異物を飲み込んでしまった時(誤飲・誤嚥)
監修医師:神田貴行 先生(小児科医)
異物を飲み込んでしまった時(誤飲・誤嚥)
誤飲と誤嚥は入る場所が違う
誤飲と誤嚥、どちらも誤って飲み込んでしまうことを言います。
食べ物ではないものを誤って飲み込み、食道へ入ることを誤飲といいます。危険なものを誤飲した場合、吐き気や嘔吐、腹痛、中毒症状を引き起こす場合があります。
一方、誤って飲み込んだものが気道へ入ることを誤嚥といいます。誤嚥は飲み込んだものが気道を塞ぐことで窒息に至る場合があります。
呼吸状態の変化に注意
実際にこどもが何かを飲み込んでしまったとき、誤飲か誤嚥かを考える必要はありません。まずは呼吸が苦しくないかを確認しましょう。
飲み込んだものを確認する
呼吸状態に問題がない場合は以下の確認をおこないましょう。
- いつ
- 何を
- どれくらい
医療機関へ相談するときや、119番へ連絡するときなど、状況を判断するために必要な情報となります。確認しておきましょう。
飲み込んだ直後〜数十分で重篤な状態になることも
飲み込んだものによっては、直後から数十分の間に重篤な症状があらわれる場合があります。
家庭内でこどもが誤飲しやすく、とくに危険なものには、漂白剤・トイレやパイプ用の洗剤・ボタン電池・複数の磁石などがあります。
異物を飲み込んだとき(誤飲)の対処
以下を確認して、適切な対処がおこなえるようにしましょう。
絶対に吐かせない・すぐに受診
- 灯油
水分補給NG 何も飲ませず、吐かせずすぐ受診
- マニキュア・除光液
水分補給NG 何も飲ませず、吐かせずすぐ受診
- 塩素系漂白剤・トイレ用洗剤
水分補給○ 吐かせずすぐ受診
痛みや吐き気などの症状がある場合は水分は与えないでください。
水分補給は必須ではなく、摂取後に嘔吐する可能性があることを知っておきましょう。
すぐに受診
- ボタン電池・複数の磁石
水分補給NG すぐ受診
- 釘・画鋲など鋭利なもの
水分補給NG すぐ受診
- 防虫剤
水分補給NG 何も飲ませずすぐ受診
- タバコ
水分補給NG すぐ受診
少々であればあまり心配しなくていいもの
- 台所用洗剤
水分補給○ 口をすすいで様子を見る。吐き気や嘔吐の症状があれば受診。
- 紙
水分補給○ のどに引っかかった・取れない場合は受診。
- ねんど
水分補給○ 様子をみて、吐き気や嘔吐の症状があれば受診。小麦アレルギーで小麦ねんどを食べた場合はすぐに受診。
- クレヨン・シャボン玉液・化粧水・クリーム・口紅・石鹸・シャンプー・芳香剤・シリカゲル
水分補給○ 様子をみて、吐き気や嘔吐の症状があれば受診。
意識がはっきりしているとき
意識がはっきりしていて、窒息など呼吸状態に問題がない場合は以下の確認をおこないましょう。
医療機関へ相談するときや、119番へ連絡するときなど、客観的に状況を判断するときに役立ちます。
- いつ:飲み込んでからどれくらいの時間が経過したのか
- どんなものを:危険なものなのかそうでないのか
- どれくらい:たくさん飲み込んでしまったのか
飲ませていい? 吐かせていい?
飲み込んだものによっては、絶対に吐かせてはいけないもの、何も飲ませてはいけないものがあります。
薬品や薬を飲み込んでしまった場合はパッケージの成分表も確認しましょう。危険なものかどうかの判断は難しいので医療機関へ相談しましょう。
窒息する可能性のある(誤嚥しやすい)食べ物
誤嚥により窒息を起こしやすい形状の食べものは、小さく切るなどして形を工夫する必要があります。
形状だけでなく、誤嚥する可能性がある年齢では一人で食事をさせないことや、歩き回ったり走ったりしながら食事をしないように目を配る必要もあります。
丸くてツルッとしているもの
ミニトマト・ぶどう・さくらんぼ・ピーナッツ・丸いチーズ・うずらの卵・白玉団子・アメ・ラムネ・ソーセージ・こんにゃく など
粘着性が高く飲み込みにくいもの
餅・パン類・ごはん など
固くて噛み切りにくいもの
りんご・イカ・タコ・貝類 など
赤ちゃんやこどもが異物を口にしないために
3歳ほどのこどもは口の大きさが直径39mmです。これは、トイレットペーパーの芯と同じくらいの大きさです。
つまり、トイレットペーパーの芯に入るものは、口の中に入るということです。
赤ちゃんやこどもが興味を示しそうで、39mm以下のものは保管場所に注意しましょう。
1m以上の高さなど、手が届かない場所で管理することで誤飲を予防できます。
「対処法を調べる」監修医師

こうだたかゆき
神田貴行医師
日本小児科学会専門医/博士(医学)
島根大学医学部臨床教授
コンサータ登録医
鳥取大学医学部卒業後、小児科医として16年間病院勤務、11年間発達障害児対応クリニック院長を務めた。現在は小児科を中心にオンライン診療等を行うフリーランス医師としても活動中。
この記事は医師監修のもと、ファストドクター株式会社が制作しています。


