2024.11.28
ファストドクター株式会社(本社:東京都渋谷区 代表取締役:菊池 亮(医師)、水野 敬志)と提携医療機関は、子どもの発達障害に関する診療待機が長期化している現状を踏まえ、オンラインでの相談・診断が可能なサービス「小児発達オンライン」を2024年12月2日より開始いたします。 本サービスは、発達障害が疑われる、またはすでに診断を受けた3歳から18歳までの子どもを対象として、オンラインでの重症度判定(トリアージ)と初期治療を提供し、必要な方には適切に対面診療を受けられる支援を行います。
(1) 子どもの発達障害の増加
近年、子どものメンタルヘルス課題は増加傾向にあり、児童精神科の需要は急増しています。特に自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如・多動症(ADHD)などの発達障害の可能性があり、特別な教育的支援を必要とする児童生徒の割合は11人に1人※1にのぼることや、外来患者の約半数※2を占めることが専門機関によって報告されています。
※1「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査」(文部科学省)https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/2022/1421569_00005.htm
※2「全国児童青年精神科医療施設協議会38医療施設 外来統計」(全国児童青年精神科医療施設協議会)https://jccami.jp/login/toukei/
(2) 長期化する初診待機
こうした背景から近年、児童精神科への受診はますます困難さを増しています。各医療機関は初診待機解消のために多くの工夫をしていますが、初診の待機日数は全国平均で3ヶ月、地域によっては1年以上を要します※3。こうしたアクセスの制約は、症状の重症化や問題の複雑化、さらには家庭環境の悪化など、子どもやその家族に深刻な影響を及ぼしています。
※3 発達障害児者の初診待機等の医療的な課題と対応に関する調査(厚生労働省) https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/000654179.pdf
(3) 児童精神科の不足
一方で、児童精神科医療の提供体制は深刻な不足が続いています。国立成育医療研究センターが行ったアンケート調査によると、児童思春期精神疾患の診療を行っていると回答があった医療施設は全国で753施設と報告※4されており、受診可能な医療機関が少ない現状がうかがえます。また、これらの施設の約3割が関東地方に所在していることからも、地域間の格差が課題であることがわかります。
※4「児童・思春期精神疾患の診療実態把握と連携推進のための研究」(国立研究開発法人 国立成育医療研究センター) https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/download_pdf/2021/202118024A.pdf
「小児発達オンライン」は、全国の3歳から18歳までで発達障害(ADHD、ASD、LDなど)が疑われる、または診断を受けたものの、専門医療機関への受診が難しい方に向けたオンライン診療サービスです。医師は必要なアセスメント期間を経て、診断や治療の必要性を慎重に判断します。そのうえで必要な場合は専門医療機関での診療や学習環境につながるよう支援します。また、必要に応じて公認心理師によるオンラインのカウンセリングサービスと組み合わせることで、スクリーニング検査や学習支援、ソーシャルスキルトレーニングなど、特性に合わせた支援を提供します。診療時間は子どもの学業や親の就業に支障をきたさないよう配慮し、平日夜間や休日など、通常の医療機関の対応が難しい時間帯を対象としています。
本サービスはオンライン診療を活用することで、「地理的・時間的な医療アクセスの制約」や「予約の取りにくさ」といった課題に対応するとともに、「ひきこもりによる外出困難」や「対面診療に恐怖感を抱える場合」など、様々な理由で受診が難しい子どもとその家族に対し、早期の重症度判定(トリアージ)と初期診断の機会を提供します。これにより初診待機の長期化による症状の悪化を防ぎながら、必要な患者が専門医療機関で適切な診療を受けられるよう支援します。
■ オンライン診療サービス(提携医療機関による保険診療)
※ 医師の判断のもと、必要に応じて心理カウンセラーによる検査や面談を受けていただくことを推奨する場合があります
■ オンラインカウンセリングサービス(臨床心理士への相談サービス)
※ 必要に応じて、検査結果をオンライン診療サービスの提携医療機関への情報連携を推奨する場合があります
■ ご利用URL
本サービスは、小児科・精神科における専門的な知識、豊富な経験を有する二名の医師に監修を受けながら運営・改善してまいります。
今後もファストドクターと提携医療機関は、平日日中の地域医療を担うかかりつけ医を支援するとともに、夜間や休日にはオンライン診療等を活用することで、24時間体制で地域の医療アクセスを支える仕組みの構築を推進します。これにより、地域医療の持続可能性を高めることに貢献してまいります。
【本件に関するお問合せ】
ファストドクター株式会社 広報 田島めぐみ
E-mail:[email protected]
Tel: 090-7843-9782
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