インフルエンザの時は何を食べたらいい?
インフルエンザの時は発熱や節々の痛み、のどの痛みなどのつらい症状によって体力が消耗しています。
そのため、ウイルスと闘うための体力や免疫力をアップする栄養素を積極的に取り入れたいものです。
積極的に食べたほうが良い食べ物もありますが、逆に避けた方が良い食べ物もあります。
それぞれについて具体的に解説していきます。
食べた方が良いもの
インフルエンザのときには、消化の良いものを食べましょう。
高熱時は特に体力が消耗している状態になります。
そのため、胃腸への負担は極力減らした方が良いでしょう。
消化に良いものは胃腸への負担を軽くします。
消化に良い食べ物とは、以下のようなものです。
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脂っこくないもの
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小さく刻んだものや柔らかく煮込んだもの
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香辛料を使用していないものや濃い味付けをしていないもの
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冷たすぎたり熱すぎたりせず温かいもの
<消化の良い食材>
果物 |
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肉・魚 |
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野菜 |
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その他 |
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[1]
これらの食材も柔らかく、小さくするほど消化が良くなります。
そのため、以下のようなメニューがおすすめです。
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おかゆ(卵やほぐした白身魚、野菜を入れるとなお良い)
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野菜スープ
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煮込みうどん
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果物ゼリー
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すりおろしりんご など
コンビニエンスストアでも、おかゆや温めるだけの野菜スープ、ゼリーなど手軽に購入することができます。
ただし、食欲がない場合は無理して食べる必要はありません。
どうしても食べられない時は、水分だけは意識してとるようにしましょう。
水分が不足すると、脱水状態に陥ります。
高熱時は特に、汗をかいてミネラルも失われてしまうため、経口補水液を飲むようにしましょう。
避けた方が良いもの
消化に悪いものは避けた方が良いでしょう。
消化に悪いものを食べてしまうと、消化に体力を使うため疲れてしまいます。
更に、すでに体力を消耗している状態なので、普段に比べ消化機能のはたらきも悪くなっています。
そのため消化不良を起こしやすく、下痢や嘔吐、吐き気などにつながる可能性もあるのです。
つらい症状が悪化しないためにも、食べるものには注意が必要です。
消化に悪い食べ物とは、以下のようなものが挙げられます。
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脂っこいもの(揚げ物やスナック菓子など)
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刺激の強いもの(濃い味付けや辛いもの、カフェインなど)
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噛み応えのあるもの(いかやタコ、ごぼう、きのこなど)
<消化に悪い食材>
果物 |
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肉・魚 |
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野菜 |
|
その他 |
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[1]
さらに、糖分の摂りすぎにも注意が必要です。特に糖尿病の方は普段以上に注意しなくてはいけません。なぜなら、インフルエンザウイルスに感染すると、ウイルスの構造上の問題で血糖値が上がることがわかっているからです。[2]
高血糖は免疫力を下げ体力を低下させます。
砂糖の多く含まれる料理や菓子、ジュースなどは避けるようにしましょう。
病気の時は、つい手軽に食べやすい菓子パンや、スポーツドリンクなどを選んでしまいがちですが、これらは過剰に糖質を摂取してしまうので要注意です。
甘いものが食べたいときは、消化に良いフルーツを適量食べ、飲み物は経口補水液にするのがベストです。
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食欲がある場合はどうするべき?
食欲があるのは良いことですが、普段通りの食事はおすすめしません。
特に、普段脂っこいものや味の濃い食べ物を好んで食べている人は要注意です。
食欲があっても、暴飲暴食はせず先述した消化に良い食べ物を適量食べるようにしてください。
3食で足りない時は、合間に間食を挟むのも良いでしょう。
一度に多量に食べるよりも、少量ずつ小分けに食べる方が胃腸への負担を軽減させられます。
おすすめの間食は以下のようなものです。
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ゆで卵
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カットフルーツ
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ゼリー
これらはいずれもコンビニエンスストアで手軽に購入できるのでおすすめです。
解熱したら少しずつ食事スタイルを戻しましょう
熱が下がったからといって、急に普段通りの食事に戻してしまうと身体がびっくりしてしまいます。
解熱後も、身体に負担をかけないように、数日かけて徐々に食事スタイルを戻していくのが良いでしょう。
インフルエンザの食欲不振はいつまで続くのか
食欲不振の期間には個人差があります。
しかし多くの場合熱が下がると徐々に食欲も回復してきます。
インフルエンザは、ほかの風邪と比べても症状が強く出るため、発熱の期間も3~5日と長めのことが多いです。
食べられない日が続くこともありますが、水分だけはしっかりとるように心掛けましょう。
また、解熱剤の使用で熱が下がっているタイミングなど、食べられそうなときに食べられる量を少量でも良いので摂取しましょう。ゼリーやフルーツであれば食べやすいことが多いです。
何日も全く食べられない時や、水分摂取もままならない時には脱水により意識障害を起こす可能性もあるため、すぐに医療機関を受診してください。
インフルエンザを予防するためのおすすめ栄養素
インフルエンザにかかってしまった時の食事を紹介しましたが、最後にインフルエンザを予防するためにおすすめの栄養素を紹介します。
これから紹介する栄養素は、免疫力をアップさせるために重要なものです。
免疫力を高めれば、インフルエンザに限らず様々な感染症の予防につながります。
ビタミンⅮ
ビタミンDは免疫機能を調節する重要な栄養素です。
体内にウイルスや細菌が入ってきたときに、必要な免疫反応を促し、過剰な免疫反応を抑制するはたらきがあります。[3]
2010年に東京慈恵会医科大学の浦島光佳先生らが発表した研究結果によって、ビタミンDのサプリメントを摂取した学童は摂取していない学童に比べて、インフルエンザA型の発症率が42%低いという結果が発表されました。[4]
ビタミンDが豊富に含まれる食材
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魚(鮭、ぶり、まあじ、しらすなど)
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卵
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肉(鶏もも肉など)
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乾燥しいたけ など [5]
ビタミンA
ビタミンAは免疫機能を強化する栄養素です。
皮膚や粘膜の状態を正常に保ち、血管を強くするためウイルスや細菌の侵入を制御します。
また、進行中の免疫反応を促進させるはたらきもあります。[6]
ビタミンAが豊富に含まれる食材
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レバー
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卵黄
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ほうれん草
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バター など [5]
ビタミンC
ビタミンCには、免疫機能をサポートするはたらきがあります。[7]
ウイルスや細菌が侵入してきたとき、これらと闘う役割をするのが血液の中の白血球やリンパ球、好中球です。ビタミンCは、この白血球やリンパ球に多く含まれています。
そのため、ビタミンCを摂取することでウイルスや細菌と戦う力が増すのです。
ビタミンCが豊富に含まれる食材
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アセロラ
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パプリカ
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芽キャベツ
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ブロッコリー など [5]
タンパク質
タンパク質は、抗体機能を活性化させるはたらきがあります。
抗体とは、体内に侵入してきたウイルスや細菌を排除するために作られる物質です。この抗体は、タンパク質で構成されています。
更に、先述したリンパ球や好中球などの免疫細胞もタンパク質に含まれるアミノ酸をエネルギー源としています。[8]
タンパク質の中でも最も免疫機構に良いとされるものは、必須アミノ酸をバランスよく含んだ良質なたんぱく質です。
必須アミノ酸は体内で生成することができないため、食事摂取で特に欠かすことのできない重要な栄養素になります。
タンパク質(必須アミノ酸がバランスよく含まれたもの)を豊富に含む食材
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肉(牛もも肉、鶏むね肉、豚ひれ肉など)
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牛乳
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チーズ
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卵 [5]
まとめ:胃に負担をかけずに早く治そう
食べ物を消化するのにはエネルギーを使います。
インフルエンザになってしまったときは、すでに高熱や様々なつらい症状で体力を消耗している状態です。
身体の回復を優先するために、胃に負担のかからないものを食べるようにして、早く治しましょう。
また、免疫力が高い人ほど感染する可能性も下がり、感染しても症状が軽く済みます。
日頃から免疫力を高める食生活を意識して病気に負けない健康的な体づくりを心がけてください。
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参考文献
[4]学童における季節性インフルエンザAを予防するためのビタミンD補充のランダム化試験 - PubMed (nih.gov)
[6]免疫系におけるビタミンAの役割 - PMC (nih.gov)
本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。
具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。