症状を調べる

固形異物誤飲

の緊急度チェックと対処法、受診目安

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症状ごとの緊急度をチェック

オンライン診療で受診できるか、対面診察が必要かは、重い症状の有無で判断が可能です。

【対面で診察?救急車?オンライン診療?迷ったら】今の症状と適した受診先

受診が必要な症状について知っておきましょう。

緊急度チェックでは、症状に応じた受診先をすぐに判定できます。

判断に迷う時の相談先

119番(救急車)

以下の症状に一つでも当てはまる場合はすぐに119へ連絡しましょう。

  • 呼吸していない(窒息)
  • 呼吸が苦しそう
  • 顔色が青白い
  • 唇が紫色
  • 咳が止まらない
  • 意識がない
  • 呼びかけにはっきり反応しない
  • 強い痛みを訴えている
  • 赤ちゃんが誤飲・誤嚥した後泣き止まない
  • けいれんしている
  • 吐き気や嘔吐を繰り返す
  • 症状はあらわれていないが以下のものを誤飲した

ボタン電池
複数の磁石
クギ・画鋲・ねじなど先端が鋭いもの
2cm以上のタバコ

至急受診を

以下の症状に当てはまる場合はすぐに救急外来を受診しましょう。

  • 症状は落ち着いているが誤飲した
  • 誤飲したあと腹痛などの痛みがある
  • 誤飲・誤嚥したあと体調が悪い(ぐったりしている)

受診が必要

以下の症状があるときは早めに医療機関(オンライン診療も含む)を受診しましょう。

誤飲・誤嚥の直後に症状はなかったが、時間が経過してから以下のような症状があらわれた

  • 発熱
  • 咳や息苦しさ
  • 腹痛
  • 嘔吐や吐き気が続く
  • 一度受診したが、受診後に状態が悪化した

誤飲・誤嚥をしたときの対処方法は?気にかける順番とポイントを解説

1.呼吸ができていない・意識がない・けいれんしているなどの場合はすぐに119番を

以下の症状がある場合はすぐに救急車を呼びましょう。救急車を呼んだら、待つ間に可能な範囲で、胸骨圧迫や人工呼吸などの応急処置を試みてください。自信がない場合は、救急隊員の指示に従ってください。

  • 呼吸していない(窒息)
  • 呼吸が苦しそう
  • 顔色が青白い
  • 唇が紫色
  • 咳が止まらない
  • 意識がない
  • 呼びかけにはっきり反応しない
  • 強い痛みを訴えている
  • 赤ちゃんが誤飲・誤嚥した後泣き止まない
  • けいれんしている
  • 吐き気や嘔吐を繰り返す
  • 症状はあらわれていないが以下のものを誤飲した

ボタン電池
複数の磁石
クギ・画鋲・ねじなど先端が鋭いもの
タバコ

救急車を待つ間に心肺蘇生をする

救急車が到着するまでの間に心肺蘇生法を行いましょう。

心肺蘇生法の詳しい手順は日本医師会「救急蘇生法」に記載があります。

けいれんしているときは無理に止めようとしない・触らない

けいれんは抑えても治りません

無理に力を加えることで怪我の原因や刺激になるためやめましょう。

また、口の中のものを取ろうとするのは絶対にやめましょう

口の中を傷つけてしまう可能性があるほか、舌を押し込んでしまい窒息する可能性があります。

けいれんしたときの対処方法

患者の左半身を下にする
  • 呼吸しやすい体勢にし、吐いたものが喉につまったり、肺や気管に入ることを防ぎます
  • 呼びかけたり、揺さぶることは避けましょう。刺激になってしまいます
衣服をゆるめる

服のボタンを外すなど、呼吸がしやすいように衣服をゆるめましょう

2.意識はあるけど窒息が疑われるとき(むせ込み・声が出ない・苦しそう)はすぐに吐かせる

ものが詰まって気道がふさがると10分間で以下の経過をたどります。

  • 3〜4分で顔色が青紫になる
  • 5〜6分で呼吸が止まる、意識がなくなる、心停が止まる
  • 10分で脳に障害が起こる

慌てず、迅速な対処をおこなえるよう心がけましょう。

焦ってしまう・パニックになってしまう場合は周囲の人へ助けを求めるか、119番しましょう。

窒息が疑われるときの吐かせ方

以下の方法で詰まったものを吐かせるように努めてください。

吐かなかった・意識状態が悪くなった場合はすぐに119番へ連絡しましょう。

背部叩打法(はいぶこうだほう)

妊婦や乳幼児にも使える 方法です。

患者の後ろから、手のひらの付け根で、左右の肩甲骨の中間あたりを力強く何度も叩く

腹部突き上げ法

意識のない人・妊婦・乳幼児には絶対におこなわないで ください。

小児に対するこれらの処置は、専門的な知識が必要です。可能であれば、周囲に医療従事者がいるか確認し、指示を仰いでください。いない場合は、119番に電話し、指示を受けながら行ってください。    

  1. 患者の後ろに立ち、ウエストに手を回す
  2. 拳を作りへそとみぞおちの中間くらいの場所に当てる
  3. 拳をもう片方の手で握る
  4. 斜め上に瞬時に引き上げる

注意点

腹部突き上げ法は、内臓を損傷させる可能性があるため意識のない人・妊婦・乳幼児には絶対におこなわないでください。


3. 意識がはっきりしている・呼吸に問題がなければ、飲み込んだものを確認する(何を・どれくらい・いつ)

意識がはっきりしていて、窒息など呼吸状態に問題がない場合は以下の確認をおこないましょう。

  • 何を飲み込んだのか
  • どれくらい飲み込んだのか

「いつ」「どんなものを」「どれくらい」を確認する

状況を確認するときは以下の点を意識しましょう。

  • いつ:飲み込んでからどれくらいの時間が経過したのか
  • どんなものを:危険なものなのかそうでないのか
  • どれくらい:たくさん飲み込んでしまったのか

医療機関へ相談するときや、119番へ連絡するときなど、客観的に状況を判断するときにとても役に立ちます。

4.吐かせてはいけないものもあります。飲ませていい? 吐かせていい?の判断を

飲み込んだものによっては絶対に吐かせてはいけないもの、何も飲ませてはいけないものがあります。

薬品や薬を飲み込んでしまった場合はパッケージの成分表も確認しましょう。危険なものかどうか判断は難しいので医療機関へ相談しましょう。

異物を飲み込んだときの対処や吐かせてよいかの一覧表

異物を飲み込んだら:吐かせてはいけないものがあります

窒息状態にある場合は、原因となるものを取り除き呼吸ができるようにします。

窒息状態ではない場合には、必ず何を飲み込んだのかを確認しましょう。

飲食物ではないものを飲み込んだ場合、危険な症状や、飲み込んだとわかった時点で医療機関へ行くべきものがあります。

また、絶対に吐かせてはいけないもの、何も飲ませてはいけないものがあります。

飲み込んだ直後〜数十分で重篤な状態になることも

飲み込んだものによっては、直後から数十分の間に重篤な症状があらわれる場合があります。

家庭内で子どもが誤飲しやすく、特に危険なものには、漂白剤・トイレやパイプ用の洗剤・ボタン電池・複数の磁石などがあります。

一覧表から確認して、適切な対処がおこなえるようにしましょう。

赤ちゃんや小さな子どもが、飲食物ではないものを飲み込んだとき、焦りは禁物です。落ち着いて対処しましょう。

絶対に吐かせない・すぐに受診が必要なもの

異物

危険度

水分補給

対処

トイレ用洗浄剤

★★★

吐かせずにすぐ受診

塩素系漂白剤

★★★

吐かせずにすぐ受診

マニキュア・除光液

★★★

何も飲ませない。吐かせずにすぐ受診

ガソリン

★★★★

何も飲ませない。吐かせずにすぐ受診

※痛みや吐き気などの症状がある場合は水分は与えないでください。

※水分補給は必須ではなく、摂取後に嘔吐する可能性があることを知っておきましょう。

すぐに受診しなければならないもの

異物

危険度

水分補給

対処

ボタン電池

★★★★

すぐに受診

複数の磁石

★★★★

すぐに受診

クギ・画鋲など鋭利なもの

★★★

すぐに受診

タバコ

★★

すぐに受診

防虫剤

★★★

何も飲ませずすぐに受診

少量であればあまり心配しなくていいもの

異物

危険度

水分補給

対処

喉に引っかかった・取れない場合は受診。

クレヨン

様子をみて、吐き気や嘔吐の症状があれば受診。

ねんど

様子をみて、吐き気や嘔吐の症状があれば受診。小麦アレルギーで小麦ねんどを食べた場合はすぐに受診。

シャボン玉液

様子をみて、吐き気や嘔吐の症状があれば受診。

化粧水

様子をみて、吐き気や嘔吐の症状があれば受診。

クリーム・口紅

様子をみて、吐き気や嘔吐の症状があれば受診。

石鹸

様子をみて、吐き気や嘔吐の症状があれば受診。

シャンプー

様子をみて、吐き気や嘔吐、腹痛の症状があれば受診。

台所用洗剤

★★

口をすすいで様子を見る。吐き気や嘔吐の症状があれば受診。

芳香剤

様子をみて、吐き気や嘔吐の症状があれば受診。

シリカゲル

様子をみて、吐き気や嘔吐の症状があれば受診。


受診のときに医師へ伝える情報

受診の際は以下のように時系列で状況を伝えるとよいでしょう。

余裕があればメモなどを作成しておくとよりスムーズです。

  • いつ(誤飲・誤嚥してからの経過時間をできるだけ正確に伝えましょう)
  • 何を(商品でパッケージがあるときは持参しましょう)
  • どのくらい(例:タバコを3cm・10円玉くらいの大きさなど)
  • 症状があるか
  • 誤飲・誤嚥した後に飲みものを飲ませたか(飲ませてはいけないものがあるため)
  • 持病はあるか
  • 持病などで飲んでいる薬があるか
  • 症状に対して薬を服用したか→ある場合は薬品名(商品名)と服用時間
  • 周囲で感染症などが流行しているか

病院の持ち物リスト(優先順)

緊急時(救急車)も必ず持参

  • スマートフォン/携帯電話
  • 家族の連絡先がわかるもの
  • お財布
  • お薬手帳(持病がある場合は必ず)

持参が必要

  • 保険証
  • 医療証
  • 診察券

※保険証・医療証が無いと、費用が一時的に10割負担となることがあります

子どもに必要

子どもは下記も準備しましょう。

  • 着替え
  • おむつ
  • おしりふき
  • ビニール袋2−3枚
  • 大きめのタオル(フェイスタオル等)

予防するために知っておこう。誤飲と誤嚥の違い、詰まりやすい食べもの、子どもの口の大きさ

誤飲と誤嚥は入る場所が違う

誤飲と誤嚥、どちらも誤って飲み込んでしまうことを言います。

誤飲は誤って飲み込んだものが食道へ入ること、誤嚥は誤って飲み込んだものが気道へ入ることです。

食べものや飲みものを誤嚥(ごえん)したときは吐かせる

異物を飲み込んだ場合、吐かせてはいけないものもあります。

一方で、食べものや飲みものを誤嚥したときに吐かせることは危険ではありません

食事中など、食べものを口にしていてむせ込みがみられた場合、誤嚥している可能性が高いです。

症状がみられたら吐かせましょう

健康な成人は、少量であればむせ込むことで気道から誤嚥した異物を出すことができます。

しかし、気道から異物を出す力の弱い子どもや老人は、異物が気道へ入り込んだり、気道を塞いでしまうことがあります。

窒息した場合にはすぐに行動

気道にものがつまることで窒息が起こります。

窒息の状態が続くと息ができないため、心停止につながる可能性が高いです。

患者に意識がある状態なら背部叩打法や腹部突き上げ法ですぐに対処ができます。

対処法をおこななっても状態が変わらない・意識がない場合は119番へ連絡する必要があります。

落ち着いて状況の確認をし、すぐに行動を起こせるようにしましょう。

誤嚥しやすい食べもの

丸くてツルッとしているもの

ミニトマト・ぶどう・さくらんぼ・ピーナッツ・丸いチーズ・うずらの卵・白玉団子・アメ・ラムネ・ソーセージ・こんにゃく

粘着性が高く飲み込みにくいもの

餅・パン類・ごはん

固くて噛み切りにくいもの

りんご・イカ・タコ・貝類

誤嚥により窒息を起こしやすい形状の食べものは、小さく切るなどして形を工夫する必要があります。

形状だけでなく、誤嚥する可能性がある年齢では一人で食事をさせないことや、歩き回ったり走ったりしながら食事をしないように目を配る必要もあります。

赤ちゃんや子どもが異物を口にしないための予防策

3歳ほどの子どもは口の大きさが直径39mmです。これは、トイレットペーパーの芯と同じくらいの大きさです。

そのためトイレットペーパーの芯に入るものは、口の中に入るということです。

赤ちゃんや子どもが興味を示しそうで、39mm以下のものは保管場所に注意しましょう。

1m以上の高さなど、手が届かない場所で管理することで誤飲を予防できます。

誤飲・誤嚥が関連する病気

誤嚥により引き起こされる可能性のある病気

  • 誤嚥性肺炎
  • 科学性肺炎
  • 急性胃炎

緊急で受診したいときに備えておくと便利なこと

近隣の病院を確認しておく

近隣の病院や診療時間を確認しておきましょう

タクシー会社の連絡先を確認しておく

自分や家族が体調不良のときは運転を避けましょう。運転に気を取られ子どもの体調変化を見落としてしまったり、普段より慌ててしまい、事故につながるリスクもあります。こうした事態を防ぐためにも、体調不良時に備えてタクシーの連絡先を確認しておきましょう。

緊急連絡先を確認しておく

勤務先や学校、幼稚園など緊急時の連絡先を確認しておきましょう。

受診に必要なものの場所を決めておく

保険証や診察券、お薬手帳、医療証、母子手帳などの置き場所を決めておき、すぐに持ち出せるよう備えましょう。

「対処法を調べる」監修医師

監修医師

こうだたかゆき

神田貴行医師

日本小児科学会専門医/博士(医学)
島根大学医学部臨床教授
コンサータ登録医

鳥取大学医学部卒業後、小児科医として16年間病院勤務、11年間発達障害児対応クリニック院長を務めた。現在は小児科を中心にオンライン診療等を行うフリーランス医師としても活動中。

この記事は医師監修のもと、ファストドクター株式会社が制作しています。

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緊急度チェックについて

この緊急度チェックは総務省消防庁準拠の緊急度判定プロトコールに基づいて一般的に考える症状を表示しており、診断するものではありません。気になる症状がある場合にはご自身の判断で受診してください。

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