インフルエンザの症状や経過を確認しよう

公開日: 2023/11/29 更新日: 2024/11/11
「風邪っぽいんだけどインフルエンザの初期症状なのかな?」 「インフルエンザの症状っていつがピークなんだろう」 インフルエンザのシーズンになると、風邪なのかインフルエンザなのか分からず受診を躊躇してしまう人もいるでしょう。 小さな子どもの場合、医療機関をきちんと受診せずに放っておくと重症化する恐れがあります。 この記事では、インフルエンザの症状や経過について詳しく紹介します。 普通の風邪だけでなくコロナとの違いや、インフルエンザがうつる確率についても紹介しますので、ぜひ参考にして冬を乗り切りましょう。
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【2024年最新】インフルエンザの症状

インフルエンザの症状はおもに以下の9つの症状があらわれます。人によってあらわれる症状が多少異なることも理解しておきましょう。[1][2]

  • 発熱・発熱感

  • 悪寒(おかん:病気にかかったときに感じる寒気のこと)

  • のどの痛み

  • 鼻水や鼻づまり

  • 筋肉や体の痛み

  • 頭痛

  • 倦怠感(けんたいかん:だるさのこと)

  • 嘔吐や下痢

38度以上の発熱は多くの方にみられますが、なかには熱の出ない方もいます。

また嘔吐や下痢の症状は、大人よりも子どもにあらわれる頻度が高いといわれているため、子どもがインフルエンザを発症してしまった際には注意が必要です。

初期症状から経過をチェック

インフルエンザの初期症状から、詳しい経過を表にしました。症状はいきなりあらわれる場合が多いですが、悪寒(おかん)などを感じたあとに発症するケースも少なくありません。

感染力は完治するまであると考えておいた方がよいでしょう。[3]

経過の目安 

主な症状

感染力

潜伏期間(1~3日間)

  • なし(のどの渇きやだるさを感じる場合もあり)

発症前日から感染力あり

発症0~3日目

  • 38度以上の発熱や倦怠感、悪寒(おかん)などの全身症状が急激にあらわれる。

  • 関節痛、筋肉痛、頭痛などがあらわれる場合もあり。

あり

発症2~3日目

  • のどの痛み、咳、鼻水などの呼吸器症状が遅れて出てくる。

あり

発症4~5日目

  • 体が回復に向かって動き出す時期であり、熱が下がり楽になってくる。

  • 呼吸器症状は続くことが多い

  • 下痢や嘔吐などの消化器症状が出ることもある

あり

発症7~10日目

  • 治りかけているが、咳や鼻水などの風邪症状が残る場合もあり。

発症から7日目くらいまで

感染力が残る可能性がある

症状に個人差があるように、治る経過にも個人差があります。無理をせず、ゆっくりと休むことが大切です。

風邪のような症状が出始めたら、念のためインフルエンザの可能性も考えておきましょう。

関連記事:家族間でインフルエンザに感染する確率を下げるためには?

関連記事:インフルエンザの初期症状は?子どもの症状もチェック

関連記事:インフルエンザの前兆は?風邪との違いや悪化を防ぐ方法を解説

何日目がピーク?

インフルエンザの症状は発症して2~3日目の呼吸器症状があらわれ始めたときがピークです。

発熱症状がいきなりあらわれる発症日もつらいかもしれませんが、症状が強くあらわれるのは2~3日目だといわれています。もちろん、症状のつらさには個人差があります。

発症日が一番つらいと感じる方もいるため、一概にはいえません。

子どもの症状の特徴

大人と比較すると、子どもの方が消化器症状があらわれやすいといわれています。一般的な経過をみると、発症後4~5日目に下痢や嘔吐などの消化器症状があらわれやすいです。

しかし子どもの場合、インフルエンザを発症したその日に嘔吐や下痢などがあらわれることもあるのです。

発熱と消化器症状があらわれることにより「もしかして胃腸炎?」と考える親御さんもいるでしょう。

しかしインフルエンザの特徴を理解しておくことで、インフルエンザの可能性も視野に入れることができるはずです。

必ず熱が出るわけではない

インフルエンザといえば高熱が数日続く、というイメージを持つ方もいますが、そのようなことはありません。発熱症状はなく、微熱で済んでしまうという人もいるのです。

インフルエンザが微熱程度で済んでしまう理由として挙げられるのは、以下の2点です。

  • 予防接種を受けていることで軽く済んだため

  • 高齢者であるため

予防接種を受けていれば免疫力がしっかり働き高熱とならない場合があります。また高齢者だと高熱を出してウイルスと戦う力がないためだと考えられています。

関連記事:微熱でもインフルエンザ?高熱になる可能性や受診の目安をわかりやすく解説

インフルエンザの症状はコロナや風邪と何が違う?

インフルエンザの症状がコロナや風邪と違う点は、全身症状が急激にあらわれる点です。

しかし発熱症状や悪寒(おかん)があらわれただけでは「これは絶対インフルエンザだ」と断言することはできません。

風邪やコロナはインフルエンザと同じく伝染性の呼吸器疾患です。しかし原因となるウイルスや菌、治療方法などはまったく異なります。

以下にそれぞれの特徴をまとめています。

 

インフルエンザ

風邪

新型コロナウイルス

流行期

12月~3月頃

通年

通年

感染経路

飛沫・接触

飛沫・接触

飛沫・接触・エアロゾル

潜伏期間

1~3日

2~4日

2~7日

症状のあらわれ方

急激

ゆるやか

ゆるやかだが、急激に重症化することもある

主な症状

  • 高熱

  • 悪寒(おかん)

  • 倦怠感

  • 関節痛

  • 筋肉痛

  • 頭痛

  • 鼻水

  • 発熱

  • のどの痛み

  • くしゃみ

  • 鼻水

  • 発熱

  • 筋肉痛

  • のどの痛み

  • 味覚異常

  • 嗅覚異常

治療方法

抗インフルエンザ薬

対症療法

対症療法

対症療法

ワクチン

あり

なし

あり

それぞれに特徴はありますが、実際に検査をしてみないとわかりません。またインフルエンザとコロナを併発している可能性もあります。

症状があらわれたら、ひどくなる前に医療機関を受診して医師の指示を仰ぎましょう。

関連記事:2024年コロナの最新情報を確認しよう

インフルエンザがうつる確率と潜伏期間

インフルエンザがうつる確率は10%といわれています。10%と聞くと低いと感じるかもしれません。

しかし10人いたら一人は感染してしまうため、学校などの集団生活をしていたらあっという間に感染が広がってしまうと想像できるでしょう。

潜伏期間は1~3日と短いため、シーズン中は拡がりがはやいです。

  • インフルエンザウイルスがうつる確率

  • インフルエンザの潜伏期間

上記2点について解説します。うつる確率が10%で、どれくらいのスピードでウイルスが増殖しているのかが理解できれば、短期間で大流行する理由も分かるはずです。

インフルエンザウイルスがうつる確率

日本では毎年約1千万人がインフルエンザに感染しています。10人いれば1人は必ず感染するという確率です。

インフルエンザウイルスは増殖するスピードが非常にはやく、人ののどの粘膜に付着し、体内へと侵入していきます。粘膜から細胞内に侵入するまでの時間はわずか10分程度です。

その後、細胞内へと侵入したインフルエンザウイルスは8時間で100倍、16時間後には1万倍のスピードで増殖していきます。

たった1個のインフルエンザウイルスが体内へ入るだけで、丸1日後には100万個にまで増殖してしまうということです。

インフルエンザウイルスが体内で100万個に達すると、強い悪寒(おかん)や高熱などの症状が急激にあらわれます。

そのためうつる確率が10%だと、学校などの集団生活においてウイルスの拡がりがはやく、1週間もしないうちに学級閉鎖などが起こってしまうのです。

インフルエンザの潜伏期間

インフルエンザの潜伏期間は1~3日です。体内にウイルスが侵入し、増殖してもすぐに発症しないケースもあるため、発症のタイミングには個人差があります。

またウイルスが体内に侵入したからといって必ず発症するとも限りません。

もしインフルエンザ感染者と接触する機会があったなら、3日間は様子をみた方がよいでしょう。

関連記事:インフルエンザがうつる確率はどのくらい?かからない人がいる理由も解説

関連記事:家族間でインフルエンザに感染する確率を下げるためには?

インフルエンザの症状があらわれないようにするには

インフルエンザの症状があらわれないようにするためには、日頃からの予防が重要です。

予防方法

詳細

予防接種を受ける

  • 重症化を防ぐ効果が期待できる。

  • 発病をおさえる効果も認められている。

  • 毎年の接種が推奨される。

手洗い・消毒

  • 手指についたインフルエンザウイルスを物理的に取り除くために有効。

  • アルコール消毒もインフルエンザの予防に効果的。

こまめな換気

  • 2~3時間に1回ほど換気が推奨される。

  • 窓開けによる換気は、対角線上に位置する窓やドアを2か所開放すると効果的。

適度な湿度

  • 加湿器などを利用し、部屋の湿度を50~60%に維持する。

十分な栄養・睡眠

  • 免疫力を低下させないように、栄養バランスのとれた食事や十分な睡眠を心がける。

人混みを避ける

  • 多くの人がいる場所ではインフルエンザの感染が起こりやすいため、あまり行かないようにする。

インフルエンザの型は毎年変化するため、毎年流行前に接種しておいた方がよいでしょう。

また飛沫感染、接触感染でうつることから、手洗いやアルコール消毒は外から帰ってきたときに忘れずにおこなってください。

部屋のなかが乾燥していると、気道粘膜の防御機能が低下しやすくなります。乾燥しているときはマスクをするなど、工夫してみてください。

十分な栄養や睡眠をとることで、免疫力を上げることにつながります。普段からおこなえる予防方法は多々あります。

表を参考に、普段の生活でおこなえることをしましょう。

関連記事:インフルエンザ予防接種は受けるべき? ワクチンの効果や注意点について詳しく解説

すぐに熱が下がっても検査はするべき

急激な寒気と高熱があらわれたのに、次の日には平熱に戻っていたからといって「インフルエンザではないだろう」と自己判断してはいけません。

もしまわりにインフルエンザの感染者がいたら、感染している可能性があります。

一時的に熱が下がっているだけかもしれないため、医療機関を受診した方がよいでしょう。

  • 急激な寒気と発熱があったこと

  • まわりにインフルエンザの感染者がいること

  • ワクチン接種の有無

上記3点について医師に伝えることで、インフルエンザであるかどうか医師が判断してくれるはずです。

必要であれば検査をおこなってくれるでしょう。

関連記事:インフルエンザの検査方法やベストなタイミングを詳しく解説

インフルエンザの症状がぶり返すことはある?

抗インフルエンザを服用し、症状が落ち着いたかと思っても熱が再度上がってしまうケースがあります。

発熱症状がぶり返してしまうことを、二峰性発熱といいます。

高熱が続いたあとに半日~1日程度熱が下がりまた発熱するという、発熱の山が2回ある症状です。

子どものインフルエンザに多くみられますが、大人は二峰性発熱が起こらないというわけではありません。

ウイルスが再増加することにより起こる発熱、もしくは薬が効果を十分に発揮しなかったためだといわれていますが、はっきりとした原因は不明です。

関連記事:インフルエンザで熱が上がったり下がったりするのはなぜ?理由や対処法を解説

まとめ|インフルエンザの症状や経過を理解しておこう

インフルエンザのおもな症状は以下のとおりです。

  • 発熱・発熱感

  • 悪寒(おかん:病気にかかったときに感じる寒気のこと)

  • のどの痛み

  • 咳・鼻症状

  • 筋肉や体の痛み

  • 頭痛

  • 倦怠感(けんたいかん:だるさのこと)

  • 嘔吐や下痢

全身にあらわれる症状がはじめにあらわれ、徐々に一般的な症状と同じ咳や鼻水などの症状があらわれる特徴を持ちます。

症状が一時的に落ち着いても、まわりにインフルエンザ感染者がいたら可能性はゼロではありません。症状の経過をきちんと理解して、周囲の流行状況を受診時に伝えるようにしましょう。

参考文献

インフルエンザになった家族がいるから不安

インフルエンザは感染力が強いため、どんなに予防対策しても感染してしまう可能性があります。

予防投与を希望して病院へ行ったときに他の患者さんからインフルエンザをうつされる可能性もあります。

できるだけ他人と接触せずに予防投与をしてほしいと思ったら、ファストドクターを利用してください。

ファストドクターではタミフルの予防投与を行うことができます。

[1]アメリカCDC:About Flu

[2]アメリカCDC:Key Facts About Influenza (Flu)

[3]厚生労働省:インフルエンザかな?症状がある方へ

本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。

具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。

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