インフルエンザの前兆って?
インフルエンザの前兆には次のようなものがあります。
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関節や筋肉が痛む
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喉が渇く
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体が重く感じる、普段より疲れやすくなる
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食欲が落ちる
風邪の前触れにも似た違和感があらわれますが、インフルエンザ特有の全身の倦怠感や痛みの可能性もあります。「ただの風邪だから」など自己判断はせず、体調変化に注意しておきましょう。
咳や喉の痛み、悪寒、頭痛はインフルエンザの前兆ではなく、すでにインフルエンザの初期症状として発症しています。[1]
医療機関の受診など対応を変える必要があることを知っておいてください。
普通の風邪との違いは?
インフルエンザと普通の風邪は、咳や喉の痛み、頭痛、くしゃみなどの症状がみられる点では共通していますが、感染力や潜伏期間に違いがあります。[2]
以下の表で、インフルエンザと風邪の違いについて詳しく比較してみましょう。
インフルエンザ[3] |
普通の風邪 | |
原因 |
インフルエンザウイルス |
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症状 |
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感染力 |
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潜伏期間 |
1~2日と短く、症状が急に出る |
2~4日で徐々に症状があらわれる |
治療方法 |
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重症化のリスク |
高齢者や基礎疾患のある方、妊婦、乳幼児などは重症化のリスクがある |
重症化のリスクは低いが、高齢者や免疫力の低下した方は注意が必要 |
インフルエンザは急激に症状があらわれ、風邪と異なる症状の強さがあります。
関節や筋肉の痛みや倦怠感など全身症状があり突然の高熱が出た場合は、インフルエンザの可能性が高いです。
重症化するリスクもありますので、インフルエンザの診断が受けられる12時間を超えた段階で早めに正確な診断を受けましょう。
子どもがインフルエンザになる前兆は?
親が気づきやすい子どものインフルエンザ前兆の具体例は大きく分けて5つです。
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食欲が低下し、好きな食べ物でも食べたがらない
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「お腹が痛い」「頭が重い」など曖昧な不調を訴える
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機嫌が悪くなり、急に泣き出したり、イライラしやすくなる
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普段遊ぶ時間にぼんやりしたり、動きが鈍くなる
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いつもより早く寝たがる、昼間に寝てしまう
子どもは自分の体調の変化をうまく言葉にできないことが多いため、保護者が普段と違う様子に気づくことが重要です。
いつもと異なる様子がみられたら、インフルエンザの可能性を考え、早めに休ませるとともに症状が悪化しないか注意深く観察することが大切です。
そのほかに「寒がったり、布団や毛布を求めたりするようになる」「吐き気をもよおす」のはインフルエンザの初期症状の可能性もあるため、注意をしてあげましょう。
インフルエンザの前兆かもしれないときにできる対策3選
インフルエンザの前兆を感じたときには、症状の悪化を防ぐために早めの対応が重要です。
前兆があらわれたときにできる3つの対策を紹介します。
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自宅で安静にする
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市販薬を飲む
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早めに医療機関を受診する
普段の風邪症状があらわれたときや、インフルエンザが発症したときにもできる対策方法です。
インフルエンザの発症を完全に防ぐことはできませんが、症状を軽減したり、周囲への感染を防いだりできます。
自宅で安静にする
インフルエンザは感染初期から体力を大きく消耗し、免疫力が低下しやすいため、無理に活動することで体調がさらに悪化しやすくなります。
免疫細胞は36.5℃で正常に働き、体温が1℃上がると免疫力が最大5~6倍高くなるといわれています。[4]
インフルエンザの前兆かもしれないと思ったときは、症状の悪化を防ぐために部屋を暖かくし、温かい食事や飲み物で体を温めることで免疫力を高めましょう。
十分な睡眠もインフルエンザウイルスに対する免疫力を高めるために効果的です。
眠ることによって体の修復機能が働き、ウイルスと戦う力が高まります。
普段よりも多めに睡眠時間を確保し、体力を取り戻すことを心がけてください。
インフルエンザに感染すると汗や呼吸で通常より多くの水分が失われるため、体を乾燥させないようこまめに水分をとることが重要です。
市販薬を飲む
インフルエンザの前兆として風邪のような違和感がある場合、市販薬を服用することで症状を軽減できる可能性があります。インフルエンザの前兆に服用できる市販薬の一例を紹介します。
市販薬名 |
主な成分 |
特徴 |
注意点 |
パブロンS |
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眠気が出る可能性がある |
新ルル-A錠s |
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鼻水・くしゃみに加えて咳、発熱に効果がある |
便秘と眠気に注意が必要 |
市販薬はあくまで症状を和らげるためのもので、インフルエンザの根本的な治療にはなりません。
服用しても症状が改善しない・悪化する場合や38℃以上の熱が出た場合には、速やかに医療機関を受診してください。
また、現在の薬との飲み合わせなどの理由で飲めない場合や、インフルエンザの場合には飲んではいけない風邪薬もあるため、必ず薬剤師や登録販売者に相談をしましょう。
早めに医療機関を受診する
インフルエンザの前兆がある場合、必要に応じて早期に医療機関を受診することも検討しましょう。
なぜ「必要に応じて」なのかというと、インフルエンザは発熱後12時間を超えないと診断できないからです。
しかし、受診することで他の病気のチェックや症状を軽減する薬を処方してもらえるため、重症化のリスクを下げられます。
家族や周囲にインフルエンザにかかった人がいる場合は、感染予防のために医師に相談して、抗インフルエンザ薬の予防投与を受けることもできます。
とくに高齢者や持病のある方は、インフルエンザに感染すると重症化するリスクが高く、感染が疑われる場合には早めの受診がおすすめです。
インフルエンザの前兆から悪化を防ぐには?
手洗い・うがいの徹底やマスクの着用をおこない、インフルエンザの感染経路を断つことが大切です。喉が渇く、食欲が落ちたなどの前兆があらわれた場合、念入りに対策することで悪化を防げます。
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手洗いやうがいを徹底する
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マスクを着用し、飛沫感染を防ぐ
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栄養バランスのとれた食事を食べる
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十分な睡眠をとることで、免疫力を維持する
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部屋の湿度を50〜60%に保つ
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定期的に換気をおこなう
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毎年インフルエンザ予防接種を受ける
とくに湿度の管理は重要で、インフルエンザウイルスは乾燥した環境で活発化する性質があります。
冬場は暖房を使用するため室内が乾燥しがちです。加湿器や濡れタオルを使って湿度を50〜60%に保ちましょう。[6]
喉や鼻の粘膜が乾燥から守られ、ウイルスが体内に入りにくくなります。
また高齢者は免疫力が低下しがちで、インフルエンザに感染すると重症化しやすいです。
予防接種や規則正しい生活習慣の維持とともに、できる限りマスクを着用してうつる確率を下げましょう。[7]
インフルエンザワクチンはインフルエンザの流行タイプを予測して製造されるため、ワクチンと流行のタイプが違う場合があります。[3]
インフルエンザがワクチンと違うタイプが流行した場合でも、重症化を防ぐ効果が期待できるため毎年のワクチン接種をおすすめします。
まとめ
寒い季節に流行するインフルエンザに備えるためには、早めに前兆を知って対策することが重要です。
インフルエンザは風邪とは違って、筋肉痛や全身のだるさ、高い熱など、強い症状が出やすいのが特徴です。
前兆を感じたときは、無理をせずに休み、水分をしっかりとり、いつもより多めに寝ることを心がけましょう。
対症療法として市販薬の服用もよいですが、症状がひどくなる・38℃以上の熱が出た場合は早めに医療機関にかかりましょう。
手洗い・うがい、マスクの着用、室内の加湿などの基本的な予防策を習慣にすることで、感染のリスクが減らせます。
自分や家族を守るためにも、予防接種や健康管理をしっかりおこないましょう。
症状がつらくなったときに病院が休みだったらどこを頼ればよいのか困ってしまいますよね。
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参考文献
[4] 免疫力アップには体温アップが効果的|公立学校共済組合
本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。
具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。