デエビゴ(レンボレキサント)の副作用とは?起こる理由や対処法もわかりやすく解説
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デエビゴ(レンボレキサント)のおもな副作用
デエビゴは脳が目を覚まそうとする働きをおさえて眠気を感じやすくするため、日中の眠気(傾眠)やだるさ(倦怠感)、めまいなどの副作用があらわれやすい傾向があります。
薬の効果や安全性を確認する臨床試験の結果、ほかにも以下のような副作用が報告されています。
デエビゴの副作用 |
あらわれた割合 |
傾眠(日中の眠気) |
10.7% |
頭痛 |
4.2% |
倦怠感(だるさ) |
3.1% |
浮動性めまい |
1~3%未満 |
睡眠時麻痺(金縛り) | |
悪心(吐き気) | |
悪夢・異常な夢 | |
体重増加 |
参考:デエビゴ錠2.5mg/デエビゴ錠5mg/デエビゴ錠10mg添付文書|PMDA 医療用医薬品情報[1]
デエビゴを使用する際には、これらの副作用があらわれる可能性があることを理解しておきましょう。
まれに金縛りや幻覚の症状などがみられる
金縛りは、おもに眠りにつくときに起こり、からだが動かなくなってしまう現象です。[2]
目は覚めているように感じますが、実際には眠っている状態でからだが動かないため、不安や恐怖といった精神的な不快感に苛まれるでしょう。
幻覚も金縛りと同じく入眠時に起こりやすく、ないものが見えたり聞こえたりして、夢のなかの出来事だと感じることがあります。[2]
その影響から現実と夢の境界がわからなくなり、精神的な混乱を引き起こしやすくなるのです。
実際デエビゴを服用した患者のうち、1〜3%未満で金縛り、1%未満の割合で幻覚があらわれています。[1]
こうした副作用があることをあらかじめ知っておき、焦らず対処できるよう備えておきましょう。
デエビゴの副作用で太ることがあるのはなぜ?
体重増加の明確な原因は完全には判明していませんが、睡眠薬の影響により食欲や代謝の変化が起こると考えられています。
<体重増加につながる可能性のある睡眠薬の影響>
-
日中の活動量が減る
-
間食が増える
-
代謝が低下する
ただし、体重増加の発現率は1〜3%未満と低く、全ての人に起こるわけではないことを覚えておきましょう。[1]
デエビゴの副作用で悪夢を見るのはなぜか?
デエビゴの内服で悪夢を見るのは、レム睡眠と神経伝達物質への影響が原因と考えられています。
デエビゴは、眠りのなかで夢を見るレム睡眠に影響を与える可能性があり、レム睡眠の深さや質の変化によって、普段よりも鮮明で印象的な夢や悪夢を見るといわれています。[2]
薬が脳内の神経伝達物質に影響を与えることで夢の内容にも変化が生じるのも、悪夢が生じる理由のひとつです。[3]
悪夢に悩まされてつらい場合は、医師に相談して薬の量や種類の変更を検討するのがよいかもしれません。
デエビゴは怖い薬なのか
適切に使えばデエビゴは怖い薬ではありません。依存性はベンゾジアゼピン系睡眠薬よりも低いとされており、比較的安全な睡眠薬の一つです。
ただし、以下のような副作用があることから、人によっては「怖い」と感じる可能性があります。
-
日中の眠気(ぼんやり、うとうと)
-
頭痛
-
悪夢や金縛り
もしこれらの副作用がつらい、体質に合わないなどの場合は、薬の種類の変更や服用量の調整などを医師に相談し、からだへの負担を少なくしましょう。
デエビゴの効果
デエビゴは不眠症の治療薬として開発され、入眠困難(眠りにつきにくい)と睡眠維持困難(夜中に目が覚めてしまう)の両方に効果があり、日中の機能の改善も期待できます。[2]
覚醒を維持する「オレキシン」という物質の働きをブロックして自然な睡眠を促進するため、ほかの睡眠薬と比較して日中の眠気や依存性が少ない点が特徴です。
デエビゴを服用すると何時間寝られるのか
個人差はありますが、デエビゴの効果でおよそ6〜8時間の睡眠時間を確保できるとされています。
そのため、デエビゴの内服は起床する時間のおよそ8時間前(就寝の30分~1時間前程度)に飲むとよいでしょう。
ただしデエビゴは「強制的に何時間眠るようにする」という薬ではなく、自然な眠りのサポートが目的であることは覚えておきましょう。
デエビゴの副作用への対処法
デエビゴ服用中に副作用があらわれたときに、その場でできる対処法を覚えておくと二次的な被害を防げます。
表を参考に、いざというときに備えておきましょう。
副作用 |
対処法 |
傾眠・日中の眠気 |
|
めまい・ふらつき |
|
異常な夢・悪夢 |
|
金縛り・幻覚 |
|
くり返し副作用があらわれたり、症状が強くなっていたりする場合は、服用方法の見直しが必要かもしれません。
<副作用が出にくくなる飲み方のポイント>
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就寝直前に服用する:デエビゴは効果があらわれるまでが早いため「布団に入る直前」に飲むようにする[2]
-
十分な睡眠時間(8時間以上)を確保する:デエビゴは作用時間が長いため、不十分な睡眠時間では眠気が翌朝に残る可能性がある
-
アルコールと併用しない:アルコールの摂取で中枢神経が抑制されすぎて、ふらつきや傾眠などが強まる恐れがある[2]
いずれにしても副作用が出ている場合は、デエビゴの量の調整や薬そのものの変更が必要である可能性があります。かならず主治医へ相談してください。
どのくらいの頻度でどのような症状があらわれているかを正確に伝えるため、ノートやスマートフォンのメモに症状を記録しておくことをおすすめします。
よくある質問
デエビゴの副作用に関するよくある質問にお答えします。
使用中に不安や疑問がある方は、こちらをチェックしたうえで必要に応じて医師に相談しましょう。
デエビゴの欠点は?
デエビゴのおもなデメリットとして、日中の眠気をはじめとした副作用の出現や、値段が高いことなどがあげられます。
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副作用(傾眠、頭痛、悪夢など)が起こる可能性がある
-
重篤な肝機能障害がある患者をはじめ、使用できない場合がある
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薬価が高い(ジェネリック医薬品がまだ発売されていない)
-
人によっては効果が不十分に感じる場合がある
デエビゴの服用量や治療の進行具合は医師が決定するため、不安や疑問がある場合はかならず医師に相談し、副作用がつらいからと自己判断で服用を中断しないようにしてください。
デエビゴは何時間で薬がからだから抜ける?
デエビゴを14日間連続投与した場合、半減期(体内の薬物濃度が半分になるまでの時間)は、2.5mgで50.6時間、10mgで47.4時間です。[1]
個人差はありますが、完全にからだから薬が抜けるまでには半減期の5倍の時間が必要とされており、デエビゴの場合は約10日かかる計算です。[4]
ただし、臨床試験ではデエビゴ内服8〜9時間後であれば、日常生活に影響する自動車運転技能の低下や、からだのふらつきなどを認めなかったとされています。[5]
デエビゴは強い睡眠薬?
デエビゴは従来の睡眠薬に比べて「強い睡眠薬」とはいえません。たとえば従来のベンゾジアゼピン系や非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬は、脳全体の活動を強く抑制して、短時間で強い眠気をもたらします。
一方、デエビゴは自然な眠りに近い状態を促進するため、ベンゾジアゼピン系の薬よりも効果が穏やかに感じる場合があります。
その分、依存性や離脱症状のリスクが低いというメリットもあり、長期的な使用が期待できる点が特徴です。
デエビゴの高齢者への副作用でとくに注意すべきなのは?
高齢者は一般成人よりも血液中に薬がとどまりやすい傾向があり、副作用の出現だけでなく二次的なリスクにも注意が必要です。[1]
<高齢者の副作用で注意すべきこと>
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めまい・ふらつきによる転倒リスク
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日中の眠気による活動量低下
-
認知機能への影響
ベッドまわりに照明を確保する、床にものを置かないといった、転倒を防ぐための対策をしつつ、日中の様子が変わりないかチェックしておきましょう。
睡眠導入剤を使うと悪夢(怖い夢)を見ることがある?
睡眠導入剤が「レム睡眠」という夢を見る時間帯に影響を与えるため、悪夢を見る場合があります。[3]
デエビゴのような薬は、脳の覚醒をおさえることで自然な眠りに導きますが、その結果として夢が鮮明になったり悪夢を見やすくなったりします。
まとめ:デエビゴの副作用が心配なときは医師に相談しましょう
デエビゴは、自然な眠りに近い作用で入眠を促す一方で、日中の眠気、頭痛、だるさなどの副作用が起こる可能性があります。まれに金縛りや悪夢といった症状も報告されています。
副作用のリスクを減らすためには、就寝直前の服用、十分な睡眠時間の確保、アルコールとの併用回避などが重要です。
もし副作用が気になる、症状が続くといった場合は、良質な睡眠を取り戻すために医師に相談し、できるだけからだに負担の少ない治療を進めましょう。
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参考文献
[1]デエビゴ錠2.5mg/デエビゴ錠5mg/デエビゴ錠10mg添付文書|PMDA 医療用医薬品情報
[4]薬物動態学の臨床的意義一薬物血中濃度に影響する因子一|松本直樹ら
[5]新規オレキシン受容体拮抗薬レンボレキサント(デエビゴ錠®2.5 mg,5 mg,10 mg)の薬理効果と不眠症患者における臨床的有用性|古戎道典ら
本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。
具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。
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