39度の熱があるけどインフルエンザじゃない?原因と対処法を解説

公開日: 2024/02/16 更新日: 2024/09/29
インフルエンザなど感染症が流行している時期に発熱すると「もしかしてインフルエンザかも」と不安を感じて、医療機関を受診する人も多いのではないでしょうか。 ただ、検査をしたもののインフルエンザやコロナではなく、原因を特定できず経過観察となるケースも多いです。 インフルエンザやコロナ以外にも発熱の原因となり得る病気は多数あり、39~40度の高熱や関節痛などの症状が続いている場合には病気が潜んでいるかもしれないのです。 この記事では、インフルエンザやコロナではない高熱の原因や対処法について解説します。
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インフルエンザではない熱の原因とは

インフルエンザでないにも関わらず高熱が出る主な原因は以下のとおりです。

  • ストレスや過労による身体の反応

  • 細菌感染症、ウイルス感染症

  • その他の原因

ストレスや過労などの心因性が原因の場合、一時的に40度近い高熱が出ることがあります。熱が高いほど極度のストレスを感じていると考えて良いでしょう。

しかし、最も考えられる原因として細菌感染症やウイルス感染症が考えられます。

いわゆる「風邪」と呼ばれるもので、90%がウイルス感染、残り10%が細菌感染によるものです。

まれに考えられる原因として、自己免疫疾患やアレルギー反応、がんなどが考えられます。

それぞれの原因について順を追って詳しく説明します。

関連記事:「インフルエンザで熱が上がったり下がったりするのはなぜ?理由や対処法を解説」

ストレスや過労による体の反応

ストレスは心因性の発熱を引き起こすことがあります。

感情的な出来事にさらされたときに40度以上の発熱症状があらわれることもありますが、ストレスが慢性的なものになると37~38度の熱が継続してしまうケースも報告されています。[1]

心因性の発熱は解熱剤を使用してもあまり効果がありません。しかし、抗不安薬や鎮静薬を服用すると解熱することが報告されているというのも事実です。

ストレスを抱えていませんか?

原因不明の高熱は病気ではなく疲れやストレスが原因であることも考えられると知っていましたか?

もし心当たりがあるのなら、高熱が続くことを一度オンラインで医師に相談してみてはいかがでしょうか。

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細菌性感染症、ウイルス感染症

インフルエンザ以外の発熱の原因としてもっとも考えられるものが細菌感染、ウイルス感染です。

いわゆる風邪と呼ばれるものは70%近くがウイルス感染というデータがあり、その70%の中でもライノウイルスが多くを占めているということも分かっています。

ほかにも、RSウイルスやアデノウイルス、エンテロウイルスが報告されています。結果として、細菌感染はまれです。[2]

発熱することで免疫を活性化し、細菌やウイルスなどの病原体の増殖を防ぎます。

ウイルス感染症は、一般的に37度〜38度の熱が3日程度続き、喉の痛みや鼻水などの感冒症状を伴うことが多いです。

一方、細菌感染症は39度以上の高熱や4日以上の長引く発熱が特徴で、発熱する際に強い寒気を感じます。いずれも、原因を特定し適切な治療を早めに行う必要があります。

そして実はインフルエンザの可能性もあります。

発熱症状があらわれてから12時間以内ではインフルエンザの検査を行ってもウイルスが反応することはほとんどありません。

「偽陰性」と判定されるケースもあるため、インフルエンザの検査をおこなう際は12時間経過してからにしましょう。

関連記事:「アデノウイルスとはどんな病気?症状についても解説」

関連記事:「RSウイルス感染症の症状を知ろう。感染経路や治療法についても解説」

その他の原因

ストレスや過労、細菌性感染、ウイルス感染以外にも考えられる原因があります。

それは、膠原病やリウマチなどの自己免疫疾患、ワクチンや薬、食べ物などによるアレルギー反応、がんや白血病などの悪性腫瘍です。

原因によって長期に熱が続いたり、繰り返したりする可能性が高くなります。

発熱の兆候を観察して、受診の際は医師に詳しく伝えるようにしましょう。

やっぱりインフルエンザなのでは?と心配

いくら検査が陰性だったとしても、やっぱりインフルエンザだったと分かるケースもあります。

高熱症状がなかなか良くならず、身近にインフルエンザの人がいる場合は再度病院へ行った方が良いかもしれません。

もし夜中や休日で病院が開いていなかった際には、オンラインで医師の診察を受けることができるファストドクターをご利用ください。

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お急ぎの際は自宅からでもすぐに利用できるため、ご活用ください。

インフルエンザと風邪の違い

インフルエンザと風邪は似ている症状が多く、見分けるにはそれぞれの特徴を理解しておく必要があります。

熱が出るとまずは風邪を疑いますが、39度と高熱が出ると「インフルエンザかもしれない」と不安になるでしょう。主な違いと見分け方を参考に、自身の症状と照らし合わせてみてください。

インフルエンザと風邪では主に以下の違いがあります。[3]

 

インフルエンザ

風邪

流行時期

冬季

(ピーク:12〜3月)

1年中

主な症状

全身症状

上気道症状

症状の進行

急激に強く現れる

経過が緩やか

原因ウイルス

インフルエンザウイルス

アデノウイルス・ライノウイルスなど

発熱具合

38℃以上の高熱

微熱から高熱まで様々

特にインフルエンザの場合は、高熱を伴い急激に全身症状が現れるのが特徴です。インフルエンザでみられる主な全身症状は以下の通りです。

  • 全身倦怠感

  • 食欲不振

  • 頭痛

  • 関節痛

  • 筋肉痛

インフルエンザでも風邪と同じように、咳やくしゃみ等の感冒症状がみられます。

ただし、高熱や全身症状の後から遅れて現れるケースが多い点が違いの一つとも言えるでしょう。

日本ではインフルエンザは季節性を示し、例年12月〜3月に流行のピークを迎えるとされています。[4]

ただ、2023年は季節性はあまり関係なく春~夏にかけて感染する患者が多くみられました。2024年3月時点でも流行期は続いているため、引き続き感染対策に努めましょう。

症状による見分け方の目安

あらわれている症状がインフルエンザか風邪かどうかを判別するためには、見分け方の目安を知っておくと不安を払拭できるでしょう。主な見分け方は以下の通りです。

  • 発熱の程度

  • 喉の痛み

  • 鼻水

  • 全身症状の有無

具体的な特徴を表で解説します。個人差もあるため、あくまで目安として参考にしてください。[3]

 

インフルエンザ

風邪

発熱の程度

38℃以上の高熱

微熱から38℃程度の熱

喉の痛み

痛みや腫れが強い

(高熱・全身症状の後に出現)

痛みや腫れを感じる

咳が強く数日続く

(高熱・全身症状の後に出現)

数日続く

鼻水

鼻水は高熱・全身症状の後にひどくなる

くしゃみは稀に出る

初期は透明で、徐々に黄色くなり粘り気が出る

全身症状の有無

全身倦怠感や筋肉痛、関節痛など全身症状が重い

頭痛や下痢症状が現れることもある

同じような症状でも、出現するタイミングや重症度からある程度は見分けることもできます。

特に、インフルエンザの流行時期や感染した人が身近にいる場合は、しっかり症状を観察しておきましょう。

ただし、最終的には医療機関で検査を実施して診断してもらうのが確実です。

上記の見分け方から「インフルエンザに当てはまるかも」と感じた人は、主治医に症状を伝えましょう。

インフルエンザではない場合に自宅でできるケア

インフルエンザの検査が陰性だったが高熱が続いているときは、状況に合わせてケアするのがポイントです。

寒気を感じ、まだ熱が上がりそうな時は体温上昇を助けるために身体を温めるようにしましょう。小さな子どもの場合、熱が上がりきる前は手足が冷たくなることがあります。

その際は冷たくなっている箇所をしっかり温めてあげてください。体温が上がりきって寒気がなくなったら、頭や首、脇の下を冷やし体温を下げることが重要です。

体温を下げる時はその分汗もかくため、水分をしっかり摂取しましょう。脱水症状を防ぐため、経口補水液を摂取するのも効果的です。

熱が出ている時は無理をせず安静にして過ごすことが大切です。また、発熱は体力を消耗するため睡眠時間をしっかり確保し、可能な限り食事で栄養補給をすると良いでしょう。

ただし、熱の数字だけをみるのではなく、症状に応じて医療機関を速やかに受診した方が良いケースもあります。

  • 水分が摂取できない

  • 嘔吐が激しい

  • 意識が朦朧(もうろう)としている

  • 尿が半日以上出ていない

  • ぐったりとしている

  • 体の一部に痛みを感じる

以上に該当する場合は、高熱でなくても速やかに受診しましょう。また、高熱が3〜4日程度続く場合も再度医療機関を受診してください。

インフルエンザだった場合

もし、高熱の原因がインフルエンザだった場合は、睡眠をしっかりとり安静にして過ごすことが重要です。

健康な人であればインフルエンザは自然治癒します。病院を必ずしも受診する必要はありません。

ただし、小さな子どもや高齢者、基礎疾患を持っている人は重症化する可能性があり、それは健康な人でも同様です。

重症化を防ぐためにも医療機関を受診し、インフルエンザ治療薬を服用して適切な治療をおこないましょう。

また、インフルエンザは発症の前日から発症後7日間程度はウイルスを排出しています。熱が下がったとしても、周りの人へ感染させるリスクはあるので、外出は控えましょう。

インフルエンザを発症した際は、インフルエンザ治療薬の服用の有無にかかわらず、異常行動が報告されています。

発熱から2日間以内に現れるケースが多く、自宅療養する際は注意が必要です。[4]

関連記事:「インフルエンザの症状は?感染期間中の症状の経過もチェック」

関連記事:「インフルエンザでの待機期間は?学校や会社の出席停止期間も解説」

高熱症状が続く場合

発熱が続く場合は、インフルエンザではなくても原因となる病気が隠れている可能性があります。

先述したようにインフルエンザでなくても高熱が続くケースはあり、詳しい原因は調べてみないと分かりません。

原因不明の高熱が続く場合や熱が上がったり下がったりする場合は、早めに医療機関に相談しましょう。

高熱症状が続く際に考えられる病気

発熱が長引く場合に考えられる感染症は以下のとおりです。

  • 尿路感染症

  • 骨髄炎

  • 感染性心内膜炎

  • 結核

  • HIV感染症

  • 膿瘍

高熱症状が起こるのは急性疾患だけではありません。

結核菌による感染症やHIV感染症など、症状が徐々に出現し緩やかに進行していく慢性感染症の可能性も考えられます。

ほかにも高熱が長引くものは、膠原病や悪性腫瘍などの非感染性の病気です。

いずれも、医療機関で詳しく検査をして発熱の原因を特定する必要があります。様々な病気によって発熱が長引くケースがあることを理解しておきましょう。

まとめ:高熱症状が続く場合は相談窓口の利用を

インフルエンザではない場合も39度と高熱が出ることがあります。

発熱の原因はさまざまですが、原因を特定し適切な治療を受けることが、つらい発熱の症状から解放される近道です。

特に、インフルエンザ流行時期は風邪との見分け方を知っておくことで、医療機関を受診する目安にもなります。

発熱の症状が続いて不安な場合は、医療機関や#7119、#8000などに相談してみましょう。

7119は救急安心センター事業と呼ばれ、今すぐ病院受診をした方が良いか判断を迷う場合に専門家からアドバイスを受けることのできる相談窓口です。

症状などから、急いで受診した方が良いかや受診できる医療機関を紹介してくれます。[5]

一方、子どもで発熱が続いている場合は、こども医療電話相談事業(#8000)を利用するのも良いでしょう。休日や夜間に、受診するか迷った場合や対処法を相談できます。[6]

受診するか判断に迷った際は、ためらわず一度相談してみましょう。かかりつけの病院が時間外ですぐに医療機関に相談できない時でも、電話1本で相談可能です。

専門家の適切なアドバイスを受けると、少し不安も解消されるのではないでしょうか。

関連記事:「#7119って何?救急車を呼ぶべきか教えてくれる安心電話相談窓口」

関連記事:「#8000が繋がらない時に利用したい緊急相談窓口」

参考文献

[1]心因性発熱:心理的ストレスが臨床集団の体温にどのように影響するか|ncbi

[2]風邪の病因におけるウイルスと細菌

[3]風邪とインフルエンザ|CDC

[4]厚生労働省|令和5年度インフルエンザQ&A

[5]総務省消防庁|救急車の適時・適切な利用(適正利用)

[6]厚生労働省|子ども医療電話相談事業(♯8000)について

 

本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。

具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。

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