インフルエンザの経過と治るまでの期間
インフルエンザウイルスは大きくわけてA型・B型・C型の3種類があり、さらに細かい亜型に分かれています。ここでは、それぞれの種類の経過や治るまでの期間をご紹介します。
A型の症状と治るまでの期間
一般的に皆さんが想像される、急に熱が出て全身的な症状も強いインフルエンザがA型です。38℃以上の高熱や悪寒、頭痛、筋肉痛、関節痛、全身倦怠感などが突然現れるのが特徴です。
その後咳や喉の痛み、鼻水、くしゃみなどの上気道炎症状が続くことがあります。12~3月頃に流行し、一般的に熱が下がるまでの期間は1~2日、全身症状が軽快するまでの期間は約1週間です。
B型の症状と治るまでの期間
インフルエンザB型はA型の症状とほとんど同じで、38℃以上の高熱や悪寒、頭痛、筋肉痛、関節痛、全身倦怠感などの症状が突然現れます。その後咳や喉の痛み、鼻水、くしゃみなどの上気道炎症状が続くことがあります。2月頃から春先にかけて流行し、熱が下がるまでの期間はおよそ2~3日、全身症状が軽快するまでの期間は約1週間です。
インフルエンザB型はA型に比べると軽症であるイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、実際はB型でも重症化するケースがあります。
インフルエンザは、一回熱が下がっても再び上がることがあります。
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C型の症状と治るまでの期間
インフルエンザC型のおもな症状は発熱や咳、鼻水です。2日程度で熱が下がることが多く、A型やB型より症状が軽い傾向があります。インフルエンザC型は一度感染すると一生かからないウイルスのため、4歳以下の子どもに多く1〜6月頃に流行するのが特徴です。
1日で熱が下がる場合はある?熱のピークは?
インフルエンザの症状は個人差があり、なかには1日で熱が急激に下がるケースもありますが、これには医学的な理由があります。インフルエンザにかかりウイルスが体内で活動を始めると、免疫システムが反応し体温を上昇させることでウイルスと戦います。これが一般的にインフルエンザが高熱を出す病気の理由です。
しかし、体がウイルスに対応して一時的にその活動を抑え込むと、体温は急激に下がることがあります。特にあらかじめインフルエンザの予防接種をしていたり、抗インフルエンザ薬を内服していたりすると生じやすい現象ですが、必ずしも完全に回復した状態ではありません。まだ体がウイルスと戦い続けており、症状が一時的に緩和している状態であることがほとんどです。
そのため、たとえ熱が1日で下がったとしても、インフルエンザウイルスが体から完全にいなくなったわけではないため、油断は禁物です。熱が下がった後も体は本調子ではないため、しっかりと休息を取ることが大切です。
また、一時的に熱が下がった後にも、再び症状が悪化することもありますので、症状の変化を確認し、必要に応じてお近くの病院へ受診することも大切です。ウイルスが完全に体内からいなくなり、治癒したといえるまでは十分な時間と適切な治療が大切ということですね。
なお、お子さんの場合には、学校保健安全法でもインフルエンザの出席停止期間として「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児は3日)を経過するまで」と決められています。たとえ熱が1日で下がったとしても、発症から5日経過するまでは他の子へインフルエンザをうつしてしまう可能性があり、出席することができないので注意してください。
インフルエンザで病院へ受診するタイミングは?インフルエンザ薬は効果あるの?
インフルエンザの基本的な治療はゆっくり休むことです。そのため、必ずしも医療機関を受診する必要はありません。ただし、持病のある方や妊婦、5歳未満の子ども、65歳以上の高齢者は重症化のリスクがあるため早めの受診が推奨されています。
ここでは、インフルエンザにかかったときに受診するタイミングや抗ウイルス薬の効果について解説します。
初期症状が出てから12時間以降・48時間以内の受診が望ましい
インフルエンザの疑いで医療機関を受診する場合、以下のような初期症状が現れてから12~48時間以内のタイミングが適しています。
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38度以上の高熱
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強い倦怠感・悪寒
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筋肉痛・関節痛
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激しい頭痛
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咳・喉の痛み
現在流通しているインフルエンザの検査キットは、体内の体内のウイルス量が増えなければ正しく診断できません。検査の精度を上げるためには、発症から12時間以降の検査が望ましいです。
また、抗インフルエンザ薬は発症から48時間以内に服用を開始することで効果を発揮します。よって、医療機関で治療を受ける場合は発症後12~48時間以内に受診しましょう。
インフルエンザの流行のピークは過ぎたとはいえ、まだまだ油断できません。
連休に入ると移動や人の往来が増えるため、感染してしまう可能性も...
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抗ウイルス薬を服用すればすぐに治るわけではない
抗インフルエンザ薬はタミフルやリレンザ、ゾフルーザ、イナビルなどがあります。抗インフルエンザ薬はウイルスの増加を抑え、発熱などの症状を軽くする作用があります。一方で抗インフルエンザ薬には、すでに体内に存在するウイルスを減らす効果はないため、「発熱期間を1~2日間短縮する」「症状の悪化を防ぐ」といった効果にとどまります。
そのため、服用後すぐに熱が下がるわけではありません。また、ゾフルーザは薬が効きにくい「耐性ウイルス」が出現しているため、日本小児科学会では5歳未満の幼児には「積極的には推奨しない」、6歳~11歳の小児には「慎重に判断」としています。 インフルエンザに対する薬とはいえ、万能ではないということを覚えておいてくださいね。
インフルエンザで熱が出たときの過ごし方
ではインフルエンザに発症した際にはどのように過ごしたら良いのでしょうか。ここでは、インフルエンザで熱が出たときの適切な過ごし方をご紹介します。
安静にして休養をとる
体内の免疫機能を十分に働かせるために、インフルエンザが治るまでは必要最小限の活動にとどめて安静にしましょう。体内のウイルスが減り始めていても、無理に体を動かすと再びウイルスが増殖してしまうケースもあります。高熱でつらい場合・体力の消耗が激しい場合は無理に入浴せず、安静を優先しましょう。
水分や栄養分を十分に補給する
発熱時は多くの水分が体の外に出てしまうため、こまめに水分補給しましょう。お茶やスープ、ジュースなど飲みたいもので構いません。水分があまりとれない場合や脱水がみられる場合は、電解質が多く含まれる「経口補水液」がおすすめです。
また、症状が落ち着いたら抵抗力を高めるために食事もとりましょう。ゼリーやおかゆ、うどん、ヨーグルト、アイスクリームなど食べやすいもので問題ありません。症状がつらくて食欲がない場合は無理をせず、食べられるタイミングで栄養補給しましょう。
室内を保温・保湿する
インフルエンザのウイルスは低温・低湿度の環境で増殖するため、室温は20〜24度、湿度は50〜60%程度に保つのが望ましいです。
熱の上がり始めで悪寒が強い場合は暖かい素材の服を着用し、布団をかけて休みましょう。熱が上がりきったら薄手のパジャマなどに着替え、体から熱を逃がすことが大切です。
食事や水分が摂れない場合は解熱剤を使用する
体温が上がることで免疫細胞が活性化するため、高熱が出たからといって無理に下げる必要はありません。ただし、高熱によって食事や水分が十分にとれない場合は脱水の危険があるため、医師に処方された解熱剤を使用しましょう。
インフルエンザにかかったときの注意点
インフルエンザにかかったとき、注意すべき点について解説します。
市販の解熱剤を使用しない
インフルエンザでは使用してはいけない解熱剤が多いため、自己判断で市販薬を服用するのは避けましょう。解熱剤の種類によっては、インフルエンザ脳症という合併症を引き起こす可能性があり危険です。熱がつらい場合は医療機関を受診し、インフルエンザに使用できる解熱剤を医師に処方してもらいましょう。
抗インフルエンザウイルス薬は最後まで飲み切る
抗インフルエンザウイルス薬によって症状が軽快しても、処方された分は必ず最後まで飲み切ってください。服用を中断すると症状がぶり返したり、ウイルスが耐性化したりするリスクがあります。処方薬は用法用量を守り、正しく服用することが大切です。
まとめ
インフルエンザにおいて、熱が1日で下がる現象は一時的な免疫反応の結果であり、必ずしも完全な回復を意味するものではありません。この記事では、そのような症状の背景と、熱が出た時の過ごし方や注意点について詳しく解説しました。
一時的に熱が下がった後も体内では、ウイルスがまだ存在し私たちの体はウイルスと戦っている可能性があります。インフルエンザにかかってしまったときは安静にして十分な睡眠をとり、こまめな水分補給を心がけることが大切です。自己判断での市販薬の服用は避け、熱がつらい場合はぜひ一度医療機関へ受診してみてください。
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参考文献
令和5年度インフルエンザQ&A
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/infulenza/QA2023.html
日本小児科学会 予防接種・感染症対策委員会
https://www.jpeds.or.jp/uploads/files/20231122_influenza.pdf
本記事に掲載されている情報は、一般的な医療知識の提供を目的としており、特定の医療行為を推奨するものではありません。
具体的な病状や治療法については、必ず医師などの専門家にご相談ください。