神奈川県横浜市の在宅クリニック「おひさまクリニックセンター北」の清水院長にお話を伺いました。
全国に広がるネットワークとシステムによって迅速に患者さまの元へ。
清水 一郎
おひさまクリニックセンター北 院長
昭和55年 愛媛大学医学部 卒業
昭和55年 徳島大学医学部付属病院研修医
平成元年 米国ペンシルバニア大学医学部博士研究員
平成14年 徳島大学大学院消化器内科准教授
平成21年 聖隷横浜病院消化器内科部長
平成23年 昇和診療所院長
平成28年 おひさまクリニックセンター北 院長
昭和55年 徳島大学医学部付属病院研修医
平成元年 米国ペンシルバニア大学医学部博士研究員
平成14年 徳島大学大学院消化器内科准教授
平成21年 聖隷横浜病院消化器内科部長
平成23年 昇和診療所院長
平成28年 おひさまクリニックセンター北 院長
生涯にわたり支え、寄り添う在宅医療
菊池
清水先生は長らく在宅医療に関わっておられますが、日頃からどのような気持ちで診療にあたっているかを是非お聞かせいただけますでしょうか。
清水先生
“治す医療”を主眼にするのではなく、「生涯にわたり支え、寄り添う在宅医療」を実践することを大切にしています。患者さまご本人に対しては、どこまでも「自立する」という自覚を促すことを忘れてはいけません。これこそが必要不可欠な在宅医療だと考えています。
菊池
キュアよりケアと言いますが、在宅医療ならではの心構えと感じます。ところで貴院はショッピングモール内にクリニックを構え、地域に密着した診療を続けておられます。ズバリ、おひさまクリニックの魅力とはなんでしょう?
清水先生
おひさま会は当院も含めて全国で5つのクリニックが共同して、「おひさまネットワーク」という365日24時間対応のためのシステムを構築しています。365日24時間体制を一つのクリニック、一人の医師で実現するのは到底不可能ですが、複数の職種にわたって多くのスタッフや医師が共同して、成し遂げることができています。
また、全国で統一で共有している電子カルテも大きな役割を担っています。迅速に情報を引き出せるとともに発信も可能なシステムで、例えば患者さまとの窓口となる電話担当者から、現地の待機医へとスムーズに通達されることが強みであり、その機動力を誇りに思っています。もちろん、初期救急としての役割も意識しています。少しでも地域の救急患者さんへの支援と、救急病院の負担を減らす手助けになればと思っています。
また、全国で統一で共有している電子カルテも大きな役割を担っています。迅速に情報を引き出せるとともに発信も可能なシステムで、例えば患者さまとの窓口となる電話担当者から、現地の待機医へとスムーズに通達されることが強みであり、その機動力を誇りに思っています。もちろん、初期救急としての役割も意識しています。少しでも地域の救急患者さんへの支援と、救急病院の負担を減らす手助けになればと思っています。
心をケアするコミュニケーションを
菊池
「365日、24時間診察してもらえる」という患者さんからの期待値は大きい反面、それを実現する経営や現場のご苦労も大きいように感じます。これまでにどのような苦労があって、今どのような工夫をなさっているのでしょうか?
清水院長
最大の問題は、日中なら複数のクリニックの複数の担当医が実働しカバーできる範囲を、夜間・週末の場合は、一人で広範囲をカバーする必要があることです。このため時に往診距離が長く、時間がかかってしまっています。こうしたケースは月に1-2度以内と少なかったので、実働する担当医の数を増やさずにやってこれていました。
弊院だけで夜間・週末の担当医を新たに採用することも検討しましたが、持続性を考えると心もとなく、そんな中でファストドクターとの連携案が上がってきたのです。
弊院だけで夜間・週末の担当医を新たに採用することも検討しましたが、持続性を考えると心もとなく、そんな中でファストドクターとの連携案が上がってきたのです。
菊池
この度はお声かけいただきありがとうございました。ご期待に応えられるように努めてまいります。さて、2020年はコロナに始まり、コロナに終わった1年になりました。貴院でも大きな変化があったのではないでしょうか。
清水院長
これまでとの一番の違いは、施設でも居宅でも患者が、身内や知人との接触や会話が激減したり、皆無になったりしたことですよね。そのことが患者さんの心身両面で相当なダメージになっていると考えます。それに対して私たちも完全には寄り添えなかったのでは…という反省は残ります。2021年は家族も含め、より積極的なコミュニケーションをとり善処していくつもりです。
菊池
清水先生の医療者としての信念が反映されているように感じます。
清水院長
当院の理念である「生涯にわたり支え、寄り添う在宅医療」に、どこまでも本人の自立・自覚を促す対応を、365日24時間にわたって真摯に実践すること。そして、共に働くスタッフとは日々楽しい雰囲気の中で気持ちよく本音のコミュニケーションを取り合いたいと願っています。
24時間体制を共に培う
菊池
最後に、貴院の今後のご展望と、ファストドクターと連携することによって期待することについてお伺いさせてください。
清水院長
先程お伝えしたように、夜間・休日は、当直医が一人で広範囲をカバーする必要があり、往診距離が長く、患者さんのところに到着するまでに長い時間がかかっていました。ファストドクターと連携することで、こうした課題の解決を期待しています。
今後とも、継続的な意見交換を重ねて、双方の立場を理解できる良好な関係を築きたいですし、そのためにも、ファストドクター側からも、忌憚のない意見を発信していただきたいと思っています。
今後とも、継続的な意見交換を重ねて、双方の立場を理解できる良好な関係を築きたいですし、そのためにも、ファストドクター側からも、忌憚のない意見を発信していただきたいと思っています。
菊池 亮
ファストドクター株式会社 代表取締役・医師
2010年帝京大学医学部卒業。帝京大学医学部附属病院、関連病院にて整形外科に従事後、2016年にファストドクター株式会社を創業し代表取締役に就任。帝京大学医学部救急医学講座を兼務。日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医、一般社団法人日本在宅救急医学会評議員。