デエビゴ(レンボレキサント)に市販薬はあるの?入手場所や他の薬との違いについて紹介
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デエビゴ(レンボレキサント)に市販薬が存在しない理由
残念ながらデエビゴに市販薬は存在しません。
デエビゴは「医療用医薬品」に分類されており、医師の診察を受けて処方せんをもらわない限り手に入れられない薬です。
ドラッグストアや通販サイトで購入できる一般用医薬品(市販薬)とは異なり、デエビゴは不眠症の方の症状や体質に合わせて医師が用量を判断し、安全に使用する必要があります。
市販薬には寝つきをよくするための薬も売っていますが、専門的な薬ではなく一時的に軽い不眠症状を緩和させるためのものです。
そのため寝つきの悪さや夜中に起きてしまうといった症状をしっかりと治したい場合は、必ず医師の診察が必要になります。
デエビゴとはどのような薬なのか
デエビゴは不眠症に対して自然に近い眠りを手助けする新しいタイプの睡眠薬です。
薬の依存リスクが低いとされており、安全性にも配慮された医療用医薬品です。
デエビゴは脳内で覚醒を維持するホルモン「オレキシン」の受容体にくっつき、はたらきを抑えることで、自然な眠気を誘導します。[1]
乱れた睡眠覚醒リズムを整えて、眠れない、途中で目が覚める、朝予定よりも早く起きてしまうといった不眠症の多様な症状に対応できることが特徴です。
臨床試験では、デエビゴの服用によって「入眠潜時(寝つきの速さ)」「中途覚醒(夜間の目が覚めている時間)」「睡眠効率(どれだけ効率よく寝られているか)」の改善が確認されています。[1]
服用後8時間ほどで体のなかから薬の成分が十分に減るため、翌朝には体内のオレキシンが自然に増加し日中への影響が少ないとされています。[2]
夜間に寝つけない人や途中でよく目が覚めて悩んでいる人にとって十分な効果が得られるのも特徴です。
ほかの代表的な睡眠薬である「ベンゾジアゼピン系」の薬と比較しても、依存リスクも低くて使いやすい薬の一つといえるでしょう。
期待できる効果
デエビゴが期待できる効果はおもに「速やかな入眠」「夜間の睡眠維持」「翌朝に眠気が残りにくい」の3点です。[3]
臨床試験では、寝つくまでの時間短縮や夜間に目が覚める回数の減少が確認されています。[1]
デエビゴを服用することで睡眠全体の質が向上し、しっかりとした睡眠をとれる可能性が高まります。
また翌朝まで効果が持続しながらも、起床後のふらつきや強い眠気といった副作用は、ほかの「ベンゾジアゼピン系」などの睡眠薬と比較して少ないのも特徴です。[3]
普段から自動車を運転する機会が多い人は、医師の指導のもと正しい用量で服用すれば、安心して使用できます。
さらに足腰が弱い高齢者も転倒のほかの睡眠薬と比較してリスクがなくなるため安心です。
関連記事:デエビゴ(レンボレキサント)の効果はどのようなもの?内服する際の注意事項に関しても解説。
発現する可能性がある副作用
デエビゴはおもに頭痛や眠くなりやすいなどの神経障害をはじめとした複数の副作用を起こすことがあります。
発現頻度 |
副作用[2] |
3%以上 |
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1~3%未満 |
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1%未満 |
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頻度不明 |
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デエビゴの副作用のなかでも日中に眠くなりやすいという症状は、10%前後の患者にみられるほど多いです。
そのほか頭痛や体のだるさも一定の頻度で報告されています。
まれにめまい、悪夢、金縛りなど睡眠に関連した症状が起こることもあります。
デエビゴを服用して気になる症状がでている場合や、副作用で困っている場合は早めに医師へ相談することが大切です。
服用しているデエビゴの量が多すぎると副作用があらわれやすくなる場合があります。
医師に相談すると、自分の現在の症状に合った服用量に調整してもらえますよ。
※処方は医師の判断によります。
関連記事:デエビゴ(レンボレキサント)の副作用とは?起こる理由や対処法もわかりやすく解説
デエビゴとほかの薬との違いについて
デエビゴは「自然な眠り」を重視した薬であり、ほかの睡眠薬とは作用の仕組みや副作用の傾向に大きな違いがあります。
以前から使われてきた睡眠薬は「ベンゾジアゼピン系」や「非ベンゾジアゼピン系」といった種類です。
これらの作用は脳全体の神経活動を抑えて眠りを促すものです。
一方デエビゴは「オレキシン受容体拮抗薬」と呼ばれ、覚醒を維持するオレキシンのはたらきをブロックします。
睡眠薬と一概にまとめても、それぞれの薬の作用機序そのものは根本的に異なります。
どの薬を選ぶかによって得られる効果や注意する点は大きく変わってくるため注意が必要です。
デエビゴとベルソムラの違い
デエビゴとベルソムラは「薬の用量」「効果の持続時間」「薬の保存性」が大きく異なります。[4]
どちらも「オレキシン受容体拮抗薬」という点では同じで、覚醒を維持するオレキシンを抑制することで睡眠を促します。
しかし化学構造が異なることが以下の違いを生み出すポイントです。
デエビゴ |
ベルソムラ | |
用量 |
1日1回5mg(成人) |
1日1回20mg(成人) 1日1回15mg(高齢者) |
効果の持続時間 |
薬の成分が比較的長く体内にとどまるため、効果の持続時間も長い。 |
デエビゴと比較して薬の成分が早く体内から排出されるため、効果の持続時間は短い。 |
自分の睡眠に対する悩みのタイプやライフスタイルに合わせて、どちらの薬がよいのか適切に選択することが必要です。
デエビゴとマイスリーの違い
デエビゴとマイスリーは「作用機序」「依存性」「特徴的な副作用」が大きな違いです。
デエビゴは「オレキシン受容体拮抗薬」マイスリーは「非ベンゾジアゼピン系」の睡眠薬で作用の仕組みが異なります。
デエビゴ |
マイスリー | |
依存性 |
「ベンゾジアゼピン系」「非ベンゾジアゼピン系」の睡眠薬と比較すると依存性のリスクが低いとされている。 |
長期の使用や用法を守らない使用により依存性が生じる可能性がある。(1か月の使用で50%が依存)[5] |
特徴的な副作用 |
|
|
デエビゴは自然に近い睡眠、そしてマイスリーは脳の活動を抑えるため短時間でストンと意識が落ちるような眠りになることが特徴です。
マイスリーは短時間で眠りにつける一方で、依存性があり薬をやめにくくなるデメリットがあります。
そのため医療機関を受診して初めての使用はデエビゴになるケースもみられます。
関連記事:デエビゴ(レンボレキサント)とマイスリー(ゾルピデム)の違いとは?切り替え時期や併用について解説
デエビゴはどこで入手できて、3割負担だとどれくらいなのか
デエビゴは医師の処方せんを薬局に持っていくことで入手できます。
デエビゴは市販薬が存在しないため医師の診察を受け、処方せんを取得し薬局で受け取る必要があります。
健康保険の3割負担であれば1か月分(30錠)処方された場合、1000円程度の費用がかかるケースが多いです。[6]
デエビゴは現在2.5mg錠、5mg錠、10mg錠の3種類があり、不眠の程度によって使用する薬が異なります。
含まれている成分が多くなればなるほど薬の価格は高くなりますが、診察料や調剤料を含めたとしても合計で約2000円以内で済むことが多いでしょう。
デエビゴを手に入れることのできる処方せんは対面の医療機関を受診する、あるいはオンライン診療で医師の診察を受けて受け取ることも可能です。
デエビゴは内科、精神科、心療内科、睡眠外来などの診察で処方可能です。
※処方は医師の判断によります。
オンライン診療
オンライン診療ではスマホやパソコンを使って医師と遠隔で相談でき、必要に応じて処方せんを発行してもらえます。
忙しい生活のなかでは医療機関への通院が負担に感じる場合もありますが、オンライン診療なら家で診察してもらえるため、通院の手間や時間の負担を大幅に軽減できる手段です。
オンライン診療に対応している医療機関のWebサイトやアプリなどから簡単に予約が可能です。
ビデオ通話機能を利用して医師の診察を受け、症状や生活状況などについて相談しましょう。
診察した結果、デエビゴなどの内服が必要と判断された場合、処方せんが発行されます。薬の配達に対応しているオンライン診療サービスもあります。
近所の薬局で受け取ることも可能なので、受け取りやすい方法に対応しているサービスを選ぶとよいでしょう。
対面の医療機関
初診では問診票にて症状の詳細や生活習慣の確認、その後必要に応じて血液検査などをおこないます。
症状や既往歴に応じてデエビゴの内服が必要な患者には、医師が適切な用量や服用方法を判断して服薬スケジュールを決定します。
診察後に処方せんが発行されるため、薬局で処方せんを提出し薬を受け取りましょう。
デエビゴは市販薬で代用することは可能か
デエビゴを市販薬で代用することはできません。
デエビゴをはじめとした「オレキシン受容体拮抗薬」は医師の診断で処方せんの発行が必要な医療用医薬品です。
同系統の「オレキシン受容体拮抗薬」であっても市販薬としては販売されていません。
ただし市販薬で睡眠をサポートするためのものとしては、以下のような選択肢があります。
種類 |
商品名 |
特徴や効果 |
睡眠改善薬 |
ドリエル、ネオデイ、リポスミン |
抗ヒスタミン作用を利用し、入眠を助ける。寝つきの悪さや睡眠の浅さを改善する。 |
漢方薬 |
抑肝散、酸棗仁湯 |
不安や緊張を和らげ、自然な眠りをサポートする。 |
サプリメント |
メラトニン、GABA |
睡眠リズムの調整やリラックス効果を目的とした補助的なもの。 |
市販薬やサプリメントで睡眠を補助することは可能ですが、デエビゴのような治療効果が期待できる薬は存在しません。
しっかりとした治療効果を求める場合は、医師の診察を受けて処方薬を利用することが大切です。
よくある質問
デエビゴに関連したよくある質問に回答します。医療機関を受診せずにすぐに睡眠を改善したいと考えている人は参考にしてください。
デエビゴは市販で購入できますか?
デエビゴは市販で購入できません。医療用医薬品に分類され、医師の診察と処方がなければ入手できないからです。
デエビゴを希望する場合は、必ず医師に相談して処方してもらう必要があります。
対面の医療機関を受診するか、オンライン診療にて医師の診察を受けるようにしましょう。
診療科は内科、精神科、心療内科、睡眠外来を選ぶとよいでしょう。
デエビゴはドラッグストアで売ってないの?
デエビゴは市販では売っていません。市販で購入できるものとしてはドリエルやネオデイなどの睡眠改善薬や漢方薬が挙げられます。
いずれも効果は穏やかでデエビゴの代用にはなりませんが、一時的な不眠や軽度の睡眠障害を改善したいときには有効です。
ドラッグストアで買える睡眠剤はありますか?
ドラッグストアで購入できる代表的な睡眠剤は睡眠改善薬の「ドリエル」「ネオデイ」「リポスミン」、漢方薬の「抑肝散」「酸棗仁湯」が挙げられます。
ただし医療用の睡眠薬とは異なり、効果は比較的穏やかです。
一時的な不眠や寝つきの悪さには役立ちますが、強い効果を求める場合や長期的に寝つけない場合には、医師への相談が必要です。
デエビゴとマイスリーはどちらが強いですか?
作用の仕組みや得意とする効果が異なるため「どちらが強いか」は一概にはいえません。
マイスリーは脳の活動を一気に抑えるため即効性があり、寝つきの改善に向いています。
一方デエビゴは覚醒を抑える仕組みで、自然に近い眠りを促し睡眠の維持に効果を発揮するとされています。
寝つきの悪さが主な悩みの人にはマイスリーが適しているケースが多く、途中で目が覚めてしまう人にはデエビゴが適しているケースが多いです。
強さの優劣ではなく、症状や目的に合わせてどちらを選ぶかが重要です。
まとめ|デエビゴは市販では買えない。対面の医療機関やオンライン診療で処方の相談をしよう
デエビゴは市販薬としては販売されておらず、必ず医師の診察と処方が必要です。
ドラッグストアや通販で購入できる睡眠改善薬や漢方薬は一時的なサポートになり、デエビゴを代用するような効果ではありません。
不眠が続く場合は内科や精神科、心療内科、睡眠外来などに対応している、対面の医療機関やオンライン診療を活用して処方してもらうのがおすすめです。
とくにオンライン診療なら自宅から受診でき、処方薬を自宅に届けてもらえるため、忙しい方や通院が難しい人にも大変便利です。
確実に効果的な治療を受けるためにも、デエビゴのような自然に近い眠りにつきたいと希望する場合は、市販薬ではなく医師の診察を通じて処方してもらいましょう。
※処方は医師の判断によります。
ファストドクターのオンライン診療(心療内科・精神科)なら、処方薬の配送や診断書のオンライン発行に対応しています。診察は健康保険適用。お支払いはクレジットカードもしくはコンビニ後払いです。※診断書の内容は医師の判断によります。
参考文献
[2]不眠症治療薬 レンボレキサント製剤 DayvigoⓇ Tablets
[3]新規オレキシン受容体拮抗薬レンボレキサント(デエビゴ錠® 2.5 mg,5 mg,10 mg)の薬理効果と不眠症患者における臨床的有用性
本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。
具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。
症状に対する診断やお薬の処方、診断書や傷病手当金申請書の記載内容は医師の判断によります。