インフルエンザの症状とその経過は?潜伏期間についても解説

更新日: 2025/10/24
「インフルエンザになったら、どんな症状があらわれるの?」 「潜伏期間中は、インフルエンザの症状だと確実にわかるの?」 インフルエンザのシーズンになり、少しでも風邪っぽい症状があらわれると、感染したかどうか不安になりますよね。 まわりに感染者がいると、潜伏期間がどれくらいなのか気になる方もいるでしょう。 小さなこどもの場合、インフルエンザであることに気づくのが遅れてしまうと、重症化する恐れがあります。 この記事では、インフルエンザの症状や経過について詳しく解説します。 インフルエンザの潜伏期間についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
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目次

【2025年最新】インフルエンザの症状

インフルエンザの症状はおもに以下の9つの症状があらわれます。人によってあらわれる症状が多少異なることも理解しておきましょう。

  • 発熱・発熱感

  • 悪寒(おかん:病気にかかったときに感じる寒気のこと)

  • のどの痛み

  • 鼻水や鼻づまり

  • 筋肉や体の痛み

  • 頭痛

  • 倦怠感(けんたいかん:だるさのこと)

  • 嘔吐や下痢

38度以上の発熱は多くの方にみられますが、なかには熱の出ない方もいます。

また嘔吐や下痢の症状は、大人よりもこどもにあらわれる頻度が高いといわれているため、こどもがインフルエンザを発症してしまった際には注意が必要です。

インフルエンザの初期症状から経過をチェック

インフルエンザの初期症状から、詳しい経過を表にしました。

症状はいきなりあらわれる場合が多いですが、悪寒(おかん)などを感じたあとに発症するケースも少なくありません。

感染力は完治するまであると考えておいた方がよいでしょう。

経過の目安

主な症状

感染力

潜伏期間(1~3日間)

  • なし(のどの渇きやだるさを感じる場合もあり)

発症前日から感染力あり

発症0~3日目

  • 38度以上の発熱や倦怠感、悪寒(おかん)などの全身症状が急激にあらわれる。

  • 関節痛、筋肉痛、頭痛などがあらわれる場合もあり。

あり

発症2~3日目

  • のどの痛み、咳、鼻水などの呼吸器症状が遅れて出てくる。

あり

発症4~5日目

  • 体が回復に向かって動き出す時期であり、熱が下がり楽になってくる。

  • 呼吸器症状は続くことが多い

  • 下痢や嘔吐などの消化器症状が出ることもある

あり

発症7~10日目

  • 治りかけているが、咳や鼻水などの風邪症状が残る場合もあり。

発症から7日目くらいまで

感染力が残る可能性がある

風邪のような症状が出始めたら、念のためインフルエンザの可能性も考えておきましょう。

症状に個人差があるように、治る経過にも個人差があります。無理をせず、ゆっくりと休むことが大切です。

関連記事:インフルエンザの初期症状は?子どもの症状もチェック

関連記事:インフルエンザの前兆は?風邪との違いや悪化を防ぐ方法を解説

インフルエンザの症状は何日目がピーク?

インフルエンザを発症するといきなり発熱や全身倦怠感があらわれます。

発症当日~翌日(1日~2日目)にあらわれるこれらの症状をピークと感じる方が多いです。

一般的に、熱が下がるにつれて、発症2~3日目から咳や鼻水などの呼吸器症状が目立つ傾向にあります。

人によっては、発症して2~3日目の呼吸器症状があらわれ始めたときがピークだと感じるかもしれません。

必ず熱が出るわけではない

インフルエンザを発症しても、発熱症状はなく、微熱で済んでしまうという人もいます。

高熱が数日続く、というイメージを持つ方もいますが、そうとは限りません。

インフルエンザが微熱程度で済んでしまう理由として考えられるのは、以下の2点です。

  • 予防接種を受けていることで症状が軽く済んだため

  • 高齢者であるため

予防接種を受けていれば免疫力がしっかり働き、高熱とならない場合があります。

また高齢者だと、ウイルスと戦う力がないため、食欲が失せたり元気がなくなるだけということもあります。

関連記事:微熱でもインフルエンザ?高熱になる可能性や受診の目安をわかりやすく解説

熱は3~4日程度で下がる

インフルエンザは、高熱がいつまでも続くというイメージを持つ方もいますが、通常、3〜4日程度で治まることがほとんどです。

5日以上発熱が続いたり、症状が改善しない場合は、合併症や他の病気の可能性も考えられます。

再度医療機関を受診し、医師に相談しましょう。

こどものインフルエンザの症状

こどものインフルエンザは、消化器症状が大人よりあらわれやすいといわれています。

一般的な経過をみると、発症後4~5日目に下痢や嘔吐などの消化器症状があらわれやすいです。

しかしこどもの場合、インフルエンザを発症したその日に嘔吐や下痢などがあらわれることもあります。

発熱と消化器症状があらわれることにより「もしかして胃腸炎?」と考える親御さんもいるでしょう。

しかしインフルエンザの特徴を理解しておくことで、インフルエンザの可能性も視野に入れることができるはずです。

【2025年】インフルエンザ流行の特徴

2025年のインフルエンザは、例年よりも流行開始が早いことが大きな特徴です。

9月下旬の時点で全国の一部では、定点医療機関からの報告数が「1.00」を超え、すでに流行シーズンに突入しています。

例年の10月中旬〜下旬よりも2〜3週間早いペースと言えるでしょう。

流行が早まった背景には、以下のような要因が重なっていると考えられます。

考えられる要因

詳細

記録的な猛暑

夏バテや睡眠不足による免疫力の低下

空調による乾燥と換気不足

室内にウイルスが残りやすい環境に陥った

流行地域からウイルスが流入した

南半球の流行期からウイルスが持ち込まれた

コロナ後の行動制限の緩和

人の移動や交流が増加し、感染拡大が起きやすくなっている

オーストラリアなど南半球では、インフルエンザが流行中でした。

北半球に位置する日本でインフルエンザが流行していない時期は、反対の南半球では流行しやすい環境となっています。

このような流行地域からウイルスが日本に持ち込まれることもあり、今年はとくに人の往来が活発だったことから、流行が早まったと考えられます。

インフルエンザの症状はコロナや風邪と違いがあるの?

インフルエンザの症状がコロナや風邪と違う点は、全身症状が急激にあらわれる点です。

しかし発熱症状や悪寒(おかん)があらわれただけでは「これは絶対インフルエンザだ」と断言することはできません。

風邪やコロナはインフルエンザと同じく伝染性の呼吸器疾患ですが、原因となるウイルスや菌、治療方法などはまったく異なります。

以下にそれぞれの特徴をまとめました。

 

インフルエンザ

風邪

新型コロナウイルス

流行期

12月~3月頃

通年

通年

感染経路

飛沫・接触

飛沫・接触

飛沫・接触・エアロゾル

潜伏期間

1~3日

2~4日

2~7日

症状のあらわれ方

急激

ゆるやか

ゆるやかだが、急激に重症化することもある

主な症状

  • 高熱

  • 悪寒(おかん)

  • 倦怠感

  • 関節痛

  • 筋肉痛

  • 頭痛

  • 鼻水

  • 発熱

  • のどの痛み

  • くしゃみ

  • 鼻水

  • 発熱

  • 筋肉痛

  • のどの痛み

  • 味覚異常

  • 嗅覚異常

治療方法

抗インフルエンザ薬

対症療法

対症療法

対症療法

ワクチン

あり

なし

あり

それぞれに特徴はありますが、症状だけでインフルエンザや風邪、コロナかを判断するのは難しいです。

また人によっては、インフルエンザとコロナを併発している場合もあります。

医療機関で医師の診察を受けたり、検査をしてみないとわからないことも多くあるため、症状があらわれたら、適切なタイミングで受診して医師の指示を仰ぎましょう。

インフルエンザやコロナの確定診断をするためには、発熱後12~48時間以内に検査を受けることが推奨されています。

インフルエンザがうつる確率と潜伏期間

インフルエンザがうつる確率は10%という報告があります。

10%と聞くと低いと感じるかもしれません。

しかし10人いたら1人は感染してしまうことや、潜伏期間も1~3日と短いことから、学校などの集団生活をしていたらあっという間に感染が広がってしまうと想像できるでしょう。

  • インフルエンザウイルスがうつる確率

  • インフルエンザの潜伏期間

上記2点について解説します。

うつる確率が10%で、どれくらいのスピードでウイルスが増殖しているのかが理解できれば、短期間で大流行する理由もわかるはずです。

インフルエンザウイルスがうつる確率

日本では毎年約1千万人がインフルエンザに感染しています。

10人いればだいたい1人は感染するという確率です。

インフルエンザウイルスは増殖するスピードが非常に速く、人ののどの粘膜に付着し、体内へと侵入していきます。

粘膜から細胞内に侵入するまでの時間はわずか10分程度です。

その後、細胞内へと侵入したインフルエンザウイルスは8時間で100倍、16時間後には1万倍のスピードで増殖していきます。

たった1個のインフルエンザウイルスが体内へ入るだけで丸1日後には100万個にまで増殖してしまうということです。

インフルエンザウイルスが体内で100万個に達すると、強い悪寒(おかん)や高熱などの症状が急激にあらわれます。

そのためうつる確率が10%だと、学校などの集団生活においてウイルスの広がりが速く、1週間もしないうちに学級閉鎖などが起こってしまうのです。

インフルエンザの潜伏期間

インフルエンザの潜伏期間は1~3日です。

体内にウイルスが侵入し、増殖してもすぐに発症しないケースもあるため、発症のタイミングには個人差があります。

またウイルスが体内に侵入したからといって必ず発症するとも限りません。

もしインフルエンザ感染者と接触する機会があったなら、3日間は様子をみた方がよいでしょう。

インフルエンザの症状があらわれないようにするには

インフルエンザの症状があらわれないようにするためには、日頃からの予防が重要です。

予防方法

詳細

予防接種を受ける

  • 重症化を防ぐ効果が期待できる。

  • 発病をおさえる効果も認められている。

  • 毎年の接種が推奨される。

手洗い・消毒

  • 手指についたインフルエンザウイルスを物理的に取り除くために有効。

  • アルコール消毒もインフルエンザの予防に効果的。

こまめな換気

  • 2~3時間に1回ほど換気が推奨される。

  • 窓開けによる換気は、対角線上に位置する窓やドアを2か所開放すると効果的。

適度な湿度

  • 加湿器などを利用し、部屋の湿度を50~60%に維持する。

十分な栄養・睡眠

  • 免疫力を低下させないように、栄養バランスのとれた食事や十分な睡眠を心がける。

人混みを避ける

  • 多くの人がいる場所ではインフルエンザの感染が起こりやすいため、あまり行かないようにする。

インフルエンザの型は毎年変化するため、毎年流行前に接種しておいた方がよいでしょう。

また飛沫感染、接触感染でうつることから、手洗いやアルコール消毒は外から帰ってきたときに忘れずにおこなってください。

部屋のなかが乾燥していると、気道粘膜の防御機能が低下しやすくなります。

乾燥しているときはマスクをするなど、工夫してみてください。

十分な栄養や睡眠をとることで、免疫力を上げることにつながります。

普段からおこなえる予防方法は多々あります。

表を参考に、普段の生活でおこなえることをしましょう。

すぐに熱が下がっても検査はするべき

まわりにインフルエンザの感染者がいたら、感染している可能性があります。

一時的に熱が下がっているだけかもしれないため、医療機関を受診した方がよいでしょう。

  • 急激な寒気と発熱があったこと

  • まわりにインフルエンザの感染者がいること

  • ワクチン接種の有無

上記3点について医師に伝えることで、インフルエンザであるかどうか医師が判断してくれるはずです。

発熱しても、次の日に平熱に戻っていたからといって自己判断で放っておいてはいけません。

必要であれば検査をおこなってくれるでしょう。

インフルエンザの検査は、発熱後12~48時間以内に実施すると最も精度が高いといわれています。

インフルエンザの症状がぶり返すことはある?

抗インフルエンザ薬を服用し、症状が落ち着いたかと思っても熱が再度上がってしまうケースがあります。

発熱症状がぶり返してしまうことを、二峰性発熱といいます。

高熱が続いたあとに半日~1日程度熱が下がりまた発熱するという、発熱の山が2回ある症状です。

こどものインフルエンザに多くみられますが、大人は二峰性発熱が起こらないというわけではありません。

ウイルスが再増加することにより起こる発熱、もしくは薬が効果を十分に発揮しなかったためだといわれていますが、はっきりとした原因は不明です。

まとめ|インフルエンザの症状や経過を理解しておこう

インフルエンザのおもな症状は以下のとおりです。

  • 発熱・発熱感

  • 悪寒(おかん:病気にかかったときに感じる寒気のこと)

  • のどの痛み

  • 咳・鼻症状

  • 筋肉や体の痛み

  • 頭痛

  • 倦怠感(けんたいかん:だるさのこと)

  • 嘔吐や下痢

全身にあらわれる症状がはじめにあらわれ、徐々に一般的な症状と同じ咳や鼻水などの症状があらわれる特徴を持ちます。

症状が一時的に落ち着いても、まわりにインフルエンザ感染者がいたら可能性はゼロではありません。

症状の経過をきちんと理解して、周囲の流行状況を受診時に伝えるようにしましょう。

インフルエンザ
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  • ビデオカメラ、写真での視診
症状によって対面医療機関をご紹介します。その場合、オンライン診療費用はかかりません。
症状の緊急度が気になる方はこちら

本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。

具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。

症状に対する診断やお薬の処方、診断書や傷病手当金申請書の記載内容は医師の判断によります。

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