鋭いものでけがをしたときについて(切り傷)
監修医師:神田貴行 先生(小児科医)
切り傷の受診目安
けがをした直後に、以下のような状態であれば医療機関を受診しましょう。
医療機関が開いている時間帯に速やかに受診、夜間は救急外来へ
- 傷の範囲が広い
- 傷が深い(表面の皮膚以外にえぐれている部分がある)
- 小石やガラス片などの異物が傷に入り込んでいる
- 顔や頭の近くをけがした
- 関節付近をけがした
- 10分以上止血しても血が止まらない
けがをした直後は上記に当てはまらず、自宅で経過観察したあと、以下の症状があらわれた場合も医療機関を受診しましょう。
- 傷口に腫れ、赤み、痛み、熱を持っている、のいずれか2つの症状がある
- 傷口から膿が出ている
- 傷口がパンパンに腫れていて痛い
- どんどん痛みが強くなっている
- 傷の痛みとともに全身の発熱がある
- じわじわと出血が続く
切り傷の対処
①傷をよく洗い流す
感染を起こす可能性も
・感染を起こす可能性も
どんなに小さな傷口からでも、菌が侵入することにより、感染を起こす可能性があります。けがをした時は、必ず傷を洗い流すようにしましょう。
とくに、土や砂が付いている場合はしっかりと汚れを洗い流す必要があります。泡立てた石鹸を使用して、優しく洗うとより効果的です。
蛇口やシャワーからの流水で洗う
使用する水で望ましいのは、蛇口やシャワーからの流水です。
屋外などの場合は、未開封のペットボトルの水があれば使用しましょう。もし何もなければ清潔な布やおてふきなどで汚れを優しく拭き取りましょう。(ゴシゴシこすらないように注意)
飲みかけの飲み物や川の水は使用しないでください。かえって傷を感染させてしまう可能性があります。
②傷を確認する
傷を洗い流し汚れや血が落ちることで、傷口の様子が分かります。以下を確認しましょう。
深さ(えぐれている部分がないか)
傷が深い(表面の皮膚以外にえぐれている部分がある)場合は受診推奨
異物が入っていないか
小石やガラス片などの異物が傷に入り込んでいる場合は受診推奨
③止血
血が出ている場合は清潔な布などで押さえて(圧迫)止血しましょう。
心臓より高い位置で行うと効果的です。(こどもの場合は無理をせず、圧迫だけでもよいです。)
④ケガをした直後に消毒は行わない
消毒液は強い殺菌効果があるため、正常な細胞も傷つけてしまう場合があります。十分に洗浄が行えていれば、けがをした直後に消毒を行う必要はありません。
⑤傷口の保護
傷口をしっかりと洗えて、傷の中に異物がないことを確認できたら傷を保護しましょう。
傷の大きさに合った絆創膏やガーゼなどを選ぶようにしましょう。
切り傷もっと詳しく
切り傷にも種類がある
鋭いものでけがをした(切り傷)
切り傷とは、鋭利なもので皮膚や皮下組織が切断されることを言います。
切り口がはっきりしていて、直線や曲線状であるのが特徴です。
深さや長さによっては縫合や手術が必要となる場合があります。
ぶつけた衝撃で皮膚が裂けた(裂傷)
裂傷とは、何らかの力によって皮膚や組織が引き裂かれた状態のことを言います。
傷口がガタガタしていることが特徴です。
組織が裂けているため、切り傷よりも傷がくっつくまでに時間がかかったり、きれいにくっつきにくいことがあります。
破傷風や蜂窩織炎を起こす可能性がある
傷口から細菌が侵入することで感染を起こす可能性があります。中でも注意が必要なものは以下です。
破傷風
破傷風菌は土の中や動物の糞の中に存在しています。傷口から破傷風菌が侵入することで発症します。破傷風菌は神経に作用する毒を体内で生産するため、筋肉のこわばりや痙攣、重症化すると呼吸に影響を及ぼし、命に関わることもある感染症です。
感染予防として、1968年以降にはワクチンの定期接種が努力義務化されており、接種後は10年間効果が持続するとされています。
蜂窩織炎
傷口からレンサ球菌やブドウ球菌が侵入することで発症します。入院が必要となるほど重症化することもあります。
けがの傷は流水で洗い流しましょう
詳細は対処へ
主な関連する病気
けがによって感染する可能性のある病気
- 破傷風
- 蜂窩織炎
「対処法を調べる」監修医師

こうだたかゆき
神田貴行医師
日本小児科学会専門医/博士(医学)
島根大学医学部臨床教授
コンサータ登録医
鳥取大学医学部卒業後、小児科医として16年間病院勤務、11年間発達障害児対応クリニック院長を務めた。現在は小児科を中心にオンライン診療等を行うフリーランス医師としても活動中。
この記事は医師監修のもと、ファストドクター株式会社が制作しています。


