインフルエンザへの感染を未然に防ぐこともできます。とくに十分な睡眠と栄養をとることが大切です。

夜更かしや不規則な生活により睡眠のリズムが崩れてしまった場合、十分な休息が得られず免疫力の低下に繋がります。

朝起きたら朝日を浴びる・適度な運動をする・寝る前のスマートフォンの使用は避けるなど、スムーズに眠りにつけるように心がけましょう。

身体の健康を維持するためには栄養も欠かせません。食事を抜いたりかたよった食事をしたりしている方は免疫力が低下しやすくなります。

できるだけバランスの良い食事をとるようにしましょう。腸内環境を整えることは免疫力アップに繋がるといわれています。

具体的には、水溶性の食物繊維を豊富に含む食品・発酵食品・オリゴ糖を豊富に含む食品などが腸の善玉菌を増やし、腸内環境の改善に効果的です。

水溶性の食物繊維は、もずく・ひじき・わかめ・昆布などの海藻類やいちご・バナナ・りんごなどの果物に多く含まれています。

ごぼう・春菊・オクラなどの野菜類や納豆・もち麦も積極的にとりましょう。

発酵食品は、ヨーグルト・味噌・チーズ・キムチなどです。

最後に、オリゴ糖を豊富に含む食品にはバナナ・キャベツ・はちみつなどが挙げられます。朝食にはバナナ・ヨーグルト・はちみつをプラスしましょう。

忘れてはいけないのが「ストレスへの対処」です。ストレスは免疫力を下げる原因のひとつとされています。ストレスが溜まると「眠れない、食べれない」という状況にもなりがちです。

ストレスや疲れを溜め込まないように上手に発散することも心がけましょう。

関連記事:インフルエンザを早く治すために食べた方が良いものは?

人混みを避ける

インフルエンザが流行する時期の人混みでは、不特定多数の人がインフルエンザウイルスを保持している可能性が高いです。

満員電車・イベント会場・ショッピングモールなどの商業施設・テーマパークなどが例として挙げられます。

人が密集しやすいような場所は人と人との距離が近いため、くしゃみや咳などの飛沫を吸い込みやすい状況になります。

電車やバスのつり革・手すり・ドアノブなど、不特定多数の人がふれた場所に接触する機会も多くなるでしょう。人混みがウイルスに曝露しやすくなることは言うまでもありません。

どうしても外出する必要がある場合には、人混みを避けるように心がるのも対策方法のひとつです。

人が少ない時間帯の公共交通機関を利用したり空いている時間帯を選んで買い物をしたりするとよいでしょう。

可能ならばワクチン接種を

インフルエンザワクチンを接種することも発症率や発症した際の重症化率を下げるために有効です。

ワクチンの効果は接種してから約5~6カ月持続するといわれていますが、接種してから抗体が産生されるまでには2週間かかります。

十分な数に達するまでには1ヵ月ほどかかるため、流行前に接種をすることが望ましいでしょう。

例年、11月頃からインフルエンザが流行し始めるため、10月からワクチン接種開始となることが一般的です。

インフルエンザの流行がピークとなる1~2月に効果を発揮させるために、遅くとも12月中には接種を終えておくと安心です。

生後6ヵ月~12歳の子どもは、インフルエンザワクチンを2回に分けて接種する必要があります。

1回目を接種してから2回目を接種するまでに2~4週間あける必要がありますので、余裕のあるスケジュールで接種を済ませておくと良いでしょう。

同居の家族の中に高齢者・子ども・基礎疾患のある方など、重症化リスクの高い方がいる場合には、可能な限り予防接種を受けておくことをおすすめします。

関連記事:インフルエンザ予防接種は受けるべき? ワクチンの効果や注意点について詳しく解説

関連記事:2023-2024年インフルエンザワクチンの接種時期や供給状況について解説

このような症状が出たら早めの受診を

インフルエンザは急激に発症し、重症化しやすい感染症です。脳炎や脳症・肺炎・心筋炎などの合併症を引き起こすこともあります。

免疫力の低い高齢者・乳幼児・妊婦・基礎疾患のある方などの場合、命にかかわることも考えられます。

以下のような症状が急激に現れた場合にはインフルエンザである可能性があるため、早めに受診するようにしましょう。

  • 強い悪寒

  • 38度以上の発熱症状

  • 強い倦怠感

  • 強い関節痛や筋肉痛

  • 頭痛

インフルエンザの検査は発症後12~48時間以内におこなうことが望ましいといわれています。

発症してから間もない時間では検出されるウイルスの量が少なすぎて「陰性」となってしまうことがあるためです。

48時間を過ぎてしまうと「陽性」の反応は出るものの、抗インフルエンザ薬が効きにくくなってしまうため注意が必要です。

インフルエンザにかかっている方が身近にいる場合や思い当たる症状がある場合には、放置せずに医療機関で検査を受けましょう。

発症から12時間経過していなくても意識がもうろうとしたり水分がとれなかったりするような症状があれば、すみやかに医療機関へ受診するようにしてください。

まとめ:感染経路を遮断することが大切

毎年冬になると猛威をふるうインフルエンザですが、感染経路を遮断したり免疫力を高めたりすることでうつる確率を下げることが可能です。

疲れやストレスなどで身体の抵抗力が下がっている場合には、できるだけ休息やリフレッシュを優先することも大切です。

家族間でインフルエンザにかかっている方がいる場合でも、こまめな手指消毒や加湿によりウイルスの活性を低下させる効果が期待できます。

冬を健康に乗り切るためにも、積極的に感染対策を行うようにしましょう。

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参考文献

[1]インフルエンザ(季節性)対策 | 首相官邸ホームページ (kantei.go.jp)

[2] インフルエンザ| 生駒市の内科・循環器内科 カズクリニック |ワクチン予防接種 スピード検査 (kazuclinic.com)

本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。

具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。

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