知っておこう!湿疹・じんましん3つのポイント
湿疹とじんましんは違う
湿疹とじんましんはいずれも皮膚に炎症が起きる状態を言いますが、同じではありません。
違いを簡単に言うと、皮膚の表面に炎症が起きるのが湿疹、皮膚の下で炎症が起きるのがじんましんです。
湿疹は塗り薬、じんましんは飲み薬で治療することができます。
また、どちらも主な症状は赤みとかゆみで、見た目はじんましんの方が膨らみがあり、数時間で消えるという特徴があります。
湿疹やじんましんが出た時には、スマートフォンなどで写真を撮影しておくと医師の診察の時に役立ちます。
自己判断より皮膚科を受診
皮膚の症状が気になったら、自己判断で市販薬を使用することは避け、皮膚科を受診してください。子どもの場合は小児科でもよいでしょう。
皮膚症状は判別が難しく、どの薬を使用すればいいのか判断に迷うこともあるでしょう。
治療薬のうち、軟膏だけでもたくさんの種類があります。
自分の症状に合わない市販薬を使用することで症状を悪化させてしまうこともあるため、医師の診察を受けましょう。
他の症状がある場合は要注意
湿疹やじんましんなどの皮膚症状と他の症状が同時にあらわれている場合は注意が必要です。
熱が伴う場合、ウイルスや細菌感染が原因として考えられます。ウイルスや細菌感染が原因の病気には、効果の高い薬がある場合もあります。
喉の腫れや呼吸がしづらいといった症状が伴う時は、命に関わる場合があります。症状がある場合は速やかに受診をしましょう。
知っておきたい豆知識
皮膚症状の見極めよりもまずは診察を
湿疹とじんましんの違いを見分けることは難しいです。
そのため、皮膚に湿疹やじんましんのような症状があり、発熱やのどの腫れ、呼吸がしづらいなどの症状がある場合は速やかに診察を受けてください。湿疹・じんましんはどんな症状?
原因
- アレルギー反応
- 刺激(寒暖差、摩擦、圧迫、紫外線など)
- 感染症
- ストレス
- 疲労
湿疹・じんましんの症状
皮膚の表面に炎症が起きるのが湿疹、皮膚の下で炎症が起きるのがじんましんです。
じんましんの症状
じんましんは、皮膚の下で炎症が起きている状態で、以下の症状が生じます。
- 皮膚に赤く盛り上がった発疹ができる
- かゆみ
- 数十分〜数時間で治る
湿疹の症状
発疹は、皮膚の表面に炎症が起きている状態で、以下の症状が生じます。
- 皮膚に赤い発疹ができる
- 皮膚がカサカサする
- かゆみ
湿疹・じんましんが関連する病気
発熱を伴うことが多い病気
- ウイルス性発疹症
- 溶連菌感染症
- マイコプラズマ感染症
- 風しん
アレルギー
- 食物アレルギー
- 薬疹
- アトピー性皮膚炎
乳幼児に多い病気
- 乳児湿疹
ここで紹介する病気は、かゆみを伴うものや、赤いブツブツが出るものを含んでいます。ただし、病気によって症状の現れ方や原因は異なります。発疹やじんましんは見分けが難しいこともあるため、気になる場合は早めに医師へ相談しましょう。
湿疹・じんましんの対処方法は?
食後に現れたらアレルギーの可能性も
食後、皮膚に赤いポツポツが生じたら、食物アレルギーの可能性があります。
食物アレルギーは急速に進行する場合があり、早ければ数分~数時間で重篤な症状につながることがあります。
無理に吐かせたり、飲み物で流し込むなど自己判断での対処は治療を難しくする場合があるため避け、速やかに医療機関を受診しましょう。
かゆくても掻かない
湿疹・じんましんはともに皮膚が炎症している状態です。
なるべく掻かないようにしましょう。
搔くことで皮膚の表面が傷つき、バリア機能が低下し、傷から細菌感染が起きることもあります。
他にも搔いたことで症状が悪化しとびひにつながる、治りにくくなる、跡が残ってしまうなどのリスクも。
かゆみがひどい場合は受診しましょう。
写真で記録する
皮膚症状は数時間で変化することがあります。
特にじんましんは時間が経つと消えてしまうため、スマートフォンなどで写真を残しておくと医師の診察で役立ちます。
知っておきたい豆知識
写真記録のポイント
写真を撮る際は、同じ条件で記録すると比較しやすくなります。撮影する場所や照明、角度なども揃えるとよいです。
赤ちゃんの肌トラブルと対処
赤ちゃんの肌はとてもデリケートです。
皮膚のバリア機能が未熟で傷つきやすく、水分を貯めておく機能も未熟で、乾燥しやすい傾向にあります。
そのため、さまざまな肌トラブルが起こりやすいです。
代表的なものとして乳児湿疹やおむつトラブルが挙げられます。
乳児湿疹
乳児湿疹とは
生後2週間から1歳頃までの赤ちゃんにみられる湿疹の総称です。
皮膚のバリア機能が未熟な赤ちゃんの肌は特にデリケートなので、自己判断で薬を使用したりせず、医療機関を受診しましょう。
生後3ヶ月までの症状
生後3ヶ月までは、お母さんのお腹にいた時にへその緒を通じて伝わった女性ホルモンの影響で皮脂の分泌が促されています。
このことから、新生児ニキビや脂漏性湿疹が起こりやすいです。
生後3ヶ月以降の症状
生後3ヶ月以降は皮脂の分泌が少なくなるため、乾燥による皮膚トラブルが増えてきます。
衣服のこすれやオムツによるかぶれ、よだれによる口周りのかぶれなどが挙げられます。
赤ちゃんの成長に伴い原因は変化するものの、皮膚のバリア機能が備わる1歳頃までは皮膚トラブルが続く可能性があります。
おむつトラブル
おむつトラブルは、刺激や乾燥に弱い赤ちゃんの肌が、紙おむつの蒸れやすい環境でおしっこやうんちに密着することで起こります。
赤ちゃんのデリケートな肌を守るためには、十分な保湿と、刺激を可能な限り減らすことが大切です。
【対面で診察?救急車?オンライン診療?迷ったら】今の症状と適した受診先
受診が必要な症状について知っておきましょう。
緊急度チェックでは、症状に応じた受診先をすぐに判定できます。
判断に迷う時の相談先
- 緊急度チェックで症状に応じた受診先を判定
- #7119や♯8000(子ども)へ電話
- オンライン診療(24時間対応)で医師に相談
119番(救急車)
湿疹・じんましんに伴い以下の症状が一つでも当てはまる場合はすぐに119へ連絡しましょう。
- 呼吸がしづらい
- めまいやふらつきがある
- 激しい動悸がある
- 激しい腹痛や嘔吐がある
- 全身に発疹やかゆみがある
子どもの場合は上記のほか、湿疹・じんましんに伴い以下の症状が一つでも当てはまる場合はすぐに119へ連絡しましょう
- 苦しそう
- 不機嫌が続く
- 走った後のように肩で息をしている
- 息を吸うとき鼻の穴が開いている
- 息を吸うとき胸がへこむ
至急受診を
湿疹・じんましんに伴い以下の症状がある場合はすぐに医療機関を受診しましょう。昼夜を問わず救急外来を受診するとよいでしょう。
- 喉の腫れ
- 喉に違和感がある
受診が必要
湿疹・じんましんに伴い以下の症状がある場合は病院が空いている時間に皮膚科を受診しましょう。
- 発熱がある
- 症状がつらい
- 症状が長引く
- 頻繁に起こるじんましん
判断に迷う場合はオンラインで医師の診察を受けることが可能です。
子どもの体調不良、どう判断する?
特に5歳以下の子どもは自分の体に起こっている症状を正確に伝えることが難しいです。
また、何度も同じ質問をされると質問に対する答えが変化する場合もあるため、本人の言葉だけで状態を判断することは避けましょう。
体調不良や、喉が痛い・頭が痛い・鼻が詰まるなどの不快な症状を不機嫌で表現している場合が多いです。朝に「今日は機嫌が悪いな」と思っていたら夕方になって熱が出たというケースはよくあります。
そのため、親からみて「何か変だな?」「いつもと違う?」という様子が続く場合は医師へ相談してみましょう。
「こんなことで受診していいのかな?」「家庭の事情でなかなか受診できない」というときには、オンライン診療もおすすめです。
病院の持ち物リスト(優先順)
緊急時(救急車)も必ず持参
- スマートフォン/携帯電話
- 家族の連絡先がわかるもの
- お財布
- お薬手帳(持病がある場合は必ず)
持参が必要
- 保険証
- 医療証
- 診察券
※保険証・医療証が無いと、費用が一時的に10割負担となることがあります
子どもに必要
子どもは下記も準備しましょう。
- 着替え
- おむつ
- おしりふき
- ビニール袋2−3枚
- 大きめのタオル(フェイスタオル等)
症状が出る前に備えられること
家庭内感染対策の準備
家族が感染した時を想定し、感染した人と他の家族の生活空間を分けられるように備えましょう。
可能であれば個室で過ごしてもらうことが望ましいです。
また、感染対策に必要な備品を事前にストックしておくと便利です。
必要品の例
マスク、消毒用アルコール
近隣の病院を確認しておく
近隣の夜間・休日に対応している病院やかかりつけ医の診療時間を確認しておきましょう。
タクシー会社の連絡先を確認しておく
自分や家族が体調不良のときは運転を避けましょう。
運転に気を取られ子どもの体調変化を見落としてしまったり、普段より慌ててしまい、事故につながるリスクもあります。
こうした事態を防ぐためにも、体調不良時に備えてタクシーの連絡先を確認しておきましょう。
緊急連絡先を確認しておく
勤務先や学校、幼稚園など緊急時の連絡先を確認しておきましょう。
受診に必要な物の場所を決めておく
保険証や診察券、お薬手帳、医療証、母子手帳などの置き場所を決めておき、すぐに持ち出せるよう備えましょう。