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インフルエンザの隔離期間は?
インフルエンザにかかって、最低でも3日間は隔離が必要です。インフルエンザは、発症して1日~3日が最も感染力の強い期間とされています。[1]
発症して3日間が経過しても、感染力がなくなったわけではありません。
体からウイルスを出している期間は7日間程のため、熱が下がっても咳やくしゃみなど症状が続く人は、マスクを着用するなど周りの人にうつさないよう注意しましょう。
家族と同居している方は、家庭内でインフルエンザが広がることを防ぐ必要があります。以下の表に、家庭内でインフルエンザを広げないポイントについてまとめました。
部屋をわけられる |
部屋をわけられない (小さな子どもや目が離せない家族の場合も同様) |
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インフルエンザウイルスはアルコール消毒に含まれるエタノールに弱い膜でおおわれているため、アルコール消毒が有効です。
アルコール消毒がスプレータイプのボトルに入っている場合にドアノブなどへ直接吹きつけると、ついているウイルスが飛び散るため、消毒液は1度ペーパーなどにつけてふき取りましょう。
窓を開ける換気は、冷暖房設備や加湿器を使いながらおこないますが、室温や湿度を保てないため空気清浄機の使用も1つの方法です。
空気清浄機を使用する際は、部屋の広さにあったものを選ぶようにしましょう。
小さな子どもや目を離せない家族がインフルエンザに感染した場合は、隔離の難しいケースがあります。
このようなケースでは、インフルエンザに感染していない人を隔離する逆隔離(ぎゃくかくり)の方法があります。以下の表に逆隔離(ぎゃくかくり)のポイントをまとめました。
逆隔離(ぎゃくかくり) | |
部屋からでるとき |
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部屋に入るとき |
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入浴、トイレ |
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インフルエンザは、感染力が強く予防対策をしないと一気に広がるため家庭内でも感染予防が重要です。隔離して満足するのではなく、感染者の症状が治るまでは感染予防対策を続けましょう。
インフルエンザの隔離期間が必要な理由
インフルエンザの隔離期間は、周りの人にうつすことを防ぐために必要です。家庭内だけでなく、職場や学校などでインフルエンザを広げないためにも潜伏期間や感染力のある期間を理解することが重要です。
またインフルエンザの初期症状についても理解しておくことで、初動が遅れずに早めに対処が可能となるでしょう。
インフルエンザの潜伏期間
インフルエンザにかかって、症状があらわれるまでの潜伏期間は1日~3日ほどです。[2]
潜伏期間のあと、38℃以上の高熱や全身のだるさ頭痛などの症状が突然あらわれ咳や鼻水が続き、1週間ほどで治まります。通常の風邪より全身症状が強い点が特徴のひとつです。
高齢者や妊娠中の人、年齢に関係なく以下のような病気のある人はインフルエンザが重症化する可能性もあります。
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喘息(ぜんそく)
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COPD(慢性閉塞性肺疾患)
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生まれつき心臓に病気がある
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心不全などの心疾患
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糖尿病
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腎臓の機能に異常のある人(腎不全)
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免疫がうまく働かない(自己免疫疾患 )など
また子どもの場合、熱性けいれんや気管支喘息(きかんしぜんそく)などにも注意が必要です。
インフルエンザにかかり、医療機関で薬を処方された後も急に体調が悪化するケースもあります。以下のような状態がみられた際は、迷わず医療機関へ相談しましょう。
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息苦しそう
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くちびるや顔色が悪い(むらさき色)
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咳が止まらない、ゼーゼー(ヒューヒュー)音が聞こえる
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目の焦点があっていない
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話し方がいつもと違う など
過度に神経質となる必要はありませんが、状態が落ち着くまでは定期的な体温測定と症状をメモに記載しておくと医療機関受診の際にも役立ちます。
感染力のある期間
インフルエンザの症状があらわれてから1日間~7日間ほどは感染力のある期間です。
症状があらわれたあと、6日目~7日目ほどで症状が治まると同時にインフルエンザウイルスの感染力は弱くなります。[1]
インフルエンザ感染者が咳やくしゃみで排出したウイルスを、感染していない人が吸い込んだりウイルスがついたものをさわった手で、口や鼻をふれることで感染します。
インフルエンザウイルスは、密閉された空間で乾燥していると長時間生き残り感染力も高まるため加湿と換気も重要です。
またインフルエンザは、感染後すぐに症状がでるわけではありません。
体の中でウイルスが増える潜伏期間を経たあと症状があらわれるため、数分で結果のわかる検査をしても「陽性」がでにくいケースも多くあります。
インフルエンザは症状があらわれた日を発症0日とし、翌1日目~2日目が感染力の最も強いピークをむかえることから、症状がでた翌日の受診をおすすめします。
インフルエンザの症状があらわれ、短時間で症状が悪化している際はすぐに医療機関へ受診しましょう。
インフルエンザの初期にあらわれる症状
インフルエンザの初期症状は、以下のとおりです。
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38℃以上の発熱
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頭痛
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筋肉痛
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体の節々が痛む
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全身倦怠感
インフルエンザは、初期症状のあと咳やのどの痛み・鼻水など風邪症状があらわれます。
流行する年によって初期症状に加え、吐き気や食欲がないなどの症状があらわれるケースもあることを理解しておきましょう。
インフルエンザと思われる症状があらわれた際は、できる限り早めの対策が重要です。
同居家族との接触を避ける、会社や学校に通っている人は周りに広げないよう早退するなど対策を心がけましょう。
医療機関へ受診の際は、どのような症状があらわれたか体温などをメモに書いておくとスムーズに状況を伝えられ、治療へつながります。
いつから学校や会社に行ってもよいのか
インフルエンザに感染した場合、学校に通う人は、学校保健安全法施行規則で出席停止期間が定められています。[3]
社会人の出社へ対する出社停止期間は、法やガイドラインがありません。
会社独自で決めているところや、学校保健安全法施行規則をもとに出勤停止期間を設けているところもあります。
保育所における感染症対策ガイドラインで、出席停止期間が1日長い理由は乳幼児が病気に対する抵抗力や体が弱いためです。[4]
以下の表に、インフルエンザに感染した際の出席停止期間をまとめました。
学校 |
保育所・幼稚園 | |
出席停止期間 |
発症後5日を経過しかつ解熱後2日を経過するまで |
発症後5日を経過しかつ解熱後3日を経過するまで |
発症後1日目に解熱 |
発症後6日目以降から登校可能 |
発症後7日目以降から登園可能 |
発症後2日目に解熱 | ||
発症後3日目に解熱 | ||
発症後4日目に解熱 |
発症後7日目以降から登校可能 |
発症後8日目以降から登園可能 |
発症後5日目に解熱 |
発症後8日目以降から登校可能 |
発症後9日目以降から登園可能 |
発症後6日目に解熱 |
発症後9日目以降から登校可能 |
発症後10日目以降から登園可能 |
インフルエンザに感染した発症日と発症後(解熱した日)の数え方は、症状があらわれた発症日と解熱した日を「0日」とし翌日から発症後や解熱後1日目とします。
インフルエンザを発症してからの出席停止期間は、目安としてとらえましょう。出席停止期間が終わっても、症状が続く場合は医師へ相談し休養期間を延長するなど検討する必要があります。
乳幼児の場合は、解熱後に再び発熱するケースもみられるため、症状が治まるまで定期的に検温することが重要です。
よくある質問
インフルエンザ発症後、熱が下がると体調が改善する人も多くいます。感染者が社会人であれば、感染力があるとされる期間の療養ができない人もいるでしょう。
ここでは解熱後すぐに外出できるのか、インフルエンザ発症してから隔離期間や感染力のある期間について解説します。
インフルエンザ発症後、すぐに熱が下がったので外出してもいいですか?
熱が下がっても、インフルエンザを周りに広げるため外出するのは控えましょう。
インフルエンザ感染力は、発症後1日~3日程でピークをむかえ7日間程まではウイルスのでている可能性があります。
人が集まる場所へ行けば、あなたが感染源となり新たな感染を起こします。
不要不急の外出はできるだけ避けるようにし、どうしても外に用がある場合は家族にお願いするなどしましょう。
発症後、熱が下がり次第出社するように言われたのですが可能ですか?
インフルエンザは発症から7日間程は感染力があるため、どうしても出勤しないといけない場合は担当医師へ相談をしましょう。
医師があなたの症状や、必要があれば検査などをおこない総合的に判断します。
熱が下がった後も、咳やくしゃみなど症状が続く場合は休養することをおすすめします。周りに広げないことや、自身の体調を優先することも重要です。
インフルエンザは5日目まで感染力がありますか?
インフルエンザ発症後7日間程まで感染力があります。
発症から1日~3日目に最も強い感染力のピークをむかえたあと、症状が治まると同時に6日目~7日目で感染力が弱くなります。
同居する家族がいる人は、家庭内感染を防ぐためにも感染力のある期間を理解しておきましょう。
インフルエンザの隔離期間は大人で何日ですか?
インフルエンザ発症後、感染力のある7日目までの隔離が理想的です。
家族の状況によって7日間の隔離が難しい場合は、感染力のピークである発症後1日~3日程は部屋をわけるなど対策が必要です。
7日間の隔離期間が過ぎても、症状が完全に治るまではマスクなど予防対策を徹底しましょう。
まとめ|インフルエンザの隔離期間を理解して感染拡大を防ごう
インフルエンザは、通常の風邪とは違い感染力が強いため1度広がり始めると一気に感染拡大します。症状も強く、乳幼児や高齢者など重症化するリスクもあります。
インフルエンザを周りに広げない、感染しないためには隔離と予防が重要です。
インフルエンザは、隔離したから安心ではありません。家庭内感染を防ぐためには、感染者と共有する箇所の消毒や換気と加湿を徹底しましょう。
会社や学校・保育所においては、出席停止期間を設けることで感染者の療養だけでなく周りへの感染拡大を防ぎます。
毎年11月下旬から12月上旬頃に始まり、翌年の1月から3月頃まで患者が増え続けるため誰でも感染する可能性があります。
インフルエンザを発症しても、周りへ広げないために感染力のある期間や隔離期間を理解して感染拡大を防ぎましょう。
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参考文献
[1]日本感染環境学会「季節性インフルエンザのウイルス排出量をもとにした院内での隔離期間についての検討」
本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。
具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。