デエビゴ(レンボレキサント)の効果はどのようなもの?内服する際の注意事項に関しても解説。

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デエビゴ(レンボレキサント)の効果
デエビゴ(レンボレキサント)は「寝つけない」「夜中に目が覚める」といったさまざまな不眠に効果が期待できる薬です。
睡眠薬のうちオレキシン受容体拮抗薬に分類され、脳の覚醒を保つ「オレキシン」の働きをおさえることで、自然な眠気をうながします。
デエビゴのおもな効果は、以下の3つです。 [1]
-
寝つきがよくなる
-
夜中や朝方に目が覚めにくくなる
-
熟眠感が得られやすくなる
このような効果により、デエビゴは以下の睡眠障害に用いられています。[1]
睡眠障害の種類 |
具体的な特徴 |
入眠障害 |
寝つきが悪い、寝つくまでに1時間以上かかる |
中途覚醒 |
夜中に何度も目が覚めてしまう |
早朝覚醒 |
朝早く目が覚めてしまう |
熟眠障害 |
十分に眠ったはずなのに熟睡感がない |
効果はゆるやかに持続するため、なかなか眠れない場合だけでなく、夜中や朝方に目が覚めてしまう悩みにも用いられます。
「よく眠れた」と感じる人も多く、睡眠の質を高める効果も期待できます。
※処方は医師の判断によります。
デエビゴの効果時間はどれぐらいですか?
効果の持続時間は、およそ8〜9時間が目安です。
服用後30分〜1時間ほどで効果が得られ、その後もゆるやかに持続するため、眠りは夜中や明け方にも保たれます。
実際に臨床試験では、デエビゴを服用すると夜中に目覚める時間が減り、トータルの睡眠時間が増えたことが確認されました。
厚生労働省は、成人の睡眠時間の目安を6〜8時間としています。[2]
デエビゴは、効果が8〜9時間持続するため一般的に必要とされる睡眠時間を確保するのに役立つと考えられています。
ただし体質や生活リズム、不眠のタイプなどにより、効果には個人差があることも理解しておきましょう。
デエビゴの特徴はなんですか?
デエビゴは、眠りに入りやすい状態へと導くのが特徴です。睡眠と覚醒のリズムに沿った眠りを支えるため、以下のような特徴があります。
-
翌朝に眠気が残りにくい
-
依存性が少ない
-
夜中や朝方に目が覚めにくい
睡眠薬は「脳の活動をしずめて眠らせるタイプ」と「自然な眠気をうながすタイプ」に分けられます。
従来の睡眠薬は脳の興奮を強くおさえて眠気を誘発するため、翌朝への影響や依存性が心配されてきました。
一方デエビゴは、脳の働きを強制的におさえないため、長期間使用しても「薬がないと眠れない」という状態になりにくいとされています。
デエビゴは、幅広いタイプの不眠へ対応でき、とくに中途覚醒と早朝覚醒に効果的です。
オレキシン受容体拮抗薬のなかでも作用時間が比較的長めであり、眠りが維持されやすい特徴があります。
デエビゴは副作用のリスクをおさえつつ、さまざまな睡眠の悩みに対応できる薬として選択肢のひとつとなっています。
デエビゴの副作用は なんですか?
デエビゴの副作用としては、眠気や頭痛、だるさが比較的多い傾向にあります。
従来の睡眠薬と比べて翌朝への影響が少ないとされるものの、効き目には個人差があります。
薬の成分はわずかながら体内にとどまるため、体質や体調によっては作用が長引くことも珍しくありません。
以下の表に、デエビゴについて報告されているおもな副作用をまとめました。[3][4]
デエビゴの副作用 |
報告された頻度 |
具体的な症状 |
眠気 |
10.7% |
ぼーっとする、集中しにくい |
頭痛 |
4.2% |
頭が重い |
倦怠感・脱力感 |
3.1% |
だるい、力が入りにくい |
めまい・ふらつき |
1〜3%未満 |
立ち上がるとふらつく、つまずきやすい |
異常な夢、悪夢 |
1〜3%未満 |
怖い夢や奇妙な夢が増える |
睡眠中の異常行動 |
頻度不明 |
眠っている間に行動し、覚えていない |
金縛り(睡眠麻痺) |
1〜3%未満 |
覚醒しているのに体が動かない |
体重増加 |
1〜3%未満 |
食欲が増すことがある |
吐き気 |
1〜3%未満 |
むかむかする |
幻覚・幻聴 |
1%未満 |
夢か現実かわからない |
デエビゴの副作用で特徴的なのは、まれに不快な夢を見たり、体が動かなくなるような体験をしたりする点です。
レム睡眠(眠りの一部の時間)の深さや質が変化し、奇妙な夢を見るケースが報告されています。
レム睡眠中には筋肉の動きがおさえられるため、脳は覚醒しているのに体が動かない睡眠麻痺(すいみんまひ)が起こることも報告されています。
ただしこれらの副作用はごくまれなため、過度に心配する必要はありません。
デエビゴを服用した翌日は、体調変化に十分注意しましょう。
眠気やふらつきなどを感じた場合は無理をせず休み、症状を記録して医師に相談してください。
関連記事:デエビゴ(レンボレキサント)の副作用とは?起こる理由や対処法もわかりやすく解説
デエビゴを内服する際の注意事項
デエビゴを服用する際は、飲むタイミング・食事との関係・生活習慣の3つに気をつけましょう。
とくに食後すぐに内服すると、服用の効果が弱まるため注意が必要です。
具体的な注意点は以下のとおりです。[5]
注意点 |
理由 |
食後すぐの服用は避ける |
吸収が遅れ、十分な効果が得られない可能性がある |
極端に遅い時間に服用しない |
翌朝まで作用が残り、眠気やだるさが続くおそれがある |
寝る直前(布団に入る直前)に服用する |
服用後に活動を続けると、日中に眠気が出る危険がある |
アルコールとの併用は控える |
作用が強まり、副作用の危険が高まる |
車の運転や危険な作業は避ける |
急な眠気やふらつきにより事故のおそれがある |
併用薬の飲み合わせを医師に確認する |
一部の薬では相互作用により作用が強まるおそれがある |
デエビゴは、夕食後少なくとも2〜3時間あけてから服用しましょう。食後すぐに飲むと吸収が遅れ、十分な効果が得られにくくなります。
アルコールは、副作用の危険を高めるだけでなく、睡眠の質を下げ不眠の原因にもなるため控えてください。
「デエビゴを飲み続けて大丈夫だろうか」と心配になる人もいるかもしれません。しかし、不安な気持ちはかえって入眠を妨げる要因にもなります。
あらかじめ注意点を理解しておけば、より安全に薬を使用でき、眠りの助けとなるでしょう。睡眠は心と体の健康を守るうえで大切です。[6]
ときには薬の力を借りながら必要な眠りを確保してくださいね。
よくある質問
ここではデエビゴの効果についてよくある質問にお答えします。
デエビゴの効果やデメリットだけでなく、効かない場合の理由と対処法にも理解を深め、医師とともに睡眠改善を目指しましょう。
デエビゴは何時に飲むと効果的ですか?
デエビゴは、起きたい時刻の7時間以上前を目安に服用しましょう。[7]
服用時刻そのものに決まりはありませんが、翌日への影響を最小限におさえるために服用タイミングを調整する必要があります。
以下のタイミングで服用すると、安全性を守りながらデエビゴの効果が発揮されやすくなります。
-
起きたい時刻の7時間以上前を目安に服用する
-
寝る直前(布団に入る直前)に服用する
-
極端に早い時間や遅い時間に服用しない
翌朝の眠気やふらつきを避けるため、十分な睡眠時間が確保できる日のみ服用してください。
デエビゴの欠点はありますか?
デエビゴの欠点として、副作用が心配されることや、症状によっては十分な効果が得られないことが挙げられます。人によってはコスト面も懸念されます。
【おもなデエビゴの欠点】
-
眠気やふらつき、頭痛が生じることもある
-
悪夢や金縛りなど副作用が報告されている
-
入眠障害のみであれば、ほかの薬が適するケースもある
-
ジェネリック医薬品が存在せず、薬代が高い
従来の睡眠薬より少ないものの、翌朝や日中に影響が残る場合もあります。悪夢や金縛りなどの特徴的な副作用が起こる可能性も否定できません。
オレキシン受容体拮抗薬のうち、デエビゴは半減期(薬が体内で半分になるまでの時間)が比較的長めです。
作用が持続するため中途・早朝覚醒には効果的ですが、寝つきの悪さだけを改善したい場合には、より半減期の短い薬が適しているケースもあります。
どの薬が合うかは、不眠のタイプや併用薬、持病などによって異なります。
不安や疑問がある場合はかならず医師に相談し、納得したうえで服用しましょう。
デエビゴが効かない理由はありますか?
デエビゴが効かないときは、医師に相談しましょう。
考えられる理由として、飲み方や生活習慣が原因になっているケースがあります。
具体的には以下の理由が挙げられます。
-
正しいタイミングで服用できていない
-
カフェインの影響で眠りが浅くなっている
-
生活リズムが崩れている
-
服用量や薬そのものが合っていない
デエビゴを食後に服用すると、効果が遅れてしまうため注意が必要です。
またカフェインは、覚醒作用によって眠りの質を下げる原因となります。
生活のリズムが崩れていると、デエビゴの効果を感じにくいこともあります。
デエビゴに睡眠リズムそのものを整える作用はないためです。薬に頼るだけでなく、生活習慣の工夫も大切です。
デエビゴの効果を感じにくい場合、以下のように対応してみてください。
服用タイミングを見直す |
|
生活リズムや睡眠環境を整える |
|
医師に相談する |
|
デエビゴの効果を得るには、正しい服用タイミングと自分に合った用量が必要です。
服用方法を見直すとともに、生活習慣や睡眠環境の見直しも欠かせません。
不眠のタイプや体質によって効果に差が出ることもあります。
自己判断で服用量を調整せず、改善が見られない場合は医師に相談しながら自分に合った治療法を見つけていきましょう。
関連記事:デエビゴ(レンボレキサント)が効かない理由は何?眠れないときに試したい対処法を解説
まとめ|デエビゴの効果を理解し、正しく内服しよう
デエビゴは、脳の覚醒をおさえることで自然な眠りをうながす薬です。
無理に眠らせるのではなく、睡眠リズムに沿って眠りやすい状態に導くのが特徴です。
デエビゴの効果として、以下3つがあります。
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寝つくまでの時間が短くなる
-
夜中や朝方に目が覚めにくくなる
-
熟眠感が得られやすくなる
効果は服用後30〜60分であらわれ、一晩おだやかに続きます。寝つきの悪さや夜間・早朝覚醒など幅広い不眠のタイプに対応します。
十分な効果を得るには、以下のポイントを理解しましょう。
-
夕食後2〜3時間以上あけて服用する
-
寝る直前(布団に入る直前)に服用する
-
起きたい時刻の7時間以上前を目安に服用する
眠気は出にくいとされるものの、人によっては起こる可能性もあります。
まれに悪夢、金縛りなども報告されています。万が一気になることがあれば症状を記録し医師に相談してください。
睡眠がとれない日々が続くと、体だけでなく心にも負担がかかります。
眠りやすい環境を整え、ときには薬の力を借りながら睡眠の悩みを少しずつ減らしていきましょう。
※処方は医師の判断によります。
ファストドクターのオンライン診療(心療内科・精神科)なら、処方薬の配送や診断書のオンライン発行に対応しています。診察は健康保険適用。お支払いはクレジットカードもしくはコンビニ後払いです。※診断書の内容は医師の判断によります。
参考文献
[1]新規オレキシン受容体拮抗薬レンボレキサント(デエビゴ錠®2.5 mg,5 mg,10 mg)の薬理効果と不眠症患者における臨床的有用性|古戎道典ら
本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。
具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。
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