インフルエンザへの隔離期間:家庭内での感染予防は?いつから仕事・学校へ行ってもいいの?

公開日: 2023/12/16 更新日: 2024/09/29
インフルエンザはインフルエンザウイルスに感染することによって起こる病気ですが、普通の風邪とは違って高熱が出たり、ひどい倦怠感を感じたりして、症状の進行が急速に起こります。 インフルエンザは感染力が高いため、家族のうちの一人が感染したときに家庭内で感染が広がってしまうケースがよくあります。 特に小さな子供さんや高齢の方、基礎疾患をお持ちの方は重症化する恐れがありますので、より慎重に感染予防対策を行うことが重要です。 もし同居する家族がインフルエンザに感染してしまったときに、他の家族はどのようにして感染予防対策をとればよいのでしょうか? また、感染してしまった際の隔離期間はいつまで必要で、いつから学校や会社に行ってもよいのでしょうか? 今回の記事ではインフルエンザの隔離期間に焦点をあてて、感染してしまったときの対応や注意点について解説します。
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インフルエンザに隔離が必要な理由

インフルエンザの強い感染力

インフルエンザウイルスは、感染者の咳やくしゃみによる飛沫、ウイルスに汚染された物に触れた後に口や鼻を触ることですぐに他の人へ感染します。

このウイルスは空気中で長い時間生き残ることができ、特に閉鎖された空間や乾燥した環境ではその感染力が高まります。

感染力は症状が発現する前から始まり、成人では通常、症状発現後3~5日間、子供ではそれ以上の期間感染する力が維持されることが多いです。

冬になるとインフルエンザが流行っていますというようなニュースが流れることがありますが、この強い感染力が、感染拡大の原因です。そのため、より一層感染の予防と隔離が重要とされています。

インフルエンザの主な感染経路は2つ

インフルエンザの主な感染経路は2つあります。

1つ目は飛沫感染です。感染している人が咳やくしゃみをしたときに飛び出たしぶきは数メートル飛んでいきます。

そのしぶきに含まれるウイルスを吸い込んでしまうとインフルエンザに感染してしまいます。

2つ目は接触感染です。インフルエンザに感染している人の唾や鼻水にはたくさんのウイルスが含まれています。

感染している人が口や鼻を触ると、手にウイルスが付着します。その手で、ドアノブやスイッチを押すとウイルスが周りの物質へ付着してしまいます。

そのドアノブやスイッチをまた別の人が触れることでウイルスが他人へと感染してしまいます。

インフルエンザの隔離期間はいつまで?

インフルエンザに罹っている人は、症状が出る1日前から他の人に感染させる恐れがあり、症状出現後5-7日間は他の人へうつす可能性があると言われています。

その期間においても特に発症してから最初の3-4日間は、ウイルスを多量に排出しており最も感染力が強いと言われています。

家庭内で感染を広げないためには、感染している人とそれ以外の家族で部屋を分けることが感染予防になります。

感染している人が発熱や咳などの症状が出た日から最低でも3日間は隔離し、別々に過ごした方がいいと考えられます。

それ以降においても可能であれば発症後7日間程度は、不織布マスクを着用したり咳エチケットを励行したりして、周りの方へうつさないように対策を取りましょう。

小さな子供や高齢者、免疫力が低下している人ではウイルスを排除する能力が下がっています。

このため上記期間よりもより長い期間にわたってウイルスを排出している可能性がありますので、特に注意が必要です。

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いつから学校・会社に行ってもいい?

インフルエンザに感染した時の出席停止期間は、「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児においては3日)を経過するまで」と定められています。(学校保健安全法施行規則)

この基準は学校において使用されているものですが、社会人の方においても会社ではこの基準を適用していることが多いです。

登校や出勤が可能になるのは、

発症後1日目に解熱した場合には発症後6日目以降から

発症後2日目に解熱した場合には発症後6日目以降から

発症後3日目に解熱した場合には発症後6日目以降から

発症後4日目に解熱した場合には発症後7日目以降から

発症後5日目に解熱した場合には発症後8日目以降から

発症後6日目に解熱した場合には発症後9日目以降から

ということになります。

インフルエンザが治癒しており、他の人へ感染させてしまう恐れが低いという判断は、診察を担当した医師が患者の状態や症状の経過をみて総合的に判断します。

出勤や登校を再開するときにインフルエンザ抗原検査が陰性であるという検査結果は必要ではありません。

熱が下がり活気があって、筋肉痛や関節痛などの症状が消失、咳や痰の排出がなく感染力が低下していると総合的に判断できれば、上記期間とは関係なく出勤、登校は可能と考えられています。

家族がインフルエンザに!家庭内での感染予防対策はどうする?

一緒に暮らしている家族のうちの誰かがインフルエンザに感染してしまったとき、家庭内で飛沫感染を予防するためには感染している人はできるだけ不織布マスクを装着するようにしましょう。

咳やくしゃみが出そうなときには、ティッシュや手でしっかりと口と鼻を覆うようにして、できるだけ他の人がいない方向へ向かって発するようにしてください。

室内ではこまめに換気することが重要です。

台所や洗面所にある換気扇を使うと室温を下げることなく室内の空気を入れ替えることができます。

窓を開けて換気するときには2か所以上の窓を開放すると、有効な換気ができます。

2つ以上の窓を開けるのが難しいときには、扇風機を使って窓の外へ向けて回すと室内の空気が循環されます。

窓がない環境ではフィルター式の空気清浄機の使用を検討してみてください。

接触感染を予防するために最も大切なのは手洗いです。

感染している人は、鼻水や痰をティッシュでぬぐった後には、流水と石鹸でしっかりと手を洗いましょう。アルコール製剤による手指消毒もインフルエンザに対して効果があると言われています。

こまめに手指の消毒を行いましょう。

家族からインフルエンザをうつされないようにするためには、自身の健康管理を行うことが大切です。

免疫力が下がらないようにするために、しっかりと睡眠と食事をとってください。疲れている場合には無理をせず、十分な休養をとりましょう。

特に冬場は空気が乾燥しやすいですが、空気が乾燥すると気道表面の粘膜の防御機能が下がってしまいます。

するとインフルエンザなどのウイルスに感染しやすくなります。加湿器などを有効に使用して室内の湿度を50%以上に保つようにしましょう。

また、感染予防には毎年インフルエンザワクチンを接種することが大切です。まだワクチンを接種していないのであれば、ワクチン接種を検討してください。

まとめ

インフルエンザは毎年流行する感染症ですが、通常の感冒よりも重い症状が出て、重症化してしまう恐れがあります。

その強い感染力から、感染拡大の予防と隔離が重要とされています。

同居する家族が感染してしまった場合には、マスクを着用し室内の換気を心がけ、こまめな手洗いが大切です。

また、ワクチン接種も有効な予防対策です。とくにインフルエンザに感染してしまい発症した後、最初の3日間はウイルスを多量に排出し他人へ感染させる力が強いです。

可能であれば家庭内において、感染している人は他の家族とは別の部屋を使用して隔離するようにしましょう。

職場や学校においての出勤・出席停止期間については、「発症後5日間かつ解熱した後2日間を経過するまで」というのが一般的です。

この規則を参考にして、ご自身の症状の経過を見ながら、医師とも相談の上、出勤・出席開始時期を総合的に判断してください。

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参考文献

厚生労働省ホームページ 令和5年度インフルエンザQ&A
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/infulenza/QA2023.html

本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。

具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。

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