百日咳について
監修医師:神田貴行 先生(小児科医)
百日咳
ポイント
1
感染力が非常に強い
百日咳とは、百日咳菌という細菌に感染することで発症する呼吸器感染症です。非常に感染力の強い菌で、感染者1人が周囲に感染させる人数は16〜21人に及びます。インフルエンザの場合2〜3人なので、その感染力の強さが分かります。
感染経路
- 主に飛沫感染
- 一部に接触感染
潜伏期間
- 7〜10日
症状
- 熱はない
- 咳発作以外は症状があらわれない
ポイント
2
生後6か月未満の赤ちゃんは重症化リスクが高い
生後1歳未満の乳幼児、とくに3〜6か月の乳児や新生児が百日咳にかかると、気道が狭いことから呼吸不全に陥り呼吸停止を招く危険性があります。
また、肺炎や脳炎の合併症を引き起こす可能性もあるため、乳幼児の感染には注意が必要です。
ポイント
3
大人は風邪症状と見分けがつきにくい
その名の通り、咳症状が100日程度持続することから百日咳と呼ばれています。
大人は軽症であることが多く、初期症状は一般的な風邪とよく似ているため、百日咳だと気づかない場合が多くあります。
感染に気づかず過ごしてしまうと感染を広げてしまう可能性があります。周囲の赤ちゃんやこども、呼吸器系の基礎疾患がある人や高齢者はとくに重症化のリスクが高いです。
感染拡大を防ぐ目的でも、2週間以上続く咳、徐々に強くなる咳、長引く咳は早めの受診が必要です。
ポイント
4
予防接種で感染リスクを減らせる
日本では1950年から、百日咳ワクチンが任意で接種開始されました。
2024年からは五種混合ワクチン(百日咳・ジフテリア・破傷風・ポリオ・ヒブ)として接種が可能となっています。
予防接種の効果は3〜5年程度で徐々に弱まり、10〜12年後にはほとんどなくなるとされています。
新生児や乳幼児、免疫が低下している方や高齢者が身近にいる場合、周囲の人が予防接種を受けることが感染に弱い方を守ることにつながります。
百日咳もっと詳しく
症状の変化
- 風邪に似た症状
- 症状があらわれてからはじめの1〜2週間は感染力が最も強い時期
- 咳症状が徐々に強くなる
- 百日咳に特徴的な咳があらわれる
- 落ち着いてくる時期
百日咳の特徴的な咳
- 咳発作
激しくコンコンという咳が連続して起こった後、ヒューという音を伴いながら苦しそうに息を吸う
- 夜間に多く出る
- 咳発作以外は症状があらわれない
- 咳のし過ぎで嘔吐する
- クループ
ケンケン
- 喘鳴
ヒューヒュー・ゼイゼイ
現行の予防接種について
ワクチン名
5種混合ワクチン(百日咳・ポリオ・破傷風・ヒブ感染症・ジフテリア)
接種時期
生後2〜7か月までの間に、20日以上の間隔を開けて3回接種
百日咳(つらい咳)の対処
体勢を変える
咳がひどくて呼吸が苦しい、眠れない時は、体勢を変えると改善する場合があります。
横向きになったり、上半身を起こすことで呼吸が楽になり、咳の症状が和らぎます。
体を支えるためにクッションを使うとより快適です。
赤ちゃんやこどもは上半身を起こした姿勢で抱っこするのもよいでしょう。
のどや胸を温め気道を広げる
体の冷えは気道粘膜の刺激となり咳を誘発します。のどや胸を温めることで気道を広げ、咳の症状を和らげることができます。のどを冷やさず首元を温かく保ちましょう。
のどや胸を温めるために効果的な対策は…
- 寝る時は首元まで布団をかける
- 外出の際はネックウォーマーやストールを巻く
- 温かい飲み物を飲む
- 室内を20〜24℃に暖かく保つ
上記の対策は赤ちゃんや小さいこどもにはおこなわないでください。口元の近くに布があると、寝返りの際に窒息するリスクがあります。部屋を暖めるだけでも効果があります。
加湿をする
咳は乾燥により気道粘膜が刺激されることでも起こります。
一般的な最適湿度は50〜60%です。部屋を加湿し、湿度を一定に保つことで咳の症状の緩和を図りましょう。
入浴する
入浴は加温と加湿が一度に行えるため、咳に効果的です。熱やだるさがなければ湯舟に浸かり、入浴するとよいでしょう。
ただし、咳で体力を消耗している時は、さらに疲労が増す可能性があります。
長風呂や無理な入浴は控えましょう。
水分をとる
咳や咳に伴うのどの痛みを和らげるために水分をとることは効果的です。
水分をとることで、のどが潤い乾燥が抑えられるからです。また、痰(たん)が出ている場合、水分をとることで痰が出しやすくなります。
登園目安
百日咳は出席停止期間が設けられている病気です。百日咳特有の激しい咳が治まるまで、または5日間の抗菌治療が終了するまでは登園・登校ができません。
百日咳と診断されたら通園している施設へ報告するようにしましょう。
受診目安
119 救急車を要請
- 意識がはっきりしない
- 呼吸が苦しい
- 明らかに様子がおかしく自力での受診が難しい
- 唇が青白い、青紫色になっている
- 激しい痛みをともなう
救急車を検討・昼夜を問わず救急外来へ
- 「ケンケン」と犬の吠え声、オットセイの声に似た咳をしている(クループ)
- 安静にしているのに呼吸が速い
- 走った後のように肩で息をしている
- 呼吸をするとき鼻の穴がヒクヒクする
- 息を吸う時に胸がくぼむ
- 苦しくて横になれない
息苦しさがあればすぐに受診を
咳の期間や種類にかかわらず、苦しそうに咳をする、咳で顔が赤くなる場合はすぐに受診しましょう。
咳以外で痰に血が混ざる、高熱が続く場合も速やかに受診が必要です。
医療機関が開いている時間帯に速やかに受診
- 「ヒューヒュー・ゼイゼイ」と呼吸時に聞こえる
- 痰が絡むことで気持ち悪い、嘔吐した、食事や水分をとりたがらない、つらそう
- 息苦しい感じがある
- 2週間以上咳が続いている
- 2週間以上咳と微熱が続いている
- 朝と夜に咳がひどくなる
- 血の混じった咳が出る
- 咳で食事や睡眠が十分にとれてない
- 咳のしすぎで胸が痛い
百日咳が疑われる際は
オンライン診療で相談可能です
咳が長く続いているけど
これってただの風邪??
不安なとき
オンラインですぐに
医師に相談できます
百日咳の
オンライン診療に対応
24時間365日、全国エリアで対応
移動なし、自宅で受診
保険証・医療証が使えます
診察前に以下の注意事項をご確認ください
- オンライン診療で対応が難しいと医師が判断した場合、対面診療をご案内する場合もあります。(その場合、診察料は請求いたしません)
- お薬の処方は医師の判断によります。
- 全国エリアで対応していますが、医療機関がない離島在住の方はご利用になれません。
「対処法を調べる」監修医師

こうだたかゆき
神田貴行医師
日本小児科学会専門医/博士(医学)
島根大学医学部臨床教授
コンサータ登録医
鳥取大学医学部卒業後、小児科医として16年間病院勤務、11年間発達障害児対応クリニック院長を務めた。現在は小児科を中心にオンライン診療等を行うフリーランス医師としても活動中。
この記事は医師監修のもと、ファストドクター株式会社が制作しています。


