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インフルエンザによる咳は遅れてあらわれるのが特徴
インフルエンザによる咳は感染初期には比較的軽く、症状の進行とともに悪化する傾向があります。
はじめはコンコンとした空咳がみられますが、次第に痰(たん)が絡んでゴホゴホと響く咳へ変化するのが一般的です。
また、ほかのインフルエンザの症状が治まったあとも咳だけが続く場合があります。
数週間続くこともあり、場合によってはゼェゼェとした息苦しさが6〜8週間持続するケースもあります。
インフルエンザにかかり、咳がなかなか治らないと不安になる人も少なくありません。
しかし、ほとんどの場合は時間の経過とともに自然に改善します。
十分な休息をとりながら焦らず回復を待ちましょう。
インフルエンザの症状
インフルエンザのおもな症状は次のとおりです。 [1]
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38℃以上の発熱
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頭痛
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関節痛
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筋肉痛
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全身のだるさ
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のどの痛み
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鼻水
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咳
イン フルエンザ の体調不良は悪寒から はじまり、最初の数日間で発熱する場合が多いです。
体温が上がりやすく39℃を超えることもあります。
症状は急速に進行して2〜3日で落ち着 く傾向にありますが、強い倦怠感 や脱力感により数日間寝込む人も少なくありません。
さらに風邪と同じような症状として、のどの痛み・鼻水・咳などの症状もみられます。
急に高熱が出た場合は、インフルエンザにかかっているかもしれません。
症状が落ち着くまでは無理をせず、できるだけ横になって身体を休めましょう。
関連記事: インフルエンザの症状や経過を確認しよう
インフルエンザによる咳はなぜ起こる?
咳は異物やウイルスを体内に侵入させないように起こる防御反応です。
気道の粘膜に異物やウイルスが付着すると、刺激を受けた気道の神経から脳に情報が伝えられます。
この情報により、異物を排除するため反射的に起こるのが咳です。
一方でインフルエンザ感染後に咳が長引く原因は、ウイルスが気道で起こした炎症のためです。
炎症によって気道が敏感な状態になると、ダニ・ホコリ・タバコの煙といったわずかな刺激にも反応しやすくなり、咳が頻繁に出てしまいます。
さらにインフルエンザの合併症や二次感染などの病気も、気道で炎症を持続させて咳が長引く原因になります。
咳を長引かせる可能性がある病気は以下のとおりです。[2]
病名 |
症状・特徴 |
肺炎[3] |
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気管支炎[4] |
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副鼻腔炎[5] |
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咳が長引く場合は、二次感染や合併症を起こして咳が続いているのかもしれません。
症状を放置しているとさらに咳を悪化させる可能性があるので、咳が止まらないときは早めに医療機関を受診しましょう。
インフルエンザによる咳が止まらない!対処法は?
インフルエンザによる咳は次第に治るのが一般的ですが、長く続く場合には医療機関の受診を検討するべきです。
「ただの咳だから大丈夫」と侮らず、咳が長引く場合に注意すべき症状を知り、適切な治療を 受け ましょう。
医療機関を受診する
インフルエンザ感染後に咳が長引いている場合には、気管支喘息や肺炎などの合併症を起こしている可能性があるので医療機関の受診を検討しましょう。
受診すべき症状のチェックリストは以下のとおりです。
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胸の痛み
肺炎のおそれがある。 [8]
呼吸をするだけでも胸の痛みを感じる場合がある。 -
高熱が下がらない
肺炎のおそれがある。 [3]
3〜4日経っても熱が下がらない、もしくは体温が上がったり下がったりするのが肺炎の特徴。 [3] -
血痰(けったん)が出る
肺炎のおそれがある。
鮮やかな赤い血が痰に混ざるのが肺炎の特徴。
子ども・高齢者・妊婦・持病を抱える人は症状が悪化しやすいため、様子をこまめにチェックするのがおすすめです。
長引く咳に加えて上記の症状に該当するときは、早めに呼吸器内科や小児科を受診しましょう。
インフルエンザによる肺炎|二次感染のリスクが高い人は?
インフルエンザにかかると、のどに炎症が起きたり全身の抵抗力が低下したりすることで、肺炎のような二次感染を引き起こしやすくなります。
とくに二次感染に注意すべき人の特徴は以下のとおりです。[9]
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妊娠中の女性
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5歳未満の乳幼児
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高齢者
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慢性疾患のある人(例:心臓・肺・腎臓・肝臓の病気の人、糖尿病の人、神経や血液に関わる病気を持つ人)
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免疫力が低下している人(例:がんの治療をしている人、HIVに感染している人)
細菌に二次感染して起こる肺炎は、症状が重くなりやすい傾向があります。
たとえば高齢者施設の入所者がインフルエンザで亡くなったが、実は細菌性肺炎が死亡原因だったという事例も珍しくありません。
インフルエンザに感染した場合は、二次感染を起こしやすい人に該当しないかチェックしましょう。
高齢者や子どもは症状の変化を見逃しやすいため、家族が注意深く様子を観察することで肺炎の早期発見につながります。
インフルエンザの子どもの咳がひどい!合併症の可能性も
子どもがインフルエンザにかかり咳がひどい場合は、合併症の可能性を考えることが大切です。
スウェーデンでおこなわれた調査の結果、インフルエンザに感染した18歳未満の子どもの41%が、なんらかの合併症を発症していると報告されたためです。[10]
インフルエンザにかかった子どもは、咳と関連深い次の合併症を起こすことがあります。[10]
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肺炎
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副鼻腔炎
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喘息などの持病の悪化
小さな子どもは自分で症状をうまく伝えられない可能性があります。
「呼吸が苦しそう」「息をするとゼェゼェという音がする」などの症状がないか、保護者がこまめに様子を見守りましょう。
家庭でできる応急処置法
インフルエンザの咳を和らげるために、家庭でできる応急処置法は次のとおりです。
方法 |
具体的な内容 |
加湿器の使用 |
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水分補給 |
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十分な休息 |
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市販薬の活用 |
【鎮咳作用のある成分】 例)デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物、ジヒドロコデインリン酸塩、ノスカピン塩酸塩水和物 【去痰作用のある成分】 例)グアイフェネシン、L-カルボシステイン、ブロムヘキシン塩酸塩
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インフルエンザで咳が続くと、思うように休めず身体の回復が遅れてしまうことがあります。
「咳がひどくて食事がとりにくい」「夜中に咳で目覚めてしまう」など日常生活に支障をきたしている場合は、無理せず市販薬を活用しましょう。
咳が続く場合の日常生活での注意点
インフルエンザで咳が続く場合、日常生活における注意点は次の3つです。
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食事
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睡眠環境
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周囲への配慮
日々の生活で心がけるポイントを知り、普段どおりの生活に早く戻れるようにしましょう。
食事
ビタミンやミネラルを摂取すると、身体の回復を促し咳の改善に効果的です。
とくに以下の栄養素は免疫力を高める作用があるため、咳が長引いているときは意識的に食事に取り入れましょう。
栄養素 |
特徴 |
ビタミンC | |
亜鉛 |
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インフルエンザから回復し普段どおりの食事がとれるようになったら、咳の回復を助ける栄養素をとるよう意識しましょう。
睡眠環境
寝室の湿度と室温を適切に保ち、睡眠環境を整えると咳が和らぐ可能性があります。
具体的には次の3つを改善すると効果的です。
環境 |
対策 |
枕 |
枕をいつもより高めにすると咳が和らぐことがあります。 気道が圧迫されにくくなり呼吸が楽になるためです。 |
室温 |
室温が低い場合は部屋を温めるようにしましょう。 冷たい空気が刺激となり咳が悪化するのを防ぐためです。 |
湿度 |
暖房器具を使用するときは湿度をチェックし、50%を下回るようなら加湿器を使用してのどを乾燥から守りましょう。 暖房を使用することで空気が乾燥し、のどの粘膜が刺激を受けて咳を悪化させる可能性があるためです。 |
寝ている間も咳が続くと体力が消耗し、治りが遅くなる可能性があります。
十分な睡眠をとり、早く普段どおりの生活に戻れるよう睡眠環境を整えましょう。
周囲への配慮
インフルエンザのときは咳エチケットを守り、周囲の人へ感染させないように心がけましょう。[17]
インフルエンザにかかった人の唾液にはインフルエンザウイルスが含まれており、咳やくしゃみが飛沫感染の原因になるためです。[19]
急に咳が出たときのためにマスクを着けておくと安心です。
マスクは鼻からあごまでを覆うように装着し、隙間がないようにしましょう。
周囲への感染予防策
インフルエンザによる咳は周囲への感染リスクを高めます。
マスクや手洗い、うがい、消毒などの基本的な感染対策を徹底しましょう。この感染対策による効果や具体的な方法を紹介します。
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マスクの着用[17]
マスクを着用すると咳やくしゃみを飛散させずに済むため、飛沫感染の予防に効果的です。
マスクがない場合は咳やくしゃみを手で受けるのは避けて、上着や袖で鼻と口を覆いましょう。
周囲の人と2mほど距離をとってから、咳やくしゃみをするのもおすすめです。 -
手洗い・うがい[1]
手にはインフルエンザウイルスが付着している可能性が高いため、咳がひどい場合は手洗いをして感染拡大を防ぎましょう。
帰宅後や食事前に石けんで洗うと、接触感染の予防に効果的です。
さらにうがいをするのもおすすめの方法です。 [18]
のどに付着したウイルスを洗い流し、ウイルスが増殖するのを抑える効果が期待できます。
帰宅したタイミングを中心に1日4回ほどうがいをしましょう。 -
消毒
手でよくふれる部位はインフルエンザウイルスが付着しやすいため、消毒しておくと感染が広がるのを予防できます。
70%以上のアルコールか、0.02%の次亜塩素酸ナトリウムがインフルエンザウイルスに有効です。
ドアノブやリモコンなど、多くの人がふれる場所はあらかじめ消毒しておきましょう。
マスクの着用や、手洗い・うがいが感染対策の基本です。
ポイントをおさえて、周りの人にインフルエンザをうつさないよう意識しましょう。
関連記事:インフルエンザが治癒したかの判断は何日後?感染力は?家族がかかった時の対処についても解説
インフルエンザが治ったあとの咳はうつる?
インフルエンザが治ったあとは、咳をしてもほかの人にうつす可能性は低いです。
インフルエンザウイルスの感染力があるのは、発症から3~7日間といわれているためです。[19]
とくにウイルスがもっとも多く排出されるのは発症後2日目で、3日目以降は徐々に感染リスクが減っていきます。
咳が続いていると「周囲にうつしてしまうのでは?」と不安になるかもしれませんが、発症から1週間が経っていればうつす可能性はほとんどありません。
周囲に不快感を与えないよう、咳が続く場合は咳エチケットやマスクの着用を心がけましょう。
咳が続いていても仕事・学校に行ってもいいの?
インフルエンザに関しては、学校保健安全法で以下の出席停止期間が定められています。[1]
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発症したあと5日が経過
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解熱したあと2日(幼児の場合は3日)が経過
発症した日を0日目として数え、この2つの条件を満たすまでは学校に出席できません。小学生以上の子どもは、上記の日数を目安に学校を休ませましょう。
幼稚園の場合は解熱後3日が経過しなければ登園できません。
保育園の場合は学校保健安全法の適応外ですが、幼稚園と同じ日数を休ませることが推奨されています。
一方、大人の出勤停止期間は法律で定められていません。
「何日経ったら出社していいのかな?」と迷ったときは、勤務先や医療機関 に相談するとよいでしょう。
咳が続いている場合は学校や会社に復帰したあともマスクを着用し、周囲への配慮を心がけましょう。
関連記事:インフルエンザでの待機期間は?学校や会社の出席停止期間も解説
まとめ|インフルエンザによる咳が続く場合は受診を検討しよう
インフルエンザによる咳はほとんどの場合自然に治りますが、長引いたり重症化したりすることもあります。
発熱のほか胸の痛みや血痰といった症状がある場合は、肺炎を起こしているかもしれません。
咳以外に気になる症状があるときは、放置せず早めに医療機関を受診しましょう。
また、家庭でできる簡単な対処法を取り入れれば咳を軽減できる可能性があります。
周囲へ感染を広げないためのポイントも守りつつ、咳が治るまで無理をせず穏やかに過ごしましょう。
症状がつらくなったときに病院が休みだったらどこを頼ればよいのか困ってしまいますよね。
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参考文献
[8]痛がっている(胸) - 白クマ先生の子ども診療所|日本医師会
[10]Nayak, J,et al. Influenza in children.2021 Jan;11(1):a038430.
[14]インフルエンザ脳症とNSAIDsの関連性は?|福岡県薬剤師会
[15]Carr, A.C, et al.Vitamin C and Immune Function.2017 Nov 3;9(11):1211.
本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。
具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。