デエビゴ(レンボレキサント)とマイスリー(ゾルピデム)の違いとは?切り替え時期や併用について解説
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デエビゴ(レンボレキサント)とマイスリー(ゾルピデム)の違いとは
デエビゴとマイスリーを比較すると「眠気を起こす仕組み」や「効果の持続時間」といった違いがあることが分かります。
以下の表でそれぞれの特徴を比較してみましょう。
デエビゴ |
マイスリー | |
作用の仕方 |
脳の覚醒に関わる「オレキシン」の働きを弱め、自然に近い睡眠を起こす。[1] |
脳の鎮静に関わる「GABA」の働きを強め、脳の活動をおさえて眠気を起こす。[2] |
適した不眠のタイプ |
入眠障害 中途覚醒[3] |
入眠障害[4] |
効果発現時間 |
約30分[5] |
約15分[6] |
持続時間 |
約6〜8時間[1] |
約2〜4時間[7] |
2種類とも寝つきを改善する効果がありますが、マイスリーに比べるとデエビゴのほうが自然な眠りに近いのが特徴です。
マイスリーの効果は、デエビゴほど長続きしません。
マイスリーは、脳の活動を鎮めることで眠りを促すお薬です。効果が早く現れやすく、作用時間が短いという特徴があります。
主に「寝つきが悪い」という入眠障害の治療に適しています。
一方のデエビゴは夜中に起きる時間を減らす効果があり、入眠障害だけでなく中途覚醒がある人にも適しています。
デエビゴはマイスリーよりもより自然に入眠でき、朝までゆっくり眠れる薬だと認識しておきましょう。
デエビゴは何時間寝られるのか、副作用はあるのか
服用後は30分ほどで眠れることが多く、作用時間はおよそ6〜8時間です。[1][5]
起床時間の7時間以上前に服用していれば、翌朝に眠気が残るといった副作用もみられにくいです。[8]
ただし食事のすぐあとに服用するとデエビゴの吸収が2時間ほど遅れることがあり、効果が弱くなる原因になります。[5]
夕食から3時間以上あけて、しっかりと空腹になったタイミングで服用しましょう。
また高齢者など代謝が遅い人では、デエビゴの作用が強くあらわれてしまい、翌朝に眠気が残る可能性があります。[5]
「朝になっても起きにくい」「日中もだるい」といった症状があれば、減量することもあるため医師に相談してみましょう。
マイスリーに期待できる効果や副作用
寝つきを良くする「入眠作用」が期待でき、研究によると15分ほどで眠れる人が多かったと報告されています。[6]
睡眠薬のなかでも持続時間が短く、翌朝に眠気を持ち越す副作用が起こりにくいのも特徴的です。
ただし以下のような副作用が起こることがあるため、服用後は経過観察をおこないましょう。[7]
一過性前向性健忘 (いっかせいぜんこうせいけんぼう) |
薬を飲んだあとに起きた出来事を覚えていない |
もうろう状態 |
頭がぼんやりして判断力が鈍くなる |
夢遊症状 |
無意識に食事や運転をする |
服用後もずっと起きていたり夜中に目覚めてしまったりすると、脳が十分に覚醒できず副作用を起こす原因になります。
マイスリーを服用したあとはすぐ横になり、眠くなるのを静かに待ちましょう。
また夜中に起きてしまうことが多い場合は、作用時間の短いマイスリーでは効果が不十分な可能性があります。
デエビゴなど、作用時間の長い別の睡眠薬に切り替えるケースがあるため医師に相談してみましょう。
マイスリーからデエビゴへの切り替え時期について
ほかの睡眠薬からデエビゴへ切り替える時期については、決まったルールがありません。
このため医師が症状をみながら切り替え時期を判断します。
ただしマイスリーには「反跳性不眠(はんちょうせいふみん)」という副作用があり、長期間服用していた人が急に中止すると不眠が悪化するおそれがあります。[7]
マイスリーの副作用を防止するため、用量を徐々に減らしながらデエビゴへ自然に切り替える方法を提案される人もいるかもしれません。
薬の切り替え方法について聞きたいことがある場合は、遠慮せず医師に相談してみましょう。
デエビゴを飲むと怖い夢を見るのは本当?
デエビゴの副作用として「悪夢」が報告されています。
臨床試験によると、デエビゴを服用した314人のうち5mgでは3人、10mgでは7人に悪夢の副作用が起こりました。[9]
これはデエビゴによりレム睡眠が増加し、夢を見る時間も増えるからだと考えられています。
ただし悪夢で服用を中止する事例はごくわずかで、問題なく服用を続けられる人がほとんどです。[9]
副作用は全員に起こるものではないため、過度に心配しないようにしましょう。
デエビゴとマイスリー(ゾルピデム)の併用は可能なのか
原則として、デエビゴとマイスリーの併用は推奨されていません。
眠気を促す作用が強くなることで、翌朝まで眠気が残ったりふらついたりするといった副作用を起こす可能性が高まるためです。
ただし入眠効果を増強させる目的で、医師が併用を指示するケースもあります。眠気が強く出すぎないか経過観察をしながら服用を続けましょう。
またデエビゴだけで効果が不十分な場合、眠れないからといって自己判断でマイスリーと併用するのは危険です。
眠れないときは、ほかの薬へ切り替えたり睡眠障害の検査をしたりと対策をとることも可能です。
「デエビゴが効かない」と感じたら、一人で悩まずに医師に相談してみましょう。
よくある質問
デエビゴに関するよくある質問にお答えします。
デエビゴを服用すると依存性があらわれますか?
デエビゴは、睡眠薬のなかでは比較的依存性が少ない薬です。
臨床試験によると、1年間服用を続けた場合でもデエビゴに対する依存症状がみられた人はいませんでした。
しかしマイスリーのような従来の睡眠薬では依存性が指摘されてきたため、睡眠薬そのものに不安を感じる人もいるかもしれません。
「デエビゴを飲むのが怖い」と思っている場合は、遠慮せず医師に相談しましょう。
デエビゴが効かない人がいる理由はなんですか?
効果が弱くなる原因として、おもに以下の5つが考えられます。
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夕食と同時に服用したり、食後すぐに服用したりしている
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飲むタイミングが早すぎる、または遅すぎる
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アルコール、カフェインをとりすぎている
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睡眠時無呼吸症候群など、別の睡眠障害が隠れている
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併用している薬の影響で、デエビゴの効果が弱まっている
デエビゴが効かないと感じたら、まずは飲むタイミングが正しいかチェックしてみましょう。
夕食後から3時間以上あけ、就寝直前に服用するのが最も服用に適したタイミングです。
またアルコールやカフェインにより脳が刺激され、寝にくくなっていることも考えられます。夕方以降のカフェイン摂取や、寝る前のお酒の飲み過ぎは避けましょう。[10]
併用している薬とデエビゴが相互作用を起こすこともあるため、治療中の病気がある人は医師に伝えておくと安心です。
どうしてもデエビゴが効かない場合は、睡眠障害の検査をおこなう可能性があるため医師に相談してみましょう。
まとめ|デエビゴとマイスリーの特徴を理解して自分に合った薬を使おう
デエビゴとマイスリーはどちらも入眠作用がありますが、デエビゴのほうがより自然に近い睡眠がとれる傾向があります。
作用時間もデエビゴのほうが長く、6〜8時間ほど眠れる人が多いです。
ただしマイスリーのほうが眠れるというケースもあるため、一概にどちらが良い薬だとはいえません。
効果の感じ方には個人差があり、不眠のタイプによっても薬の選び方は変わってきます。
睡眠薬に疑問がある場合は一人で悩まず、医師に相談してみましょう。
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参考文献
本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。
具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。
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