デエビゴ(レンボレキサント)を飲むのが怖いのは副作用のせい?服用時の対処法について紹介

公開日: 2025/10/02 更新日: 2025/10/02
眠れないつらさからデエビゴを処方されたものの「悪夢を見ることがあるらしい」「副作用が怖い」と、不安を抱えている方もいるでしょう。 デエビゴは「オレキシン受容体拮抗薬」というタイプの睡眠薬で、脳を起きている状態に保つ「オレキシン」を、デエビゴがブロックすることで自然に近い眠りに誘導します。 新しい薬であるため情報が少なく、インターネット上の体験談を目にして「怖い」と感じてしまうのも当然です。 この記事では、デエビゴを「怖い」と感じる理由から、副作用や効果、対処法まで解説します。 どのような副作用があり、どのくらいの頻度で起こるのかを知っておけば、必要以上に怖がらずに向き合えます。 不安を抱えたままにせず、正しい知識を得て安心できる服用につなげていきましょう。
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目次

デエビゴ(レンボレキサント)を飲むのが怖いと感じてしまうのはなぜ?

デエビゴが「怖い」といわれる理由のひとつが、悪夢(怖い夢)を見やすいという報告があることです。

デエビゴによって悪夢を見やすいのは、新しい薬であるデエビゴにからだが慣れていないことや、夢を見る段階の「レム睡眠」にデエビゴが影響を与えることが原因と考えられています。[1][2]

悪夢を見ると「薬が合わないのではないか」「危険なのではないか」と不安になりがちですが、必ずしも全ての人に起こるわけではありません。

多くの人は問題なく眠れており悪夢の出現には個人差があるため、過度に心配する必要もないでしょう。

悪夢(怖い夢)の発現率とは

薬の効果や安全性を確認する臨床試験では、異常な夢・悪夢が副作用としてあらわれたのは1~3%と報告されています。[3]

デエビゴで悪夢が起こる可能性はあるものの頻度は低く、医師からも「様子を見ましょう」と言われることが多い傾向です。

デエビゴを服用することで悪夢(怖い夢)を見る理由

デエビゴを服用すると夢を見る眠り(レム睡眠)に影響して「夢の内容を鮮明に残りやすくなる」ことがあり、悪夢のように感じられます。[1]

薬そのものが怖い夢を作り出すわけではなく、眠りの質や夢を覚えている度合いに変化が出ることが原因と考えられます。

「怖い夢が続いた」という人もいる一方で「ぐっすり眠れた」と感じる人も多いです。

反応には個人差があるため必要以上に不安にならず、自分の体調や睡眠の質を観察しながら付き合っていくことが大切です。

デエビゴによる「悪夢(怖い夢)を見る」以外の副作用について

デエビゴには悪夢以外に、日中の眠気やだるさなど、さまざまな副作用が報告されています。

デエビゴの副作用

あらわれた割合

傾眠(日中の眠気)

10.7%

頭痛

4.2%

倦怠感(だるさ)

3.1%

浮動性めまい

1~3%未満

睡眠時麻痺(金縛り)

悪心(吐き気)

悪夢・異常な夢

体重増加

参考:医薬品インタビューフォーム[3]

からだがデエビゴに順応していく過程で、症状が軽くなることもあります。服用を続けていて気になる症状がある場合は医師に相談しましょう。

太りやすいことについて

デエビゴの副作用のひとつに「体重増加」とあるものの、薬との直接的な関係性は明らかになっていません。

可能性として考えられているのは、デエビゴをはじめとした睡眠薬の影響による食欲や代謝の変化です。

<体重増加につながる可能性のある睡眠薬の影響>

  • 日中の活動量の減少

  • 間食の増加

  • 代謝の低下

全ての人の体重が増えるわけではありませんが、体重の変化が気になる場合は食事のバランスや軽い運動を意識し、無理のない範囲で生活を整えるとよいでしょう。

金縛りについて

デエビゴの副作用として、まれに金縛り(睡眠時麻痺)が起こります。金縛りは、からだが一時的に動かなくなる現象で眠りにつくときに起こりやすいです。[2]

目が覚めているように感じていても、実際は眠っている状態でからだが動かないため「怖い」と感じる人もいます。

デエビゴ服用による金縛り出現の頻度は低く、一時的なもので命に関わることはありません。

不安が強い場合やくり返し起こる場合には、医師に相談して薬の量や服用方法を調整してもらいましょう。

関連記事:デエビゴ(レンボレキサント)で金縛りはよく起こる?発現確率や対処法について解説

デエビゴの実際の効果

デエビゴの臨床試験の結果では、入眠のしやすさ(寝つきの改善)と睡眠の持続時間(途中で目が覚めにくいこと)の両方に、効果を示すことが確認されています。[4]

従来の薬と比べても自然な眠りに近い形で睡眠をサポートでき、依存性も低く長期的な使用が可能であることが特徴です。

更年期の女性におけるホルモンバランスの変化による不眠症にも、デエビゴの有効性が報告されています。[5]

更年期世代にあたる女性で不眠にお悩みの方は「年齢のせいかな」と諦めるのではなく、一度医師に相談してみるとよいかもしれません。

関連記事:デエビゴ(レンボレキサント)の効果はどのようなもの?内服する際の注意事項に関しても解説。

何時間眠れるのか

デエビゴの効果でおよそ6〜8時間の睡眠時間を確保できるといわれています。

ただしデエビゴは「強制的に何時間眠るようにする」という薬ではなく、自然な眠りのサポートが目的です。

薬の効果をより実感するためには、生活習慣や環境を整えることも欠かせません。

  • 起床後30分以内に太陽光を浴びる

  • ウォーキングやストレッチなどの軽い運動を日中に取り入れる

  • 午後はカフェイン・刺激物を避ける

  • 夕食は就寝2~3時間前までに済ませる

薬と生活環境の工夫を組み合わせることで、より安定した眠りにつながりやすくなります。

「デエビゴは危険性がある」と思われているが実際はどうなのか

デエビゴは、従来のベンゾジアゼピン系睡眠薬と比べて依存性が低いとされています。

副作用が出る可能性はありますが、重い副作用が起こるのはまれで「危険な薬」という表現は正しくありません。

デエビゴについて「危険なのでは?」と感じる人が多いのは、まだ新しい薬で情報が少なく、副作用として悪夢や金縛りなどが取り上げられやすいことが関係していると考えられます。

「睡眠薬=依存してやめられなくなる」というイメージが根強いことも、不安につながっているひとつの要因かもしれません。

過度に「危険な薬」と心配する必要は ありませんが、薬に関して心配なことは医師に相談し、安心できる服薬につなげましょう。

デエビゴの悪夢へはどう対応すべきか

デエビゴを飲んで悪夢を見ることがあっても、特別な治療や危険な副作用への対応が必要になるわけではありません。

多くの場合は一時的なもので、服用を続けても自然に落ち着いていくケースもあります。

ただし「怖い夢が続いて眠れない」「日中の生活に支障がある」と感じる場合は、自己判断で中止せずに医師に相談しましょう。

用量を調整したり、別の薬に切り替えたりといった方法が検討されます。

自分でできる工夫として、以下のような睡眠の質を高める方法も有効です。

  • 寝る30分前にはスマートフォンの使用を控える

  • 騒音を減らし、落ち着いた静かな環境をつくる

  • 深呼吸や軽いストレッチなど、就寝前にリラックスする

  • 就寝前の飲酒を控え、ノンアルコール飲料やハーブティーなどに置き換える

  • 就寝前に日記を書いて気持ちを整理する、好きな音楽を聴くなどストレスを溜めすぎないように工夫する

こうした生活習慣は中途覚醒の予防にもつながり、悪夢が気になりにくくなることが期待できます。

よくある質問

デエビゴの作用・副作用について、よくある質問にお答えします。

疑問を解消して、心から安心して服用したい方は、ぜひお役立てください。

デエビゴの危険性は?

デエビゴは正しく服用していれば、危険な薬ではありません。

「新しい薬でよくわからず怖い」と思われがちですが、従来の睡眠薬と比べて依存性が低いとされています。

副作用として眠気や頭痛、悪夢などが出ることはありますが、ほとんどの場合、重い副作用につながることはありません。

服用する上で何か心配なことがあれば、医師に相談しましょう。

怖い夢を見るときは服用を中止するべきですか?

自己判断で服用を中止するのは、おすすめできません。

医師の指示がなく急に服用をやめてしまうと、不眠の症状が再び強く出たり、かえって眠れなくなったりするリスクが考えられます。

薬によっては急に中止するとからだに負担がかかることもあり、デエビゴの場合でも「眠れない不安」が強まって悪循環になる恐れがあります。

怖い夢が続いてつらいときは、必ず医師に相談しましょう。

どうやったら悪夢を見なくなりますか?

特別な治療法はありませんが、睡眠の質を整えることが有効かもしれません。

手軽にすぐ始められる対策は、主治医に相談する、就寝前の飲酒を避ける、ストレスをやわらげる習慣を取り入れる、寝る前にリラックスする時間をつくるなどです。

眠りが浅くなる要因を減らすことで、悪夢を見にくくなることが期待できます。

まとめ|デエビゴで怖い夢を見て睡眠に支障が出るなら相談を

デエビゴは「怖い夢を見る」「副作用が不安」といわれがちですが、悪夢の発現率は低く、従来の睡眠薬より依存性も高くはありません。

怖い夢を見るのは薬が危険だからではなく、眠りのリズムに変化が起こるためと考えられています。

悪夢が続いてつらい、日常生活に影響していると感じるときは、自己判断で服用をやめるのではなく医師に相談してみてください。

正しい知識をもとに過度に怖がらず、必要なときには医師に相談しながら、少しずつ安心して眠りに向き合っていきましょう。

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参考文献

[1]オレキシン受容体拮抗薬の悪夢の発現についての検討|高塚 厚志

[2]デエビゴ適正使用ガイド|PMDA 医療用医薬品情報

[3]医薬品インタビューフォーム|日本病院薬剤師会

[4]新規オレキシン受容体拮抗薬レンボレキサント(デエビゴ錠®2.5 mg,5 mg,10 mg)の薬理効果と不眠症患者における臨床的有用性|古戎 道典ら

[5]更年期女性の不眠に対する治療―オレキシンの関与とオレキシン受容体拮抗薬の有用性―|寺内公一ら

本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。

具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。

症状に対する診断やお薬の処方、診断書や傷病手当金申請書の記載内容は医師の判断によります。

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