症状を調べる

やけどをした(熱傷)

の緊急度チェックと対処法、受診目安

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症状ごとの緊急度をチェック

オンライン診療で受診できるか、対面診察が必要かは、重い症状の有無で判断が可能です。

やけどの対処方法は?

1.やけどしたらすぐに冷やす。冷やし方に注意

やけどをしたら速やかに患部を冷やすことが大切です。以下の注意点を守り、流水で15分以上冷やしましょう。

やけどした部位に直接流水をかけない

シャワーや蛇口の流水を直接患部に当てないよう注意してください。
傷の少し上からかけ流すのがポイントです。
水圧でやけどした皮膚にさらに負担をかけないように、優しく冷やしましょう。

服を着ているときは脱がさず、服の上から流水をかける

服を脱がすときの摩擦により、やけどでふやけた皮膚がはがれることがあります。

冷やしている間に体温が下がりすぎないように注意

とくに小さな子どもの場合、冷やしすぎると低体温になる危険があります。冷やしていない部分はタオルなどで保温するなど、体全体が冷えないように注意しましょう。

2.やけどの状態や状況を確認する

応急手当として患部を冷やしながら、以下の観点で状態や状況を確認してください。

やけどの状態は?

確認すること チェックポイント
広さ

大体手のひら何個分くらいの広さか、

患者自身の手のひらの大きさを基準にする

深さ
  • やけどは皮膚の表面のみか
  • 水ぶくれ(水疱)はあるか
皮膚の色 赤い/白っぽい/黒くなっている

どんな状況でやけどした?

確認すること チェックポイント
原因 何でやけどしたか
例:やかん/ケトル/コーヒー
温度

どのくらいの温度だったか

どのように

頭からかぶった/腕にかかった

やけどの状態は、手元にスマートフォンがあればカメラで記録しておくとよいでしょう。
やけどは、時間が経ってから症状が悪化することもあります。

やけど直後は軽いと思っても、数時間から半日経ってから水ぶくれができたり、痛みが強くなることがあります

もし、後から症状が変わったり、心配になった場合は、医療機関を受診しましょう。

3.受診の目安を確認する

やけどが重症かどうかの判断は難しいです。
以下の受診目安を確認し、判断に迷う場合は医療機関を受診しましょう。

【対面で診察?救急車?オンライン診療?迷ったら】今の症状と適した受診先

受診が必要な症状について知っておきましょう。

緊急度チェックでは、症状に応じた受診先をすぐに判定できます。

判断に迷う時の相談先

119番(救急車)

以下の症状に一つでも当てはまる場合はすぐに119へ連絡しましょう。

  • やけどした皮膚の色が赤黒い/黒い/白い
  • 顔/頭/陰部のいずれかをやけどした(範囲に関わらず)

至急受診を

以下の症状がある場合は至急医療機関を受診しましょう。夜間には救急病院を受診してください。

  • 深さに関わらず、やけどした範囲が患者の手のひらより大きい
  • 手のひら以下の大きさ範囲だが、皮膚が赤い以外の症状、たとえば水ぶくれ(水疱)がある
  • 頭、顔、陰部のいずれかをやけどした

早めに受診を

以下の症状がみられ、気になる場合は医療機関へ相談してください。判断に迷う場合は、まずはオンライン診療で医師に相談することも可能です。

  • 手のひらの範囲を超えない、赤いやけど

受診するときのポイント

 

受診の際は以下のように時系列で状況を伝えるとよいでしょう。

余裕があればメモなどを作成しておくとよりスムーズです。

  • なにが(原因となったもの:やかん・ケトル・コーヒーなど)
  • どのくらいの温度で
  • どのように(頭からかぶった)
  • その後おこなった対処(流水で◯分冷やした・すぐに来院したなど)
  • 持病はあるか
  • 持病などで飲んでいる薬があるか

病院の持ち物リスト(優先順)

緊急時(救急車)も必ず持参

  • スマートフォン/携帯電話
  • 家族の連絡先がわかるもの
  • お財布
  • お薬手帳(持病がある場合は必ず)

持参が必要

  • 保険証
  • 医療証
  • 診察券

※保険証・医療証が無いと、費用が一時的に10割負担となることがあります

子どもに必要

子どもは下記も準備しましょう。

  • 着替え
  • おむつ
  • おしりふき
  • ビニール袋2−3枚
  • 大きめのタオル(フェイスタオル等)

知っておこう!やけどのポイント

やけどってどんな状態?

やけどとは熱によって皮膚の機能が障害された状態のことを言います。
皮膚の機能とは、主に以下があげられます。

  • 外部の刺激から体を守る機能
  • 体内の水分が失われるのを防ぐ機能
  • 体に菌が入り込まないようにするバリア機能

やけどが広範囲に及ぶと、これらの機能が障害され、体内のバランスが崩れたり、菌やウイルスから体を守れなくなってしまいます。

すぐに冷やす、やり方に注意

やけどをしたら重症度に関わらずすぐに冷やしましょう
十分に冷やすことで、症状の進行や痛みを軽減することができます。
ただし冷やし方には注意が必要です。
間違ったやり方だと熱でやわらかくなっている皮膚をはがしてしまう場合があるためです。

冷やすときの注意点

冷やすときには、以下に注意してください。

  • 服は脱がさない
  • 患部に直接流水を当てない
  • 15分以上冷やす

手のひらより広いやけどは病院へ

やけどの重症度は、深さと広さ、年齢などから総合的に判断します。
家庭でやけどをしたときは、受診の目安として以下の2点を覚えておきましょう。

  • 患者の手のひらの範囲を超えているやけど
  • 手のひらより小さくても、赤み以外の症状(水ぶくれなど)があるやけど

※やけどした本人の手のひらを基準にします。赤ちゃんがやけどした場合は、赤ちゃんの手のひらで範囲を判断しましょう。

知っておきたい豆知識

なぜ手のひらが基準なの?

人の手のひら1枚分の広さは、体全体の皮膚の面積(体表面積)の約1%に相当すると考えられています。

そのため、やけどの広さを確かめるときに、「手のひら何枚分くらいか」で体全体の何%を占めるのか、おおよその割合を知ることができます。

やけどの広さや深さによって、医療機関での治療や入院が必要かなどを判断します。

 

低温でも長時間接触することでやけどになる

45度以下の温度でも長時間接触すると、やけどが起こることがあります。

例えばカイロや湯たんぽが原因の低温やけどなどです

熱さに気付かず、長時間熱に接触してしまうと、深い傷になりやすく、専門的な治療が必要になる場合もあります。

とくに熱さを感じにくくなっている高齢者や、言葉で暑さを伝えられない乳幼児は注意が必要です。肌にふれるものに注意しましょう。

日焼けもやけどの一種

日焼けはやけどの一種です。
やけどをすると赤くなりヒリヒリするのが一般的な症状ですが、ひどい日焼けはむくんだり、水ぶくれができることもあります。

日焼けした場合も、やけどと同じようにしっかり冷やすことが大切です。

夏場の遊具による子どものやけどに注意

肌の露出が多くなる真夏は、遊具などにも注意が必要です。

夏場、金属製の遊具は太陽の熱で高温になり、70℃を超えることもあります。

遊具に直接肌がふれると危険なので、使用前には大人が温度を確認するなどの対策が必要です。

子どもは経験が乏しく、「遊具が熱い」と予測をすることが難しいため、やけどをしてから気がつくことがほとんどです。周囲の大人が予防できるように目を配りましょう。

やけどはどんな症状?

やけどの原因になりやすいもの

  • ポットのお湯
  • コーヒー・味噌汁・カップ麺
  • 炊飯器や加湿器の蒸気
  • 料理中の油
  • ヘアアイロン
  • 暖房器具
  • 湯たんぽ・カイロ・ホットカーペット

やけどの深さと症状の関係

分類 程度 見た目

症状

治癒・特徴
Ⅰ度 浅いやけど やけどしたところが赤くなる ヒリヒリする痛み。
周囲の皮膚と比べて熱をもつ
傷が残ることはほとんどなく1〜2週間で治ることが多い
Ⅱ度 中くらいのやけど 水ぶくれができる 浅いものと深いものがあり、それぞれ水ぶくれの見た目や痛みの感じ方が少し異なる -
Ⅲ度 深いやけど 赤黒い・黒い・白い 皮膚(3層から成る)が全て破壊された状態。
水ぶくれはできない
知覚も破壊されているため痛みを感じないことがある

やけどが関連する病気

やけど後に合併する場合のある病気

やけどが広範囲に及んだり、重症の場合に、以下のような合併症が起こる可能性があります

  • 感染症
  • 敗血症
  • 低体温
  • 瘢痕拘縮(はんこんこうしゅく)
  • ケロイド

やけどの予防法は?

家庭内の予防

子どもの手の届く範囲を確認する

子どもの手の届く範囲にやけどの原因となるようなものを置かないでください。

直接手が届かなくても、テーブルクロスなど滑りやすいものの上には、やけどの原因となるものを置かないよう意識しましょう。
たとえば、子どもがテーブルクロスの端を引っ張ることで落ちてくる可能性があります。

キッチンにはできるだけ子どもを入れない

キッチンにはやけどの原因となる火や、加熱された調理器具、家電などが多数あります。

一つひとつに注意することも大切ですが、キッチンに子どもを入れないように工夫すると、より安心です。

家電を選ぶなら
  • 電気ケトルやポットは、倒れても中身がこぼれにくいものを選びましょう
  • 加湿器や炊飯器は蒸気が出ない製品を選びましょう
  • 電源コードが磁石などで簡単に着脱できるものを選びましょう

屋外での予防

遊具で遊ぶときは大人が確認してから

真夏の遊具の温度は、金属性のものであれば70℃を超えることもあります。

必ず大人が安全性を確認してから遊ばせましょう。

緊急受診が必要になる前の備え~慌てないために~

近隣の病院を確認しておく

近隣の夜間・休日に対応している病院やかかりつけ医の診療時間を確認しておきましょう。

タクシー会社の連絡先を確認しておく

自分や家族が体調不良のときは運転を避けましょう

運転に気を取られ子どもの体調変化を見落としてしまったり、普段より慌ててしまい、事故につながるリスクもあります。

こうした事態を防ぐためにも、体調不良時に備えてタクシーの連絡先を確認しておきましょう。

緊急連絡先を確認しておく

勤務先や学校、幼稚園など緊急時の連絡先を確認しておきましょう。

受診に必要な物の場所を決めておく

保険証や診察券、お薬手帳、医療証、母子手帳などの置き場所を決めておき、すぐに持ち出せるよう備えましょう

「対処法を調べる」監修医師

監修医師

こうだたかゆき

神田貴行医師

日本小児科学会専門医/博士(医学)
島根大学医学部臨床教授
コンサータ登録医

鳥取大学医学部卒業後、小児科医として16年間病院勤務、11年間発達障害児対応クリニック院長を務めた。現在は小児科を中心にオンライン診療等を行うフリーランス医師としても活動中。

この記事は医師監修のもと、ファストドクター株式会社が制作しています。

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この緊急度チェックは総務省消防庁準拠の緊急度判定プロトコールに基づいて一般的に考える症状を表示しており、診断するものではありません。気になる症状がある場合にはご自身の判断で受診してください。

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